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エクセルで契約書管理をする方法と5つのメリット!8ステップで契約書を管理しよう

最終更新日:(記事の情報は現在から82日前のものです)
エクセルによる契約書管理には低コストでカスタマイズが自由にできるなどのメリットがある一方、ミスが発生しやすくセキュリティが弱いなどのデメリットもあります。エクセルで契約書管理を行う8つのステップも紹介しているため、参考にしてください。

エクセルで行う契約書管理とは?

エクセルで行う契約書管理とは、契約書を一元管理するための管理台帳をエクセルで作成し契約書を管理することです。エクセルは多くの企業ですでに利用されており、汎用性が高いため管理台帳の作成に向いています。

一般的な契約書の管理台帳には次のような項目を記載する必要があります。

  • 契約書のタイトル
  • 契約日や契約期限
  • 取引先名
  • 担当者
  • 契約金額 など

これらの項目を整理して契約書を管理することで、膨大な量の契約書を一元的に管理し、契約書の内容を参照しやすい状態に整えられます。

契約書管理をエクセルで行うメリット

契約書管理をエクセルで行うメリットとしては次のようなものが挙げられます。

  • コストが小さい
  • カスタマイズの自由度が高い
  • 操作が簡単である
  • 分析機能が豊富
  • 教育コストがかからない

エクセルで契約書管理を行うメリットを詳しく解説します。

コストが小さい

契約書管理をする方法としてはエクセルのほかに、契約書管理システムを導入することも考えられます。エクセルと契約書管理システムを比較するとエクセルはコストが小さいことがメリットです。エクセルなら一般的な企業ではすでに導入されていることが多く、追加で費用がかからない点が魅力です。

コストを抑えたいスタートアップ企業や中小企業にとって、すでに導入していれば追加で費用がかからない点はより大きなメリットであると考えられるでしょう。

カスタマイズの自由度が高い

カスタマイズの自由度が高いこともエクセルで契約書管理を行うメリットです。

契約書を管理する際に、独自のフォーマットや管理項目を設定したい場合も多いでしょう。しかし、既成の契約書管理サービスでは柔軟に対応できないこともあります。エクセルなら記載する項目やフォーマットを自由に設定できるため、管理したい項目や見た目を自由にカスタマイズできます。

関数を駆使して一定の自動化もできるため、少しでも手間を削減したい場合にもエクセルは便利です。

操作が簡単である

すでにエクセルの操作に慣れている人も多く、契約書管理台帳を作った際に操作が簡単だと感じる人も多いこともメリットです。

項目の追加や削除、表全体の修正や関数の追加などの操作も簡単にでき、社内にエクセル操作に精通している人がいれば台帳の管理も利用も簡単です。

分析機能が豊富

エクセルの豊富な分析機能が使える点も、エクセルで契約書管理台帳を作成するメリットです。

エクセルには、関数やグラフ、表作成機能など分析に便利な機能が多く搭載されています。エクセルの分析機能を用いて契約書の傾向やリスクを分析できれば、売上拡大のチャンスや逆に抱えているリスクを早い段階で発見できます。

教育コストがかからない

エクセルで管理台帳を作成すれば、管理台帳利用のための教育コストもかかりません。多くの従業員が使い慣れているエクセルを利用すれば、新たに教育の機会を設ける必要も運用サポートの体制を構築する必要もありません。

少しでも手間なく契約書管理台帳を作成して運用したい場合には、使い慣れているエクセルが便利です。

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契約書管理をエクセルで行うデメリット

契約書管理をエクセルで行うデメリットもあります。

  • 入力に手間がかかりミスが発生しやすい
  • データ量によってファイルが重くなる
  • 全社的な一元管理が難しい
  • セキュリティ面でのリスクが高い
  • 契約期限の目視管理が必要

それぞれのデメリットがどのようなものか、詳細を説明します。

入力に手間がかかりミスが発生しやすい

エクセルで契約書管理を行う場合は、基本的に手入力によるデータ入力が基本です。手入力を行う場合、手間と時間がかかります。契約書の数が多くなればなるほど、手入力の手間と時間は膨大になるでしょう。また、手間と時間のかかるデータ入力作業はミスが発生しやすく、正しい管理台帳を作ることが難しいです。

情報のヌケモレや誤った情報が入力されてしまうこともあります。エクセルは豊富な分析機能によるデータドリブンな判断ができる反面、正しいデータが入力されていることを前提としているため、データ入力の段階でミスがあるとメリットが1つ失われます。

入力に手間や時間がかかるだけではなく、ミスが発生しやすいことでメリットもなくなってしまうことが、エクセルでの契約書管理のデメリットの1つです。

データ量によってファイルが重くなる

エクセルは入力されたデータ量が多いと挙動が重くなってしまうことが多いです。使い始めは問題なくとも、契約書データが多くなってくると処理速度の低下を実感することも。データと同時に複雑な関数を入れている場合も処理速度低下の原因になるでしょう。

エクセルでの契約書管理を検討する際は、データ量増加に伴うエクセルの処理遅延が不便なだけではなく、人件費としてコスト面でのデメリットが発生することも考慮しなければなりません。

全社的な一元管理が難しい

エクセルは複数人で同時編集が難しく全社的な一元管理には向きません。

従業員の1人が管理台帳を開いている場合、ほかの従業員は管理台帳を操作できません。コピーを作成して修正し、あとから変更箇所を統合する方法もありますが、この方法では先祖返りが発生してしまう懸念があります。また、本番ファイルと仮で作成したコピーファイルがわからなくなるリスクも存在します。

さらに、契約書を営業部門が管理し、当該契約にかかる経費は経理が管理している場合には、契約と経費を紐づけて一元管理することも難しいです。

このように全社的な情報の一元管理の難しさがエクセルのデメリットです。

セキュリティ面でのリスクが高い

エクセルでの契約書管理はセキュリティ面でのリスクが高いです。なぜならエクセルのセキュリティ機能は限られたものしかないためです。また、エクセルは情報共有しやすいことがメリットであるといえますが、反対に情報が漏れやすいことがデメリットだとも考えられます。

契約書は一般的に企業の重要な情報で、機密情報として扱われなければなりません。そのうえ管理台帳ともなれば、情報の重要度はさらに向上します。パスワードをかけたり読み取り専用にしたりしても、ファイル自体が流出してしまえば企業にとって大きな損失です。

そのようなセキュリティリスクを抱えて運営しなければならないことも、エクセルで契約書管理を行うデメリットといえるでしょう。

契約期限の目視管理が必要

契約期限について、目視で確認し対応しなければならないこともエクセルの不便な点です。セルや文字に色を付けたり、条件付き書式を活用したりしてわかりやすくできても、エクセルファイルを開いて目視で契約期限を確認しなければならない状況は変わりません。

目視での確認は確認漏れが発生してしまうこともあり、不必要な契約が自動で更新されてしまうことや、必要な契約の更新漏れが発生するなどトラブルの原因になります。契約更新時期を自動通知してシンプルに運用したい場合は、エクセルでの管理はやや不向きです。

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契約書管理をエクセルで行う8つのステップ

契約書の管理をエクセルで行う場合、次の8つステップで進行しましょう。

  1. 管理部門と担当者を決定する
  2. 管理する書類や項目を洗い出す
  3. 書類管理のルールを策定する
  4. 管理台帳を作成する
  5. 管理台帳に情報を入力する
  6. 契約書を保管する
  7. 関係者や利用者に周知する
  8. 運用する中で改善を行う

各ステップごとに具体的に行うべき内容を解説します。

管理部門と担当者を決定する

エクセルで管理台帳を作成することが決まったら、台帳を管理する部門や担当者を決定しましょう。権利部門や担当者は契約書管理や台帳自体を管理する責任の所在を明らかにして、運用体制を整えるために必要です。

契約書の管理は通常法務部門や総務部門が担当することが多いです。ただし、管理部門は企業ごとに自由に決められるため、都合のよい部署を管理部門に設定し、担当者も決定しましょう。これ以降のステップについては管理部門や担当者が中心となって進行します。

管理する書類や項目を洗い出す

台帳の管理部門や担当者が決まったら管理する書類や項目を洗い出します。契約書にはサービスや製品の売買契約、不動産の賃貸借契約、提携企業との秘密保持契約書などさまざまな種類があります。

多くの種類がある契約書の中から管理台帳で管理するものを選別し、契約書の項目のうち台帳に記載しておくものを決定しましょう。

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書類管理のルールを策定する

管理する書類や項目を洗い出すと同時に、書類管理のルールを決めておくとよいでしょう。ルールを決める中で必要な項目がわかる場合や、業務フローをあらかじめ決めておくことで今後台帳を周知するべき関係者の絞り込みができます。

契約情報は企業にとって非常に重要な情報のため、必要十分な関係者に周知する体制を整えておく必要があります。すべての従業員が制限なくアクセスできる状態はセキュリティの観点からリスクが高いため、ルールや閲覧の権限を明確にしておきましょう。

管理台帳を作成する

管理すべき書類と管理項目、ルールが明確になったら管理台帳を作成します。台帳には先に決めておいた契約書の必要な項目を記載できるようにして、契約情報の一覧性を高めます。

また、設定したルールを守れるような権限設定になっていることも契約書管理台帳作成のうえで重要です。エクセルのパスワードを定め、台帳を編集できる権限や閲覧できる権限などを整えたうえで、台帳を作成します。

管理台帳に情報を入力する

管理台帳が完成したら、契約書の情報を入力する必要があります。新規契約は当然として、既存の契約についても順次管理台帳に情報を入力しましょう。

管理台帳作成のときに決めた項目に対して、契約書から情報を抜き出しエクセルに手入力を行います。この際に、情報が誤っているとエクセルで契約書を管理するメリットが損なわれるため注意しましょう。

また、今後契約書の原本閲覧が必要になった際に簡単に原本を参照できるように、保管場所も入力しておくとよいでしょう。

契約書を保管する

管理台帳に情報が入力できた契約書から、あらかじめ定めておいた保管場所に格納します。電子データとして契約書をスキャンして保存する場合は、このタイミングでスキャンと保存を行い、保存した場所を参照できるように管理台帳も更新しましょう。

スキャンデータも迅速に閲覧ができるように命名規則を定め、わかりやすいフォルダ階層で管理が必要です。エクセルでの管理台帳やスキャンデータを利用して管理できる状態に整えても、更新がされなかったりスキャンデータが無分別に共有フォルダに置かれたりしていては、契約書を参照する際に不便なままです。

適切な管理と閲覧できる状態を整えておくことを目的として、目的に沿う管理台帳の運用を行いましょう。

関係者や利用者に周知する

管理台帳が完成し運用できる体制が整ったら、関係者や利用者に周知して全社的に運用を開始しましょう。管理台帳や契約書の保管方法だけではなく、あらかじめ定めた台帳運用ルールや編集・閲覧のためのマニュアルも含めて周知が必要です。

運用開始時は現場も混乱することが多いと考えられるため、適切な窓口を用意して質問を受け入れる体制も整えておくと運用はスムーズに軌道に乗りやすいです。ルールや運用に関するマニュアルをすべての従業員が守りながら台帳の運用ができるように、管理台帳の運用開始直後はできるだけ丁寧なサポートを心がけましょう。

運用する中で改善を行う

管理台帳の運用をする中で想定しきれなかった問題や不便な点が出てくることもあるでしょう。そのような場合も少しずつ改善をして、より便利な台帳を目指します。現場からあがってくる声を反映して台帳やルールを見直すことや、定期的に正しく運用が行われていることを確認することで、台帳をより活用できる体制が強化されます。

管理台帳は作ることが目的ではなく、台帳を用いた一覧性の向上や業務効率化が目的です。より便利な台帳を作り、わかりやすいシンプルなルールで従業員の業務を効率化するために、完成した台帳や運用体制に問題がないことを常に確認しておきましょう。

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契約書管理をエクセルで行うポイント

契約書管理をエクセルで行うポイントは次のようなものです。

  • 必要十分な項目で管理する
  • 一元管理を心がける
  • 雛形やテンプレートも活用する
  • 電子契約は区別する
  • 既存の契約書の扱いを決める

各ポイントで気を付けるべきことを詳しく解説します。

必要十分な項目で管理する

エクセルで契約書を管理するときには必要十分な項目での管理が必要です。なぜなら、管理項目が多くなればなるほどファイルが見にくくなってしまうことや、入力ミスの発生が高くなることが考えられるためです。

エクセルで管理台帳を作る際に「どうせ作るなら多くの項目を一覧で管理したい」と考えてしまい、さまざまな項目を管理項目に設定したくなるケースも多いでしょう。しかし、項目が多くなりすぎるとエクセルの利便性を損なうため、次のような項目を基本として、ほかの項目はなるべく増やさないことを心がけてください。

  • 契約書の種類
  • 契約先企業
  • 契約書締結日
  • 契約の有効期限開始日
  • 契約の満了日
  • 契約の自動更新の有無

一元管理を心がける

エクセルでの契約書管理のデメリットの項目で解説したように、エクセルでの契約書管理は一元管理が難しいです。しかし、一元管理の難易度が高くても契約書は一元管理をすることが管理の面からも望ましいでしょう。

部門や部署、支店と本社などでそれぞれ契約書を管理している場合にも、できるだけ契約書をまとめて管理できるような仕組みを構築し、一元管理を心がけて運用を行いましょう。

各部門部署、支店と本社で同一フォーマットの台帳で作業したり、普段は各部署で管理しているファイルを定期的に中央のファイルにマージしたりなど、一元管理をしやすい体制で台帳を運用しましょう。

雛形やテンプレートも活用する

雛形やテンプレートを活用することで、必要な項目だけの管理や全社的な一元管理が楽にできるようになります。

管理台帳を作成する際に雛形やテンプレートを利用すれば、必要十分な項目は最初からある程度入力されており、作成の手間は最小限に抑えられるでしょう。自社の状況に合わせてどうしても必要な場合にのみ、項目を追加して修正したものを全社的なテンプレートとして利用しましょう。全社的なテンプレートが用意できれば、万が一複数のファイルができてしまったとしても同じ項目で台帳が作成されているため統合も容易です。

契約書管理をエクセルで行う際は、台帳作成時に雛形やテンプレートを使うことで台帳作成の手間を削減でき、オリジナルテンプレートを用意し台帳を運用すれば一元管理がしやすくなると覚えておきましょう。

電子契約は区別する

電子契約は従来の紙ベースの契約と区別して管理しましょう。同一のエクセルファイルで管理する場合にも、当該契約が電子契約で行われているか、ペーパーベースで行われているか正しく分類しておきましょう。

電子契約と紙による契約を区別しなければならない理由は主に次の2つです。

  1. 業務上の手間が増えてしまうため
  2. 法的な要件が異なる場合があるため

電子契約と書面による契約を分類せずに管理すると、契約書の原本確認が必要な場合に存在しない紙の書類を探すムダな時間が発生するリスクがあります。また、電子契約は紙の契約とやや保管の要件が異なる場合があります。異なる法的要件をもつ契約を1つのファイルで管理すると、コンプライアンス的なリスクになるでしょう。

よって、電子契約と紙の契約を区別して管理し、これらのリスクを小さくすることが望ましいでしょう。

既存の契約書の扱いを決める

既存の契約書はどのような扱いにするかを決めて、決定した運用方法に従って既存の契約書を処理しましょう。

契約書管理をエクセルで行うための8ステップで「既存の契約についても順次管理台帳に情報を入力する」と説明しましたが、実際の運用ではこのステップは無理に行う必要はありません。既存契約の数が膨大な企業では、過去契約分のデータ入力にも膨大な時間がかかります。

そのため、既存契約書はエクセルでの管理をしないと決めて、保管場所を記載するのみでもよいでしょう。ただし、過去の契約も参照できる管理台帳のほうが便利であることは間違いないため、手が空いたときに順次追記することも検討しましょう。

エクセル以外で契約書を管理する方法

エクセル以外での契約書を管理する方法としては、契約書管理システムの利用が有効です。

契約書管理システムとは、従来紙ベースで行っていた契約書の管理を、電子データを用いてシステム上で管理できるシステムのことです。システムで契約書を管理できる点はエクセルでの管理に似ていますが、データをAIで自動入力できる点や、さまざまな項目による検索性能が高い点などが異なります。

また、セキュリティ機能が高いものも多く、システムログインにパスワードが必要なことは当然として、閲覧権限の設定のほかにダウンロード制限や印刷制限をかけられるものもあります。

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契約書はエクセルで適切に管理しよう

契約書はエクセルで適切に管理し、業務効率化を図りましょう。

エクセルは多くの従業員が使い慣れている便利なソフトです。自由にカスタマイズができるうえに教育コストもかからず、導入がスムーズに進む点で、メリットは大きいです。

しかし、エクセルで作成された管理台帳はデータが多くなると処理が重くなる点や、複数人での同時編集ができない点、セキュリティリスクが高い点などデメリットも多い管理方法ともいえます。

契約書管理を行う際にエクセルのデメリットは無視できないと考える方は、ぜひ契約書管理システムの導入も前向きに検討しましょう。

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