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MRPとは?概要やメリット、ジャストインタイムとの違い

(記事の情報は現在から114日前のものです)
MRPとは、部品や材料を適切な分だけ適切なタイミングで投入するための手法で、製造業をはじめとして生産管理が必要な業界では古くからが導入されてきました。そんなMRPとは何か、どのようなメリットがあるのかなど基本的な知識を押さえておきましょう。

MRPとは

MRPとは、日本語では「資材所要計画」と呼ばれており、生産の資材を最適な数だけ所有するための手法です。主に製造業で導入されています。

Material Requirements Planningの略語

MRPは「Material Requirements Planning」の略語であり、製造業で代表的な生産管理手法として知られています。

必要な部品や材料を、必要なタイミングで必要な分だけ投入する手法で、狭義には製造に係る部材管理をするための手法です。ただし、広義には製造に関わる人や物、設備を適切に投入するための手法とされており、文脈によって定義が変わるのが特徴です。

MRPとジャストインタイムとの違い

MRPとジャストインタイムとの違いは、製造工程の上流から指示をするのか下流からするのかにあります。

「ジャストインタイム」とはMRPと似たような考え方で、トヨタ自動車が実践していることで有名な手法です。両者は必要なものを必要なタイミングで、必要な分だけ調達することを基本的な指針としている点では共通しています。しかし、指示をする立場やタイミングで違いがあります。

ジャストインタイムでは、上流工程で必要な部品を必要なだけ製造するため、製造の下流工程で設計や仕様の変更が生じても、過剰在庫を抱えずに済むのがメリットです。前の工程から部品を取り寄せるため、プル型の生産管理方式と呼ばれます。

一方、MRPは製造工程の上流側から下流側に対して、原料や材料の調達、製造のタイミングなどを伝えるのが特徴です。全体の製造計画から生産に必要な資材や部品を明らかにするので、プッシュ型の生産管理方式と呼ばれています。

MRPを導入するメリット

MRPを導入するメリットは適切な在庫管理ができ、その結果仕入れコストの削減や計画への柔軟な対応が可能になる点がメリットです。

適切な在庫管理ができる

MRPの導入によって、事前の計画に沿った在庫管理ができるようになり、不要な在庫の抱えるリスクを軽減できます。

適切なタイミングで原材料の手配が可能になり、売れる可能性の低い在庫の数を減らせるのもメリットです。さらに、環境に合った在庫管理システムを活用すれば、人的な負担をかけずに在庫量を調整できます。

仕入れコストを削減できる

MRPによって効率良く資材を発注できるので、仕入れにかかるコストを削減できるでしょう。

無計画に資材を調達している企業はないはずですが、それでも短期間に発注を繰り返すことで資材の調達コストが肥大化してしまうケースは珍しくありません。

MRPによって計画的に資材を調達するようにすれば、仕入れコストを最適化でき、結果として顧客にとってリーズナブルな製品を提供できるようになります。

計画の変更にも柔軟に対応できる

在庫数の再計算がスムーズになるので、途中で受注のキャンセルや納期の変更が発生した際にも、柔軟に対応できるのもMRPのメリットの一つです。

MRPの導入・運用によって製造現場が最適化されていれば、たとえ途中のキャンセルや納期および仕様の変更などがあっても、条件を変えて計画をし直せばすぐに対応できるでしょう。無駄な作業も発生しなくなり、社員一人ひとりの生産性も向上するはずです。

MRP2からERPへの変遷

MRPはもともと、1970年代にアメリカで提唱されたもので、同国の製造業における国際競争力を高める目的がありました。そこから1980年代に入ってMRP2が提唱され、さらに1990年代になるとERPが登場してきた歴史があります。MRP2およびERPの特徴も確認しておきましょう。

MRP2とは

1980年代になり、製造現場の生産性を向上させる必要性から、在庫管理に加えて製造スタッフや各種設備、資金などの要素もまとめて管理する手法が求められました。そこで、MRPを発展させたMRP2が登場しました。

本来は「Manufacturing Resource Planning」が正式名称ではあるものの、MRPの発展形であるため、MRP2と呼ばれて区別するのが一般的です。製造工程における原材料や部品、資材のみに目を向けるのではなく、より広い視点で製造現場に投入するヒト、モノ、カネの最適化を図る手法です。

ERPとは

1990年代に入ると、MRP2をさらに発展させたERP(Enterprise Resource Planning)が登場しました。MRP2までは製造部門の最適化を図る手法ですが、ERPになると販売部門や会計部門など、各部門の全体最適が目的となり、そのための管理システムも続々と登場しています。

現在はERPが主流であり、MRPのシステム以上にERPのシステムが業務効率化を支える存在として広く認知されている状況です。

なお、ERPが広く普及している背景として、BPR(Business Process Re-engineering)の広まった点が挙げられます。BPRは企業の戦略・組織・業務を再構築し、企業活動を顧客視点で統合管理する考え方です。

BPRの実現のため、基幹業務の情報を一元管理するためのERPの考え方やシステムが求められるようになりました。

MRPの運用プロセス

それでは、製造部門における一般的なMRPの導入・運用プロセスを解説します。いかにして最適化するか、有効とされるプロセスを確認しておきましょう。

需要の予測と製造計画の策定

まずは、これまでの実績や市場の状況などを鑑みて、製造する製品の需要はどれぐらいあるかを予測します。できるだけ正確な需要予測を立てなければ製造計画の立案はできません。

さまざまな統計や市場データを分析し、どのような製品がどのぐらい必要とされているか、できる限りの予測を立てたうえで、製造計画を策定しましょう。

BOM(部品構成表)の作成

製品の製造計画を具体的に策定したら、必要となる部品や資材を計算してBOM(部品構成表)を作成しましょう。BOMは「Bill Of Materials」の略で、特定の製品を製造するために必要となる部品や資材を一覧表にしたものです。

BOMをベースにMRPを運用するのが基本となるので、どういった部品がどれぐらい必要なのか、正確に把握して表を作成しましょう。

資材の発注・調達

作成したBOMにしたがって、資材を調達します。必要となるすべての材料から現時点での在庫量を差し引き、不足している分を発注しましょう。

資材の調達には相応の時間がかかるので、業者の納品までに必要な時間は考慮が必要です。さらに資材置き場のスペースも考える必要があるでしょう。必要なタイミングですぐに資材を使えるように、部門間の連携も密にすることが大事です。

MRPの導入で正確な在庫管理を実現

MRPの概要とメリットを解説しました。MRPは「資材所要計画」のことで、製造現場が必要なタイミングで必要な資材を、必要な分だけ調達する手法です。1970年代にアメリカで提唱されて以来、時代を経るごとにMRP2からERPへと進化してきました。

現代からすれば少し古い手法ではありますが、製造業のベースとなる手法といっても過言ではありませんから、この機会に基本的な考え方を理解しておきましょう。

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