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BIツールを活かすデータベース設計 - 蓄積するまでの流れ | ETLやDWH

最終更新日:(記事の情報は現在から1日前のものです)
BIツールとデータベースの関係性をボクシル編集部が解説。BIツールでデータ分析をする際に欠かせないETLとDWHとは何なのか、データベースへのデータ蓄積からBIツールでのデータ分析まで、一連の流れはどのように進むのか、わかりやすく紹介します。

BIツールとは

BIツールとは、データを分析および可視化することで、意思決定に役立つ情報を手に入れるためのツールを指します。また洞察にもとづいて、迅速かつ的確な意思決定を支援します。たとえば、在庫管理システムに蓄積されたデータを使い、在庫が不足している商品を洗い出したり在庫の予測をしたりするのはBIツールの得意とするところです。

データベースとは

データベースとは、データを整理して格納するためのものです。たとえば在庫管理システムのデータベースであれば、在庫のIDや名称、在庫件数、在庫の状態などがデータとして登録されています。データベースに格納されているデータは記録に残すことが主な目的であり、人間にとって見やすい形に整えるのは後述するETLやBIツールの役割です。

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BIツールの活用に欠かせない2つのツール

BIツールを最大限に活用するためには、データの収集・加工から分析・可視化までの一連の流れが必要です。そのために欠かせないのが、ETLとDWHです。

ETLとは

ETLとは、データソースからデータを抽出しDWHに保存するためのExtract(抽出)・Transform(変換)・Load(読み込み)のプロセスを指します。企業のデータは、POSシステムやCRMなどさまざまな場所に散らばっています。これらの異なるシステムから必要なデータを抽出し、1つの場所に集約。さらに、データの形式を統一したり、不要なデータを削除したりして分析しやすいように変換するのもETLの役目です。

DWHとは

DWHとは、Data Warehouse(データウェアハウス)の略で、BIツールで分析するためのデータを格納する倉庫です。ETLツールによって加工されたデータは、DWHに蓄積されます。DWHは、大量のデータを効率的に格納・管理できるように設計されており、BIツールからの高速なデータ読み込みにも対応しています。

BIツールにデータを蓄積・分析する流れ

BIツールでデータを分析するには、適切なデータがDWHに蓄積されている必要があります。そのために、各データベースからデータを抽出し、加工し、DWHに読み込むという一連の流れを理解しておきましょう。

データ分析に関連したツール

1. データベースにデータを蓄積する

企業活動では、さまざまなシステムでデータが生成・蓄積されます。たとえば顧客情報はCRM、売上情報はPOSシステム、WebサイトのアクセスログはWebサーバー、会計情報は会計システムといった具合です。これらのシステムに蓄積されたデータが、BIツールで分析するデータの源泉となります。

2. ETLでデータを加工する

各データベースに蓄積されたデータは、そのままではBIツールで分析できないケースが多くあります。そこで必要になるのが、ETLツールを用いたデータ加工です。まず、必要なデータを各データベースから抽出します。次に、BIツールで分析しやすいようにデータの形式を統一したり、不要なデータを削除したり、新たな指標を計算したりします。最後に、変換したデータをDWHに読み込めば完了です。

3. DWHに加工したデータを蓄積する

ETLツールによって加工されたデータは、DWHに蓄積されます。DWHは、BIツールで分析するためのデータを一元的に格納するデータベースです。大量のデータを効率的に格納するだけでなく、BIツールからの高速なデータ読み込みにも対応しています。

4. BIツールでデータを分析する

DWHに蓄積されたデータは、BIツールを使って分析します。BIツールは、データの可視化、集計、分析、レポーティングなどの機能を備えています。これらの機能を活用することで、隠された洞察を明らかにし、ビジネスの課題解決や意思決定に役立てましょう。


なお、サービスによってはETLやDWHの機能も内包したBIツールが存在します。データ基盤を整える段階の企業は、はじめからオールインワンなサービスを選ぶのも一つの手でしょう。おすすめのBIツールはこちらの記事で比較しています。

BIツール用のデータベースを設計する流れ

BIツールを効果的に活用するには、目的に合ったデータベースを設計しなければなりません。ここでは、BIツール用のデータベースを設計する際の基本的な流れを3つのステップに分けて解説します。

1. 要件定義

データベース設計の最初のステップは、要件定義です。BIツールを使ってどのような分析を行いたいのか、どのようなデータが必要なのかを明確に定義します。

たとえば、顧客の属性別に売上を分析したい要件であれば、顧客データ(氏名、年齢、性別、住所など)と売上データ(商品名、単価、数量、売上日時など)が必要です。

顧客データ 売上データ
氏名 商品名
年齢 単価
性別 数量
住所 売上日時

Webサイトのアクセスログを分析してユーザーの行動を把握したいなら、アクセスログデータ(アクセス日時、アクセス元IPアドレス、アクセスされたページURLなど)が必要です。分析の目的や必要なデータを明確にすることで、データベースに必要な項目やデータ構造を決定できます。

2. データの項目・属性の決定

要件定義で必要なデータが明確になったら、次はデータベースに格納するデータの項目と属性を決定します。項目とはデータベースに格納するデータの種類を指します。具体的には顧客名、年齢、住所、商品名、売上額などのことです。また、属性とは各項目のデータ形式を表し、たとえば数値、文字列、日付などがこれに該当します。

たとえば顧客データの項目と属性は次のとおりです。

項目 属性
顧客ID 数値
氏名 文字列
年齢 数値
性別 0,1
住所 文字列
電話番号 数値

データの項目と属性を適切に設定することで、データの精度を保ち、効率的な分析が可能です。

項目・属性は最小単位で設定

項目・属性を設定する際は、最小単位で設定しましょう。たとえば、住所を都道府県・市区町村・番地と分割します。最小単位で設定することで、後からデータを柔軟に分析可能です。都道府県別の売上分析や市区町村別の顧客数分析など、さまざまな切り口で分析できます。

3. データ同士の関連性の定義

複数のテーブルにデータを格納する場合、データ同士の関連性を定義しなければなりません。テーブルとは、データベースにおいてデータを整理するための表です。たとえば、顧客データと売上データを別々のテーブルに格納する場合、顧客IDを共通の項目として設定することで、両者を関連付けられます。

このようにデータ同士の関連性を定義することで、複数のテーブルを結合して分析できます。たとえば、顧客データと売上データを結合することで、どの顧客がどの商品をどれだけ購入したのかといった分析が可能です。

関連性を定義する際には、どの項目をキーにするのか、どのような関係性を持たせるのかを明確に設定する必要があります。

データベースの設計ミスがもたらすリスク

データベースの設計ミスは、BIツールを活用したデータ分析に深刻な影響を及ぼします。適切に設計されていないデータベースは、分析の精度を低下させ、誤った解釈や判断につながりかねません。

たとえば、データ項目が不足していたり、データの粒度が粗すぎたりすると、必要な分析ができません。また、データの定義が曖昧だったり、関連付けが不適切だったりすると、誤った分析結果を導き出す可能性があります。

データベースの設計ミスは、単なる技術的な問題にとどまらず、ビジネスの成果にも大きく影響することを認識しておきましょう。

データベースはBIツール活用の要

BIツールを効果的に活用し、データにもとづいた的確な意思決定を行うためには、データベースの設計が重要です。適切に設計されたデータベースはデータの収集、加工、分析、可視化といった一連のプロセスをスムーズに行い、データの価値を最大限に引き出します。

データベース設計では、要件定義、データの項目・属性の決定、データ同士の関連性の定義といったステップを踏む必要があります。それぞれのステップにおいて、分析の目的や必要なデータを明確にし、データの精度と整合性を保ちましょう。

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