ERPパッケージおすすめ9選!導入メリット・デメリット、選び方まで徹底解説
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- ERPパッケージとは
- ERPとは
- スクラッチ型との違い
- ERPパッケージの種類
- コンポーネント型
- 統合型
- 業界特化型
- 業務ソフト型
- ERPパッケージの機能
- 会計管理
- 販売管理
- 購買管理
- 生産管理
- 人事管理
- ERPパッケージのメリット
- コスト削減
- 導入期間の短縮
- ベストプラクティスの提供
- ERPパッケージのデメリット
- カスタマイズの制限
- 機能過多の可能性
- ERPパッケージの選定ポイント
- 業務要件の明確化
- 似た企業の導入事例
- コスト
- サポート体制
- 拡張性
- ERPパッケージ9選
- マネーフォワード クラウドERP
- freee統合型ERP
- Oracle NetSuite
- SAP Business ByDesign
- SAP S/4HANA Cloud
- 奉行V ERPクラウド
- ProActive C4
- MA-EYES
- GRANDIT
- multibook
- 最適なERPパッケージを選ぼう
- BOXILとは
ERPパッケージとは
ERPパッケージとは、基幹業務を効率化するソフトウェアパッケージです。財務会計や販売管理、生産管理、人事管理などに対応する機能がパッケージ化されており、システム間をスムーズに連携が可能です。ERPパッケージを導入することで業務プロセスの標準化、データの一元管理、リアルタイムでの情報共有が可能になります。
近年では、クラウド型のERPパッケージも普及が進んでいます。初期費用を抑え柔軟に利用できることから、中小企業でも導入しやすいのが特徴です。クラウド型のERPパッケージは、インターネット環境があれば場所を問わずアクセスでき、通信暗号化やデータセンターのセキュリティ強化が標準対応されているため、テレワークをはじめとした多様な働き方に対応しています。
ERPとは
ERPとは「Enterprise Resources Planning」を略した言葉で、企業経営の基本となる「人・物・お金」といった経営資源を集約して効率的に配分し、有効活用するための考え方です。近年では、それを実現するためのシステムを指す言葉として使われることが多くあります。
ERPを導入すれば、販売管理・生産管理・購買管理など複数のシステムを一元化して、経営者や各業務の担当者がリアルタイムで情報を把握できるようになります。
そのため、各部門で円滑に情報共有ができるようになり、同一データの二重入力や転記などの作業の重複を避けられ、業務効率の向上が可能です。また、経営に必要なすべての情報を集約して分析できるため、迅速な経営判断や意思決定が可能になり、競争力を高めることにつながります。
スクラッチ型との違い
ERPパッケージとスクラッチ型のERPとの違いは、システム開発の流れにあります。ERPパッケージは一定程度をあらかじめ開発しておき、必要に応じて一部カスタマイズするタイプです。一方のスクラッチ型は、ニーズに合わせてゼロから開発する形式です。
ERPパッケージは、導入コストが抑えられ、導入期間を短縮できるメリットがあります。また、パッケージには過去に提供してきたノウハウが組み込まれているため、スムーズな導入と運用が可能です。
他方、スクラッチ型は業務プロセスに合わせて自由にカスタマイズできます。しかし、開発には専門的な知識や技術が必要となるため、開発コストが高額になりやすく導入期間も長期化します。また、運用や保守には専門の担当者が必要です。
ERPパッケージ | スクラッチ型のERP | |
---|---|---|
メリット | 初期費用が安い。導入期間が短い | カスタマイズしやすい |
デメリット | 設定やカスタマイズは部分的 | 初期費用が高くトータルコストもかさみやすい。開発に時間がかかる |
ERPパッケージの種類
ERPパッケージには次の4つの種類があり、導入目的や予算などに応じて適した種類を選択できます。
- コンポーネント型
- 統合型
- 業界特化型
- 業務ソフト型
コンポーネント型
コンポーネントとは業務単位の機能のことを指し、コンポーネント型のERPパッケージは、単体の業務システムのコンポーネントから必要なものだけを組み合わせて導入できるのが特徴です。
会計・生産・総務・在庫管理など、必要最小限の機能を選んでシステムを構築できるため、低コストで運用でき、さまざまな規模の企業で導入できます。
また、1つのコンポーネントから導入できるため、まずは最小限のシステムから利用をはじめ、必要なタイミングで機能を追加・拡張するといった活用の仕方が可能です。そのため、ビジネスの成長や予算などに合わせて利用できます。
統合型
統合型は、これまで個別に管理されていた業務システムを、1つのパッケージに統合して管理できるタイプのことを言います。一般的には、統合型のパッケージを指してERPと呼ばれることが多いです。
特定の業務や業界に特化して機能が提供される他のパッケージと異なり、統合型は会計や財務・生産・販売・人事・給与など、1つのシステムですべての業務を管理できるのが特徴です。そのため、高機能で導入費用は高くなるものの、各部門でリアルタイムに情報共有が可能になります。それにより、部門間での二重入力や転記などの重複作業を削減し、業務効率化やコスト削減につながります。
業界特化型
業界特化型は、製造業や建設業など特定の業界に特化して、特有の業務を効率化できるタイプのパッケージです。
製造業のほか物流業や製薬業・食品・広告業など、さまざまな業界向けのパッケージがあり、多通貨や多言語に対応した、グローバル展開している企業向けの機能を搭載したものも存在します。
たとえば、製造業向けのシステムであれば、原価管理や生産管理・在庫管理など製造業に特化した機能が標準で組み込まれており、カスタマイズの必要がなく短期間で導入できるのがメリットです。
業務ソフト型
業務ソフト型は、会計管理や生産管理、在庫管理など、特定の業務に限定して管理を行えるタイプのパッケージです。用途は限られるものの、業務の一元管理が可能で、部門や業務単位でプロセスや情報共有の効率化が可能になります。
たとえば、経理業務に特化したパッケージであれば、部門を横断して給与や領収書などのデータを集約して一元管理できます。
また、業務ソフト型のパッケージは機能が限定されるため、統合型と比べ低コスト・短期間で導入できるのがメリットです。そのため、限られた予算で特定の部門での業務改善を図りたい場合の導入に向いています。
ERPパッケージの機能
ERPパッケージには複数の種類がありパッケージごとに機能は異なりますが、一般的に、次の機能を搭載していることが多くあります。
- 会計管理
- 販売管理
- 購買管理
- 生産管理
- 人事管理
会計管理
会計管理機能は、売上や売掛金、経費などの情報を収集して統合し、財務状況を把握できる機能です。
収支状況を分析し予算作成の効率化が可能なほか、損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書などを迅速に作成し、ステークホルダーへの財務報告をスムーズに行えます。
また、他業務で入力された情報を連携し分析できるため、財務状況をリアルタイムで正確に把握でき、迅速な意思決定や課題解決につなげられます。
販売管理
販売管理は、仕入れ・受注・在庫・出荷など販売に関する一連の業務管理を行うことで、ERPの販売管理機能には受注や売上・在庫・出荷管理など、受注から出荷までのプロセス全体を管理できる機能があります。
他にも、販売データや実績データ、市場の状況をもとにした販売予測のシミュレーションや売上分析機能があり、販売戦略の策定を効率的に行えるようになります。
購買管理
購買管理は、生産に必要な資材を適切な納期に調達できるよう管理することです。
購買管理機能では、仕入れ先の選定から見積もりや発注、請求などの取引における一連の業務プロセスを効率的に管理できる機能が搭載されています。
また、他機能と連携し、販売や生産部門などとリアルタイムでの情報共有を行うことで、オペレーションの効率化につながります。
生産管理
生産管理とは、製品を製造するためのプロセスを管理することです。
ERPの生産管理機能では、これまでの受注状況から需要を予測して生産計画を立てたり、計画にもとづいて生産工程が行われているかを把握したりなど、製造から出荷・納品までの工程全般の管理が可能です。それにより、在庫の最適化や生産効率の最大化などの効果が期待できます。
また、販売管理と連携して生産から販売までを一元管理するといったように、生産管理以外のデータを共有すれば、さらなる業務効率化が可能です。
人事管理
人事管理機能では、従業員の基本情報や勤怠情報などの情報を集約して管理します。具体的には、氏名・生年月日・所属部署、スキルや資格などの基本情報のほか、出退勤時刻や残業時間などの勤怠情報の管理が可能です。
これらの情報を一つのシステムで一元管理が可能なため、人事業務の効率化が可能です。また、能力やスキルなどの情報を可視化できるため、人材配置を最適化し全体の生産性向上につながります。
ERPパッケージのメリット
ERPパッケージの導入には、次のメリットがあります。
コスト削減
ERPパッケージは、スクラッチ型と比較して開発費用を抑えられます。パッケージは複数企業で利用される想定のため、1社あたりの開発費用が少なくなる仕組みです。また、バージョンアップや機能追加もサービス提供会社が担当するため、保守費用も抑えられます。
導入期間の短縮
ERPパッケージは、開発済みのシステムを導入するため、ゼロから開発する必要がなく導入期間を短縮できます。ベンチャー企業のようにスピードを求められる場合であっても、ERPパッケージなら対応しやすいです。これにより、業務効率の改善やコスト削減効果をはやく実感できます。
ベストプラクティスの提供
ERPパッケージには、サービス提供会社が多くの経験をふまえて開発したシステムであるため、適切な運用をしやすい強みがあります。バックオフィスの運用が定まっていない企業であっても、ERPパッケージの導入により業務プロセスの標準化を進められます。法改正へ対応してもらいやすいため、セキュリティやコンプライアンスへの対策に強いのも利点の一つです。
ERPパッケージのデメリット
ERPパッケージの導入には、次のようなデメリットも存在します。
カスタマイズの制限
ERPパッケージは汎用性を重視して設計されているため、自社の運用へ完全には合致しません。カスタマイズには一定の制限があり、要件すべてには対応できないかもしれません。しかしERPパッケージはベストプラクティスを提供しているケースが多いため、これを機に運用を変更するのも一つの手です。
機能過多の可能性
ERPパッケージは、さまざまな機能を搭載していますが、自社にとって必要ない機能を含んでいる場合もあります。機能過多なERPパッケージは運用コストの増加につながります。そのため、ERPパッケージ導入時には必要十分な機能か、あとから機能を追加できるか事前に問い合わせておきましょう。
ERPパッケージの選定ポイント
ERPパッケージを選定する際には、次のポイントに注目しましょう。
業務要件の明確化
ERPパッケージを選ぶ前に、まず業務プロセスや課題を洗い出し、どのような機能が必要かを明確にしましょう。各担当者から意見を収集し、課題や将来的なニーズを整理します。また、業務フロー図やデータモデルを作成することで具体的な要件が見えてきます。
似た企業の導入事例
ERPパッケージは、長期にわたって利用するシステムであるため、導入の失敗は避けたいです。そのため、ERPパッケージの提供会社が公表している導入事例を参考に、同じ業界や従業員規模で導入されているかチェックしましょう。過去に類似の企業にて導入されていれば、カスタマイズや運用時の注意点について一定のナレッジがあると考えられます。
コスト
ERPパッケージの導入には、初期費用だけでなくライセンス費用、保守費用、運用費用などがかかります。予算に合わせてコストパフォーマンスに優れたパッケージを選びましょう。また、クラウド型とオンプレミス型では、コスト構造が異なるため、それぞれのメリットとデメリットを比較検討することも重要です。
サポート体制
ERPパッケージを導入した後も、システムの運用やトラブル対応などベンダーのサポートが必要です。サポート体制が充実しているか、問い合わせ窓口はわかりやすいか、対応時間は適切かなどを確認しましょう。また、日本語でのサポートを受けられるかも重要です。
拡張性
事業は常に変化するため、ERPパッケージにも将来的な拡張性が求められます。業務規模の拡大や新たな事業展開に対応できるか、カスタマイズが可能かを確認しましょう。また、他システムとの連携機能も考慮に入れる必要があります。
ERPパッケージ9選
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マネーフォワード クラウドERP - 株式会社マネーフォワード
マネーフォワード クラウドERPとは、会計から人事労務までバックオフィス全体をシームレスに連携し、面倒な手作業を自動化するERPです。マネーフォワード クラウドERPは次のような特徴があります。
- 年商10億円未満の企業向け ERPシェアNo.1※
- 必要な基幹システムはあとから追加可能
- ISOやSOCの内部統制に関する第三者認証を取得
※出典:※出典:ITR「ITR Market View:ERP市場2024」ERP市場 年商10億円未満:ベンダー別売上金額シェア(2023年度予測)
freee統合型ERP - フリー株式会社
freee統合型ERPは、人事管理・販売管理・会計の機能を備えた、小規模企業でも利用可能なクラウド型ERPです。freee統合型ERPには次のような特徴があります。
- 一度入力した情報が自動連携され、転記ミスや漏れを防止
- 案件ごとの収支をグラフや図形で可視化し、経営判断をサポート
- 見積書や請求書などの書類を簡単に作成でき、法改正にも対応
Oracle NetSuite - 日本オラクル株式会社
Oracle Netsuiteは、会計や在庫管理だけでなく顧客管理のようなセールス向けの機能も提供している網羅的なERPです。Oracle Netsuiteには次のような特徴があります。
- 経営に必要なさまざまな業務アプリケーションを1つのソフトウェアに統合
- 商談の進捗状況や売上などの経営指標をリアルタイムに可視化
- リアルタイムのBIを標準装備しており、データ管理や分析を単一システムで完結
SAP Business ByDesign - SCSK Minoriソリューションズ株式会社
SAP Business ByDesignは、社内のさまざまな情報を一元管理できるERPシステムです。SAP Business ByDesignは次のような特徴があります。
- 会計、人事管理、労務管理、マーケティングといった多様な機能
- 大企業並みのIT経営環境を短期間かつ低コストにて導入
- 世界160か国以上※の企業が利用
※出典:SAP ジャパン「SAP Business ByDesign | 概要」(2024年10月8日閲覧)
SAP S/4HANA Cloud
SAP S/4HANA Cloudは、大企業向けのクラウド型ERPです。SAP S/4HANA Cloudには次のような特徴があります。
- 大企業に適した業種別のベストプラクティスを提供
- 大企業のERPながら迅速な立ち上げと自動化を実現
- 豊富な機能に加えAPIでの統合が可能
奉行V ERPクラウド
奉行V ERPクラウドは会計、販売管理、人事労務といったバックオフィスに必要な機能をおさえたクラウド型のERPです。奉行V ERPクラウドには次のような特徴があります。
- 国内外のグループ企業を含む統合管理が可能
- SOC1やSOC2といった第三者認証で内部統制にも適合
- kintoneをはじめとしたノーコード・ローコードツールにてアプリ作成
ProActive C4 - SCSK株式会社
ProActive C4は、会計・人事給与・経費・勤怠管理といった、バックオフィスを中心に構成されるクラウド型ERPです。ProActive C4は次のような特徴があります。
- BPOやコンサルティング、ハード販売までトータルでサポート
- 開発から保守までを一貫してSCSKが提供
- 選べるサポートプランで運用しやすく
MA-EYESとは、業務フローをサポートするセミオーダーの統合型基幹業務パッケージです。MA-EYESは次のような特徴があります。
- 標準機能をそのまま使う形式のほか、セミオーダーの導入形式も可能
- プロジェクト型企業向けと広告業界向けのプランあり
- プロジェクト管理に必要な独自指標を組み込み、進捗を可視化
GRANDIT
GRANDITはユーザー視点で本当に使いやすいかどうかを追求したERPです。GRANDITには次のような特徴があります。
- 業種や目的に沿った機能を提供
- 各社の開発技術を結集させて作っているのが強み
- 必要な機能を組み合わせて導入
multibook
multibookは、海外拠点の管理に適したERPサービスです。multibookには、次のような特徴があります。
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- 海外にある複数拠点の情報を一元管理
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