ワークエンゲージメントとは?意味・測定方法・高める方法・バーンアウトとの違い
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- ワークエンゲージメントとは
- ワークエンゲージメントの意味
- ワークエンゲージメントの特徴
- ワークエンゲージメントが注目される理由
- 人材不足と離職率の上昇が課題になっている
- 生産性向上とメンタルヘルス対策の必要性
- イノベーションの促進がより重要に
- コモディティ化による企業ブランドイメージの重要性
- ワークエンゲージメントと似ている用語や関係する概念
- 従業員エンゲージメントとの違い
- ワーカホリズムとの違い
- バーンアウトとの違い
- 職務満足感との違い
- ワークエンゲージメントで用いられる尺度と測定方法
- UWES(ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度)
- MBI-GS(マスラック・バーンアウト・インベントリー・一般調査)
- OLBI(オルデンブルク・バーンアウト尺度)
- 各尺度の比較と使い分け
- ワークエンゲージメントを高めるメリット
- 良好なメンタルヘルス
- 離職率の低下
- パフォーマンスの向上
- 商品やサービスの品質向上
- ワークエンゲージメントが低い企業の特徴
- 従業員間のコミュニケーションが進まない
- 従業員に向上心がない
- 意思決定がいつまで経っても進まない
- 評価制度が明確でない
- ワークエンゲージメントを向上させる方法
- 仕事の資源
- 個人の資源
- ワークエンゲージメントを高めて組織を活性化させよう
- BOXILとは
ワークエンゲージメントとは
ワークエンゲージメントとは、従業員が仕事に対して感じるポジティブで充実した心理状態を表す概念です。仕事に誇りややりがいを感じ、高いモチベーションをもって取り組める状態を指します。
ワークエンゲージメントが高い従業員は、組織に対する貢献意欲が高く、自発的に仕事に取り組めます。
近年では、日本でもウェルビーイングや生産性向上の観点から、ワークエンゲージメントがより注目されるようになってきました。
厚生労働省が2019年に発表した「令和元年版 労働経済の分析」の、【「働きがい」をもって働くことのできる環境の実現に向けて】の章でも、詳しく紹介されています。
ワークエンゲージメントの意味
ワークエンゲージメントは、燃え尽き症候群(バーンアウト)の研究で有名な、ユトレヒト大学のウィルマー・B・シャウフェリ教授によって2002年に提唱されました。シャウフェリ教授は、ワークエンゲージメントを「仕事に関連したポジティブで充実した心理状態」と定義しています。
一般的にワークエンゲージメントは、従業員が仕事に対して感じる「活力」「熱意」「没頭」の3つの要素で構成されています。活力は仕事に対するエネルギーや精神的回復力、熱意は仕事への誇りや情熱、没頭は仕事に深く集中している状態をそれぞれ表す要素です。
これらの要素が高いレベルで維持されている状態が、ワークエンゲージメントが高い状態だといえます。
活力(Vigor)
活力は、仕事に取り組む際の高いエネルギーレベルと精神的な回復力を表します。具体的には、仕事を楽しみながら行い、努力をいとわずに困難な課題にも積極的にチャレンジする状態のことです。
活力が高まることで、心理的な回復力の向上、ストレスを感じにくくなる効果が期待できます。疲労を感じた際にも、適切に休息をとることで素早く回復可能です。
熱意(Dedication)
熱意は、仕事に対する誇りや情熱、仕事の意義を感じている状態です。みずからの仕事に誇りをもち、仕事にコミットメントを感じています。
従業員が熱意のある状態では、仕事に対する意欲や探求心が旺盛になるため、創造性やスキルの向上が可能です。
没頭(Absorption)
没頭は、仕事に深く集中し、時間がたつのを忘れるほどに仕事に没頭している状態を表します。仕事に対する高い集中力を維持し、周囲の雑音に惑わされることなく、仕事に取り組めます。
仕事にのめり込むあまり、時間がたつのも忘れるほど集中している状態です。従業員が没頭している状態ではミスが減り、作業効率や業務品質の向上が期待できます。
ワークエンゲージメントの特徴
ワークエンゲージメントが高い従業員は、仕事に対して高いモチベーションをもち、自発的な仕事が可能です。また、組織に対する貢献意欲が高く、組織の目標達成のためにみずからの役割を果たそうとする姿勢も見られます。
ワークエンゲージメントは、単なる仕事への満足度とは異なり、仕事への積極的な関与と組織への貢献意欲を伴うことが特徴です。
ワークエンゲージメントが注目される理由
近年、ワークエンゲージメントが企業や組織において注目されています。その背景には、人材不足や離職率の上昇、生産性向上への圧力、メンタルヘルス対策の必要性といった多くの課題があります。
人材不足と離職率の上昇が課題になっている
少子高齢化に伴う労働人口の減少により、企業は人材確保に苦慮しがちです。さらに、若年層を中心に離職率が上昇傾向にあり、優秀な人材の定着も課題となっています。
一方ワークエンゲージメントの高い従業員は、組織へのコミットメントが高く、離職も少ないです。そのため、ワークエンゲージメントを高めることで人材の定着を図り、人材不足に対応することを期待されています。
生産性向上とメンタルヘルス対策の必要性
昨今ではグローバル化が進んだことで、企業は激しい競争にさらされており、生産性の向上が欠かせません。一方で、長時間労働やストレスの増大により、メンタルヘルス問題が深刻化しているのも事実です。
しかし、ワークエンゲージメントの高い従業員は、高い生産性を発揮するだけでなく、ストレス耐性も高いことが明らかになっています。エンゲージメントを高めることで、生産性の向上とメンタルヘルス対策を同時に実現することが期待されています。
イノベーションの促進がより重要に
現代のビジネス環境において、イノベーションは競争力を左右する重要な要素です。ワークエンゲージメントの高い従業員は、自発的に新しいアイデアを提案し、創造的な問題解決に取り組みやすくなります。
また、高いエンゲージメントは、従業員間のコラボレーションを促進し、多様な視点からのイノベーションを生み出すことにもつながります。
コモディティ化による企業ブランドイメージの重要性
優秀な人材の獲得や顧客ロイヤルティの向上にも大きな影響を与える要素として、ブランドイメージは欠かせません。ワークエンゲージメントの高い従業員は、自社の製品やサービスに対する誇りをもち、ブランドの価値を高める行動もとりやすくなります。
また、エンゲージメントの高い従業員は、社外でも自社の魅力を積極的に発信する傾向にあります。こうした行動は、企業ブランドイメージの向上につながります。
ワークエンゲージメントと似ている用語や関係する概念
ワークエンゲージメントは、仕事に対する心理状態を表す概念ですが、似たような用語や関連する概念がいくつかあります。これらの概念は、ワークエンゲージメントと混同されやすいものの、それぞれ異なる特徴をもっています。
これらの概念を理解し、ワークエンゲージメントの特徴をより明確に捉えましょう。
従業員エンゲージメントとの違い
従業員エンゲージメントは、従業員が組織に対して感じる心理的な結びつきや愛着を表す概念です。一方、ワークエンゲージメントは、仕事自体に対する没頭や熱意を表します。
ワークエンゲージメントと類似していますが、従業員エンゲージメントは個人と組織の関係性に注目する指標、ワークエンゲージメントは個人の心理状態に注目する概念で、実現するための手法も異なります。
たとえば、「働き方改革によって、従業員エクスペリエンス(EX)を向上させ、従業員満足度(ES)や従業員エンゲージメントを高める」といった関係が成り立つのも特徴です。
ただし、両者は密接に関連しており、ワークエンゲージメントの高さは、従業員エンゲージメントの向上にもつながると考えられています。
ワーカホリズムとの違い
ワーカホリズムは、仕事に過度に没頭し、仕事以外の生活を犠牲にしてしまう状態を表します。一見するとワークエンゲージメントとよく似ていますが、ワーカホリズムは仕事への依存症的な側面をもち、長期的には健康状態の悪化リスクをはらんでいるのが特徴です。
一方、ワークエンゲージメントは、仕事に対する積極的な関与を表しますが、仕事と私生活のバランスを保ちながら、持続可能な形で仕事に取り組むことを重視します。
仕事から離れるときの罪悪感のようなネガティブな感情が動機となっている状態がワーカホリズム、ポジティブな気持ちで仕事を行う心理状態なのがワークエンゲージメントと覚えましょう。
バーンアウトとの違い
バーンアウトは「燃え尽き症候群」ともいわれ、一時的に仕事に関する活動水準が高まったものの、期待した結果や評価が得られない疲労感から、意欲を喪失してしまう状態です。
バーンアウトに陥ると、仕事へのモチベーションが低下し、パフォーマンスが悪化します。一方、ワークエンゲージメントは、仕事に対するポジティブな感情や高いモチベーションが維持されます。
バーンアウトを防止するための有効な手段として提唱されているのが、ワークエンゲージメントです。ただし、高すぎるワークエンゲージメントはバーンアウトのリスクを高める可能性もあるため、適度なレベルを保つことが重要です。
職務満足感との違い
職務満足感は、従業員が仕事に対して感じる満足度を表しており、報酬、職場環境、人間関係など、さまざまな要因が職務満足感に影響を与えます。ワークエンゲージメントは仕事単体への没頭や熱意を表すのに対し、職務満足感は仕事に対する総合的な評価を表す点が異なります。
高い職務満足感は、ワークエンゲージメントの向上に寄与すると考えられますが、両者は必ずしも一致するとは限りません。職務満足感とワークエンゲージメントのバランスをとることが、ウェルビーイングと組織のパフォーマンス向上につながるといえます。
ワークエンゲージメントで用いられる尺度と測定方法
ワークエンゲージメントはメンタルに関する指標なので、定量的な測定が困難です。そのため、ワークエンゲージメントでは手法によって「UWES」、「MBI-GS」「OLBI」と呼ばれる代表的な3つの尺度が存在します。
UWES(ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度)
UWES(Utrecht Work Engagement Scale)は、ワークエンゲージメントを測定するために最も広く使用されている尺度です。ワークエンゲージメントの概念を提唱したシャウフェリ教授らによって開発されました。
UWESは、活力、熱意、没頭の3つの下位尺度から構成されており、それぞれの下位尺度は17個の質問項目によって評価されます。回答者は、各質問項目に対して、0(まったくない)から6(いつも)までの7件法で回答します。
日本版のUWES(UWES-J)と構成
一般的なUWESをもとに、慶應義塾大学の島津明人らによって開発されたのが、日本版のUWES(UWES-J)です。日本版UWESは、オリジナルのUWESと同様に、活力、熱意、没頭の3つの下位尺度から構成されています。
ただし、日本の職場文化にあわせて、質問項目の表現を一部修正しているのが主な違いです。また日本版のUWESには、9項目の短縮版と17項目の長版があり、研究目的や調査対象に応じて使いわけられます。
MBI-GS(マスラック・バーンアウト・インベントリー・一般調査)
MBI-GS(Maslach Burnout Inventory-General Survey)は、もともとバーンアウトを測定するために開発された尺度です。しかし、バーンアウトを調査することによって逆説的にワークエンゲージメントを測定するといった手法がとられるようになってきました。
MBI-GSは、疲労感(5項目)、シニシズム※(5項目)、職務効力感(6項目)の合計16項目の質問からバーンアウト度を測定します。MBI-GSでマイナスのスコアが大きければバーンアウト度が高いと判断でき、相対的にワークエンゲージメントは低いと考えられます。
MBI-GSは、バーンアウトとワークエンゲージメントを同時に評価できる点が特徴です。
※冷笑的態度のこと。
OLBI(オルデンブルク・バーンアウト尺度)
OLBI(Oldenburg Burnout Inventory)もMBI-GSと同じくバーンアウトを測定するために開発された尺度ですが、ワークエンゲージメントの測定にも使用されるようになってきました。
OLBIは、疲弊感と離脱感の2つの下位尺度から構成されており、それぞれの下位尺度は複数の質問項目によって評価されます。回答者は、各質問項目に対して、1(強く同意しない)から4(強く同意する)までの4件法で回答します。
OLBIは、ポジティブな項目とネガティブな項目のバランスをとっている点が特徴です。
各尺度の比較と使い分け
UWESは、ワークエンゲージメントに特化した尺度であり、最も広く使用されています。MBI-GSとOLBIは、バーンアウトの測定を主目的としていますが、ワークエンゲージメントの測定にも使用できます。
MBI-GSは、バーンアウトとワークエンゲージメントを同時に評価できる点が特徴であり、両者の関係性を検討する際に有用です。OLBIは、ポジティブな項目とネガティブな項目のバランスがとれており、回答者の反応バイアスを軽減できる点が特徴です。
研究目的や調査対象に応じて、適切な尺度を選択しましょう。
ワークエンゲージメントを高めるメリット
ワークエンゲージメントを高めることによって得られる効果・メリットは主に次の3つです。
- 良好なメンタルヘルス
- 離職率の低下
- パフォーマンスの向上
- 商品やサービスの品質向上
良好なメンタルヘルス
ワークエンゲージメントを高めると心の健康が保たれ、ストレスが発生しにくくなります。同時にストレスからの回復力も培われ、良好なメンタルヘルスが維持できるようになり、仕事に対する主体性や生産性の向上が期待できます。
良好なメンタルヘルスによりモチベーションの高い従業員が増えることで、組織の活性化も可能です。結果として、モチベーションの高い人材が育ちやすい企業文化の構築も期待できます。
離職率の低下
ワークエンゲージメントが高い状態にあると、仕事にやりがいを感じ、組織に対する愛着をもつことになります。すると所属する組織に対してポジティブな考え方になり、長期的に組織に貢献しようとする意欲が増し、離職の低減が期待できます。
離職率の低下は、人材の定着や組織の安定性につながり、採用・教育コストの削減や業務の継続性の確保といったメリットをもたらします。
また、離職率の低下は、組織の対外的なイメージにもポジティブな影響を与え、優秀な人材の獲得にも役立ちます。
パフォーマンスの向上
ワークエンゲージメントが高まることによる3つ目のメリットは、仕事に熱中・没頭することによるパフォーマンス向上です。また、バーンアウトを防ぐことで突発的な活動水準の低下を防止し、安定した生産性を保てるようになります。
厚生労働省の白書によると、ワークエンゲージメントを高めることは仕事のパフォーマンスの向上のみならず、顧客満足度の上昇につながることも示されています。
商品やサービスの品質向上
ワークエンゲージメントが高い従業員は、顧客志向が強く、高品質の商品やサービスを提供しようとする傾向があります。
こうした従業員は仕事に対する誇りと責任感から、顧客のニーズを深く理解し、期待を上回る価値も提供に努めます。また、ワークエンゲージメントの高さは、品質管理や継続的改善への意欲にもつながります。
従業員が主体的に品質向上に取り組むことで、商品やサービスの競争力が高まり、顧客満足度の向上や企業ブランドイメージの向上につなげられるのも大きなメリットです。
ワークエンゲージメントが低い企業の特徴
ワークエンゲージメントが低い企業では、仕事に対する熱意や没頭度が低く、組織全体のパフォーマンスや競争力に悪影響を及ぼします。次のような特徴のある企業では、業務の非効率化や生産性の低下、優秀な人材の流出など、さまざまな負の連鎖を引き起こしかねません。
自社の状況が当てはまっていないかを確認し、ワークエンゲージメントが低い状態を避けましょう。
従業員間のコミュニケーションが進まない
ワークエンゲージメントが低い企業では、従業員間のコミュニケーションが希薄で、情報共有や協力体制が十分に機能していない傾向にあります。部門間のサイロ化が進み、全社的な視点での問題解決や目標達成が難しくなります。
また、従業員同士の信頼関係が構築されにくく、チームワークの質が低下しがちです。コミュニケーション不足は、業務の非効率化やミスの発生、アイデアの不足といった問題を引き起こし、組織のパフォーマンス低下につながります。
従業員に向上心がない
ワークエンゲージメントが低い企業では、仕事に対する意欲や向上心が乏しい傾向もあります。自己成長への関心が低く、スキルアップや能力開発に消極的です。
また、現状維持志向が強く、新しいことへのチャレンジや創意工夫が生まれにくい環境にもなっています。向上心の欠如は、生産性の停滞や革新的なアイデアの不足、顧客ニーズへの対応力低下といった問題を引き起こし、競争力を弱めます。
意思決定がいつまで経っても進まない
ワークエンゲージメントが低い企業では、意思決定プロセスが遅く、スピード感のある経営がされていないのも特徴です。
従業員の当事者意識が低いため、自発的な意見表明や提案が少なく、会議で活発な議論が行われません。また、責任の所在が曖昧で、決定事項の実行や進捗管理が滞りがちです。
意思決定の遅さは、ビジネスチャンスの逸失やタイムリーな問題解決の失敗、顧客満足度の低下といった問題を引き起こし、業績に悪影響を及ぼしかねません。
評価制度が明確でない
ワークエンゲージメントが低い企業では、貢献や成果に対する評価制度が不明確で、公平性に欠ける傾向があります。
評価基準が曖昧で、フィードバックも不十分なため、モチベーション向上につながりません。また、成果や能力に見合った処遇が行われず、優秀な人材の流出を招くリスクもあります。
評価制度の不備は不公平感や不満の蓄積、人材の定着率低下といった問題を引き起こし、組織の士気と生産性を下げます。
ワークエンゲージメントを向上させる方法
ワークエンゲージメントを向上させる方法には、「仕事の資源」「個人の資源」といった2種類のアプローチがあります。
仕事の資源
「仕事の資源」とは、仕事の特徴や環境、人間関係などの外的な要因です。これらの要因は、仕事へのモチベーションや満足度を高め、能力を最大限に発揮できる環境を整えます。
たとえば次のような「仕事の資源」を充実させることで、ワークエンゲージメントを高められます。
上司のサポートとフィードバック
上司からの適切なサポートとフィードバックは、ワークエンゲージメントを高める重要な要因です。上司が部下の仕事ぶりを認め、適切な助言や指導を行うことで、従業員はみずからの強みを生かし、弱点を改善する意欲がもてます。
また、定期的な1on1面談を通じて、上司と部下のコミュニケーションを深め、信頼関係を構築することも大切です。上司のリーダーシップは、チームのワークエンゲージメントを左右する大きな要因となります。
自律性と裁量権の付与
従業員に適度な自律性と裁量権を与えることは、ワークエンゲージメントを高める効果的な方法です。みずからの仕事の進め方や意思決定に裁量をもてることで、従業員は仕事に対する当事者意識をもち、主体的に取り組めます。
また、自律性は創造性やイノベーションを促進し、新しいアイデアや解決策を生み出すきっかけにもなります。ただし、自律性を与える際は、明確な目標設定とフィードバックの仕組みを整えておきましょう。
役割の明確化
役割や責任を明確に定義し伝えることは、仕事を円滑に進めるだけにとどまらず、ワークエンゲージメントを高めるうえでも欠かせません。仕事の意義や目的を理解し、組織の目標達成にどのように貢献しているかを認識することで、従業員は仕事に対する誇りとやりがいを感じられます。
また、役割の明確化は、チーム内の連携や協力を円滑にし、業務の効率化にもつながります。定期的な役割の見直しと調整を行うことで、成長や組織の変化に対応することが大切です。
個人の資源
「個人の資源」とは、従業員個人の特性や能力、レジリエンスなどの内的な要因です。これらの要因は心理的安全性を高め、仕事でのチャレンジに立ち向かう力を与えます。
たとえば次のような「個人の資源」を強化することで、ワークエンゲージメントを向上できます。
自己効力感の向上
自己効力感とは、特定の課題や状況に対して、適切に対処できるといった自信を指す言葉です。自己効力感の高い従業員は、仕事でのチャレンジに積極的に取り組み、高いパフォーマンスを発揮する傾向にあります。
自己効力感を高めるには、過去の成功体験を振り返ったり、他者からのポジティブなフィードバックを受けたりすることが効果的です。また、適度な難易度の目標設定と達成体験の積み重ねも、自己効力感の向上につながります。
レジリエンスの強化
ビジネスや心理学におけるレジリエンス(resilience)とは、逆境やストレスに直面した際、柔軟に適応し回復する力を指す言葉です。レジリエンスの高い従業員は、仕事での困難や変化に対して粘り強く対応し、ネガティブな影響を最小限に抑えられます。
レジリエンスを強化するには、ストレスマネジメントスキルの習得、ソーシャルサポートの活用、ポジティブな思考法の実践などが有効です。また、組織としてレジリエンスを重視する風土の醸成も大切です。
ポジティブな自己認知の促進
従業員が自分自身の強みや価値を正しく認識し、ポジティブな自己イメージをもつことも、ワークエンゲージメントを高めるうえで欠かせません。みずからの強みを生かし、弱点を受け入れながら成長する姿勢は、仕事への意欲やレジリエンスにつながります。
ポジティブな自己認知を促進するには、クリフトンストレングスやタレントダイナミクスのような才能診断テストの活用、上司や同僚からの承認とフィードバック、自己内省の機会の提供などが考えられます。
上司や同僚からの承認やフィードバックでは、サンクスカードツールの利用も効果的です。
ワークエンゲージメントを高めて組織を活性化させよう
ワークエンゲージメントは、仕事に対する熱意や没頭、組織への貢献意欲を表す概念であり、組織の活性化と持続的な成長に不可欠な要素です。ワークエンゲージメントを高めることで、メンタルヘルスの向上、離職率の低下、パフォーマンスの向上など、さまざまなメリットが得られます。
ワークエンゲージメントを向上させるには、仕事からと個人からの両面からそれぞれアプローチすることが重要です。仕事面・個人面の両方からワークエンゲージメントを高めて、生産性と成長性を向上させましょう。
ワークエンゲージメントを組織文化として根付かせることで、活力あふれる組織を実現できます。
BOXILとは
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