ERPシェア・市場規模 | 世界調査と国内最新動向・注目クラウドサービスも紹介

そもそもERPとは、Enterprise Resource Planningの略称で、財務会計、在庫管理、売上管理など、基幹となる業務システム を統合して管理し、業務効率化による生産性向上を目的とする統合基幹業務システムです。
部門ごとに最適化されたシステムが企業内に複数点在する従来のシステムでは、データの整合性を確保しつつ連携を行うことが難しく、二重入力や確認などの手間が多く発生していました。
これを解決するため、統合されたデータを複数のシステムが参照することによって合理化し、各拠点でもこれを活用することを理想とするシングルインスタンスという概念が誕生、ERPが登場するにいたり、現在では企業活動に不可欠なシステムとなっています。
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- ERPの市場規模
- ERPの世界シェア
- 国内のERPシェア(中堅・中小企業)
- クラウドERPネットスイート(NetSuite)の急成長
- 人気のクラウドERPサービス12選
- 注目のERP(基幹システム)、サービス資料まとめ
- クラウドERP「ZAC」-株式会社オロ
- デジタルスフィアAssemblyERP
- クラウドERPfreee-freee株式会社
- OracleNetSuite-日本オラクル株式会社
- EAST2-株式会社キューキエンジニアリング
- マネーフォワードクラウドERP-株式会社マネーフォワード
- SAPBusinessByDesign(R)-株式会社Minoriソリューションズ
- NetSuite-ShearwaterJapan
- SAPBusinessOne
- OracleERPCloud
- GLOVIAOM
- Workday
- クラウド・オンプレミス2つのERP
- クラウドERP
- オンプレミスERP
- クラウドERPとオンプレミスERPの違い
- 両方組み合わせる「2層ERP」も?
- クラウドへシフトするERPベンダー
- パブリッククラウドとERPベンダーの提携
- SAPのクラウド戦略
- Oracleのクラウド戦略
- 国内ERPベンダーの戦略
- 市場規模やシェアだけで判断できないクラウドERPの躍進
- ボクシルとは
ERPの市場規模
ERPの市場規模とはどの程度のものなのでしょうか。
少し古いデータですが、2016年の価格ベースERP市場規模は約1,130億円とされており、前年比の成長率は4.4%増となります。
2015年の前年比成長率が8.0%増だったことを考慮すると、成長率が減速しているようにも見えます。
しかしこれは、マイナンバー対応による導入が急増したことが要因だと考えられており、市場は堅調に拡大しているといえるでしょう。
また、2017年の価格ベースERP市場規模は約1,185億円程度になると予測されており、成長率4.4%という数字は、そのことを物語っているといえます。
ERPの世界シェア
次に、それぞれのベンダーが提供するERPシェアを見てみましょう。
これも調査機関によって結果が異なる場合が見受けられますが、ERPの世界シェアは以下のとおりとなります。
出典:Top10 ERP Software Vender and Market Forecast 2015 - 2020
Apps Run The Worldのデータ(2019年のERPアプリケーションの市場シェアをERPベンダーとその他のトップ10で分割)を見ると、オンプレミスERPの代表でもあるSAP、Oracleなどが上位を占めていますが、そのシェアは市場を独占する程のものではなく、企業の事情にあわせてさまざまなシステムが利用されていることがわかります。
この記事の下部では、SAP、Oracleのサービス紹介も行っています。ぜひご覧ください。
国内のERPシェア(中堅・中小企業)
日本国内の中堅・中小企業においてのERPシェアはどうでしょうか。
下図は年商50億円〜100億円までの企業が使用するERPを8位までグラフ化したものとなります。
出典:ノークサーチ社 2016年中堅・中小企業におけるERP活用の実態と今後のニーズに関する調査
ノークサーチ社が2016年に行った「中堅・中小企業におけるERP活用の実態と今後のニーズに関する調査」によると、SAPが上位に食い込んでいる一方、富士通GLOVIAがシェア首位を獲得しており、世界比較でかなり異なる様相を読み取ることができます。
今後も市場環境の変化を反映し、シェアは大きく変わってくると思われます。SAP、Oracle、富士通などに共通していえることは、どのベンダーもクラウドERPへのシフトを意識してきているということです。
この記事の下部では、富士通GLOVIAのサービス紹介も行っています。ぜひご覧ください。
そして、以下の記事では、クラウドERP「ALL-IN(オールイン)」の誕生ストーリーを紹介しています。
サービスの開発ヒストリーを詳細に知れるので、ぜひお読みください。
以下の記事では、クラウドサービスのシェアについて紹介しています。
ERP以外にも多数のサービスシェアについて解説しているので、クラウドサービスに興味のある方はぜひご一読することをおすすめします。
クラウドERPネットスイート(NetSuite)の急成長
さきほどクラウドERPを意識したサービスが増えているといいましたが、この背景には、クラウドERPを代表するNetSuite(ネットスイート)の急成長があると思われます。
Gartner社が2016年3月に発表したレポートによると、NetSuiteが実現した成長率は、売上/市場占有率ともに成長率2位のベンダーの3倍にもおよぶ45%となっており、3年連続の成長率1位を達成、世界シェア8位から6位に上昇したということです。
これは市場変化への対応に迅速対応可能という、クラウドERPの優位性が世界的に認められたことを意味し、新規導入だけでなく既存システムからのリプレイスにも有効なことを示しています。
人気のクラウドERPサービス12選
大企業向けのオンプレミスERPを中心としていたベンダーがクラウドに注力しはじめた現在、その選択肢も増加傾向にあります。
オンプレ、クラウドなどのERPの種類については記事後半で解説しています。あわせてご覧ください。
注目のERP(基幹システム)、サービス資料まとめ

ERP(基幹システム)のサービス資料を厳選。無料でダウンロード可能です。販売管理、在庫管理、生産管理の効率向上などさまざまな目的で導入されるERPの比較にお役立てください。サービス比較はこちら
今回紹介するクラウドERPをまとめて比較したい方はこちらからどうぞ!そして以下から、中堅・中小企業向けとして注目すべきクラウドERPサービスを紹介します。
クラウドERP「ZAC」 - 株式会社オロ
ZACは、販売管理、購買管理、在庫管理、勤怠管理、工数管理、工程管理、経費管理の7つの機能を統合することで、案件・プロジェクト別の収支管理を中心に可視化や予測を進めることを可能とするクラウドERPです。
管理会計レポートや売上・利益予測など、経営判断を容易にする豊富なレポートをリアルタイムに行うことによって、タイムリーな経営を実現します。
また、請求や支払管理も連動しているため、二重入力や管理の煩雑化、請求漏れなどの業務を削減し、効率化と生産性の向上も実現します。
デジタルスフィア Assembly ERP
画像出典:デジタルスフィア公式サイト
- 現場に合わせたクラウドサービスを選択しERPを構築
- 投資予算に合わせた柔軟なクラウドの組み合わせ
- 各サービスの機能を横断してデータ分析が可能
デジタルスフィア Assembly ERPは、さまざまなクラウドサービス製品を組み合わせ、最小限のコストで最適なERPの構築ができるシステムです。
現場が希望するクラウドサービスを導入でき、会社の成長に合わせて新たなクラウドサービスに変更も可能。勤怠管理や会計ソフトなどの個別機能からスタートしても、最終的にERPとしての拡張性を保持できます。あらゆるクラウドサービスを一元管理することで、基幹情報や経営資源を統合的・リアルタイムに処理する基幹業務システムを構築し、効率的な経営を実現します。
クラウドERP freee - freee株式会社
画像出典:クラウドERP freee公式サイト
- バックオフィス業務を一元化
- 連携システムが充実
- 業務と情報共有を効率化し内部統制にも役立つ
クラウドERP freeeは、バックオフィス業務を一元化する、クラウド型のERPシステムです。従業員情報を一元管理し、勤怠入力や管理、法令に準拠したマイナンバー管理など、会計・人事労務領域の業務を効率化します。
各種機能や情報に対し、細かくアクセス権限を設けることも可能。2要素認証や不正アクセス検知などの機能により、内部統制の強化にも役立ちます。
Oracle NetSuite - 日本オラクル株式会社
画像出典:Oracle NetSuite(オラクル ネットスイート)公式サイト
- 世界最大級のクラウドERPシステム
- 業務アプリケーションを一元管理
- リアルタイムなBIで「経営の今を見える化」
Oracle NetSuite(オラクル ネットスイート)は、全世界20,000社以上の導入実績を誇る世界一のクラウドERPシステムです。19言語190通貨以上に対応しており、海外拠点や海外現地法人のビジネス推進管理、ガバナンス強化を支援します。新興市場での迅速なビジネス展開が低コストで実現可能です。また、財務会計および顧客管理、Eコマースなど、会社経営に必要な業務アプリケーション機能を単一のシステムで管理できるため、業務プロセスの一元化が可能です。さまざまな経営指標をリアルタイムに反映するBIを標準装備し、「経営の今」を、現在進行形で「見える化」することが可能です。
EAST2 - 株式会社キューキエンジニアリング
- 充実した業務管理機能
- 自社の要件に沿ったカスタマイズ開発
- さまざまなシステムと連携可能
EAST2は、中堅・中小企業向けのプロジェクト原価管理型ERPソリューションです。「引合受注管理」「作業管理」「勤務管理」など管理機能が充実しており、対象業務に応じて一部機能からでも導入が可能です。また受注組立生産方式で、顧客の固有業務へ細かく柔軟に対応できます。経理給与ソフト・グループウェア・タブレットシステムなどとの連携により、シームレスな業務運営を実現します。
マネーフォワード クラウドERP - 株式会社マネーフォワード
画像出典:マネーフォワード クラウドERP公式サイト
- 明細データの自動取得や仕訳で経理業務を効率化
- 仕訳ログ閲覧機能で、より徹底した管理が可能
- 業務分担に合わせた権限設定機能を搭載
マネーフォワード クラウドERPは、マネーフォワード クラウド会計に3つの新機能を加えたIPO準備や上場企業向けの会計ソフトです。
仕訳承認フローの導入により、すべての仕訳が承認を経て記帳されることで、決算書の正確性や信頼性を確保できます。仕訳ごとに生じる登録や申請、更新、承認の履歴をCSVやサービス内で閲覧可能。問題の早期解決や内部統制に効果的で、監査対応もスムーズに行えます。
SAP Business ByDesign(R)- 株式会社Minori ソリューションズ
画像出典:SAP Business ByDesign(R)公式サイト
- 中小企業での使いやすさにこだわった機能構築
- あらゆる業種、部門に必要な機能を1つに集約
- マルチデバイス対応のクラウド型システム
SAP Business ByDesign(R)(エスエーピー ビジネス バイデザイン)は、日本を含む世界で130か国以上の企業で利用されている中小企業向けのクラウドERPシステムです。
人事や財務はもちろん、顧客管理にプロジェクト管理まで、あらゆる部門で必要となる機能を1つのシステムに集約しています。ビジネスの継続的な成長を目的とした機能設計で業務連携の簡易化と管理業務の効率化を実現。リアルタイムで状況を把握し、分析によるプロセスの効率化や業務改善を行うことで、管理業務や処理の負担を軽減します。
NetSuite - Shearwater Japan
画像出典:NetSuite公式サイト
NetSuiteは、ビジネスに必要な機能をすべて含んだ、クラウドベースのビジネスアプリケーションスイートです。
財務会計や在庫管理などを統合した基幹業務システム「ERP」をベースに「CRM+顧客管理」「eコマース」機能が含まれ、各機能が一つのデータベースのみ参照することから、シンプルで効率的な業務をクラウド環境で実現しています。
NetSuiteは、企業が経済活動を行うなかで問題となりがちなデータの整合性を確保し、リアルタイムでのデータ反映・集計・分析によって、スピーディーな経営判断を行うことを可能にするほか、膨大な初期導入費用を節約できます。
こちらの記事では、今回紹介したNetsuiteとZAC、そしてSuperStreamを徹底比較しています。気になる方はぜひご覧ください。
SAP Business One
画像出典:SAP Business One公式サイト
SAP Business Oneは、ERPシェア世界No.1を誇るSAPが提供する中堅・中小企業向けのクラウドERPです。
SaaS型で構築されたSAP環境のうえにカスタマイズ機能を構築していくことが可能なため、オンプレミスSAPとほぼ同じ機能を実装できるという柔軟性を持ち、周辺サービスとの親和性の高さから注目を集めています。
グローバル展開や多数拠点での設置・導入を、2層ERPで行うのに最適なソリューションとなり、M&Aを含む市場環境の変化に柔軟に対応可能です。
Oracle ERP Cloud
Oracle ERP Cloudは、データベースでシェア世界No.1を誇るOracleが提供するクラウドERPです。
CRMやマーケティングオートメーションなどでも高いシェアを誇るOracleのデータ基盤と同じプラットフォームを共有することにより、統合された環境の実現とスムーズな連携を可能にします。
OracleではさまざまなERP製品のサービス提供を統合することなく行っているため、企業固有の事情を考慮に入れた最適なシステムを選択できます。
GLOVIA OM
GLOVIA OMは、salesforceの基盤上にERPを構築し、CRM/SFAとの連携を実現した統合的な環境をもたらすクラウドERPです。
従来から富士通が提供していたGLOVIAシステムも一部クラウド環境での運用を可能にしていましたが、財務会計、在庫管理、人事管理などを営業支援システム、顧客管理システムを統合するGLOVIA OMでは、中堅・中小企業が市場環境の変化に柔軟に対応していくための意思決定を容易にします。
Workday
Workdayは、財務会計と人事管理に特化したクラウドERPです。
会計、集計、プランニング、調達、プロジェクト、報告、分析を一元化した財務管理として扱うことにより、ビジネスの全体像を正確かつ迅速に把握することを可能とし、意思決定のためのアクションを生み出します。
また、限られたリソースである人材をいかに有効に活用するかを実現する、ヒューマンキャピタルマネジメントやプロフェッショナルサービスオートメーション機能を持ち、その独自性が注目されています。
また、こちらからはERPの人気ランキングや、各種サービスの評判・口コミをチェックできます。あわせてご覧ください。
おすすめクラウドERPをまとめて比較したい方は、こちらの無料でダウンロードできる資料をご覧ください。各サービスの料金プランや機能、特徴を比較できます。
クラウド・オンプレミス 2つのERP
ERP黎明期には、基幹業務システムを企業自身が開発する、スクラッチといわれる手法が採用されていました。そして現在では数多くのベンダーがERPサービスを提供しており、スクラッチが利用されることが多くなっています。
そのサービス内容はベンダーによりさまざまですが、提供方式によって大きく2種類に区分できます。
クラウドERP
従来企業内に構築されていたシステムをクラウド環境で構築し、ネットワークを介して利用できるようにしたものがクラウドERPです。
クラウドERPには、プライベートクラウド環境に構築されるもの、パブリッククラウド環境に構築されるものがあり、さらにインフラのみクラウドを利用してシステム構築する、大企業などに最適なIaaS型、アプリケーションを含めて構築されたシステムを利用する、中堅・中小企業に最適なSaaS型にわけることができます。
このクラウドERP、初期費用の負担を大幅に削減可能であるほか、維持管理を必要とせず、短期間での導入を実現することから、SaaS型が大きな注目を集めています。
オンプレミスERP
システムを構成するデータベースサーバなどのハードウェア、またアプリケーションなどのソフトウェアを自社内に設置・構築し、運用していくERPです。
自社専用となるため、要件にあわせたシステム構築・運営が容易ですが、高額な初期費用および維持管理が必要になることに加え、将来的なスケールアップ・ダウンの柔軟性に欠ける面があります。
従来のERPは、このオンプレミス型を指すことが多く、現在でも多くの企業で運用されています。
クラウドERPとオンプレミスERPの違い
近年のクラウドERPへの注目は世界規模となっており、日本のみの現象ではありません。その理由を両者の違いに着目して考えてみましょう。
- データロケーションと使用するネットワーク
- 拡張性とコスト
- バージョンアップを含む運用管理
- カスタマイズの柔軟性
パブリッククラウドを利用するSaaS型ERPの場合、その特性から時間と場所、デバイスを問わないアクセスが可能であり、ユーザー数の増減にも柔軟に対応、バージョンアップもベンダー側が対応するなど運用管理を含む総合的なコスト削減を実現しており、その優位性を誇っています。
カスタマイズに関してはクラウド型ERPが一歩譲る面もありますが、専用システムとなるオンプレミスのアドオンソフトウェア開発には膨大な費用が発生し、システムの煩雑化につながるというデメリットもあります。
両方組み合わせる「2層ERP」も?
これらの特性の違いを上手く活用して運用する2層ERPという手法も、近年注目を集めています。
これには、すでに基幹業務システムとして稼働しているオンプレミスにSaaS型ERPを組み合わせる手法、IaaS型にSaaS型を組み合わせる手法などがありますが、現有資産を有効活用しながら、海外を含めた多数の拠点のシステム統合を図りたい大企業に注目されているといえます。
こういった2層ERPによるシングルインスタンスの実現は、パブリッククラウドの柔軟性を表しており、変化の激しい市場経済へ迅速に対応するために、もはやクラウドERPを切り離して考えることはできなくなっているといえるでしょう。
以下の記事ではERPソフトをクラウドへ以降するメリットや注意点について解説しています。オンプレミス型のERPから以降を考えている方は必読です。
また、以下の記事では、ERPソフトのメリットについて簡潔に紹介しています。上記の記事を読む時間がないという方はこちらを読むことをオススメします。
そして以下の記事では、ERPパッケージ導入のメリットについて紹介しています。
ERPパッケージのおすすめ5選も紹介しているので、導入を考えている方はぜひお読みください。
クラウドへシフトするERPベンダー
従来オンプレミス型に注力していたERPベンダーも、クラウドへの開発資源集中を明確化しており、さまざまな施策を打ち出してきています。
パブリッククラウドとERPベンダーの提携
クラウドERPへの加速が進められているもうひとつの要因として、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureなどの大手パブリッククラウドが、自社インフラ基盤へのERP構築を積極的に推進していることが挙げられます。
たとえば、IaaSであるAmazon EC2にERPを構築する手法、SaaSのプラットフォームとしてAWSを利用するなど複数の手法が推進されており、Azureでも同様の状況です。
またVMwareがSAPと提携し、オンプレミスのクラウド移行を容易にするなど、さまざまなパブリッククラウドがベンダーと提携した環境構築を行っています。
SAPのクラウド戦略
これを受けて、世界・国内でトップシェアを誇るSAPでも具体的なクラウド戦略を進めています。
まずは企業の用途に合わせてデータ基盤を選択できる、大企業向けの「SAP R/4 HANA」を2015年に発表しています。
注目はIaaS環境にERPを構築する「パブリッククラウドエディション」であり、シングルインスタンスを容易にする2層ERPにも柔軟に対応可能とし、市場変化にあわせたシステム構築を実現しています。
また、中堅・中小企業向けの「SAP Business One」のリリースも行われており、積極的な姿勢が伺われます。
Oracleのクラウド戦略
M&Aを繰り返してさまざまなERP製品のラインナップを持つOracleでは、それらを統合するのではなく、企業ニーズに合わせて選択してもらうというクラウド戦略をとっており、それを象徴するのが、グローバル展開を視野に入れた企業のためのSaaS型「Oracle ERP Cloud」だといえるでしょう。
NetSuiteの買収にも見られるように、クラウド戦略ではOracleが一歩先をいく視点を持っているのかもしれません。
国内ERPベンダーの戦略
世界に見られない日本の特徴として、多彩な国内ERPベンダーが存在するということが挙げられるでしょう。
これらのベンダーもクラウドへの積極的な取り組みを行っており、AWSやAzure、IBM SoftLayerなどのクラウド基盤を利用したIaaS型サービス「COMPANY」を提供するワークスアプリケーションでは、AI機能を組み合わせたSaaS型ERP「HUE」を開発・提供しています。
また、大きな国内シェアを誇る富士通では、salesforce基盤上にERPを構築する「GLOVIA OM」を提供しており、クラウドへの移行は加速する一方です。
市場規模やシェアだけで判断できないクラウドERPの躍進
市場規模やシェアを解説するとともに、ERPの今後がクラウドへ移行する流れであることを解説してきました。
中堅・中小企業がこれからERPを導入する、既存ERPのリプレイスを考慮する際、これらのデータはある程度の指標となるかもしれませんが、あくまでも参考程度にとどめておいた方が良さそうです。
なぜなら、オンプレミスに対してクラウドERPは絶対的な導入コストを抑えることが可能になるため、金額ベースでのシェア比較があまり意味を持たないからです。
実際、国内のERPシェアに関していえば、導入数でのNo.1がワークスアプリケーションの「COMPANY」であるという報告もあります。
重要なことは、データに流されることなく、自社に必要な機能を見極めたうえで最適なシステムを選択することだといえるでしょう。
こちらの記事では、クラウドERPの導入事例を紹介しています。導入を検討している方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
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