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ヒートマップとは?機能・メリット・見方・活用事例 - サイト改善につなげよう

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行列内の数値を色付けし濃淡を用いて可視化できるヒートマップは、Webサイト改善によく使われる手法です。来訪者の「閲覧終了エリア」「クリックエリア」などを把握できるヒートマップツールの代表的な機能・メリットを解説し、活用方法まで解説していきます。

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ヒートマップとは

ヒートマップ(英語:heat map)とは、行列型のデータの強弱を色の濃淡で表し、一目でわかりやすく視覚化できるグラフのことです。

数値で見るよりも色の濃淡で表すことにより、視覚的にわかりやすく、ひと目で状況を判断できます。

ヒートマップのルーツ

ヒートマップは、もともと遺伝子解析(マイクロアレイ解析)や統計で利用されていました。

近年では、とくにWebページでのユーザー行動を色の違いで可視化するために利用されることが多いものの、それ以外のところでも活用されています。

たとえば、気象庁が日本地図上で気温の高い地域を赤、低い地域を青や紫などに色分けしてマッピングしたものも、ヒートマップの一例です。

ほかにも、サッカーの行動分析や、株価など幅広い分野で活用されています。

Webサイトでは、ユーザーの動きやクリックされた箇所からコンテンツの注目度を分析するために使われることが多いです。

読者の行動を直感的に把握できるため、サイトの改善点を見つけるのに有効な手法のひとつです。

ヒートマップの仕組み

ヒートマップは、データをもとに視覚的にわかりやすい配色を設定し、データの動きを色や濃淡のグラデーションによって可視化する仕組みです。

Webマーケティングにおいて活用されるヒートマップでは、ユーザーがクリックした場所やマウスの動き、熟読している場所の滞在時間などの数値を計測し、色でわかりやすく表示します。

ヒートマップを活用することで、ユーザー行動を正しく把握できるようになり、Webサイトの問題点やユーザーニーズを分析し、改善が可能です。

ヒートマップツールとは

ヒートマップツールは、ヒートマップを簡単な動作で作成できるツールです。プログラミングの知識がなくても使えるので、Webサイト分析に苦手意識がある方にも使いやすいツールといえるでしょう。

ヒートマップツールをお探しの方は、有料・無料含めこちらの記事で人気のツールを比較しているのでぜひチェックしてみてください。

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ヒートマップの種類

ヒートマップの種類について紹介します。

熟読エリア

ユーザーがページ内でよく読んでいる場所が赤く、あまり注目されていない部分は青く表示されています。どのコンテンツに関心が集まっているかが視覚的にわかることが特徴です。

ページ全体の情報設計を見直す際や、重要な情報をどこに配置すべきかを判断する手がかりになるエリアです。また、施策後に改善効果があったかどうかの検証にも活用できます。

終了エリア

ユーザーが、ページをどこまでスクロールして読んだか示すエリアです。縦長のページでとくに効果を発揮し、「どこまで読まれているか」「どのあたりで離脱が増えるか」などの閲覧傾向を把握できます。

重要なコンテンツが下部にあり、読まれずに終わっている課題を発見する際に役立ちます。

クリックエリア

ユーザーがどこをクリックしたかを視覚的に表示するエリアです。どのリンクやボタンに関心が集まっているかが一目でわかります。

リンクと誤認されやすい画像や装飾など、ユーザーの意図しないクリックも検出できるため、ページ内の改善点も洗い出せます。

離脱エリア

ページから離脱したユーザーが最後に見ていた箇所を可視化するエリアです。特定のコンテンツや構成が離脱のきっかけではないかを検証するのに役立ちます。

離脱エリアの分析を通じて、読了率やエンゲージメントの向上を目指したページ改善が可能になります。

クリック数

各ボタンやリンクが何回クリックされたかを定量的に把握できます。クリック数が多いエリアほど暖色で表示されるため、重要な導線や注目コンテンツを視覚的に理解できる点が特徴です。

また、ハンバーガーメニューのような動的コンテンツにも対応しており、通常のヒートマップでは分析が難しい課題も発見しやすくなります。

ヒートマップツールのメリット

ヒートマップツールの主なメリットを紹介します。

ユーザーの行動を直感的に理解できる

ヒートマップは、ユーザーが「どこを見ているか」「どこをクリックしたか」の行動を色で表現するため、データに詳しくない人でも直感的に理解できます。

視覚的な分析が可能になることで、社内の共有や意思決定もスムーズに進められるでしょう。

Webページの改善ポイントを発見しやすい

どのコンテンツが注目されていないか、どのボタンがクリックされていないか、ユーザーの動きをもとに課題を発見できます。

たとえば「リンクと間違われて画像がクリックされている」といった問題にも気づきやすく、改善施策のヒントになります。

改善施策の効果検証ができる

ヒートマップツールは、ページの変更前後でユーザーの行動がどう変化したかを比較しやすいため、「どの施策が効果的だったか」を確認するのに役立ちます。

ABテストと組み合わせれば、定量・定性的な視点から効果検証が可能です。

ヒートマップの分析ポイントと改善方法

ヒートマップを分析する際のポイントと改善方法について紹介します。

「熟読エリア」の分析ポイントと改善方法

熟読エリアは、読んでもらいたい部分がイメージどおりに注目されているかがポイントです。

読んでもらいたい部分は濃い色か、反対にあまり読まれないと思っていた部分で注目されているところはないかを確認しましょう。

改善する際は文章が読みづらくないか、ユーザーの求める答えが書かれているかなどのチェックも必要です。

図や表を挿入することで、読みやすさの改善を図れる場合もあります。また、注目度の高いコンテンツを、Webページの上部に上げることも効果的です。

「終了エリア」の分析ポイントと改善方法

終了エリアで見るべきポイントは、離脱が起こっている場所とコンバージョンの有無です。離脱には、求めている情報があったので終了したといったポジティブな理由もあります。

しかし、画像が適していない、求めている情報が出てこないなどのネガティブな理由も考えられます。

改善するには、熟読エリアの場所や内容と比較し、ページのレイアウトや画像、内容に問題がないか考えてみましょう。

たとえば、熟読エリアのすぐ上が大きな離脱ポイントだった場合は、求めている情報が出てこないため離脱したと考えられます。

「クリックエリア」の分析ポイントと改善方法

クリックエリアで注目すべきは、間違ってクリックされている箇所です。

Webサイトを訪れるユーザーは、必要となるクリックをしても次の情報に遷移できない場合に不快感を覚えることが多い傾向にあります。そのため、誤ったクリックが離脱の原因となっている可能性を明らかにできます。

誤ってクリックする原因としては、リンク先に遷移したい、もしくは画像を拡大したいなどが考えられます。

改善策として、クリックされている箇所にリンクを設置するか、画像を拡大できるようにしましょう。

マウスの動きの分析ポイントと改善方法

マウスの動きで注意すべきは、マウスがよく動く場所やスワイプが上下に細かく動く場所です。これは熟読エリアのなかでもとくに注目度が高いため、ニーズの分析に役立ちます。

ただし、内容が難しく理解に時間がかかっている場合でも同様の動きが起こるため、内容を掘り下げることが重要です。

ピンチイン・アウトが頻繁に発生している箇所については、文字や画像が見えにくくなっていないかを確認することが重要です。

ヒートマップを使用する際の注意点

一見、ヒートマップがあればWebページの改善のほとんどができるように感じますが、もちろんできないこともあります。ユーザーテストの内容も交えながら、ヒートマップでの注意点について解説します。

Webページ外のコンテンツの良し悪しは判断不可

ヒートマップは、あくまで「ページ内に存在するコンテンツが見られているかどうか」をチェックできる手法です。

「ページ内に存在しないコンテンツの良し悪し」についての情報は得られません。

よく比較されるユーザーテストでは、実際にユーザーに試してもらってフィードバックを受けることで、現在ウェブサイトにないものの閲覧者がアクションを起こすのに必要な情報を得られます。

「このような情報が欲しい」といった要望をユーザーから提供を受けられます。

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Webページ自体の良し悪しの判断も不可

ヒートマップでは「この文章や画像が見られている」まではわかるものの「なぜこのコンテンツが見られるか」についてはわかりません。

「このコンテンツのここがよい」もしくは「このコンテンツはここが悪いから見ない」などは、直接ユーザーの声を聞くしかありません。

必要なコンテンツと既存コンテンツについては、ユーザーテストと組み合わせて判断する必要があるでしょう。

ヒートマップの活用事例

ヒートマップのデータからは、ページコンテンツ改善のヒントを得られます。また、改善策の効果があったかどうかも検証できます。

サイトにおける訪問者の閲覧のムラを発見し、改善し続けるサイクルを回すことで、ウェブサイトの質が向上します。

他のWebページ検証手法と組み合わせ、詳細な検証が可能に

ヒートマップ以外の手法やツールを併用することで、Webページに対してより有効なインサイトを得られます。

ヒートマップだけでは、良し悪しを正確に判断できません。そのため、ユーザーテストやGA4、SEOツールなども含めて多角的に分析することで、正確な分析結果を導き出しましょう。

たとえば、GA4は、ページ単位でユーザーのアクセス数や滞在時間、どのような経路でページにたどり着いたか、またどこへ移動したかがわかります。

つまり、サイト内での行動をGA4、ページ内での行動をヒートマップで分析することで、動きの全体像を把握でき動きの意図も理解しやすくなると考えられます。

ABテストの整合性を取る

よくある活用事例のひとつとして、ABテストとの組み合わせで活用するケースがあります。

たとえば、上のキャッチコピーを変えると、同時に下にあるコンテンツがよく見られるようになったとします。

結果、サイトが改善されるだけでなく、キャッチコピーのどの要素に効果があったか、といった知見を深められるでしょう。

また、成功した知見だけでなく、失敗した知見もきちんと深めておくと以降のWebページ改善が効率的になります。

ABテストとヒートマップツールを組み合わせは、Webページの改善に大きな力を発揮するでしょう。

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外部の人とページの内容を検討する

ヒートマップツールの結果は、社内だけでなく、Webページを制作する協力会社とも共有することがおすすめです。

ヒートマップの結果を見て、協力会社の方からもよいアイデアを受けられるかもしれません。

協力会社もWebサイトのどこを改善するとよいか見当がつきやすいため、制作作業を進めやすくなります。

ヒートマップをExcelで作成する場合

ヒートマップは、Excelを使っても作れます。

まずは、いつもと同じように縦軸・横軸に項目、それぞれのセルに数字を入力して表を作成しましょう。

次に数字の部分をすべて範囲選択し、上のタブから「ファイル」→「条件付き書式」→「カラースケール」→「好きな色の組み合わせ」を選択します。色の選択は任意です。

すると、自動で数値の大きさに合わせてセルに色が着色され、簡易的なヒートマップが完成します。

より詳細な分析が必要なWebサイトの分析・改善には、ヒートマップツールがおすすめです。

おすすめの色分け方法

Excelをはじめとするツールで、ヒートマップの色を設定・カスタマイズする場合は、適切な勾配(色の変化)をつけましょう。

気温の例を見てもわかるように最高値は赤に設定し、中間値は青、最低値を灰色に設定するのが、一目で差がわかりやすいヒートマップといわれています。

Webページを改善するために、ヒートマップを有効活用しよう

ヒートマップの特徴は、結果が直感的にわかりやすく表示されることです。数値だけでは分析に時間がかかったり、改善が手探りになったりする可能性があります。

ヒートマップをうまく組み合わせることで、新たなヒントを得てより有効な改善策を打ち出せるでしょう。

しかし、ヒートマップだけではわからないことがあるのも事実です。「Webページで欲しいコンテンツや、すでにあるコンテンツの良し悪し」の体験は、ユーザーに直接聞かないとわかりません。

デジタルで得られるヒートマップやアクセス解析の情報と、アナログなユーザーの声を活かすことがWebページを改善する最適なアプローチといえるでしょう。

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