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インサイドセールスの初期設計で決めておくべき3つのポイント - ISCon2019セッションレポート【全スライド公開中】

最終更新日:(記事の情報は現在から1752日前のものです)
欧米ではすでに一般的だといわれるインサイドセールスは、日本でもここ数年関心が高まりつつある。6月5日に開催されたInside Sales Conference2019では、業界をけん引する企業によるセッションやワークショップ、デモ体験などが行われ、多くの企業担当者が足を運んだ。本記事では、セッションの中からスマートキャンプCOO阿部慎平によるインサイドセールス立ち上げ時に重要なポイントの解説、ドコモ・ヘルスケア、マクニカの2社による立ち上げ事例を紹介する。

昨年に続き2回目となる Inside Sales Conference が、6月5日、虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された。参加企業はCRM・MA、オンライン商談、営業支援などのツールやサービスを提供するベンダー28社。3会場で行われたセッションでは、事前申し込みで満席になる会や、立ち見が出る会もあり、来場者の関心の高さが伺えた。

本記事では、SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」および弊メディア「ボクシルマガジン」、インサイドセールス支援の「BALES」を運営するスマートキャンプCOO阿部による、インサイドセールス立ち上げのポイントに関する解説、そしてドコモ・ヘルスケア、マクニカの2社の導入事例が紹介されたセッションをリポートする。また、セッションで使われたスライドは全ページダウンロードできるため(本記事末にて閲覧可能)、本記事とあわせて参照してもらいたい。

登壇者は、左からスマートキャンプ取締役COO 阿部慎平、ドコモ・ヘルスケア 辻浦秀将氏、マクニカ 堀野史郎氏

インサイドセールス立ち上げ時の初期設計はどうする?【スマートキャンプ】

同セッションは「インサイドセールスで重要な初期設計~決めておくべき3つのポイント」と題して行われた。最初に弊社COO阿部が登壇しインサイドセールス市場全体と3つのポイントについて解説した。

阿部はSaaS業界レポートの執筆、事業・人事戦略の策定、インサイドセールス支援サービス「BALES(ベイルズ)」の事業立ち上げなどを担当し、2019年度セールスフォースユーザー会インサイドセールス分科会会長も務めている。

インサイドセールスは黎明期

阿部:まずは、インサイドセールスを取り巻く環境を簡単に確認しておきましょう。

Googleトレンドでキーワードの検索ボリュームを見るとわかりやすいですが、インサイドセールスが日本で盛り上がってきたのはここ5年。中でも本当に盛り上がってきたのは、ここ3年のことなんです。

また、セールスフォースさんの資料によれば、インサイドセールスの認知度は企業規模に関わらず約3割程度。普及率を見ると、全体の平均は10%未満とまだまだ低い。

つまり、インサイドセールスは黎明期。何のためにやるのか?どんな施策をすればいいのか?よくわからない人が多く、⽬的や施策などは⽇々アップデートされる⼿探りのフェーズだと言えます。

初期設計で決めておくべき3つのポイント

阿部:手探りの時期と言いましたが、弊社は2017年9月からBALES(ベイルズ)というインサイドセールス支援のサービスを立ち上げ、これまで100社以上の支援を行ってきましたので、知見はたまりつつあります。

そこで、初期設計で決めておくべきポイントを3つあげました。目的、施策方針、そしてKPIです。

何を「目的」として立ち上げるのか?

阿部:まず、インサイドセールスを立ち上げる目的について考えてみましょう。

これまでは、マーケがインバウンドリードを獲得し、フィールドセールスがアウトバウンド、リードに対するアプローチ、そして営業にも出る。フィールドセールスは非常に忙しく、せっかくとったリードを放置してしまうなど、効率的な営業ができない状態が多く発生していました。

インサイドセールスを導入すると、BDR(Business Development Representive)でアウトバウンドリードを獲得し、SDR(Sales Development Representive)で獲得したリードを商談化と役割分担ができるため、フィールドセールスは営業に集中して取り組めるようになります。さらに営業はオンラインセールスを取り入れることで生産性の向上を図れます。

選任部隊がコールするので、フィールドセールスが忙しい中でやるよりも生産性は高く、SDRプロセスで専任部隊が新規、失注、休眠リードを追って、商談を取りこぼすことが少なくなる。Web商談で移動時間を短縮でき、1日の商談件数を大幅に増やせることも大きなメリットですね。

海外ではインサイドセールス=SDRと考える場合が多いようですが、BDR、オンラインセールスとあわせた3つを整えていったほうが、施策はたてやすくなります。

では、自社の目的をどこに置くべきなのか。

まず、リードと商談件数が十分にないと、オンラインセールスをやる理由はそもそもないですよね。リードがないのであれば、まずはリードを取りに行く。商談件数がないのであれば、商談を作るためにSDRのプロセスを設けるべきだと言えます。

自社の状況に合わせて、リードを増やしたいのか、商談を増やしたいのか、商談を増やすための生産性をあげたいのか、この目的を定義してインサイドセールスをはじめるのが非常に重要だと思います。

「施策」をどう組み立てるか

阿部:次に、インサイドセールスの施策の考え方について説明します。

オンラインセールスには、商材やサービスによって相性があることを理解してほしいと思います。マップの軸としては、サービス条件と市場攻略の難易度を置いています。

基本的に単価が安い、導入がラク、影響する範囲が限られているほうがオンラインセールスはやりやすいです。たとえば、月額1万円の商材ならば、Web商談で決めてしまおう、となりえますよね。単価が高くなればなるほど、フィールドセールスでの商談が必要というデータもあります。

また、市場の攻略の難易度でいうと、新しすぎる製品だと理解してもらうのが難しいので、オンラインセールスは難しい。対面やセミナーで理解度をあげてから導入するというのも大事になってきます。さらに、顧客の文化としてWebに対するリテラシーが低い場合も、Web商談はハードルが高くなります。

たとえばAセグメントならば、オンライン商談でクロージングしていける領域で、BDRとSDRはそもそもオンラインの商談を取りに行く、というところを目標に動いていいと思います。

一方で、Dセグメントは、オンラインセールスは非常に難しく、ナーチャリングにも時間がかかります。アウトバウンドで情報を取りに行くときも、まずは情報提供許諾からとりはじめ、セミナーに来てもらい、セミナーで理解をしてもらったら、オンラインまたは訪問の商談を組む。そして訪問でクロージングしていくといった段階が必要になるでしょう。

自社の商材はどこにあてはまるのかで、施策の組み方は変わっていきます。

THE MODELを基本に、KPIを設計していく

阿部:最後に、KPI設計について。

まず、基本としてこの「THE MODEL」を頭に入れておいてください。THE MODELは、セールスフォース・ドットコムが提唱した組織営業のベストプラクティスモデルで、マーケティングからカスタマーサクセスまでを各部門ごとに分担し、それぞれがKPIを持ちながら売上目標達成のために連携をはかっていく手法です。

最終的にどのくらいの売上継続をとるために、今の段階でどれくらい受注しなくてはならないのか、そのためにはどのくらい商談数を作らなくてはならないのか、リード数はどうか。各部門のKPI設計は、売上目標をもとに逆算して置く必要があります。

また「%」を仮置きすることも、非常に重要です。何%の確率で商談化するのか、その%を置かない限り、PDCAは回せませんよね。

たとえばインサイドセールスの商談化率を20%と仮に置いたとします。フィールドセールスの受注率は30%、月の継続率は97%とした場合、インサイドセールスはどのくらいやるべきなのかと検討が必要です。

自社HPからリード獲得した場合は7~8割で商談化できますが、広告やアウトバウンドだと割合はもっと低い。チャネルが変わってきたときに商談化率も変わりますので、その目線も入れておくべきですね。

そして最後に、結果のKPIを追うということ。ここをちゃんと追わないと、インサイドセールスで商談を作っても、見込みの薄い商談を作りかねない。

実際にインサイドセールスが作った商談が、フィールドセールスにとってもいい商談かどうか。案件化率も数字として置き、そこからどのくらいの受注が出るかを見る必要があります。フィールドセールスが見ている指標も、インサイドセールスは見ていくべきだと思います。

KPI設計のポイント3つ

  • 売上⽬標から逆算でKPIを設計する
  • %のKPIを仮置きして、どんどんPDCAを回していく
  • 結果のKPIを追うことで、部⾨間の納得感を作る

定員200名の会場は満席、立ち見が出る中でのセッション。来場者はスライドが変わるたび写真を撮影し、熱心に耳を傾けていた。

【全100ページ!スライドダウンロードはこちらをクリック】

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