【2024年最新】見積管理システムおすすめ比較！機能や選び方

見積管理システムとは？

見積管理システムとは、見積書の作成、管理、分析などを効率的に行うための専用システムです。ExcelやGoogle スプレッドシートで見積書を管理するのに比べ、見積書をスムーズに送付できるのに加えて、承認フローも効率化できます。

業界や業種にかかわらず、見積書の管理は必須の作業であるため、多くの企業が見積管理システムを導入しています。会計システムやSFAなどと連携できる製品も多く、経理担当者のみならず、すべての社員の業務効率化を実現できるのが魅力です。

見積管理システムには、主に次の3つのタイプがあります。

見積管理特化型

見積管理特化型のシステムは、見積書の作成と管理に特化した機能を提供しています。

このタイプのシステムは、見積書のテンプレートを用意し、簡単な操作で見積書を作成できるのが特徴です。

また、作成した見積書をデータベースで一元管理でき、過去の見積書の検索や再利用も容易です。さらに、承認フローの設定により見積書の承認プロセスを効率化できます。

見積管理特化型のシステムは機能が限られるためコストを抑えながら導入しやすく、見積作成と管理に特化したシンプルなシステムを求める企業に適しています。

業界特化型

業界特化型の見積管理システムは、特定の業界の見積作成に特化した機能を提供するシステムです。

たとえば、建設業向けの見積管理システムでは、建築資材のデータベースを内蔵し、材料の数量や単価から自動的に見積金額が計算できる機能をもつものもあります。また、印刷業向けのシステムでは、用紙のサイズや種類、印刷部数などから見積金額を自動計算する機能が備わっています。

業界固有の見積作成ニーズに対応したシステムを導入することで、より効率的で正確な見積作成が可能です。

管理システム一体型

管理システム一体型の見積管理システムは、見積管理だけでなく、顧客管理、案件管理、売上管理など、営業活動全般がカバーできる機能を提供しているシステムです。

見積書の作成から受注、納品、請求までの一連の流れを一つのシステムで管理できるため、営業活動全体の効率化と可視化ができます。また、見積データと受注データを連携させることで、受注率の分析や販売予測などにも活用できます。

管理システム一体型のシステムは、見積管理を営業活動全体の中で捉え、総合的な営業管理を行いたい企業に適しているシステムです。

見積管理システムの選び方

見積管理システムを選ぶ際は、次の流れで確認しましょう。

• 見積管理システムの導入目的を確認する
• 見積管理システムの機能を確認する
• 見積管理システムを導入する際の注意点を確認する
• 見積管理システムの料金・価格相場を確認する

見積管理システムの導入目的を確認する

見積管理システムの導入を検討する際は、まず導入目的を明確にしましょう。主な導入目的は次のとおりです。

導入目的	詳細
見積作成を効率化したい	見積作成機能に特化した見積管理システムがおすすめ
見積書の管理を一元化したい	見積書の管理機能に特化した見積管理システムがおすすめ
見積書の承認フローを設定したい	承認フローの作成機能に特化した見積管理システムがおすすめ
見積データを分析に活用したい	データ分析機能に特化した見積管理システムがおすすめ
見積管理と営業管理を連携させたい	営業管理・支援機能に特化した見積管理システムがおすすめ
見積書の電子化を進めたい	電子署名・電子保存機能に特化した見積管理システムがおすすめ
外出先でも見積作成・管理をしたい	モバイルアプリ対応の見積管理システムがおすすめ

見積管理システムの機能を確認する

見積管理システムでできること、利用できる機能は次のとおりです。上記の導入目的・課題をどのように解決できるか記載しているため、必要な機能を洗い出しましょう。

【基本的な機能】

機能	詳細
見積書の作成機能	テンプレートから簡単に見積書を作成できる
見積書の管理機能	作成した見積書を整理してデータベースに保管できる
承認フローの作成機能	システム上で見積書の承認フローの設定ができる
データ分析機能	見積書のデータを分析して適正価格を導き出したり、営業活動に役立つ情報を抽出したりする機能
営業管理・支援機能	商談管理や案件管理など、営業管理のための機能
電子署名機能	見積書への電子署名ができる機能
電子保存機能	電子帳簿保存法に対応した見積書の電子保存が可能
モバイルアプリ対応	スマートフォンやタブレットからの利用が可能

【特定の課題・用途・業界に特化した機能】

機能	詳細
複数通貨対応	海外取引に対応した複数通貨での見積作成が可能
複数言語対応	多言語での見積書作成が可能
見積シミュレーション	条件を変更した際の見積金額の変動をシミュレーションできる
受注管理	見積から受注までの一連の流れを管理できる
プロジェクト管理	受注したプロジェクトの進捗管理ができる

海外取引が多い場合は複数通貨対応や複数言語対応、プロジェクト単位での管理が必要な場合は受注管理やプロジェクト管理の機能のあるサービスがおすすめです。

見積管理システムを導入する際の注意点を確認する

見積管理システムを導入する際、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。

確認事項	詳細
製品・サービスのタイプ	見積書の作成に特化したタイプや、販売管理システムと一体化したタイプなど幅広く存在します。帳票を作成できるサービスの中に、見積書の作成・管理が可能な製品もあるので、目的に応じて最適な製品タイプを選びましょう。
対応可能業務や機能性	見積書の作成・管理に加えて、請求書や納品書といった帳票の管理も可能なシステムが多く、さらに営業管理・販売管理にも対応している製品もあります。業務環境に応じて、必要な領域がカバーできるシステムを選ぶようにしましょう。
電子帳簿保存法への対応	見積書を電子的に保存する場合、電子帳簿保存法への対応が必要です。法令に準拠したシステムを選びましょう。
導入形態	一般的な導入方法として、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。ニーズにあった導入形態を選びましょう。
カスタマイズ性	業務フローにあわせたカスタマイズが可能かどうかも確認しましょう。柔軟なカスタマイズが可能なシステムであれば、より効果的に業務効率化できます。
連携可能なシステム	既存の営業管理システムや販売管理システムとの連携が可能かどうかを確認しましょう。
料金体系	ユーザー数や利用機能に応じた料金体系をしているか確認しましょう。利用規模にあった料金体系のシステムを選ぶことが重要です。
サポート体制	導入時のサポートや、運用時のトラブル対応といったサポート体制が整っているかも確認しましょう。

見積管理システムの料金・価格相場を確認する

見積管理システムの料金は、システムのタイプで大きく異なります。必要な機能と要件が搭載されているサービスの料金を確認しましょう。

一般的に、見積管理専用のシステムや、特化型のシステムは月額3,000円前後から利用できるのが相場です。ただし、利用人数にあわせて月額料金も変わり、1ユーザーあたり追加で500円前後が発生します。

一方、販売管理システムやERPのように大規模なシステムと一体化したタイプは、メイン機能が見積管理ではないことから高額になりがちで、費用も要見積のサービスが多くなっています。

【特化タイプ】おすすめの見積管理システム

まずは、見積書の作成・管理に特化したタイプでおすすめの見積管理システムを紹介します。紹介する見積書管理システムの多くは見積書の作成以外にも機能を有していますが、なかでもとくに見積書の作成業務を効率化できる製品です。

• 誰でもクラウド上で見積書・請求書を簡単に作成
• 申請・承認機能も完備
• 30日間^※の無料お試し版が利用できる

ジョブカン見積／請求書は見積書と請求書の作成をクラウド上で完結できる、代表的な見積管理システムです。5種類のテンプレートから最適なものを選択でき、見積書から注文書の作成も可能です。さらに承認機能も完備されており、任意のタイミングで承認のメールを送信できます。

また、見積書・請求書のステータス管理や消費税の自動計算機能に加えて、ユーザー権限の付与も可能なので、安全に帳票の管理ができます。30日間^※の無料お試し版も利用できるので、まずは導入して使い勝手を確認してみましょう。

※出典：DONUTS「すべての請求業務にスピードとクオリティを！「ジョブカン見積/請求書」」（2024年4月14日閲覧）

• 見積書や納品書・請求書の管理を効率化
• ワンクリックで郵送やメール送付が可能
• 入金状況が一目でわかる

マネーフォワード クラウド請求書は見積書・納品書・請求書の作成から送付、保管まで一元管理で効率化できるシステムです。インボイス制度や電子帳簿保存法に対応しており、作成した帳票はワンクリックで郵送やメール送付できるのが特徴です。

一目で入金の状況を確認もできるので、請求漏れが防げるのに加えて、作成した請求書はマネーフォワード クラウド会計に自動で反映されます。すでに同サービスを利用している企業は、追加で導入を検討しましょう。

見積デザイナー

• 基幹システムとの連携が可能
• 柔軟なカスタマイズ性が魅力
• 見積書の提示後に勝敗フラグを設定できる

見積デザイナーは、カスタマイズ性に優れた見積管理システムで、環境にあわせて機能構成を選択できるのが特徴です。基幹システムとの連携も可能で、CSVとXMLなどのデータ形式による連携により、データ入力の手間とミスを削減します。

見積提示後の受注・失注のフラグを設定できる機能もついており、販売にかかる戦略を練るのに役立てられる点も特徴です。見積状況の視覚化と業務スピードの向上、テンプレートによる作成の手間の削減など、経理担当者の負担を大幅に軽減できます。

見積Rich

• 見積書・納品書・請求書の作成と管理が可能
• 柔軟かつ厳格な承認フロー
• テンプレートで作成時間を削減

見積Richは、見積書の作成から承認手続き、納品書や請求書の発行まで対応できるシステムです。ワークフローを柔軟に設定できるのが特徴で、外出先からも承認ができるので、管理者の出張や外出の多い企業にも適しています。

さらに過去の見積書やテンプレートにより、見積書の作成自体の時間も削減でき、発行した見積書は自動的に暗号化されるので、セキュリティも安心です。無料で最大2か月^※のお試し期間もあります。

※出典：コネクティボ「見積書作成/管理システム｜クラウド型Webサービス【見積Rich】」（2024年4月14日閲覧）

Sales Quote Assistant

• 四則演算の設定が可能
• AI（人工知能）の搭載による生産性の向上
• 幅広い業種・業態に対応できる

Sales Quote Assistantは営業担当者と営業支援スタッフの業務効率と、顧客対応力を向上させる見積管理システムです。四則演算の設定が可能で、任意に見積フォーマットを作成できます。

AI機能を搭載しているのが特徴で、商品登録のアシストや登録ミスの予防、価格表記の間違いのチェックなどをしてくれます。さらに独自のSFA「Sales Force Assistant」とのシームレスな連携ができ、見積書に関する情報の入力とともに、商談情報の入力も可能です。

ツカエル 見積・請求書オンライン

• シンプルでわかりやすい管理画面
• 月額550円^※から気軽に利用できる
• 豊富なカスタマイズ機能を搭載

ツカエル 見積・請求書オンラインはシンプルな画面で、誰でも簡単に見積書や請求書、納品書などを作成できるクラウドサービスです。手を加えずに使えるテンプレートが豊富で、柔軟にカスタマイズができます。

月額550円から気軽に利用できる料金設定も魅力で、年間契約を結ぶ場合は、さらに低料金で運用が可能です。社員数の多い中小企業だけではなく、スタートアップが初めて見積書の管理システムを導入する企業にも、おすすめできます。

※出典：ジョブカン会計「クラウド版 見積書 納品書 請求書 領収書 作成ソフト｜ツカエル見積・請求書オンライン」（2024年4月14日閲覧）

見積管理システム（アイディックシステム）

• 見積書の作成・管理にかかる機能が豊富
• シンプルな画面構成で使いやすい
• 原価入力による粗利の確認も可能

アイディックシステムの見積管理システムは、見積書の作成から履歴の照会、テンプレートの作成まで対応できるシステムで、簡単に見積書を作成できるセット機能や転記機能、請求書発行機能などを備えています。PDF出力による見積書のメール送信や、データの共有も可能です。

さらに、原価入力による粗利の確認や表紙の印刷なども可能で、見積書の作成・管理に関することならば、さまざまな状況に対応できます。

【一体型タイプ】おすすめの見積管理システム

次に、販売管理システムをはじめ、他の管理システムと一体化したタイプの見積管理システムを紹介します。一体型タイプの見積管理システムは、経理業務以外にも営業部門やマーケティング部門などの業務効率化に役立つのがメリットです。

• 商談や受注に関するさまざまな情報を一元管理
• 必要事項を入力するだけでスムーズに見積書を作成
• 収益の状況を自動で可視化

freee販売は見積書の作成から売上の管理まで、幅広く対応できるクラウドシステムです。案件ごとに多くの情報を一元管理でき、各所に散在しがちな情報を整理できます。インボイス制度や電子帳簿保存法にも自動対応しており、法制度の改正にもベンダーが迅速に対応してくれます。

さらに、売上や仕入の状況、粗利の実績などを視覚化できるので、営業戦略の構築や経営判断にも活用できるのが特徴です。人気の会計ソフトfreee会計とのシームレスなデータ連携もできます。

• 経理や販売にかかるルーチンワークを自動化
• リアルタイムでの情報共有
• 現場での仕様にあわせて柔軟にカスタマイズ

楽楽販売はExcelでのデータ管理から脱却し、販売管理を効率化するためのシステムです。見積書や請求書の管理も可能で、プロジェクトや作業の進捗管理にも対応しています。過去の見積りや受注の状況を直接転記でき、独自の承認フローの設計により、帳票の作成・管理にかかる時間を短縮できます。

また、営業案件の管理から販売管理、見積書の作成にかかる受発注管理まで、幅広く対応できるので、バックオフィス業務をまとめて効率化したい企業におすすめです。

• 販売管理と在庫管理のパッケージシステム
• 業種に特化した製品を提供
• 見積りから発注管理まで幅広くカバー

アラジンオフィスは株式会社アイルが提供する、販売管理・在庫管理パッケージシステムです。業務・業種別に独自のパッケージを導入できるのが特徴で、見積りから案件管理、収支管理、在庫管理まで一貫してカバーできるため、業界・業種にかかわらず広く導入されています。

ベンダー独自の「CROSS-OVERソリューション」により、店舗管理からWeb受発注システムなど、環境にあわせて最適なソリューションを提案してもらえるのも魅力です。

見積管理システムを導入するメリット

見積管理システムを導入することで、次のようなメリットが期待できます。

• 見積書の作成・承認フローを最適化できる
• 見積データの一元管理ができる
• 社内のペーパーレス化を実現できる
• データ分析により営業戦略が強化される
• コンプライアンスの強化になる
• 営業活動のデジタル化が推進する

見積書の作成・承認フローを最適化できる

見積管理システムを導入する最も大きな目的は、見積書の作成・承認フローを最適化することです。

見積書のテンプレートを用意することで、毎回見積書を一から作成する手間が省けます。また、過去の見積書を再利用することで、類似の案件での見積作成が容易になります。さらに、商品やサービスのデータベースを内蔵したシステムでは、価格や仕様の自動入力も可能です。

そして、上長から承認を受けるまでの業務フローを簡略化・効率化できることもメリットといえます。管理者が出張の場合や、テレワークをしている場合などでも、クラウド型のシステムならばスムーズな承認を得られやすくなります。

見積作成から承認されるまでに要する時間を短縮することで、営業担当者はより多くの顧客へのアプローチや提案活動に時間を割けるようになり、売上の創出が可能です。

見積データの一元管理ができる

見積管理システムを導入することで、見積データの一元管理が可能になります。従来の紙ベースや表計算ソフトでの管理では、見積書が散在しがちで、過去の見積書の検索や比較が困難でした。

しかし見積管理システムでは、作成した見積書をデータベースで一元管理できるため、必要な見積書をすぐに検索・参照できます。また、見積書のバージョン管理も容易になるため、変更履歴の追跡やトラブル防止にも役立ちます。

社内のペーパーレス化を実現できる

見積書の作成から管理までシステム上でできるので、社内のペーパーレス化に貢献できる点もメリットです。

見積管理システムは見積書のみならず、請求書や納品書の管理に加えて、販売管理や在庫管理までカバーできるシステムも多くあります。

業務に求められる書類をすべてクラウド上でやり取りできるようにすれば、紙の管理にかかるコストも大幅に削減可能です。

データ分析により営業戦略が強化される

見積管理システムに蓄積された見積データを分析することで、営業戦略の最適化が図れます。見積金額や受注率、案件の規模や業種などのデータを分析することで、最適な価格設定や営業対象の選定、リソース配分などの意思決定が可能です。

また、過去の見積データと実際の受注データを比較することで、見積精度の向上にも役立ちます。データにもとづく意思決定により、営業活動の効果と効率を高められます。

コンプライアンスの強化になる

見積書は、商取引における重要な法的文書の一つです。見積管理システムを導入することで、見積書の作成・管理・保存に関するコンプライアンスを強化できます。

たとえば、電子帳簿保存法に対応したシステムでは、見積書の電子保存が可能です。また、承認フローの設定により、見積書の作成から承認までのプロセスを適切に管理できます。

コンプライアンスの強化は、取引の信頼性を高め、トラブルのリスクを低減するためにも欠かせない要素です。

営業活動のデジタル化が推進する

見積管理システムの導入は、営業活動のデジタル化の一環として位置づけられます。

見積書の電子化は、ペーパーレス化による業務の効率化だけでなく、データの利活用による営業活動の高度化にもつながります。見積管理システムを他の営業支援ツールと連携させることで、デジタルデータにもとづく一貫した営業活動が可能です。

たとえば、CRMシステムと連携することで、見積データを顧客データと紐付けて分析できます。営業活動のデジタル化は、競争力の強化に不可欠な取り組みといえます。

見積管理システムを導入するデメリット

見積管理システムの導入は、多くのメリットをもたらしますが、同時に次のようなデメリットについても理解しましょう。

• 導入コストがかかる
• 一時的な社内の抵抗が生じることもある
• カスタマイズの難しさがある
• セキュリティ管理を徹底する必要がある
• 見積品質の低下を招く可能性がある

導入コストがかかる

見積管理システムの導入には、一定のコストがかかります。

システムの購入または利用料金に加えて、導入時の設定や従業員へのトレーニングにも一定の工数が発生します。とくにカスタマイズが必要な場合は、追加の開発コストが必要になるかもしれません。

こうしたコストはスタートアップや中小企業にとって、負担となる可能性があります。導入前に費用対効果を十分に検討し、長期的な視点でROI（投資利益率）を考えましょう。

一時的な社内の抵抗が生じることもある

見積管理システムの導入は、業務プロセスの変更を伴います。そのため、従来の業務方法に慣れ親しんだ従業員からは、抵抗が出ることもあります。また、システムの利用方法を習得するための学習時間も必要です。

こうした業務プロセスの変更は、一時的な生産性の低下を招く可能性があります。スムーズな導入と定着のためには、従業員へのコミュニケーションと教育が欠かせません。トップダウンでの推進と現場の巻き込みのバランスを取ることが重要です。

カスタマイズの難しさがある

見積管理システムは、業種や業態によって必要な機能が異なります。とくにパッケージ製品の場合、求める業務プロセスに完全には適合しないこともあります。

カスタマイズを行えばある程度の適合は可能ですが、大幅なカスタマイズは相応のコストと時間を要するのが一般的です。また、カスタマイズを行うと、バージョンアップへの対応が難しくなるかもしれません。

業務プロセスに適したシステムを選ぶことはもちろん重要ですが、必要に応じて業務プロセス側の見直しも検討する必要があります。

セキュリティ管理を徹底する必要がある

見積書には、顧客情報や価格情報など、機密性の高い情報が含まれます。そのため、紙の見積書と同様にセキュリティ対策がとくに重要です。

システム選定時には、データの暗号化やアクセス制御など、セキュリティ対策が十分であるかを確認しましょう。また、社内でのアクセス権限の管理やセキュリティポリシーの徹底も欠かせません。

見積品質の低下を招く可能性がある

見積管理システムの利用によって、見積作成の効率化が進む一方で、見積品質が低下するリスクもあります。

たとえば、システムのテンプレートや自動計算機能に頼りすぎると、案件の特殊性や顧客のニーズが十分に反映されない見積書になることがあります。

価格が細かく変動する商材を扱っている場合は、実際の見積内容に都度対応することが難しくなるかもしれません。

こうしたマイナス要素を減らすためにも、効率化と品質のバランスを取り、顧客の視点に立った見積書を作成することが重要です。

見積管理システムの導入が向いている企業

見積管理システムは、さまざまな業種や規模の企業で導入されていますが、とくに次のような特徴をもつ企業において、導入の効果が高いと考えられます。

見積作成の頻度が高い企業

見積作成の頻度が高い企業では、見積管理システムの導入によって大きな効率化効果が期待できます。

たとえば、受注生産型の製造業や、案件ベースのサービス業では、見積作成が日常的な業務となります。見積管理システムを活用することで、見積作成の時間を短縮し、営業担当者の生産性向上が可能です。

また、見積データの蓄積によって、過去の案件の参照や分析が容易になり、見積精度の向上にもつながります。

複雑な見積作成が必要な企業

製品やサービスの構成が複雑で、見積作成に高度な専門知識が必要な企業では、見積管理システムの導入がとくに有効です。

たとえば、大型の設備やシステムの販売を行う企業では、見積書に多数の項目や詳細な仕様を記載する必要があります。見積管理システムのテンプレートや自動計算機能を活用することで、漏れや間違いのない見積書を効率的に作成可能です。

また、過去の類似案件の情報を参照することで、適切な価格設定やリスク管理にも役立ちます。

営業部門と他部門の連携が重要な企業

営業部門と他部門の連携が業務の成否を左右する企業では、見積管理システムが部門間のコラボレーションを促進する効果があります。

たとえば、受注生産型の製造業では、営業部門と設計部門、製造部門の連携が欠かせません。見積管理システムを介して、各部門が見積内容を共有し、協力して見積書を作成できます。また、承認フローの電子化によって、部門間のスムーズな情報伝達も可能です。

見積データの分析を重視する企業

見積データの分析によって、営業戦略の最適化を目指す企業では、見積管理システムの導入が不可欠です。見積管理システムに蓄積された見積データは、営業活動の貴重な情報源となります。

たとえば、見積金額と受注率の関係を分析することで、最適な価格設定の指針が得られます。また、見積案件の規模や業種、地域などの情報を分析することで、的確な営業リソースの配分や新規市場の開拓が可能です。

見積データの分析は、データにもとづく意思決定を可能にし、営業活動の効果と効率を高めることにつながります。

見積管理システムの導入プロセスと注意点

見積管理システムを導入する際は、次のようなプロセスを踏むことが一般的です。各段階で留意すべき点もあるので、確認しながら進めましょう。

1. 現状の業務分析と課題の明確化

見積管理システムの導入に先立ち、現状の見積作成と管理の業務を詳細に分析します。見積書の作成プロセス、承認フロー、保管方法、活用方法などを洗い出し、課題や改善点を明確にします。

この段階で、見積管理システムに求める要件も整理しましょう。

2. 要件定義と予算の確保

現状分析を踏まえ、見積管理システムに必要な機能や性能、セキュリティ要件などを定義すると同時に、導入予算を確保します。

クラウド型のシステムであれば初期費用は比較的低コストですが、必要な機能に応じて追加費用が発生する場合もあります。長期的な運用コストも考慮して予算を計上しましょう。

3. ベンダー選定と契約

要件定義にもとづき、見積管理システムのベンダーを選定します。複数のベンダーから提案を受け、機能、価格、サポート体制などを比較検討します。

この際、セキュリティ対策や保守サービスの内容も重要なポイントです。選定後は、サービス内容や料金、契約期間などを確認し、契約を交わしましょう。

4. システムの設定とテスト運用

契約後、見積管理システムの設定を行います。見積書のテンプレートや承認フローの設定、ユーザーアカウントの作成などを行います。必要に応じて、ベンダーによるトレーニングやデモンストレーションの説明も受けましょう。

設定後はテスト運用を行い、動作確認や運用ルールの検証を行います。この段階でユーザーからのフィードバックを収集し、必要な改善を行えるとなお良いです。

5. 本格運用と運用ルールの確立

テスト運用での改善を反映し、本格運用を開始します。運用開始に際しては、見積書の作成から承認、保管までの運用ルールを確立し、ドキュメント化したうえでユーザーへの周知と教育を徹底しましょう。

運用開始後も、定期的にシステムの利用状況をモニタリングし、問題があれば速やかに対処します。

6. 運用の改善と拡張

本格運用を継続する中で、運用の改善と拡張を図ります。ユーザーからの要望や業務の変化にあわせて、システムの設定や機能を見直しましょう。この際、他の業務システムとの連携や追加したいオプションなど、段階的な拡張も検討します。

導入時に留意すべきポイント

見積管理システムの導入に際しては、次の点に留意が必要です。

• 現状分析と要件定義を慎重に行い、ニーズにあったシステムを選ぶこと
• ベンダー選定では、機能だけでなく、サポート体制やセキュリティ対策も重視すること
• テスト運用で十分な検証を行い、運用ルールを確立すること
• 本格運用後も、継続的な改善と拡張を図ること

これらの点に注意しながら、見積管理システムの導入を進めることが、効果的な活用と業務効率化には欠かせません。

見積管理システムの導入で業務効率化を実現

見積管理システムは、見積書の作成や承認フローを最適化できるメリットがあり見積作成の頻度が高かったり、複雑な見積作成が必要だったりする方におすすめのサービスです。選定の際は次のポイントに注意して選ぶのをおすすめします。

• 見積管理システムの導入目的を確認する
• 見積管理システムの機能を確認する
• 見積管理システムを導入する際の注意点を確認する
• 見積管理システムの料金・価格相場を確認する

見積管理システムのサービスをより深く検討したい方は、サービス資料を請求し比較しましょう。

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