顧客関係管理とは?システム導入メリットと種類・活用方法・検討ポイント

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- 顧客関係管理とは
- なぜCRMマネジメントは必要なのか?
- 顧客関係管理を行うメリット
- 顧客データのCRMで一元管理できる
- 顧客へのアプローチが容易になる
- ビジネスにおけるPDCAサイクルを回しやすくなる
- 販売管理システムとの連携
- 顧客関係管理(CRM)ができるシステムの種類と選ぶポイント
- 営業支援向け顧客関係管理(CRM)
- コンタクトセンター向けCRM
- マーケティング支援向け顧客関係管理(CRM)
- CRMは他のシステムと組み合わせて活用する
- 顧客関係管理システムの活用方法
- マーケティングの精度を高める
- 顧客情報を共有してスムーズに対応する
- 定量的かつエビデンスに基づいて経営判断を行う
- リモートワークを実現する
- 顧客関係管理(CRM)サービス7選
- Salesforce Sales Cloud
- Sansan
- Zoho CRM
- HubSpot CRM
- Microsoft Dynamics 365
- Oracle Sales Cloud
- やよいの顧客管理
- 顧客関係管理の導入と活用ポイント
- 注目のCRM、サービス資料まとめ
- 顧客管理システムの関連記事
- BOXILとは
顧客関係管理とは
顧客関係管理とは、別名CRM(Customer Relationship Management)とも呼ばれています。これは、企業と顧客の関係性についてどのように管理していくかという考え方です。
顧客と良好な関係を築き、製品・サービスを継続的に使ってもらうことは、売上や利益を高めるために欠かせません。一方で、どんな優れた人材や素晴らしい製品・サービスがあったとしても、顧客がいなくては成り立ちません。
そこで、「顧客を中心に据え、事業戦略やプロダクト戦略を考えていこう」というのが顧客関係管理の考え方です。真の顧客関係管理を実現するためには、顧客のニーズを的確に捉えていく必要があり、データを蓄積したり分析したりするためのツールが必要です。
なぜCRMマネジメントは必要なのか?
顧客関係管理(CRM)が必要になった背景には、ビジネス環境の変化によって自社で優良顧客を囲い込む必要が高まったことが挙げられます。
かつての日本は、高度経済成長期に市場が拡大し続け、「よいものをより安く作る」ことで顧客を獲得できました。製品・サービスへの需要が高く、品質の高いものをできるだけ低コストで作ることが売れる時代では、企業もそこに注力してビジネスを展開すれば問題ありませんでした。
しかし、日本も経済成長が終わり「失われた20年」に入ってからは、「よいものをより安く」では簡単に業績を上げられなくなりました。顧客ニーズが多様化し、製品・サービスをそこにマッチさせる必要も出てきたのです。
経済が成熟し、供給過多になったことで顧客の目は厳しくなり、単純に高機能や低価格を売りにしても売れなくなってきました。これに、インターネットの普及が拍車をかけます。顧客がインターネットを用いて簡単に製品を調べられるようになったことで、自社の顧客がいつ他社の製品に切り替えるかわかりません。
このように、多様化した顧客ニーズの把握と、ロイヤルカスタマーの囲い込みには、それを実現するために綿密にデータを分析して、戦略的にマーケティングや営業を行う必要があります。
顧客関係管理は、これらのことを実現するうえで必要不可欠なシステムです。顧客関係管理が広まってきた背景には、このような市場の変化があったのです。
顧客関係管理を行うメリット
顧客関係管理といっても具体的にどのようにすればいいのか想像しづらいでしょう。顧客関係管理を行うメリットについて、次の4つを説明していきます。
顧客データのCRMで一元管理できる
顧客関係管理を導入するメリットとしてまず挙げたいのが顧客データの一元管理です。顧客データは企業にとっての財産であり、これを管理することが顧客との関係構築を実施するための第一歩です。
顧客データが電子化されていないと、必要なときにすぐには利用できません。システムを用いることで、顧客データをより有効に、そして素早く利用できるようになります。
顧客へのアプローチが容易になる
顧客データが管理されることで、顧客へのメール配信が容易にできます。メール配信は、イベント情報や新製品の情報などをいち早く伝えられるため、顧客の囲い込みの観点からも非常に有力な手段です。
また、電話をかけたいときや資料を送りたいときなど、顧客関係管理で連絡先を調べられるため、名刺を探す手間も省けてスムーズに作業を実施できます。

ビジネスにおけるPDCAサイクルを回しやすくなる
顧客情報を一元管理しているため、その顧客の動向を社内で共有し、PDCAサイクルを円滑に回せるのも大きなメリットです。たとえば、イベントに参加した顧客がどれくらい製品を購入したかなど、顧客関係管理を導入してデータを入力することですぐに調べられます。
また、過去に製品を購入した顧客が、その後どのような製品を購入したのかの顧客動向の把握が可能です。このように、PDCAサイクルを回す際に顧客関係管理は大きな力を発揮するでしょう。
CRMツールによっては、データの分析結果をわかりやすく表示してくれるので、分析がしやすくなるメリットもあります。豊富なデータをもとに分析した結果があれば、より効果的な営業アプローチができるようになるはずです。
販売管理システムとの連携
顧客関係管理によっては、POSシステムのデータや販売管理システムなどと連携して、さらに詳細な分析を行うことも可能です。
できるかぎり詳細なデータを取り込むことで、戦略的にデータを分析し、次の一手を打てます。顧客関係管理をここまで使いこなせると、売り上げにも効果が出てくることでしょう。
顧客関係管理(CRM)ができるシステムの種類と選ぶポイント
顧客関係管理を行うにあたって必要なシステムには、主に営業支援向け顧客関係管理、コンタクトセンター向けCRM、マーケティング支援向け顧客管理の3種類があります。
最近では、次の3つのタイプを一つにしたCRMも登場しているようです。営業、サポート、マーケティングがすべて同一のシステムで一元管理できます。顧客関係管理のシステムを利用するシーンに合わせて検討を進めてみましょう。
またCRMの選び方としては、使いやすさ・費用・既存システムとの連携が重要なポイントになります。
必要十分な機能が揃っていて入力スムーズにできるか、導入メリットが月々のランニングコストを上回っているか、日ごろから使っているシステムとの連携できるかなどをチェックしておきましょう。デモや無料プランがあれば、実際に試してみるのもおすすめです。
営業支援向け顧客関係管理(CRM)
顧客関係管理(CRM)の中でもっとも一般的と言えるのが、営業支援型です。これは、顧客情報に訪問スケジュールや商談の履歴、案件情報、売り上げ実績を紐づけて一元管理するものです。
これにより、現状を素早く把握して、営業戦略の見直しや商談内容の改善を行います。システムのタイプとしては、オンプレミス型のものや最近ではクラウド型も誕生しています。
選定する際のポイントは、「シングルインプット・マルチアウトプット」が実現できるかどうかです。顧客関係管理の難点はデータの入力が必要ですが、これが現場の社員からすると負担になり、利用が進まないこともあります。
このような事態を避けるためにも、顧客情報や案件情報など、入力の手間を最小限にしてさまざまな形でアウトプットできることが重要です。
コンタクトセンター向けCRM
コンタクトセンター(コールセンター)などにかかってくる顧客からの声も、顧客管理のうえで非常に重要なデータになります。これらの情報をまとめるCRMもあり、オペレーターの方が入力しやすいような仕様になっています。
サポートなどの情報も一元管理することで、新製品・サービスを開発する際にうまくフィードバックできるようになるのです。選定のポイントとしては、オペレーターの方が入力しやすいものを基準にしつつ、入力した情報がレポートとしてしっかり反映されるどうかを見るのがよいでしょう。
マーケティング支援向け顧客関係管理(CRM)
マーケティング業務を効率的に行うことを目的とした顧客関係管理もあります。こちらは一斉メール配信機能があることをはじめ、イベント管理しやすい機能がついています。営業がフォローを実施する前のリードをナーチャリングする際に、利用を検討するとよいでしょう。
CRMは他のシステムと組み合わせて活用する
CRMは顧客情報やコミュニケーション履歴を管理するためのツールなので、営業、コンタクトセンター、マーケティング向けといったように用途に合わせて業務のための機能が付与されています。
そして、多くのCRMは機能を拡張できるように設計されています。たとえば、営業支援向けCRMでも外部のマーケティング用のシステムに顧客データを出力して使用できますし、場合によっては1クリックで外部のシステムと連携できます。
「顧客」は社内のさまざまな部署に関わるので、CRMの他にも使用するシステムを考慮しながら自社に適したシステムを選定してください。
顧客関係管理システムの活用方法
顧客関係管理(CRM)システムを活用する理由としては、既存顧客の囲い込みが目的の一つとなります。そのために、各々の顧客ニーズを適切に把握し、満たすアクションが必要となります。
マーケティングの精度を高める
たとえば、製品・サービスの品質向上や、顧客が求めているセミナー情報、期間限定のキャンペーン情報などを提供することで、顧客ニーズを満たしていきます。それらを実行するために、顧客関係管理の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
また、顧客関係管理は情報が蓄積されるまで時間がかかるため、有効活用して成果を出すまでタイムラグが発生してしまいます。これをふまえ、顧客関係管理はまず既存顧客から適用していくのがよいでしょう。
既存顧客であれば、すでに社内に蓄積されたデータがあるため、新たにデータが必要な新規顧客に比べると利用を進めやすいです。また、既存顧客であれば各営業がもつ「定性情報」もあり、データの「定量情報」との整合性も取りやすく、データ分析にもとづく結果がどのくらい正確なのか判断をつけやすくなります。
このように、既存顧客向けに顧客関係管理を活用しながら、徐々に新規の見込み顧客に対しても顧客関係管理を利用する流れが良いのではないでしょうか。
顧客情報を共有してスムーズに対応する
営業・コンタクトセンターの場合、情報共有は重要な課題です。顧客から問い合わせがあっても担当者しか状況が分からないので対応できない、引継ぎがスムーズに行われず退職者は発生すると一時的に顧客との関係性が後退してしまうといったケースはよくあります。
こういった事態を防止するためには顧客管理システムに顧客とのコミュニケ―ション履歴をこまめに入力しておき、他の担当者でもCRMの履歴を見れば顧客の問い合わせ内容が分かる、これまでの取引の内容がわかる状態にするべきです。
定量的かつエビデンスに基づいて経営判断を行う
CRM導入は経営判断の精度向上、迅速化効果も期待できます。経営者はどの事業に投資するかあるいは撤退するか、どの事業に成長の余地がありそうか、リスクがありそうかなどを素早く判断しなければなりませんが、実際には困難です。経営判断を下すための根拠を集めるのは難しいからです。
CRMを導入してアナリティクス機能によりさまざまな指標を管理し、瞬時に分析できるようになれば経営判断の精度が高まります。CRMは顧客に関する情報を取り扱う性質上、経営上必要なさまざまな情報に連動しているからです。
リモートワークを実現する
CRMにはリモートワーク・テレワークを実現させる効果も期待できます。クラウド型CRMを使用すれば、営業先やテレワーク中の自宅からでも簡単かつ安全に顧客情報にアクセスできます。
顧客情報を社内だけで管理している場合は、顧客情報や営業状況を社内に共有するために遠方からでも帰社する必要があったり、顧客ファイルを確認するために出社するといったケースも発生しかねません。
実際に顧客関係管理(CRM)システムの導入を比較検討したい方は、ぜひ次の記事も参考にしてください。

顧客関係管理(CRM)サービス7選
顧客関係管理(CRM)ができるシステムについて紹介してきましたが、その中でも7つに絞ってサービスを紹介します。
また、こちらからはCRMの人気ランキングや、各種サービスの評判・口コミはこちらからご覧になれます。あわせてご覧ください。
Salesforce Sales Cloud - 株式会社セールスフォース・ジャパン
- 顧客管理に必要な機能をこれ1つで
- 企業ごとに合わせた詳細なレポート機能
- 世界No.1の顧客関係管理(CRM)
Salesforce(セールスフォース)の使い方・機能・事例を解説、他社CRM/SFAとは何が違うのか?
Salesforce×Dynamics 365×eセールスマネージャー | CRMの機能・価格・評判を比較
Salesforce×JUST.SFA | 価格・機能など代表的SFAを徹底比較
- 名刺・商談・案件を一気通貫で確認
- 社内人脈の共有
- マーケティング機能も搭載
Sansan×CAMCARD×メイシー | おすすめクラウド名刺管理の評判・価格・シェアを比較
- 低価格で使用できる
- SFA、MAなど連携できるシステムが豊富
- 柔軟なカスタマイズが可能
HubSpot CRM
- 無料で使用できるCRMシステム
- 同シリーズのSFA、MAと連携
- 最大100万件の連絡先を登録可能
Microsoft Dynamics 365 - 日本マイクロソフト株式会社
- シリーズ全体で、マーケティング、CS、人材管理など広範な業務をカバー
- Microsoft TeamsやOfficeと統合的に使用できる
- カスタマイズの自由度が高い
Oracle Sales Cloud
- ERPとして人気のオラクルシリーズのクラウド型CRM
- 人工知能が問い合わせを分析・予測・回答
- さまざまなチャネルの顧客が統合的に管理できる
- 会計ソフトで有名な弥生シリーズのCRM
- 業界最大規模700席のコールセンターが使用をサポート
- 業界別に30種類のテンプレートを用意
その他のサービスは、詳しくは次の記事で詳しく紹介しているので、比較検討したい企業の方などはぜひご参照ください。

顧客関係管理の導入と活用ポイント
顧客関係管理のメリットは、顧客情報を一元管理し、そのデータを営業・マーケティングなどで有効に活用することで、顧客との良好な関係を構築できる点にあります。ひいてはこれが優良顧客のロイヤリティの向上につながり、経営改善につながります。
顧客関係管理を選ぶ際の重要なポイントは、導入する目的と利用シーンを明確にすることです。マーケティングを効率化したいのか、あるいは営業を強化したいのかで、求められる機能は変わってきます。たとえば、分析とそのフィードバックに基づくPDCAサイクルを加速させたいのであれば、分析機能とレポート機能の充実は必須になります。
一方で、マーケティングの観点で顧客へ一斉に情報発信を行いたい場合は、メール配信機能の充実が求められます。このように、目的・利用シーンに立脚した選定の実施を推奨します。
また、自社だけで選びきれない場合は、顧客関係管理を販売・保守するベンダーの力を借りるのも一つの手です。一緒に目的や利用シーンを考え、顧客関係管理の提案に盛り込んでくれるベンダーには信頼感を持てるため、保守サービスも安心して任せられます。
最適な顧客関係管理を選定して、みなさんの企業がこれまで以上に業務が効率化することを願っています。
注目のCRM、サービス資料まとめ

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