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2017-11-12

ERPをクラウド移行 | 乗り換えるメリットとオンプレ利用企業が抱える課題

企業の基幹システムを担ってきたオンプレミスERPを、クラウドへ移行させようとする動きが加速しています。クラウドへERPを移行するメリットとは何か、運用事例を交えながら解説していきます。
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迅速な経営判断と業務効率化、生産性向上を実現するため、いまやERPは企業にとってなくてはならないシステムとなっています。

しかし1990年代以降に導入が進んだERPは、システムの硬直化が進むオンプレミス型が主流であり、クラウドに乗り換えようにも身動きが取れなくなっているというケースが発生しています。

その問題を解決してクラウドERPを導入するため、現在ではリスク回避を行うためのいくつかの方法が存在し、それぞれに関心が持たれている状況だといえます。

その具体的な方法をハーフェレジャパンの事例をご紹介するとともに、クラウドERPの概要とメリットを解説していきます。

本記事で掲載しているERPサービスや、今回紹介しきれなかった機能・価格をもっと詳しく比較したい方はこちらからご覧になれます。ぜひツール選定の参考にしてみてください。

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クラウドERPとは

ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略で、財務会計、人事管理在庫管理顧客管理など、企業の基幹となる業務システムを統合し、情報の一元管理を行うことによって業務効率改善と生産性向上を実現する、基幹業務システムのことを意味します。

従来は、企業内のデータセンターにハードウェアとソフトウェアを設置・運用する「オンプレミス型ERP」が主流でしたが、現在では、クラウド環境に構築されたERPシステムをインターネット経由で利用する「クラウド型ERP」サービスが数多く登場しており、注目を集めています。

増加するクラウドERP

日本国内のベンダー売上金額で見た場合、クラウドERPが占める割合は小さいものの、確実に増加傾向にあり、2020年にはオンプレミスを逆転し、過半数がクラウドになると予測されています。

出典:ITR Market View:ERP市場2017

これは海外メーカーをはじめとする数多くのクラウドERPが登場し、それまでオンプレミスERPの導入が不可能だった、中小企業の導入が進んだことがひとつの要因として考えられます。

しかし近年の傾向では、中堅〜大企業の間でもクラウドERPへの関心が高まっており、検討中、もしくはすでに移行準備をしているというケースも多くなっています。

SaaSとIaaS

規模の大小を問わず企業からの注目を集めているクラウドERPには、そのサービス提供形態によって大きく2種類が存在します。

SaaS型ERP

SaaS(Software As A Service)型は、それまでユーザーがローカル環境で使用していたソフトウェアを、ネットワーク経由で提供・利用できるようにしたものです。
ユーザーは端末にインストールすることなくソフトウェアを使用でき、コストも低く抑えられることから、中小企業などが多く採用しているERPです。

SaaSについて詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。

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IaaS型ERP

IaaS(Infrastructure As A Service)型は、ネットワークやサーバなどのハードウェアまでを提供するサービスで、この基盤上にOS/アプリケーション/ソフトウェアを組み込んでERPを構築するものです。

SAPなどのオンプレミスERPを提供していたメーカーが、AWS(Amazon Web Service)などのクラウド環境を利用する製品に乗り出したこともあり、大企業が自社システムをクラウドへ移行する際などに利用されます。

IaaSについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。

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また、似ていて言葉が混同してしまいがちなSaaS、PaaS、IaaSの違いを詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。

SaaS PaaS IaaSとは | クラウドサービスを徹底解説! | ボクシルマガジン
知らないと恥ずかしい!ビジネスの場面でよく耳にする言葉、SaaS、PaaS、IaaS、それぞれの違いと読み方わかり...

このように、企業規模や予算によってアプローチは異なりますが、ERPの流れはクラウドに傾いているといえるでしょう。

クラウドERPへ移行するメリット

それでは、なぜこれほどクラウドERPが注目されるのでしょうか。
その要因となるメリットを挙げてみます。

低コストでのスピーディーな導入

オンプレミスERPを導入する場合、データセンターやインフラを含めた環境や、ハードウェア/ソフトウェアなど莫大な初期費用が発生し、運用までに年単位の時間がかかることも珍しくありません。

これに対してクラウドの場合は、SaaSであればインターネット環境と端末があればよいことになり、初期費用が大幅に削減できることに加え、すでに構築された環境を利用することからスピーディな導入が可能です。

トータルでのコスト削減

オンプレミスERPはサーバ環境となるため、安定した運用に保守が欠かせません。
このため、ベンダーと保守契約を結んだり専任の管理者をおく必要があり、目に見えにくい人件費がかかる他、ハードウェアの劣化に伴うリプレイス費用も考えなければなりません。

クラウドERPでは、もちろん契約内容に伴う定額料金が発生しますが、それ以外の運用費は発生しないといってもよく、トータルで見た場合のコスト削減効果は大きいものがあります。

常に最新バージョンの使用が可能

ソフトウェアにはバージョンアップが必須になりますが、オンプレミスERPの場合はこれに伴う費用が発生するだけでなく、作業状況によってはダウンタイムが生じる可能性もあります。

ハードウェアやソフトウェアのメンテナンスをベンダーが行うクラウドERPでは、常に最新バージョンのソフトウェアとセキュリティパッチが適用され、費用もダウンタイムも発生しません。

時間と場所を問わないアクセス

オンプレミスERPは、多くの場合で公開ネットワークでの使用を想定していません。

しかし、パブリック・クラウド環境であることの多いクラウドERPは、スマートフォンなどのマルチデバイスに対応することにより、時間と場所を問わないアクセスが可能になります。

海外を含む複数拠点との共有が容易

オンプレミスERPを複数拠点で共有する場合、それぞれの拠点にシステムを構築する必要があります。

これに対して、パブリック・クラウド環境のクラウドERPでは、世界中のあらゆる場所からのアクセスが可能であり、情報共有を容易に行うことができます。

セキュリティレベルの確保

たとえオンプレミスERPのネットワークがファイアウォールに守られていても、これを突破する攻撃に備え、あらゆるケースに対応できるセキュリティ体制を整える必要があり、そのコストと労力は大きな負担となります。

対して、セキュリティ面で不安に思われがちなクラウドERPですが、常に最新のセキュリティ対策を反映させる体制が整っていることが多く、そのレベルは高いといえます。

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災害時のリスク回避

オンプレミスERPは、その性格上、企業内のデータセンターに設置されますが、災害などで物理的な被害を企業が受けると、ERPもデータごとダメージを受ける可能性が高くなります。

クラウドERPの場合は、複数のデータセンターに渡ってシステムが冗長化されていることがほとんどであり、災害時のリスク分散に役立ちます。

統合されたデータベースによる一元管理

オンプレミスもクラウドもERPであることに変わりありませんが、オンプレミスがそれぞれの機能に対して複数のデータベースを持つことがほとんどなのに対し、クラウドではひとつのデータベースに一元化されたデータをすべての機能が利用します。

このため、クラウドERPでは データの整合性とリアルタイム性が確保され、あらゆる判断をスピーディーに行うことが可能です。

スケールアップ/ダウンに柔軟な対応が可能

導入した企業に最適化されるオンプレミスERPは、スケールアップ/ダウンに柔軟な対応が難しくなっています。

クラウドERPの場合は、事業内容に応じたユーザー数の増減にも柔軟に対応し、契約終了によって使用を中止することも簡単です。


こちらではクラウドERPの導入事例を紹介しています。実際どのようにクラウドERPが活用されるのかを知りたい方はぜひご覧ください。

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企業がオンプレミスERPをバージョンアップできない理由

数々のメリットがあるクラウドERPですが、オンプレミスERPをすでに導入している大企業にとっては、簡単に移行できない理由もあります。

ひとつには、複数拠点や関連企業を含めたシングルインスタンス環境構築を進めていく途中で課題に直面してしまい、システム自体が硬直化してしまっていることです。

理想に終わったシングルインスタンス

企業がERPを導入する大きな目的に、企業内の各部署に散らばっていた業務システムを一元管理することによって、経営資源を効率的に運用し、生産性を高めていくということがあります。

シングルインスタンスとは、その規模を本社のみならず、海外を含む複数拠点や子会社、関連会社にいたるまで統一し、一元管理することによって、より効率的な運用を行っていくものですが、これを進める過程でいくつかの問題が発生するのです。

コストの問題

クラウドERPのメリットでも触れましたが、一番の問題はコストです。

大企業が採用するSAPなどのオンプレミスERPは、導入に際して数億円〜数十億円の費用がかかるといわれています。
シングルインスタンスを進めていくためには、膨大な導入費用を各拠点ごとに用意する必要がありました。

企業がこれらの費用を負担する正当性は、本社との関連が薄くなる程低下していくのです。

スピードの問題

企業の業務内容にあわせて最適化されるオンプレミスERPは、導入までに膨大な期間を要します。

このため、シングルインスタンスをグローバルレベルで進めるとなると、数年以上の期間がかかるだけでなく、そのころには、本社システムのバージョンアップやカスタマイズにリソースを割かなければならなくなる可能性も大きくなります。

激しく変化を続ける市場経済の中で、数年単位の長期間にわたる作業は、M&Aなどの情勢変化に柔軟な対応ができないということを意味します。

リスクの問題

コスト/スピードの問題は、さまざまなリスク要因を増大させます。

バージョンアップや市場経済への柔軟な対応はその一部ですが、オンプレミスERPが持つ性格上、導入直後から劣化が始まるという事実があり、老朽化したシステムを使い続けるというリスク要因も無視できません。

クラウドERPは解決策か?

しかし、SAPが現行のオンプレミスERPの保守期限を2025年に定めたこともきっかけとなり、これらの課題を解決することが企業にとっての急務となりました。

それでは、クラウドERPへの移行は、課題すべてを解決する最善の策となりうるのでしょうか?
考えられる2つの方法を考えてみましょう。

オンプレミスからクラウドERPへリプレイス

まずひとつは、現状使用しているオンプレミスERPをクラウドERPへ完全にリプレイスする方法です。

この場合は本社のERPを含め、各拠点のシステムをすべてクラウドERPに置き換え、オンプレミスを廃止することになりますが、ひとつのデータベースによる一元管理がすべてに適用され、完全なシングルインスタンスを実現するメリットがあります。

新たにIaaSでシステム構築する場合は少し時間がかかる可能性が大きくなりますが、自社に適した柔軟なカスタマイズが可能なSaaS型であれば、考慮すべきは安全なデータ移行のみ、ということになります。

2層ERPでシングルインスタンス

もうひとつは、本社に導入されたオンプレミスERPはそのままに、カスタマイズ可能なクラウドERPを各拠点に導入し、シームレスな連携をとることによってシングルインスタンスを実現する方法です。

この場合は本社のERPに投資された資源を有効活用しつつ、シングルインスタンスを実現するためのコストを抑えることが可能となり、導入までの期間を大幅に短縮できることが最大のメリットとなります。

異なるERPを連携させることから2層ERPといわれるこの手法、大企業の間で大きな関心を集めており、現実的な手法として注目されています。

導入事例:NetSuite(ネットスイート)

NetSuiteは、ビジネスに必要な機能をすべて含んだ、クラウドベースのビジネスアプリケーションスイートです。

財務会計や在庫管理などを統合した基幹業務システム「ERP」をベースに「CRM+顧客管理」「eコマース」機能が含まれ、各機能がひとつのデータベースのみ参照することから、シンプルで効率的な業務をクラウド環境で実現しています。

NetSuiteは、企業が経済活動を行う中で問題となりがちなデータの整合性を確保し、リアルタイムでのデータ反映・集計・分析によって、スピーディーな経営判断を行うことを可能にするほか、膨大な初期導入費用を節約することができます。

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下記以外の導入事例はこちらから

NetSuite(ネットスイート)の導入事例、基本機能・使い方 | クラウドERP解説 | ボクシルマガジン
「NetSuite(ネットスイート)」は、ERP、財務会計、CRMといった機能を持つクラウド型業務アプリケーション...

事例1. ハーフェレジャパン

会社名:ハーフェレジャパン業種:卸売業
事業内容:家具金物、キッチン金物、建具金物の開発・製造・販売・卸売

課題:既存ERPの刷新と将来的な本社との連携

90年以上の歴史を誇るハーフェレの日本法人、ハーフェレジャパンでは、20年に渡る日本での展開を経て順調に業績を伸ばしていくに伴い、自社内のオンプレミスERPの老朽化による業務効率悪化が課題となり、システム刷新が課題であった。
しかし、同じタイミングで本社のシステムが新たなオンプレミスERPに置き換わることになり、グローバル展開で導入完了を待てなかった同社では、スピーディーな導入を可能としつつ、将来的に本社システムと連携が可能なERP導入を迫られた。

効果:4か月で移行完了、本社との連携もスムーズに

選定されたNetSuiteはカスタマイズを含めた大きな柔軟性を持っており、要件定義に2か月、データ移行自体も2か月、合計4か月という短期間でシステムの移行が完了した。
機能自体の優位性は把握していたものの、懸案だった反応速度や倉庫システムとの連携も想像以上に良好で、前年比10%という成長を実現。本社のオンプレミスERPとの統合も問題なく実行できている。


こちらの記事では、Netsuiteを含む3つのクラウドERPを徹底比較しています。気になる方はぜひご覧ください。

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リプレイスにも2層にも最適

ハーフェレジャパンの事例でもわかるように、NetSuiteはERPを超える真の意味でのビジネス・アプリケーションスイートであると同時に、SaaS型である優位性を最大限活かしたコスト削減効果、スピーディーで柔軟な運用性、カスタマイズの自由度やデータ安全性を持っています。

この特性は、大企業がオンプレミスをクラウドに完全リプレイスする場合も、2層ERPを採用してシングルインスタンスを実現する場合にも有効であり、ERP移行には最適のソリューションだといえます。

経営判断を迅速にするためにもクラウドERPへ移行を

クラウドERPがさまざまな面でアドバンテージを持っていること、オンプレミスを使い続けることのリスクや問題点などを解説してきました。

資金の潤沢な大企業であっても、膨大な初期費用を投資して導入したオンプレミスERPを、クラウドに移行するという決断は容易なものではないかもしれません。

しかし、現在ではSAPなどのIaaSサービスやNetSuiteなどのSaaSサービスのほか、オンプレミスを含めた組み合わせが可能な2層ERPという、豊富な選択肢が存在します。

企業の先行きを決定する経営判断を迅速に行うためにも、クラウドERPへの移行は必須の経営判断となってくるでしょう。


こちらの記事では、クラウドERPの市場規模や注目のサービスを紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。

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