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ナレッジマネジメントとは?メリットや成功事例も解説

最終更新日時:
記事の情報は2020-06-09時点のものです。
業績回復の手法の一つにナレッジマネジメントというものがあります。企業としてナレッジマネジメントを採用する際に押さえておきたいポイントや、ナレッジマネジメントを行うためのツールについて解説していきます。

業績回復の手法の一つとして、「ナレッジマネジメント」という言葉を耳にしたことはありませんか?ナレッジマネジメントとは果たしてどのようなものなのでしょうか?導入の際のツールや成功のためのポイントもあわせて解説します。

ナレッジマネジメントとは

ナレッジマネジメントとは、社員個人のもつ知識や情報、ノウハウなどを組織全体で共有することで全体の生産性を向上させ、業績のアップを目指す管理手法のことをいいます。

ここでいう「ナレッジ」とは、市場の情報や取引先とのやり取りの情報のようなデータのみならず、それをもとに「どう考えるか?」といった思考プロセスや知恵なども対象になります。単に定量的なデータを蓄積するのではなく、知的情報を共有・活用することで組織のイノベーションを促進するアプローチといえます。

ナレッジマネジメントの運用手法

ナレッジマネジメントを運用する際は正しい手順を踏まないと効果的な情報共有ができません。ナレッジマネジメント活用の5ステップについて紹介します。

1. 目的を明確にする

システムを導入するまえに、ナレッジマネジメントを活用する目的を明確にします。目的に応じて集約すべき情報や従業員ごとの閲覧できる情報の範囲、システムのタイプなどが異なってくるので、まず前提条件として目的を整理した方が良いでしょう。

漠然と情報を共有したいというだけでは、さまざまな情報が入り乱れる混沌としたデータベースとなるので活用は難しいと考えられます。

2. 集約したい情報を書き出す

目的に応じて集約したい情報を書き出します。どのような情報を誰が持っているのか、どのようなフォーマットで共有されると理解しやすいのかなど、情報の中身について具体的にイメージしながらこの作業を実施してください。

集約すべき情報と似ているが集約しなくても良い情報の境目について明確にしたうえで、集約したい情報が客観的に理解できるようにした方が良いでしょう。

3. ツールやシステムを導入する

目的と集約したい情報をもとに、ナレッジを共有するツールやシステムを導入します。顧客とのコミュニケーション履歴はSFA/CRM、過去の販促物の事例をオンラインストレージといったように情報によっても活用すべきシステムは異なります。

また、表記方法や更新ルールといったナレッジを共有する際のルールについてもシステム導入段階で決定した方が良いです。

4. 従業員へ蓄積を促す

システムを導入・運用する準備が整ったら従業員にナレッジシステムに知識・ノウハウを蓄積するように促します。従業員への促進についてはお願いするだけでは不十分なケースもあります。

蓄積が進まない場合は、必要に応じてナレッジシステムへの情報蓄積に対するインセンティブや人事評価への反映を検討した方が良いでしょう。

5. 集まった情報を分類する

情報は蓄積された段階では雑然としていて活用できない場合もあります。よって、集まった情報は分類、適宜加工して従業員が正しい判断ができるようにしなければなりません。

ナレッジシステムに間違ったり、相応しくない情報が混じっていたりすると、システムを通じてその情報が伝播する可能性もあるので、システム内の情報の鮮度・正確性には注意してください。

ナレッジマネジメントのモデル(SECIモデル)

SECIモデルとは、経営学者の野中郁次郎氏と竹内弘高氏ら中心となって提示したフレームワークです。個人のもつ知識を「形式知」「暗黙知」に分け、それらを組織の中で絶え間なく変換や移転をさせることによって、新しい知識が創造されるというものです。

暗黙知と形式知

「形式知」と「暗黙知」はそれぞれ次のように定義できます。この2つの知識の交換や移転のプロセスを示したのがSECIモデルで、次に解説する4つのフェーズで知識の変換を考え、組織全体で戦略的にマネジメントします。

  • 形式知
    口頭や文章である程度容易に説明できる知識や情報、データなど。
  • 暗黙知
    個人的に把握はしているものの、言葉や文章で表現しづらいノウハウや経験則。個人が無意識にやっている優れた行動など。

共同化

共同化は、経験を共有するといった行動で暗黙知を暗黙知として伝えるプロセスです。
各人が同じ経験を共有することで、メンタルモデル(精神的暗黙知)や技術的な暗黙知を創り出す段階といえます。

暗黙知は感覚的な理解を必要なものが多いため、実際にやってみて「身体で覚えてもらう」ことで、他の人に認識してもらうわけです。

表出化

暗黙知を明確な概念やコンセプトに表現することで、形式知へと結びつけるプロセスです。共同化によって得られた暗黙知を共有できるように、言葉や図などで形にしていきます。

暗黙知を共有した人がともに考えたり、対話をしたりしながら仮説を立て、モデル化を試みることで、徐々にそれを形式知にしていきます。論理的思考力による概念化が必要となります。

結合化

このプロセスでは、表出化によって形式知となったもの同士を結びつけ、新しい知識体系を創り出します。既存の形式知同士を結びつけることで、より高レベルの形式知とするわけです。

IT技術やデータベース、ネットワークなどを用いて知識を体系化・連結化し、より現実的・実践的な知識に高めます。このプロセスまで来ると、それまで各々の社員の中にあった暗黙知が組織全体の知的財産として活用可能になります。

内面化

これまでのプロセスで形式知されたことを実践し、適宜フィードバックを受けることで、それが個人へと内面化され、新しい暗黙知が生まれていきます。

これによって個人と組織全体の知的資産となり、そこからまた新しい形式知へと転化されるサイクルが繰り返され、徐々に組織の知識レベルが向上していきます。

ナレッジマネジメントの目的

ナレッジマネジメントの目的は、知識を社内で共有することにより、人材が流動化しても事業を継続できるよう、社内へ情報を残すことです。とくに2000年代後半の団塊世代の定年退職を背景にして、その知恵をどのように社内に残すかが問題になったころから注目されはじめました。

ナレッジマネジメントを実施することにより、社内で知識・情報の流通が活性化し新人の早期戦力化、新しい知恵の創出効果が期待できます。また、ナレッジを会社全体で共有していると業務の属人化を防ぎ、従業員の突然の離職でも柔軟に対応しやすい組織づくりが可能となります。

ナレッジマネジメントのメリット

ナレッジマネジメントには次の3つの効果が期待できます。それぞれの効果について詳しく説明します。

  • 全社的にナレッジを共有
  • 教育コストの削減
  • 関連情報のレコメンデーション

全社的にナレッジを共有

ナレッジマネジメントを活動することにより、全社的にナレッジを共有できます。たとえば、顧客とのコミュニケーション履歴は営業するうえで重要なデータですがナレッジとして社内で共有されておらず引継ぎのタイミングで上手く情報が伝達されないことも多いです。また、技術開発に関しても社員個人が暗黙知を持っているが社内には共有されていないことも多いでしょう。

これらの社員個人に眠っている知識や情報を全社的に共有することにより、過去の情報をベースとした効率的な行動が可能となります。

教育コストの削減

社員が抱える暗黙知で仕事をしている企業では教育コストが膨大となります。暗黙知を伝えるためにはOJTあるいは情報を抱える社員が直接研修・セミナーなどによって後輩を教育しなければならないからです。そして、社内に理解できる形に洗練されていないので、それを伝授される社員の理解力も必要となります。

ナレッジマネジメントを活用し、後輩がいつでもアクセスできる形でナレッジを公開することによって、新人教育にかかるコストおよび手間が削減されます。

関連情報のレコメンデーション

ナレッジマネジメントに膨大な情報が保存されている場合、ユーザーが調べた情報と関連した情報をレコメンデーションし、より広く・深い知識を提供できます。口答で説明する場合、聞かれた質問に対して関連情報まで細かく説明すると時間がかかるし、関連情報を覚えられないのでレコメンデーションは困難です。

一方でシステムを通じたナレッジのレコメンデーションであれば、それほど手間はかからないのでユーザーにより広範な情報を提供可能です。

ナレッジマネジメントの具体的な手法

一般的によく使用されているものとしては、次の4つが挙げられます。

それぞれどのようなツールなのかを詳しく解説します。

社内Wiki

膨大な専門用語があったり、細かく社内ルールが定められていたりする企業の場合は社内Wikiツールを活用したナレッジマネジメントを検討した方が良いでしょう。

社内Wikiサービスを活用する場合は更新ルールについて注意すべきです。社内の公式ではない専門用語やルールをWikiに加えられると、それがもとに業務に支障をきたすかもしれないので、編集権限をどの社員に付与するか、新規の投稿をどのようにチェックするかについては考えておいた方が良いです。

代表的なサービスとしては「NotePM」、「Qiita:Team」などが挙げられます。

グループウェア

業務改善を目的に、情報を共有したり、社内コミュニケーションを行ったりできるツールの総称です。社員の予定表を共有できるものや、日報を共有できるもの、文書を共有できるものなど、さまざまな機能を有しているものが一般的です。代表的なサービスに「サイボウズ」「Office 365」などが挙げられます。

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SFA・CRM

SFAは営業管理や支援を行うための、CRMは顧客を管理するためのシステムです。グループウェアは社内情報を共有することに長けているのに対し、SFAやCRMは営業および顧客の情報管理や共有に長けているシステムと言えます。代表的なサービスに「Salesforce」「Zoho」などが挙げられます。

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オンラインストレージ

インターネット上で自由にデータを保存・共有できるシステムです。ある程度の容量まで無料で利用できるサービスが多いため、スタートアップ企業によく利用されています。文書ごとに割り振られたURLを連絡すれば、インターネット上で他者にデータを共有できる点が大きな魅力です。代表的なサービスに「Googleドライブ」「OneDrive」などが挙げられます。

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ナレッジマネジメントの成功事例

では、実際にナレッジマネジメントに成功した企業をみていきましょう。
ナレッジマネジメントに成功すると、個々の社員がもっている優れたスキルやノウハウを共有することにより、生産性や創造性、サービスレベルの向上ができます。

通信機器企業

ある通信機器のアフターサービスを行っている企業では、優れた技術者が行っている修理プロセスをマニュアルに落とし込み、修理履歴や留意点などを社内のだれもが必要に応じてアクセスできる環境を構築し、データベース化しました。

これによって組織全体の修理スキルが均一化され、頻度の低い修理案件が発生しても、だれでも簡単に対応できるようになったことで、生産性が大きく向上しました。

自動車メーカー

ある自動車メーカーでは、国内で蓄積した作業員の改善ノウハウをシステムを用いて形式知へと転換し、それを海外拠点に展開することで双方の拠点の生産性を同じレベルで高めることに成功しています。


このように、それぞれの社員が個別にもっている情報をIT技術を用いて一元化し、だれでも閲覧できる環境を構築することで、社内のサービスレベルの底上げに成功している企業は多くあります。

各々の暗黙知を形式知化するシステムを作り上げているわけです。

ナレッジマネジメントの失敗事例

一方、ナレッジマネジメントの導入に失敗してしまうこともあるので注意が必要です。特に導入しても運用が上手くいかず、結局社員に浸透せずに終わってしまったというケースは少なくありません。

食品メーカー

ある食品メーカーでは、莫大なコストをかけて社内情報の一元化のためのシステムを導入し、経営陣によってナレッジマネジメントの推進が大々的に発表されました。

しかし、実践する現場社員の意識が低かったため、必要な「知」である情報がほとんど集まりませんでした。仮に集まったとしても、それを整理し、体系化する者が出てこなかったため、結局システムの導入そのものが無駄になってしまいました。


このように、ナレッジマネジメントの導入が失敗してしまうケースのほとんどが、現場社員の意識が低いことにあります。

トップ層の意識が高くても、実際の現場が「今のままで困ることがない」と考えているならば、たとえ優秀な社員が価値ある暗黙知を有していたとしても、それが集まらず形式知として転化できません。

ナレッジマネジメントの実現には、まず社員にその必要性を理解してもらい、積極的に協力してもらえる体制を作る必要があります。

ナレッジマネジメントで成果を出すための注意点

ナレッジマネジメント導入にあたって留意すべき点について説明します。ナレッジマネジメントを実現するためには、特に以下の点に留意すべきです。

共有することだけに満足しない

ナレッジマネジメントの真価は、単に情報を共有することではなく、そこから新しい価値を生み出すことにあります。システム導入だけで満足していると、効果が見られないといった、業務の煩雑さだけが際立ち、失敗してしまうことも少なくありません。

ナレッジマネジメントを行う際には導入目的を明確にすること、そして効果検証を行うことが大切です。効果が見られない場合は、使い方を変えてみたり、運用方法を変えてみたりして、効果を出すための方法を探りましょう。

一般社員の声を反映する

共有する情報やシステムの使い勝手については、上層部だけで決めるのではなく、一般社員の声を反映したものにしましょう。

どれだけ有益な情報やノウハウであっても、使われなければ意味がありません。闇雲にすべてを共有するのではなく、本当に必要な情報は何か、どんなノウハウや情報が必要なのかを精査したうえで運用することが、成功につながる大きなポイントです。

初めから全社で取り組むのではなく、まずはチームや部署単位で運用してみると、運用面での改善点が見出しやすくなります。

ある程度運用方法を固めてから、全社に広げるのがよいかもしれません。ナレッジマネジメントをうまく取り入れ、業績向上やアップに努めてみませんか?

PDCAサイクル

ナレッジマネジメントのプロセスで説明したように、個人や少数のグループが有する独自の知識やノウハウを形式知化して、それを組織全体に共有するのがナレッジマネジメントの役割です。このプロセスは常に改善され続けなければなりません。

その知識を組織に行き渡らせるための計画が必要となりますし、途中に障害が発生したら、それを乗り越える方法を考えなければいけません。

そしてそこからフィードバックを得て、さらに効率的にマネジメントをするためにはどうすればよいかを考える必要があります。PDCAサイクルを繰り返すことで、新しい知識やノウハウが創造されやすくなる環境を整えていくことが重要です。

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