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勘定奉行がクラウド化に本気のワケ、なぜ「SaaS型」会計ソフトに移行すべきなのか?

最終更新日:(記事の情報は現在から2271日前のものです)
近年、業務システムをオンプレミスからクラウドへ移行する企業が増えてきた。そんな中で、会計ソフト「勘定奉行」で知られるオービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)が、自社製品のクラウド/SaaS化を加速させている。同社が勘定奉行のSaaS化に力を入れる理由や、SaaS型会計ソフトの選び方のポイントについて聞いた。【オービックビジネスコンサルタント提供コンテンツ】

クラウドERPを選択する顧客の割合が1年で大幅増加した

業務システムをオンプレミスからクラウドへ移行しようとする流れは止まらない。これまで堅牢なシステムを志向してきた金融機関さえも、基幹システムのクラウド移行を表明しているが、オービックビジネスコンサルタント マーケティング部 部長 西 英伸氏は、この流れが中堅・中小企業においても顕著になってきたと語る。

オービックビジネスコンサルタント マーケティング部 部長 西 英伸氏

「弊社はIaaS・PaaSなどのクラウド環境で利用できる『奉行V ERP』シリーズを展開していますが、2017年の1年間で、『奉行V ERP』シリーズの導入を決めたおよそ4割のお客さまがIaaS・PaaSを選択されました。そのわずか1年前は9割がオンプレミス、1割がクラウドでしたので、ここに来てお客さまの業務システム環境はクラウドへと移行が進んでいる状況です」

オンプレからクラウドへ移行が進む2つの背景

これまでオンプレを選んできたお客さまが、クラウドへと大きく舵を切っている理由は何なのか。西氏は大きく2点を挙げる。

1つめは、セキュリティに対する懸念が払しょくされてきたことだ。

「これまでは情報漏えいなどが起こったらどうするのか?と思われていましたが、最新クラウドはそのシステムの冗長性を含め、セキュリティ対策は非常に進んでおり、下手に企業内で保有するより安全にシステムを運用できるという認識がお客さまの間でも進んできました」(西氏)

2つめは、制度改正への対応が必要になっていることだ。

「2019年10月に消費税が10%に引き上げられるのがわかりやすい例です。ほかにも制度改正は頻繁に行われており、オンプレミスで基幹系システムを導入されている企業では、その都度プログラムの更新など自ら対応する必要がありました。クラウドを選択することで、制度改正対応の手間を削減できるのでは、という期待が集まっている面もあります」(西氏)

基幹系業務ソフトをクラウド化するメリットとは?

業務ソフトをSaaS化すると、どのようなメリットがあるのか。オービックビジネスコンサルタント マーケティング部 リーダー 赤松 佳樹氏は次のように語る。

オービックビジネスコンサルタント マーケティング部 リーダー 赤松 佳樹氏

「まず、企業内でサーバーを設置する必要がなくなります。そうなればサーバーの運用も不要になりますので、少数精鋭主義の中堅・中小企業にとって、その分本業にリソースを投下できます。同時に、セキュリティ対策からも解放されますし、プログラムの自動更新、データバックアップの自動化が実現するため、制度改正対応に頭を悩ませることもなく、万一の際の事業継続も担保されます」(赤松氏)

また、SaaS化によって業務を行う場所に制約がなくなり、出張先や外出先、在宅先からでも仕事ができるようになる。これは働き方改革を進める上でも重要な利点だ。

さらに、職掌分担や複数オフィス間での情報共有も適切な権限を付与しながら容易に行えるため、全社レベルでのITガバナンス向上にも一役買う。

加えて、SaaS化することで、業務連携、システム連携もしやすくなる。SaaSを通じて税理士をはじめとした専門家との間で会計データを共有できるほか、クラウド上のさまざまな関連システムや銀行のオンラインシステムなどとAPIを通じて連携できるので、広い範囲の業務がスムーズに流れる。

西氏は、別の観点からSaaS化する恩恵を説く。SaaS化は業務ソフトを取り扱うソリューションプロバイダーにとっても福音だというのだ。

「オンプレミス時代は、彼らが直接の窓口になるため、導入後も何かとお客さまからの問い合わせや要望に対応する必要がありました。しかし、SaaSであれば、導入が決まった後は当社が直接お客さまとやりとりできます。ソリューションプロバイダーからも『より営業活動に集中できるようになった』という声を聞いています」

会計ソフトのSaaS移行で押さえておくべき3つのポイント

このように、いいことづくめのように思える会計ソフトのSaaS化だが、これまでオンプレミスの会計ソフトを利用していた企業がやみくもにクラウド移行したら、後悔もあるのではないか。そこにはきっと押さえておくべきポイントがあるはずだ。西氏と赤松氏は、3つのポイントを挙げた。

ポイント(1)今までできていたことができるか?

「そのとおりです。まず確認していただきたいのは、『今までできていたことができるかどうか』という点です。時代にキャッチアップするためにSaaS化したのに、できることが今までの半分になってしまった、というのは元も子もありません」

ポイント(2)経験者が使いやすい操作性になっているか?

赤松氏は、「今までできていたことができるかどうかだけでなく、最前線の担当者にとって使いやすいシステムかどうかという点もよくチェックすべき」と語る。

「本来、会計ソフトは会計・経理のプロがプロとしての仕事するための道具なので、料金や目新しい機能だけに目を奪われるべきではありません」(赤松氏)

ポイント(3)そのSaaS自体の成長が期待できるか?

さらに赤松氏は使うSaaS型会計ソフトのビジョンも見極めておいた方がいいと補足する。

「業務ソフトとしての完成度のみにとどまらず、その先の展開をどう考えているか。AIやビッグデータなどの重要なITトレンドにキャッチアップしているか。将来にわたって継続的な成長が期待できるサービスを選ぶことが重要だと考えます」

SaaS型会計ソフトの大本命「勘定奉行クラウド」

こうしたニーズを受け、OBCはクラウド戦略をさらに加速させている。同社は2018年2月、SaaS型で提供される財務会計システム「勘定奉行クラウド」の提供を開始した。日本マイクロソフトのクラウド基盤「Microsoft Azure」を活用し、SaaS型で勘定奉行を提供するものだ。

ここにきて、OBCがクラウド・SaaSに注力している理由とは何なのか。西氏は次のように語る。

「一言でいえば、機が熟したからです。当社のお客さまである中堅・中小企業層のクラウドへのマインドシフト、自信を持って提供できるSaaS版の完成、IaaS基盤として利用しているMicrosoft Azureの国内データセンターの2拠点開設など、クラウド戦略を加速させるにあたって不可欠な条件が整ったことが大きいです」

「勘定奉行クラウドは、前述したSaaS移行の要件をすべて備えている」と西氏は語る。

「勘定奉行クラウドは、産業界の幅広い業務に対応するのはもちろん、会計士・税理士といった専門家、金融機関、既存のさまざまなシステムやソリューションとつなげることを重要なコンセプトに、安心かつ生産性の高い業務の実現をめざし妥協を排して作り上げました。高い業務知識を持って企業の最前線で活躍される方々に高く評価いただけるサービスになったと確信しています」

勘定奉行クラウド 3つの特長

この実現の原動力になったのがMicrosoft Azureの採用だ。『奉行クラウドシリーズ』は100%マイクロソフトテクノロジーを活用しており、高度なセキュリティはもとより、優れたパフォーマンスや高い可用性を発揮できる。

勘定奉行クラウドは、100%マイクロソフトテクノロジーを活用。「Microsoft Azure」の国内2拠点にあるデータセンターからサービスが提供される

競合ソフトとの差別化ポイントは「会計・経理経験者にとっての使いやすさ」

すでにクラウド会計ソフト市場には、SaaS型会計ソフトを提供する新興スタートアップも数多く登場している。勘定奉行クラウドは、新興企業が提供しているSaaS型会計ソフトとの違いはどこにあるのか。西氏は次のように説明する。

「新興スタートアップが提供する会計ソフトは、経理知識がなくても、手間をかけずに会計業務ができることを利点としています。ただ、その反面既存の会計ソフトを使ってきた経理経験者にとっては使い勝手がいいとはいえません。慣れの問題と言われるかもしれませんが、彼らは恒常的に多忙であるため、一時でも業務効率が低下するのを避けたいと考えています」

また競合のソフトの中には、SaaSといいながら手動でアップデート版を取得に行かないと最新機能を利用できないものもある。西氏は「勘定奉行クラウドは、SaaSであってSaaSでないようなサービスとは一線を画し、しかも長年お客さまの声を反映してきた高い操作性をそのまま実現しています」と語る。

ユーザー企業と税理士が使ってわかった「勘定奉行クラウド」の良さ

そのことは、専門家や「勘定奉行クラウド」を早くも導入した先進企業の発言からも裏づけられる。会計・税務のプロにして多数のクラウドツールに精通しているアタックス税理士法人 クラウド推進室 室長 公認会計士 税理士 丹羽亮介氏は、奉行クラウドについて次のように語る。

「『勘定奉行クラウド』の会計が出るのを心待ちにしていた。初めて見たときの印象は『とても洗練されている』というもので、勘定奉行がこれまでの歴史の中で培った会計システムとしての使いやすさやスピードを備えていると思った。ユーザーの使いやすさを考えた仕組みで、予定仕訳の自動化はカレンダー形式のわかりやすいUIで誰でも直感的に利用できる。また、領収書等から起票する機能では科目ごとにフォルダを分けて証憑を管理できるなど、すでに会計システムを使っており、一定の会計知識を有する企業にとって非常に使いやすく受け入れやすいクラウド会計ソフトである」

一方、ウェブなどさまざまな媒体でイラストやキャラクター、マンガなどを制作する某企業では、直感的に操作できて経理経験者に寄り添ったサービスである点を評価して「奉行クラウド」を導入した。サービス選定担当者は、導入によるメリットを次のように語る。

「クラウド会計を数社検討したが、パフォーマンスが物足りなかった。しかし、『勘定奉行クラウド』は法人向けのプロフェッショナルなシステムとして入念に作り込まれており、パフォーマンスがオンプレミスと遜色ないほど優秀だった。『IPOを目指すなら多くの実績がある勘定奉行がよいのではないか』という監査法人のアドバイスも導入の後押しになった」

さらに「奉行クラウド」は、このような現時点での優秀性のみならず、AIやビッグデータなど先進テクノロジーの活用も視野に入れている。今後のロードマップにおいては、新しい金融サービス(FinTech)や企業情報の分析シミュレーションなどの提供が計画されている。

会計は企業活動の「心臓」未来図を描きながらSaaS化を模索せよ

企業が業務システム、それも基幹系システムのSaaS化を考える際、最初に取るべきアクションとは何だろうか。

赤松氏は「数ある業務の中でも、会計という分野は企業の存続に直結するいわば“心臓部”です。人事・給与をはじめ、企業内外のあらゆるシステムと連携する可能性があります。これを効率よく進めていくことを考えると、クラウド移行は早々に実現されるテーマでしょう。将来、自社はどう成長を遂げたいか。未来図をしっかり描きながら、この重要なサービスの選定を検討していただければと思います」

また、西氏は「まずは、トライアルの機会にソフトに触ってみることが大事」と語る。

「弊社では、2018年9月12日から10月25日まで全国で『奉行クラウドフォーラム2018』を開催します。見て触って体感できるブース、不安や疑問を解決できるシステム相談会、お役立ちセミナーなどでSaaS化に向けた具体的な取り組み策を提案しますので、ぜひお近くの会場に足を運んでください」

SaaSへ向かうことは時代の趨勢とはいえ、どの道を選ぶかで結果は大きく変わる。経理のプロフェッショナルが直感的に使えるという観点で、SaaS型会計ソフトの大本命と言われる勘定奉行クラウドは、有力な選択肢の一つと言えそうだ。

クラウドで押さえておくべきポイント総まとめ

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