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取引先から電子契約を求められた際の対処法!未導入の場合はどうすべき?

最終更新日:(記事の情報は現在から68日前のものです)
従来、紙で契約を行っていた企業でも、急に取引先から電子契約を打診されるケースがあります。そのため、突然の要求に対して慌てることがないよう、事前に入念な準備を行うことが大切です。本記事では、取引先から電子契約を求められた際の対処法をステップ別に解説します。

取引先から電子契約を求められた際にやるべきこと

取引先から電子契約システムを通して電子契約を求められた際は、次の手順に沿って対応策を検討すると良いでしょう。

  1. 社内ルールや法令から見て対応可能か検討する
  2. 契約内容の重要度や法的リスクを検証する
  3. 契約期間を予測する
  4. 署名タイプに合わせて対応方法を検討する
  5. 電子契約システムの安全性や利便性を確認する
  6. 必要に応じて社内規定を変更する

なお、電子契約のメリットやデメリット、導入方法などに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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1.社内ルールや法令から見て対応可能か検討する

まずは社内ルールや法令から、電子契約が可能かを検討しましょう。

仮に電子契約が業務効率化につながるとしても、社内ルールに反してまで実行することは内部統制上、大きな問題です。たとえば、「契約は書面で締結すること」といったルールがあると、取引先からの要望に応えるのは難しいでしょう。そのため、いま一度社内ルールを見直す必要があります。

また、社内ルールでは認められていても、法令上電子化できない文書や、電子化に承認が求められる文書などが存在します。電子化の対応が打診されている以上、すでに取引先の法務部門が内容を精査している可能性が高いものの、念のため自社の所管法令に照らし合わせて検討すると良いでしょう。

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2.契約内容の重要度や法的リスクを検証する

契約内容の重要度や法的リスクから、電子契約の対応可否を検討することも大切です。

仮に取引先との取引実績が浅く、なおかつ高額な売買契約を結ぶ場合、より慎重な稟議が求められます。また、現状では取引先の契約締結権限を信頼できない場合も、十分な取引実績が確保されるまでの間は、電子契約の利用を控えるのが賢明です。

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3.契約期間を予測する

続いて、取引先との契約がどの程度継続するか、あらかじめ期間を予測しておきましょう。

電子契約では、電子署名を行う人物を証明するために電子証明書が用いられます。ただし、電子証明書の有効期間は長くても3~4年程度です。電子契約システムのなかには、10年程度の長期証明に対応した製品もありますが、有効期間経過後は再び電子証明書を発行しなければなりません。

有効期間が短ければ短いほど、頻繁に電子証明書を発行する手間がかかります。そのため、契約期間が長期化しそうな取引先の場合、長期証明の仕組みや体制を構築するまで電子契約を控えるのも方法の一つです。

4.署名タイプに合わせて対応方法を検討する

電子契約を行う際は、電子署名の種別をよく理解しておく必要があります。電子署名には、「当事者型」と「立会人型」の2タイプが存在します。

当事者型とは、双方の利用者が個別に電子認証局で電子証明書を取得する方法です。一方で、立会人型は電子契約システムを提供する事業者が契約立会人となり、メールやSMSなどで本人認証を行います。

上記のうち、電子署名の手間やコストを抑えられるのは立会人型です。当事者型は立会人型より手間がかかる一方で、高い証拠力や法的効力を備えています。どちらもメリットとデメリットがあるため、自社にとって適切なタイプはどれか、取引先からの要求に応えられるかといった観点から検証を行いましょう。

5.電子契約システムの安全性や利便性を確認する

取引先からの要望に応えて電子取引を採用する場合、相手方から打診された電子契約システムを利用するのが一般的です。しかし、電子契約システムにも幅広い種類があり、それぞれ使い勝手や安全性が異なるため、仕様をしっかりと精査する必要があります。

システムの利便性については、トライアルやデモを介してUIの操作性や視認性、モバイル対応の可否などを検討すると良いでしょう。安全性に関しては、ベンダーのセキュリティ対策や導入実績を確認するのがおすすめです。

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6.必要に応じて社内規定を変更する

電子契約やシステムの導入を検討した後は、社内規定の変更を迫られるケースもあります。

たとえば、社内規定に「文書」や「押印」といった書面契約特有の用語が使用されていると、電子契約を行う際に矛盾が生じることも考えられます。そのため、電子契約の利用にあたって細かい表現を修正したり、該当する契約書の種類や機密保持のルールを見直したりすることが重要です。

取引先との電子契約を進める際のポイント

取引先と電子契約を結ぶ場合、次のようなポイントを意識することが大切です。それぞれのポイントの要点を解説します。

  • 対応しやすい範囲から順に要求に応じる
  • 電子契約に向けて社内体制を整備する
  • 合意締結証明書を必ず保管する
  • 事前に必要な対策を講じておく

対応しやすい範囲から順に要求に応じる

電子契約の仕組みを導入する際は、いきなりすべての書類を対象にする必要はありません。対応しやすい範囲から順に取引先の要求に応じるのも一案です。

具体的には、契約金額が比較的低い受発注書や、訴訟のリスクが低いと思われる機密保持契約書などが該当します。このようなケースではトラブルが発生しにくいため、スムーズな契約管理が可能です。

電子契約に向けて社内体制を整備する

電子契約にあたり社内体制を整備することも重要です。紙からデジタル上の契約書へと移行すると、業務フローの変更や知識の習得が必要なケースもあります。場合によっては社内からの同意が得られず、システムの選定や導入の手続きに時間がかかることもあるでしょう。

そのため、従業員向けの説明会や勉強会を開催し、取り組みに対する理解を得ることからスタートするのも良いでしょう。マニュアルやFAQを整備するのも方法の一つです。適切な運用体制を築くことで、運用負荷の軽減やシステムの定着化につながります。

合意締結証明書を必ず保管する

電子契約を行う際は、契約のたびに合意締結証明書を取得・保管しましょう。合意締結証明書は、いつ・誰が・どのメールアドレスで契約したかを表す重要な書類です。

合意締結証明書は電子契約システム上で確認できます。ただし、システムエラーやログイン情報の紛失などにより、電子契約システムにアクセスできない場合、合意締結証明書を確認できないことも考えられます。そのため、合意締結証明書をダウンロードして保管するのが理想です。

事前に必要な対策を講じておく

取引先から電子契約の打診を受けることを見越して、事前に必要な対策を立てておきましょう。電子契約の導入可否を検討するには、法的リスクや対応方法などを細かく検証しなければならず、時間や手間がかかるためです。

電子契約システムのシェアは拡大しており、今後は電子契約での契約締結を求められることが増えると予想されます。

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取引先との電子契約が難しい場合の対処法

社内ルール・法令上、どうしても電子契約の利用が難しいようなら、取引先からの要求を拒否しても構いません。断る際は、電子契約を利用できない理由を明確に伝えることが大切です。

また、電子契約の対象範囲を最小限に抑えたうえで、紙での契約と併用するのも一案です。

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取引先からの打診を考慮して適切な対策を立てよう

最近では電子帳簿保存法が改正されたこともあり、紙よりもデジタルで契約を結ぶ機会が増える可能性があります。そのため、いままで紙で契約を結ぶのが当たり前だった企業でも、取引先から電子契約を打診されるケースを想定して適切な対策を立てることが重要です。

電子契約に際しては専用のシステムを利用するのが一般的なので、システムの選定・導入手続きも踏まえて適切な社内体制を確立しましょう。入念に事前準備を行えば、仮に電子契約の要求があってもスムーズに対処できます。

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