営業事務の効率化を行う方法とは?効率化のメリットや課題改善の方法
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- 営業事務の主な仕事内容
- 営業事務がハードといわれる5つの理由
- 業務量が多いうえ内容も変化する
- 正確性とスピードの両方が求められる
- 営業担当者と顧客の板挟みになりやすい
- 営業活動のスケジュールに依存する
- 幅広いスキルと専門知識が求められる
- 【ツール導入】営業事務を効率化させる方法
- SFAを導入する
- CRMを導入する
- 文書管理システムを導入する
- RPAを導入する
- コミュニケーションツールを導入する
- 【業務のやり方】営業事務を効率化させる方法
- インサイドセールスを導入する
- マニュアルやFAQを作成する
- アウトソーシングする
- リードの優先順位を付ける
- 【テクニック】営業事務を効率化させる方法
- ショートカットキーを活用する
- VBAやGASを活用する
- ユーザー辞書に定型文を登録する
- メールのテンプレートを複数パターン作成する
- 外付けのデバイスを活用する
- 営業事務の効率化に成功した事例
- 【SFAの導入】株式会社プロディライト
- 【CRMの導入】一正蒲鉾株式会社
- 【文書管理システムの導入】株式会社マーキュリー
- 【RPAの導入】中村商事株式会社
- 【コミュニケーションツールの導入】橋本総業株式会社
- 営業事務の効率化によるメリットと相乗効果
- メリット
- 相乗効果
- 営業事務を効率化させる手順
- 現状の業務内容を洗い出す
- 課題を特定する
- 効率化させる業務の優先順位を決める
- 効率化させる手段を決める
- 営業事務の効率化で顧客満足度や営業成果の向上を図ろう
営業事務の主な仕事内容
営業事務とは、営業活動をスムーズに進めるために、営業担当者のサポートだけでなく、顧客対応や受発注業務、売上管理などを行う仕事です。
営業担当者の代理で電話やメール対応をしたり、営業活動に必要な書類を作ったりします。主な仕事内容をまとめたのでご覧ください。
| 業務の種類 | 内容 |
|---|---|
| 電話・メール対応 | 営業部署や営業担当者に代わって、顧客からの電話やメールに対応する。電話の取り次ぎだけでなく、担当者が不在の場合は代理で回答することもある。 |
| 書類作成 | 営業の取引における必要書類を作成する。見積書や契約書、発注書、納品書、請求書、伝票などさまざまな書類がある。営業担当者や顧客からの条件に合わせた正確な書類を作る必要がある。 |
| 資料作成 | 営業のプレゼンや社内会議で利用する資料の作成を任せられるケースもある。PowerPointやKeynoteなどを活用しながら、指示どおりに資料を作る必要がある。 |
| ファイリング | 営業の取引で使用した書類をファイリングする。契約書や請求書など、法律で一定期間の保存が義務化されている書類もある。 |
| 売上管理 | 営業活動の売上を記録する。日次や月次での売上記録だけでなく、分析まで任されるケースもある。Excelや売上管理システムのスキルが必要。 |
| 受発注業務 | 顧客から商品が注文(受注)された際、専用システムから発注をかける。営業担当者から直接依頼されたり、顧客からの電話やFAX、メールで注文を受けたりと、受注経路はさまざま。 |
| 在庫・納期確認 | 注文を受けると同時に、在庫があるか、納品が間に合うかなどを確認する。確実に納期に間に合うようスケジュール調整する必要がある。 |
| 顧客・案件管理 | 氏名や住所、電話番号、契約内容など顧客情報を管理する。顧客の注文履歴に基づいて新規提案をしたり、契約更新の案内をしたりするケースもある。 |
営業事務がハードといわれる5つの理由
営業事務は「仕事がハード」といわれることが多いです。抱えがちな課題として、次の5つがあげられます。
- 業務量が多いうえ内容も変化する
- 正確性とスピードの両方が求められる
- 営業担当者と顧客の板挟みになりやすい
- 営業活動のスケジュールに依存する
- 幅広いスキルと専門知識が求められる
業務量が多いうえ内容も変化する
電話やメール対応をはじめ、書類作成、売上管理など、営業事務の対応業務はさまざまです。営業の状況も日々変化するため、イレギュラーな業務が発生したり、急に業務が増えたりします。業務量が多く、予測も難しいため、疲弊してしまう従業員も少なくありません。
正確性とスピードの両方が求められる
営業事務の仕事は、取引に関わる重要なものがほとんどです。たとえば、契約書や見積書といった書類の場合、記載する条件や金額にミスがあってはなりません。顧客からの問い合わせや、営業担当者からの要望へのスピーディーな対応が必要です。
正確性とスピードが同時に求められるため、常に緊張感をもって働く必要があります。
営業担当者と顧客の板挟みになりやすい
営業事務は、営業担当者と顧客の「中間」のポジションです。営業担当者からは、営業をスムーズに進めるための支援が求められます。一方で顧客からは、急な注文や問い合わせが入ります。
営業担当者が不在の場合は、代理で顧客対応をしなければなりません。双方の板挟みになりやすく、自分のペースで働くのが難しい仕事といえます。
営業活動のスケジュールに依存する
営業事務は、営業をスムーズに進めるためのサポート役です。商談に間に合うように書類を作成したり、納期に合わせた生産計画を作ったりと、基本的に「営業のスケジュール」に合わせなければなりません。
短期間で膨大な業務が発生するケースや、反対に営業担当者がアポイントを獲得できず仕事がないケースもあります。
幅広いスキルと専門知識が求められる
営業事務は顧客からの問い合わせや資料作成、在庫や納期の管理など業務範囲が広く、求められるスキルも幅広いです。
- コミュニケーション力
- WordやExcel、PowerPointのスキル
- 情報収集力
- スケジュール調整、期日管理力
- 正確に仕事を進められるスキル
- ITツールを使いこなせるスキル
- イレギュラーに対応できる能力
たとえば、「営業資料を作りつつ、売上も管理しなければならない」など、複数業務が同時に発生します。正確性とスピードが求められるため、プレッシャーも大きくなるでしょう。
【ツール導入】営業事務を効率化させる方法
営業事務にはさまざまな課題があり、「効率化」に急ぐ企業も多いです。まずは「ツール導入」の視点から、営業事務を効率化させる方法を紹介します。
- SFAを導入する
- CRMを導入する
- 文書管理システムを導入する
- RPAを導入する
- コミュニケーションツールを導入する
SFAを導入する
SFAとは、Sales Force Automation(=営業部門の自動化)の頭文字をとった、商談の進捗状況や営業担当者の行動を見える化できるシステムです。「営業支援システム」と呼ばれます。SFAの代表的な機能は次のとおりです。
| SFAの機能 | 内容 |
|---|---|
| 予実管理 | 営業部門における予算と実績を比較する機能。目標達成までどのくらいの数字感で、どのくらいのペースで進めるべきか把握できる。 |
| 案件管理 | 営業の案件と顧客情報を紐付けて管理できる機能。会社情報や担当者の連絡先、契約フェーズ、見込み度合いなどを確認できる。 |
| スケジュール管理 | 営業のプロセスやスケジュール管理ができる機能。ToDoの管理やカレンダー連携などが可能。ダブルブッキングやスケジュールの不整合を防げる。 |
| 商談フローや行動管理 | 訪問回数や受注率などの行動を記録できる機能。それぞれの案件のフェーズを確認できたり、パフォーマンスの高い営業担当者の行動パターンを分析できたりする。 |
| 日報作成 | 入力作業に手間のかかりがちな「営業日報」を作成できる機能。スマートフォンから簡単に入力できるシステムも多い。 |
| 名刺管理 | 受け取った名刺を管理できる機能。1人の担当者が1枚の名刺を登録すれば、クラウド経由で部署や組織全体に共有できる。 |
SFAは営業担当者向けのシステムですが、営業活動の可視化やデータ共有がスムーズになることで、営業事務の業務負担が軽減される場合もあります。
SFAについてさらに詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
CRMを導入する
CRMとは、Customer Relationship Management(=顧客関係管理)の略語で、顧客の情報を管理して、一人ひとりに合ったアプローチを支援するシステムのことです。CRMは顧客情報の一元管理だけでなく、問い合わせ履歴の管理や対応フローの最適化にも活用され、営業事務の負担軽減につながります。
CRMの主要機能として次のものがあげられます。
| CRMの機能 | 内容 |
|---|---|
| 顧客情報管理 | 企業やユーザーの基本情報や属性、コンタクト情報、購買履歴、Weサイトの閲覧履歴などを一元管理できる機能。一人ひとりの行動をもとに最適なアプローチが可能。 |
| メール配信 | 企業や顧客の行動履歴に基づいて、イベントやセミナー、キャンペーン情報などをメール配信できる機能。最適なタイミングで自動でメール配信が可能。 |
| 営業支援 | 案件や商談スケジュール、名刺管理などSFAの機能が搭載されたCRMも多い。 |
| 問い合わせ管理 | 電話やメール、Webフォームなど顧客からの問い合わせ内容を管理できる機能。オペレーターの負担軽減が期待できる。 |
| 分析・レポーティング | システムに蓄積された顧客データを分析、レポーティングできる機能。販売計画やプロモーション、売上予測などに活用可能。 |
顧客からの電話やメール対応に追われがちな営業事務にとって、CRMの導入は大幅な業務効率化・負担軽減につながります。
CRMの詳細やツール比較については、次の記事をご覧ください。
文書管理システムを導入する
文書管理システムとは、社内文書や契約書をデジタル管理できるシステムのことです。文書の作成やカテゴリー分け、登録、管理、検索、更新、破棄までのサイクルを一元管理できます。契約書の検索や承認フローの効率化が可能で、営業事務の業務負担を軽減できます。
導入メリットは次のとおりです。
- 書類を探す手間を省ける
- 場所を問わず文書にアクセスできる
- 書類を簡単に共有できる
営業担当者と営業事務それぞれがアクセスできるよう設定すれば、すぐに書類を探し出し、共有できます。基本的にクラウドで管理するため、外出や出張時でもスムーズに仕事を進められるでしょう。
文書管理システムについては、次の記事で詳しく解説しています。
RPAを導入する
RPAとは、Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の頭文字をとったもので、パソコン上の定型的な作業をソフトウェアロボットで自動化するツールを指します。ブラウザやExcelにおけるデータの入力や転記、ファイルの複製など、単純業務の効率化が可能です。
たとえば、営業資料を作るために、複数のWebサイトを目視で確認し、手作業でExcelに転記していたとします。RPAを活用すれば、「手作業での転記作業」を自動化可能です。ロボットに操作手順を教える必要はありますが、一度覚えさせれば、あとは全自動で業務を行ってくれます。
RPAについては次の記事で詳しく解説しています。
コミュニケーションツールを導入する
コミュニケーションツールとは、メンバー同士の意思疎通や情報共有を円滑にするためのツールです。たとえば次のような機能があります。
- 1対1でのチャット
- グループチャット
- ビデオ会議
- ファイルやデータの共有
- タスク管理
コミュニケーションツールを導入すれば、営業担当者と営業事務のやり取りがスムーズになります。作成した書類や資料をチャットで共有できたり、互いのタスクを把握したりといった使い方が可能です。
コミュニケーションツールについてさらに詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
【業務のやり方】営業事務を効率化させる方法
続いて、「業務のやり方」の視点から、営業事務を効率化させる方法を紹介します。
- インサイドセールスを導入する
- マニュアルやFAQを作成する
- アウトソーシングする
- リードの優先順位を付ける
インサイドセールスを導入する
インサイドセールスとは、訪問営業とは反対に「非対面」で行う営業です。電話やメール、ビデオ会議システムなどを用いて、相手にアプローチします。
インサイドセールスは、顧客のオフィスに訪問する必要がないため、その分アポイントメントやオンラインでの商談数を増やせるのがメリットです。訪問管理や来客対応の手間が省けることで、営業事務のリソースに余裕が生まれます。
インサイドセールスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
マニュアルやFAQを作成する
マニュアルやFAQを作ることも、営業事務の効率化につながります。たとえば、資料作成の手順や稟議書の書き方をマニュアルにまとめることで、業務品質の平準化が可能です。マニュアルを作ることで、新たな担当者への引き継ぎもスムーズになります。
顧客や社内からの問い合わせは「FAQ」にまとめておくのがおすすめです。FAQとは「よくある質問」のことで、Webサイトやアプリ上に、ユーザーが知りたい情報をQ&A形式でまとめます。FAQの内容が充実していれば、ユーザーは電話やメールをせずに問題を自己解決できます。
マニュアル作成ツールやFAQシステムの選び方については、次の記事で詳しく解説しています。
アウトソーシングする
営業事務の一部業務を「営業代行」や「アウトソーシングサービス」に依頼するのも効果的です。ルーティン業務を専門業者に依頼することで、担当者の負担が軽減されます。次のような業務をアウトソーシング可能です。
- 電話による問い合わせ対応
- データの入力や集計
- 見積書や請求書などの作成
- プレゼン資料の作成
これまで負担が大きかった業務を外注すれば、生産性の高いコア業務に集中でき、営業品質も高まるでしょう。資料作成や顧客対応など、専門性の高い業務もアウトソーシング可能です。その場合、業者のノウハウを用いたクオリティの高い資料提案や対応が可能です。
営業代行やアウトソーシングサービスについては、次の記事で詳しく解説しています。おすすめの会社や費用も解説しているので、興味のある方はご覧ください。
リードの優先順位を付ける
リード(見込み顧客)の優先順位を付けることで、結果的に営業事務の負担も減ります。たとえば、受注確度の高いリード(購入する可能性の高い見込み顧客)に手厚いサポートを提供する、といった方法です。
リードの優先順位付けには「スコアリング」が用いられます。スコアリングとは、リードの属性や行動に応じてポイントを付与する方法です。インサイドセールスで用いられ、一定の点数を上回ったリードにアプローチをします。
リードの優先順位を決めることで、営業担当者は、確度の高いリードにのみアプローチが可能です。営業担当者のリソースが最適化されれば、営業事務の負担軽減につながります。
スコアリングによるリードの優先順位付けについては、次の記事で詳しく解説しています。
【テクニック】営業事務を効率化させる方法
続いて、「テクニック」の視点から、営業事務を効率化させる方法を紹介します。
- ショートカットキーを活用する
- VBAやGASを活用する
- ユーザー辞書に定型文を登録する
- メールのテンプレートを複数パターン作成する
- 外付けのデバイスを活用する
ショートカットキーを活用する
パソコンのショートカットキーによってマウス操作の負担を省き、業務を効率化する方法です。WordやExcelなどOffice系のソフト、ドキュメントやスプレッドシートなどGoogle系のクラウドサービスなど、さまざまなサービスで活用できます。Excelで利用できるショートカットキーの例は次のとおりです。
| 意味 | 操作方法 |
|---|---|
| コピー | [Ctrl] + [C] |
| ペースト | [Ctrl] + [V] |
| 切り取り | [Ctrl] + [X] |
| すべて選択 | [Ctrl] + [A] |
| 元に戻す | [Ctrl] + [Z] |
| [Ctrl] + [Z]の操作を取り消す | [Ctrl] + [Y] |
| 上書き保存 | [Ctrl] + [S] |
| データの検索 | [Ctrl] + [F] |
| データの置換 | [Ctrl] + [H] |
| セル内で改行 | [Alt] + [Enter] |
| 上のセルをコピー | [Ctrl] + [D] |
| 左のセルをコピー | [Ctrl] + [R] |
| 今日の日付を入力 | [Ctrl] + [;] |
| 現在の時刻を入力 | [Ctrl] + [:] |
| オートSUM | [Alt] + [Shift] + [=] |
パソコンがWindowsかMacかで操作は若干変わるものの、普段よく使う機能から順にショートカットキーを覚えていきましょう。
VBAやGASを活用する
作業を自動化する方法として、VBAやGASがあります。それぞれの特徴は次のとおりです。
| 手段 | 内容 |
|---|---|
| VBA | Microsoft Office製品の自動化に役立つプログラミング言語。Excelで活用されることが多く、データの収集や転記、グラフ作成、アプリケーション連携、メールの一括送信などが可能。Visual Basicをもとに開発されている。 |
| GAS | Googleサービスの自動化や連携に役立つプログラミング言語。Gmailの自動返信やカレンダーの自動登録、スプレッドシートのデータ処理の自動化などが可能。JavaScriptをもとに開発されている。 |
VBAとGASはプログラミング言語なので、一定の知識やスキルが必要です。ただし、一度覚えてしまえば営業事務のさまざまなパソコン業務を効率化できるでしょう。
ユーザー辞書に定型文を登録する
ユーザー辞書とは、スマートフォンやパソコンなどのデバイス、アプリケーションなどに「よく使う言葉」を登録できる機能です。このユーザー辞書に定型文を登録することで、メール作成の手間が省けます。
たとえば、「お世話になっています」や「よろしくお願いいたします」「後ほど連絡いたします」といったフレーズです。事前に定型文を設定することで、わずかなキーボード入力で定型文を出力できます。
メールのテンプレートを複数パターン作成する
メールのテンプレートを作成するのも、営業事務の効率化において重要です。契約書の内容確認メールや、見積書の送付メール、納品の連絡メールなど、頻繁に発生するメールの雛形を用意しておきます。
メール作成時には、雛形をコピーして必要な情報を追記するだけで、スピーディーに送信可能です。Gmail では「テンプレート」、Outlook では「クイックパーツ」と呼ばれる機能が搭載されています。
外付けのデバイスを活用する
外付けのショートカットキーボードやクリエイター向けの左手デバイスを活用することで、テンプレート文章やよく開くページ、定型業務をボタン1つで行えるようになります。
たとえば、見積書作成のためのExcelファイルを開くボタン、定型メールを送信するボタンなどを設定しておけば、ワンタッチで必要な作業に移行可能です。
外付けのショートカットランチャーは、キーボードショートカットよりも直感的で押しやすいため、作業効率が大幅に向上します。また、複数のアプリケーションをまたいだ操作も自動化できるため、定型業務の効率化に大きく貢献します。
営業事務の効率化に成功した事例
続いて、営業事務の効率化に成功した事例を紹介します。
【SFAの導入】株式会社プロディライト
- 課題:案件の進捗確認に時間がかかる、管理が属人化している
- 解決方法:SFAの導入
- 結果:部門内の情報共有や引き継ぎのリソースが削減された
クラウド音声システムを提供する「株式会社プロディライト」の事例です。同社の営業部門は、営業担当者とカスタマーサクセス部門で管理手法が違ったり、別のツールを利用していたりと、管理が非効率だったといいます。案件進捗の確認に時間がかかる、管理が属人化しているといった問題があったそうです。
このような課題を解決するために、営業支援システム「ネクストSFA」を導入しました。顧客との対応履歴や商談情報がシステムに集約され、部門内での情報共有や引き継ぎのリソースが大幅に削減されたそうです。アクセス権限をもつメンバーであれば誰でもシステムにログインできるため、営業事務による問い合わせ対応もスムーズになったといいます。
※参考:ジオコード「株式会社プロディライト様の場合 | ネクストSFA導入事例」(2025年1月17日閲覧)
【CRMの導入】一正蒲鉾株式会社
- 課題:営業部署ごとに異なるシステムで情報を管理していたため連携がうまくできていない
- 解決方法:CRMの導入
- 結果:営業担当者と営業推進の情報共有やコミュニケーションが円滑になり、営業効率が大幅に向上した
水産加工物の製造・販売をメインに行う「一正蒲鉾株式会社」の事例です。同社では、営業の部署ごとに異なるシステムで情報を管理しており、システムごとに情報を入力しなければならない状態だったといいます。そのため、営業に関する事務作業や報告資料の作成にも大きなリソースが割かれていたそうです。各部署で異なるシステムを利用していたことから、部門間連携もうまくできていなかったといいます。
このような課題を解決するために、顧客関係管理システム「Mazrica Sales(マツリカセールス)」を導入しました。顧客情報の一元管理をはじめ、案件や商談の進捗管理、優れたインターフェースなどから、その便利さが少しずつ社内に浸透していったそうです。営業担当者と営業推進の情報共有やコミュニケーションもスムーズになり、営業効率が大幅に向上したといいます。
※参考:マツリカ「半年で商品採用率は約2倍に!Mazrica Sales導入で効率的かつ効果的なデータ利活用が実現 | お客様事例」(2025年1月17日閲覧)
【文書管理システムの導入】株式会社マーキュリー
- 課題:部門間における「契約書」のやり取りに時間がかかっていた
- 解決方法:文書管理システムの導入
- 結果:契約書を一元管理でき、パスワード付与によって営業担当者が直接書類を確認できるようになった
人材派遣やセールスプロモーション事業などを展開する「株式マーキュリー」の事例です。同社は人材派遣業を行っていることから、「契約書」を扱うシーンが多かったといいます。営業部門から「契約書をください」といった問い合わせを受けても、すぐに対応できず、手作業なので整合性のチェックにも時間がかかっていたそうです。書類のデータはExcelで管理していたものの、見たい契約書があってもパソコンにログインしなければならず、煩わしさを感じていたといいます。
このような課題を解決するために、文書管理システム「MyQuick(マイクイック)」を導入しました。書類のデータを一元管理できるうえ、契約書の親子関係がツリー表示されるため、見たい書類をすぐに探し出せるようになったといいます。また、パスワードを付与することで、営業担当者が直接ログインできるようになり、データのやり取りにかかっていた工数が大幅に削減されたそうです。営業部門全体が最適化されたことで、組織の事業拡大にもよい影響を与えているといいます。
※参考:インフォコム「急成長のセールスプロモーション業!迅速な業務効率化で苦労から解放 | お客様事例」(2025年1月17日閲覧)
【RPAの導入】中村商事株式会社
- 課題:営業資料の作成にあたって、データのやり取りに時間がかかっていた
- 解決方法:RPAの導入
- 結果:クライアントごとに異なる書式でも、正確かつスピーディーに資料作成ができるようになった
金属素材の卸売事業をメインに展開する「中村商事株式会社」の事例です。営業をはじめ、総務や経理など社内全体で「手作業」が多く、自動化を図るために「AS400」と呼ばれる基幹システムを利用していました。しかしながら、「AS400」からデータを取得し、それをExcelに置き換えてから営業資料を作成する、といった非効率さが残っていたそうです。
そこで、「AS400」を使いながら、さらなる自動化を図るために、RPA「ロボパット」を導入しました。AS400やWindowsの特性に合わせて細かな作業テンプレートを作り、あらゆる業務を自動化させているそうです。これまで時間がかかっていた「営業資料の作成」も効率化されたといいます。ただ自動化するだけでなく、クライアントごとに異なる書式で、正確かつスピーディーに資料作成ができているそうです。
※参考:FCE「私だけが使うなら、ロボパットを選ばなかった エンジニアレベルのプログラミング技術をもつ専務が、誰でも使えるRPAツールを導入した理由 | 導入事例」(2025年1月17日閲覧)
【コミュニケーションツールの導入】橋本総業株式会社
- 課題:営業担当者と営業事務のやり取りにロスが多かった
- 解決方法:コミュニケーションツールの導入
- 結果:顧客からの連絡内容や資料共有、会議の事前準備などもチャットで完結するようになった
管工機材や住宅設備機器の販売事業などを展開する「橋本総業株式会社」の事例です。同社は、営業担当者と営業事務がペアで仕事をする「アシスタント制」を採用しています。しかしながら、電話やメールがメインだったことから、「情報共有の遅れ」に課題を感じていました。コミュニケーション量も少なく、気軽な会話もできない雰囲気だったそうです。
このような課題を解決するために、コミュニケーションツール「Chatwork」を導入しました。ペアのやり取りにChatworkを用いることで、顧客からの連絡内容や資料共有、会議の事前準備などもチャットで完結するようになったそうです。「情報共有の遅れ」が解消されたうえ、社内のコミュニケーション量が増え、仕事意識の改善にもつながったといいます。
※参考:kubell「問い合わせ対応や社内の情報共有がスムーズになり、働き方が変わりました | 導入事例」(2025年1月17日閲覧)
営業事務の効率化によるメリットと相乗効果
営業事務を効率化させることで、多くのメリットと相乗効果を得られます。具体的な効果は次のとおりです。
メリット
営業事務を効率化させることのメリットとして、次のものがあげられます。
- 営業のクオリティ向上
- 顧客満足度の向上
- 営業事務の負担軽減
書類や案件管理など、これまで時間のかかっていた業務を効率化させれば、その分営業品質を高めるために時間を割けるようになります。たとえば、書類管理を効率化させて、浮いた時間を営業資料の品質向上に充てる、といった時間の使い方が可能です。
営業品質の向上は、顧客満足度の向上に直結します。営業事務の業務が効率化されれば、担当者の負担も軽減可能です。
相乗効果
営業事務の効率化に成功すると、次のような相乗効果が生まれる可能性が高いです。
- 営業事務のスキルアップ
- ペーパーレス化の促進
- 取引先からの信頼向上
営業事務の業務が効率化されることで、少ない労力で多くの仕事をこなせるようになります。幅広い仕事に取り組めるため、営業事務のスキルアップが可能です。
作業効率を高めるためには、紙からデジタルへ移行する必要も出てくるでしょう。
結果、ペーパーレス化を促進できます。営業部門全体の作業効率が高まり、営業品質が向上すれば、取引先からの信頼度も高まりやすくなります。
営業事務を効率化させる手順
続いて、営業事務を効率化させる手順を紹介します。
- 現状の業務内容を洗い出す
- 課題を特定する
- 効率化させる業務の優先順位を決める
- 効率化させる手段を決める
現状の業務内容を洗い出す
まずは、営業事務において、現在どのような業務があるのか洗い出しましょう。書類作成、データの入力や転記、電話やメールでの問い合わせ対応など、すべての業務をリストアップしてください。すべての業務を可視化することで、課題が明確になります。
リソースに余裕があれば、ストップウォッチやタイマーを使って、それぞれの業務にかかる時間を計測するのがおすすめです。
課題を特定する
リストアップした業務の中から、非効率な業務(=課題)を特定しましょう。代表例として、データの入力や転記作業があげられます。手作業で入力や転記を行っていることで営業事務のリソースを無駄遣いしている、といったケースです。
課題を特定できたら、「なぜ非効率なまま業務を続けていたのか?」も考えてみてください。マニュアルがなかったから、システムが使いにくかったから、人手不足だから、など理由が出てくるはずです。
効率化させる業務の優先順位を決める
非効率な業務を洗い出したら、業務の「重要度」を判断し、優先順位を決めましょう。重要度は、非効率が及ぼす影響や損失、発生頻度などをもとに判断します。そして、効率化によって短縮される時間、削減されるコストやミスなどから、優先順位を付けます。
効率化させる手段を決める
業務の優先順位を付けたら、効率化させる手段を決めましょう。ツールを導入するのか、業務のやり方を変えるのか、テクニックで解決するのか、課題に合った手段を選択します。課題と選ぶべき手段の例は次のとおりです。
| 課題 | 手段 |
|---|---|
| 案件や商談数が多い | 営業支援システムを導入して営業部門全体の効率化を図る |
| 業務が属人化している | マニュアルやFAQの作成で業務の平準化を図る |
| 一定期間のみ業務量が増える、専門知識を必要とする資料作成が多い | 専門の会社やフリーランスにアウトソーシングする |
| 書類の作成や管理にリソースが割かれている | 文書管理システムを導入して書類管理の効率化を図る |
| 単純業務、ルーティン業務が多い | RPAを導入する。またはショートカットキーやVBA、定型文登録など「テクニック」で効率化する |
システムやアウトソーシングは費用が発生するため、本当に効果があるのか見極めたうえで導入しましょう。できるだけ予算を抑えたい場合は、Excelのテクニックを活用する、マニュアルやFAQの作成など、無料(あるいは低コスト)の施策から始めるのがおすすめです。
営業事務の効率化で顧客満足度や営業成果の向上を図ろう
営業事務の仕事は、営業担当者や顧客のスケジュールに依存するため、業務量が多くイレギュラーも発生しやすいです。正確性とスピードの両方が求められることから、プレッシャーやストレスを抱える担当者も少なくありません。
営業事務の仕事を効率化することで、担当者の負担軽減はもちろん、営業品質の向上が期待できます。顧客満足度が高まり、最終的には自社の売上や利益向上につながります。
営業事務を効率化する方法はさまざまです。SFAやCRMといったツールの導入から、インサイドセールスやアウトソーシングなど業務のやり方を変える方法、ショートカットキーやVBA・GASなどテクニック的な方法など多岐にわたります。
営業事務にどのくらいの負担がかかっているのか、どこまで効率化させたいのか、どの程度の予算か、などを踏まえたうえで、自社に合った手段を選びましょう。なおSFAを導入する際は、料金や機能、サポート体制など、複数システムを比較検討することが大切です。
