チャットボット運用における改善ポイント・よくある課題
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チャットボット運用におけるよくある課題
チャットボットの導入によって、オペレーターの負担を軽減できたり、スピーディーな回答によって顧客満足度を高められたりします。しかしながら、導入後の運用がうまくいかず、課題を感じる企業も少なくありません。チャットボット運用のよくある課題として、次のものがあげられます。
- 利用率が低い
- 運用に時間を割けない
- 効果が出ているのかわからない
利用率が低い
チャットボットを導入したものの、ユーザーの利用率が低いケースです。そもそもチャットボットの存在を知らない、求めていた回答が得られず離脱してしまった、など利用率が低い理由はさまざま。利用率が低いと効果検証もできないので、まずはユーザーからのアクセス数を増やす工夫が必要です。
運用に時間を割けない
導入したのものの運用に時間を割けない、といった課題です。チャットボットの導入時点では熱量が高かったものの、実際に運用が始まったら想定以上に工数がかかり悩んでいる企業も少なくありません。
チャットボットは導入後の分析こそ重要です。ユーザーの利用状況を閲覧・分析したり、データをもとに回答をアップデートしたりといった作業が欠かせません。
ユーザーの利用率向上や回答精度アップを目指すのであれば、相応の時間とリソースが必要です。
効果が出ているのかわからない
導入したものの、本当に効果が出ているのかわからないといったケースです。チャットボットでは、ユーザーの利用状況を見ながら、必要に応じて回答をアップデートします。しかし、実際に効果が出ているのか把握するためには、「導入前」のデータが必要です。
導入前のデータを数値化していなければ比較ができないため、打つべき施策も見えません。「漠然とした運用」をしている方は、問い合わせ件数や解決率、応対時間など、まずは数値の可視化から始めることが大切です。
チャットボットの運用がうまくいかない理由
チャットボット運用において企業が抱えがちな課題をお伝えしましたが、そもそも、なぜ運用がうまくいかないのでしょうか。その理由を3つ紹介します。
- 事前準備ができていない
- 回答の量にこだわっている
- 想定外の質問に対応できていない
事前準備ができていない
事前準備の不足は、チャットボットがうまくいかない大きな理由の一つです。準備不足ができていない例として次のものがあげられます。
- ユーザーがチャットボットの存在を知らない(=周知させる施策を考えられていない)
- チャットボット運用に時間を使えていない(=工数の把握ミス)
- 効果がわからない(=導入前後のデータを記録していないため比較できない)
ユーザーの利用率が低い、運用に時間が割けないといった「よくある課題」の原因の多くは、事前準備の不足にあるといえます。
回答の量ばかりにこだわっている
チャットボットでは、ユーザーから寄せられるさまざまな質問に回答しなければなりません。しかし、「多くの質問に対応したい」と考えるあまり、回答の量にばかりこだわると、回答精度は低くなってしまいます。
回答精度が低い、すなわち相手の求める回答を提示できていないので、ユーザーの離脱につながります。もちろん、用意する回答量も大切ですが、「質」を保つのが大前提です。ユーザーの満足度を高めるためにも、量よりも質を意識したチャットボットを構築しましょう。
想定外の質問に対応できていない
チャットボットの構築では、聞かれるであろう質問を予想しながら回答を用意しますが、「想定外の質問」も出てきます。そうした質問への対応が準備できていなければ、ユーザーの満足度が下がってしまいます。具体的な対策としては、有人チャットに切り替える、電話番号を伝える、などです。
すべての質問を完璧に予想し、それに沿った回答を用意するのは不可能といえます。そのため、はじめから「想定外の質問も来る」ことを踏まえ、適切な対応を準備しておきましょう。
チャットボットの成果が出ないときの改善ポイント
チャットボットの成果が出ない理由はさまざまです。成果が出ないとき、どのような点を意識すべきなのか、その改善ポイントを紹介します。
- チャットボットの存在を周知する
- 選択肢や入力例を示す
- 離脱を防ぐシナリオに改善する
- FAQを充実させる
- 対応できる質問の内容や方法を提示する
- 運用におけるKPIを設定する
チャットボットの存在を周知する
チャットボットの利用率やアクセス数が低い場合、そもそもユーザーがチャットボットの存在を知らない可能性があります。存在を周知させるためにも、ホームページのわかりやすい場所に「問い合わせにはチャットボットも活用ください」といった説明を記載するとよいでしょう。
ほかにも、「よくある質問」や「問い合わせフォーム」のページからチャットボットにすぐリンクできるような仕組みを作っておくのもおすすめです。
社内向けのチャットボットを運営している場合は、オフラインで説明会を開いたり、普段使っているコミュニケーションツールにチャットボットを設置したりする方法が効果的です。
選択肢や入力例を示す
チャットボットは使われているものの質問回数が少ない場合、ユーザーが何を質問すればよいかわからず離脱している可能性があります。その場合は、ユーザーが質問しやすい環境を作るために、選択肢や入力例の設置がおすすめです。「質問がわからない」と悩むユーザーを支援することで、最終的に求める回答まで案内します。
ほかにも、頻繁に寄せられる質問には「〇〇にお困りの方はこちら」といった専用ボタンを用意し、ユーザーの手間を省いてあげるのも一つの方法です。このような対策でユーザーの満足度が高まれば、「またチャットボットを使いたい」と利用率も高まります。
離脱を防ぐシナリオに改善する
チャットボットにおけるシナリオとは、ユーザーが質問をして回答を得られるまでのプロセスのことです。チャットボットでは選択肢を提示(選択肢のない場合もある)し、何度かレスポンスを繰り返しながら、最終的にユーザーの求める回答を提示します。
シナリオでは前後の質問のつながりが重要です。前の質問と関連性の低い質問が用意されていれば、ユーザーも離脱しやすくなります。ユーザーが求める回答にたどり着けるよう、質問のつながりを意識しながらシナリオを設計しましょう。
FAQを充実させる
FAQとは、「質問に対する回答」のことです。最初は利用率が高かったものの、徐々にアクセスが減っていった場合、FAQが不足している可能性があります。ユーザーの離脱率を下げるためにもFAQを充実させることが大切です。よくある質問はもちろん、頻度は少ないが想定される質問も漏れなく用意しておきましょう。
多くのチャットボットツールには、「回答を用意できていなかった質問」を集計・分析する機能が備わっています(=アンマッチデータ分析)。この機能を活用し、ユーザーの求める回答を用意しましょう。また、想定外の質問が来たときに備えて、有人チャットや電話窓口への導線を作っておくことも重要です。
対応できる質問の内容や方法を提示する
このチャットボットがどのような質問に対応しているのか、トップページであらかじめ伝えておきましょう。チャットボットを初めて利用する人は、質問の内容や仕方のイメージが掴めていないことが多いです。
「どのような質問なら回答できるのか」「もし質問に対して理想の回答が得られなかったらどうすべきか」を提示するといった、初めてでも安心して使えるシステムを構築しましょう。
運用におけるKPIを設定する
チャットボットの運用効果を可視化し、必要な改善を実施するためには適切なKPIの設定が必要です。たとえば、KPIの設定項目例として次のものがあげられます。
- 利用率
- 解決率
- 有人問い合わせ対応数
- 対応工数
- CV率
利用率
チャットボットが使われた割合です。Webサイトやアプリ、SNSなどそれぞれ訪問したユーザーのうち、どのくらいの割合でチャットボット画面が開かれたか、チャットボット対応が発生したかの割合を算出できます。
解決率
チャットボットが解決した質問の割合です。たとえば、チャットボットが回答したあとに、「この回答は役に立ちましたか?」などのテキストを表示させ、「はい」「いいえ」をクリックできるようにし、「はい」と回答された件数をもとに算出できます。
有人問い合わせ対応数
チャットボットから有人対応へ切り替えた数です。ただ単に件数を記録するだけでなく、どのような質問内容で有人対応にいたったのかを明確にしておくと、今後のスムーズな対応につながります。
対応工数
チャットボット運用に要する工数です。チャットボットの導入目的が「生産性の向上」や「問い合わせ対応工数の削減」などの場合、問い合わせにかかる業務時間や工数を明確にしましょう。
CV(コンバージョン)率
チャットボットにアクセスしたユーザーのうち、商品の購入や資料請求につながった割合です。チャットボット内に購入への導線を設置している場合、CV率を可視化することで効果が見えやすかったり、改善点が洗い出せたりします。
チャットボット運用は改善ポイントを押さえて成長させよう
チャットボットを導入したものの、思ったように効果が出ないと悩む企業も少なくありません。そもそもチャットボットの利用率が低かったり、運用に時間を使えていなかったりと、企業によって課題もさまざまです。
チャットボットを効果的に運用するためには、システム自体の周知や回答精度、想定外の質問への対応などが求められます。離脱を防ぐためのシナリオを作成する、有人チャットへ切り替え体制を整えるといった、ユーザーの満足度を高めるための工夫が必要です。
ただし、チャットボットには種類が豊富にあるため、自社の課題やシステムの特徴、導入形態に合わせたものを比較検討して選ぶことをおすすめします。