ExcelからERPに移行する理由とは - メリットやデメリットを解説

ERP(基幹システム)には多くの種類があり「どれを選べばいいか」迷いますよね。後から知ったサービスの方が適していることもよくあります。導入の失敗を避けるためにも、まずは各サービスの資料をBOXILでまとめて用意しましょう。
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Excelでバックオフィス業務を管理する課題

プロジェクト管理や会計業務、予実管理などをExcelで管理していませんか。

ダウンロードさえしていれば無料で手軽に利用できるExcelですが、共同での使用を想定している場合はあまり適していません。

具体的には、次のような点がExcel利用時の課題といえます。

リアルタイムで情報共有できない

ダウンロード版のExcelはリアルタイムでの情報共有を前提に作られているツールではないため、ひとつのファイルを複数人が同時で編集できません。

複数の担当者がファイルを共有する場合、更新を順番にこなす必要があります。必要なタイミングで情報にアクセスできず、スムーズに情報共有しにくいのはデメリットです。

ガントチャートの作成に向かない

Excelでは、プロジェクト管理に多く用いられるガントチャートの作成が難しい点も課題です。

そもそもガントチャートとは、プロジェクトの開始から完了までの情報をツリー構造、または帯状の図で表したものです。

簡易的なガントチャートであればExcelでも作成可能ですが、詳細なタスクを管理できないため、プロジェクト管理には不十分といえます。

スマートフォンで使いづらい

Excelはスマートフォンでの利用に適していないため、出先で進捗管理をしづらさも課題といえます。

基本的に、外出先でレポートを確認したり予実管理をしたりできません。スマートフォンでの操作を念頭に置いているのであれば、それに適したサービスが必要です。

Excelに代わり注目が集まるERPとは？

Excelに代わってバックオフィスの管理業務にて使われているのがERPです。

ERPはEnterprise Resource Planningの略語で、カネやモノを一元管理するためのシステムです。ERPには次のような機能が搭載されています。

会計	人事・労務	販売管理・在庫管理	その他の機能
財務会計	採用管理	販売管理	CRM・SFAとの連携
管理会計	人事管理	購買 / 受発注管理	セキュリティに関する機能
予実管理 / BI	労務管理	在庫管理 / 倉庫管理	データのバックアップ機能
経費管理		生産 / 開発管理
債権管理
債務管理
資産管理

ERPに搭載されている機能はこちらの記事にて詳しく解説しています。

ERPでできること

ERPでできることの代表的なものは、次のとおりです。

• それぞれの基幹業務におけるデータを集約
• データをもとにレポーティングと分析
• 各機能における稟議やマスタ管理

ERPを導入することで、経営に役立つ情報を集約し一元管理できます。

集約したデータはグラフや表にて可視化されるため、経営判断に必要な情報へすぐアクセス可能。また、それぞれの機能で入力されたデータが共通化されるため、二重での入力を防ぎデータ重複を防ぎます。

ERPと基幹システムの違い

ERPと基幹システムの違いは、用途や最適化される範囲にあります。どちらも情報共有や業務効率改善を目指すツールではあるものの、規模感が異なるため注意しましょう。

	用途	最適化される範囲
基幹システム	会計や販売管理のようなそれぞれの機能	各部門
ERP	基幹システムを複数組み合わせたオールインワンのシステム	企業全体

ERPのメリット

ERPには多くの利点がありますが、特に代表的なものを紹介します。

データの入力ミスや改ざんに強い

ERPは、Excelと比べてデータ改ざんや入力ミスを防止できます。

Excelでは各部署で個別にシートを作成することが多く、データの集計に苦労するケースも少なくありません。転記するのであればデータを二重三重に管理することとなり、入力ミスが発生しやすくなります。

ERPは一箇所にデータを入力すれば、他の機能にも反映されるため煩雑な管理から脱却されます。

他システムと連携できる

ERPは、ERP以外のシステムとも連携可能です。

これまで別のシステムで管理していたデータも、連携させることで双方向的に同期させられます。CSVによるアップロードにも基本的に対応しているため、徐々にシステム移行していく場合も安心です。

リアルタイムでの情報を更新

ERPによってデータが一元管理されるため、必要なときにすぐ情報へアクセスできるようになります。

たとえば、販売管理で入力した販売情報が、会計ソフトの売上に自動で反映されるといった仕組みです。これにより、最新の情報がどこにあるのかわからないといった事態を回避できます。

正確な情報を得られるため、正しい意思決定にも貢献するでしょう。

ERPのデメリット

メリットが多いERPですが、なかにはデメリットも存在します。代表的なものを紹介します。

導入や運用にコストがかかる

ERPは、ソフトウェア費用のみのExcelとは違い、導入や運用においてコストが発生するのが一般的です。

ERPは企業全体を対象として導入するシステムであるため、導入費用が高額になりやすいのが特徴です。具体的には、サーバー構築やデータ移行、アカウントに対しての費用が発生します。

また、導入後にも保守運用の費用がかかります。導入時には初期費用を抑えて運用しやすいクラウド型も検討するとよいでしょう。

社員へのレクチャーが必要

ERPの導入に際しては、社員への教育が必要です。

ERPは機能が多く、全員が使い慣れるまでに時間がかかります。そのため、導入したERPが問題なく使われるようにするための教育が省けません。

教育のコストを少しでも抑えるために、レクチャーなしでも使いやすい操作画面か、サービス提供会社のドキュメントが充実しているかを確認しておきましょう。

ExcelからERPへの移行における注意点

ExcelからERPに移行する際はいくつか注意したい点があります。なかでも主なポイントを紹介します。

業界や従業員規模に合ったERPを選ぶ

ERPを導入する際は、業界特有の業務や従業員規模に対応できるシステムを選ぶことが大切です。

まずは「どの業務を効率化したいのか」「どの部門に導入するのか」を明確にし、必要な機能や導入形態を整理しましょう。
要件を定義することで、本当に適したERPを見極めやすくなります。

もし規模に合わないERPを選んでしまうと、使わない機能が多くなったり、反対に必要な機能が不足して追加開発が必要になったりするリスクがあります。

結果としてコストが増えるだけでなく、現場での利用が進まず「導入したのに業務改善につながらない」といった事態にもなりかねません。

セキュリティ対策をチェックする

ERPには顧客データや個人情報、製品情報といった重要なデータが集約されるため、セキュリティ対策を確認することが欠かせません。

特にクラウド型ERPはインターネット経由で利用するため、データセンターの所在や暗号化の仕組み、ベンダーのセキュリティポリシーを事前に確認することが大切です。

確認を怠ると、外部からの不正アクセスや情報漏えいといった深刻なトラブルにつながる可能性があります。
万が一情報が流出すると顧客からの信頼を失うだけでなく、法的責任や損害賠償を負うリスクもあるでしょう。

システム導入時および運用時の費用対効果を確認する

ERPの導入では、初期費用だけでなく運用にかかるコストまで見据えて費用対効果を検討する必要があります。

特に中小企業では予算に限りがあるため、すべての機能を一度に導入するのではなく、効果が見込める領域から優先的に導入することが効果的です。

費用対効果を無視して導入を進めると、思った以上にコストがかさみ、経営を圧迫する原因となります。

Excelを管理したうえでERPを導入しよう

データ管理の主流であったExcelですが、リアルタイムでの情報共有が難しい点をはじめとした課題により、ERPへの移行が進んでいます。

ERPは情報の一元管理だけでなく、データの可視化にも強いのが特徴です。一方、保守運用にはコストが継続してかかる点に注意しましょう。
ERPに搭載されている機能はサービスごとに異なるため、数十あるサービスから適したERPを探すのは難しさを感じるかもしれません。

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ERPの比較を詳しく紹介している記事も、ぜひ参考にしてみてください。