チャットボットとFAQシステムの違いとは?FAQチャットボットの導入ポイント
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- チャットボットとは
- FAQシステムとは
- チャットボットとFAQシステムの違い
- 回答の速さ
- Q&Aの数
- 情報の表示量
- ユーザー情報の取得
- チャットボットとFAQの共通点
- 問い合わせ対応の工数を削減できる
- 顧客満足度向上に役立つ
- 利用にあたってQ&Aデータが必要
- メンテナンスが必要
- チャットボットとFAQシステムの使い分け
- チャットボットが向いているケース
- FAQシステムが向いているケース
- FAQシステムとチャットボットの両方の機能を実現するには
- シナリオ型チャットボットを作成する
- 有人チャットと組み合わせる
- FAQシステムにチャットボット機能を追加または連携させる
- FAQチャットボットのメリット
- すばやい回答を得られる
- 短文回答と長文回答を使い分けられる
- FAQチャットボットの活用シーン
- 顧客問い合わせ対応
- 社内ヘルプデスク
- FAQチャットボットの作り方
- 問い合わせ内容を集める
- 集めたデータに優先順位をつける
- Q&Aを作成する
- FAQをチャットボットに登録する
- 必要に応じてFAQを編集する
- FAQチャットボット導入時の注意点
- FAQチャットボットの導入でFAQ利用率の向上を図ろう
チャットボットとは
チャットボットとは、人工知能(AI)や自然言語処理などの技術を用いて、ユーザーと会話形式でやりとりするシステムです。
ユーザーの入力したテキストや音声に対して、自動的に適切な回答を生成し表示します。ユーザーが求める回答をスピーディーに提供することで、待ち時間によるストレスを軽減できます。
ほかにも、ユーザーの嗜好やニーズに応じて、パーソナライズされた回答やサービスを提案できたり、質問や回答履歴を分析して改善につなげたりできます。
ひと口に「チャットボット」といっても種類は多岐にわたります。カスタマーサポートや予約業務、サービス紹介や購入促進、エンターテインメントや教育を目的としたチャットボットなど、さまざまな種類があります。
FAQシステムとは
FAQシステムとは、よくある質問(Frequently Asked Questions)と、その回答をWebサイトに掲載できるシステムです。ユーザーが自分で質問を選択したり、検索したりすることで、回答を閲覧できます。
ユーザー自身で回答を探せるためカスタマーサポートの負担を軽減できるほか、長文やイラストの掲載にも適しており、精度の高い回答が可能です。
商品やサービスの特徴、料金といった基本情報をはじめ、返品やキャンセル手続き、よくあるトラブルやエラーの対処法など、取り扱う商品やサービスに応じた内容を掲載できます。
チャットボットとFAQシステムの違い
チャットボットとFAQは、どちらもユーザーの質問に対する回答を提示するシステムですが、次のような違いがあります。
- 回答の速さ
- Q&Aの数
- 情報の表示量
- ユーザー情報の取得
回答の速さ
チャットボットは、ユーザーが入力した内容に対して即座に回答を生成したり、シナリオに従って表示したりします。一方、FAQシステムの場合は、ユーザー自身が質問を探す必要があるため、知りたい内容にたどり着くまで時間がかかります。
Q&Aの数
AIチャットボットの場合は、AIやNLP(自然言語処理)の技術を用いて、ユーザーの質問に対して適切な回答を生成できるため、あらかじめ用意されたQ&Aに限らず、さまざまな質問に対応可能です。
一方のFAQシステムは、用意されたQ&Aの中から、ユーザーの質問に合致するものを表示するため、あらかじめQ&Aの数が決まっている点で違いがあります。
情報の表示量
チャットボットは、ユーザーの質問に対して、必要な情報だけを短文で回答する傾向があります。一方で、FAQシステムの場合は、画像や長文での解説などを用いて、ユーザーの疑問を解消する傾向があります。
ユーザー情報の取得
チャットボットは、ユーザーと会話形式でやりとりすることで、ユーザーの属性や興味などの情報を収集できます。そのため、パーソナライズされた回答やサービスを提供できます。
一方、FAQシステムでは、検索に使用したキーワードを収集できるため、検索回数の多いキーワードを分析し、サービス品質向上につなげられます。ただし、チャットボットと比べると取得できる情報量が限られる点がデメリットです。
チャットボットとFAQの共通点
ここからは、チャットボットとFAQの共通点を解説します。
問い合わせ対応の工数を削減できる
チャットボットでは会話形式で質問に回答し、FAQではWebサイト内の「よくある質問」で回答します。回答を自動化できる点において、チャットボットとFAQはともに問い合わせ対応の工数削減に役立つシステムといえるでしょう。
簡単な質問に対する回答をこれらのシステムに任せれば、従業員は、人による対応が必要な難しい問い合わせや、自社のコア業務に集中できるようになります。
顧客満足度向上に役立つ
チャットボットとFAQは、どちらもユーザーの利便性を高められるシステムです。電話やメールのように、質問してから回答を得るまでの待ち時間が発生しません。
ユーザーはテキストを入力したり選択肢を選んだりするだけで回答を得られるうえ、電話が苦手な方でも気軽に利用できます。回答の精度をある程度キープできれば、顧客満足度の向上につながるでしょう。
利用にあたってQ&Aデータが必要
チャットボットとFAQは、どちらも質問と回答を自動化するシステムなので、運営側ではあらかじめQ&Aデータを準備する必要があります。多くのQ&Aを用意することで、ユーザーからの質問に対する対応範囲が広がります。
反対にQ&Aデータが少ないと、ユーザーの質問に答えられない場面が増え、顧客満足度の低下につながる可能性があります。さまざまな質問・回答を想定し、システムで対応できるよう準備することが大切です。
メンテナンスが必要
チャットボットとFAQは、どちらも導入後のメンテナンスが必要です。運用がスタートしたら、ユーザーの利用データを分析し、必要に応じて改善を行います。ユーザーの動向を見ながら、回答の精度を高めたり、Q&Aの数を増やしたりと、PDCAサイクルを回すことが大切です。
チャットボットとFAQシステムの使い分け
チャットボットとFAQシステムにはそれぞれメリットとデメリットがあるため、導入の目的やユーザーのニーズに応じて使い分けることが大切です。チャットボットとFAQシステムの向いているケースを紹介します。
チャットボットが向いているケース
チャットボットは次のようなケースに適しています。
- ユーザー自身の疑問が曖昧なとき
- 企業や商品、サービスの興味喚起につなげたいとき
- 取り扱うQ&Aが少ない場合
- 多言語対応が必要な場合
ユーザーが「なんとなく聞きたいことはあるけど明確でない」といった場合はチャットボットがおすすめです。チャットで何度かやり取りを繰り返すうちに、聞きたいことが明確になり、回答へと導きやすくなります。
また、ユーザーの興味喚起につなげたい場合もチャットボットが良いでしょう。企業や商品、サービスを知ってから間もないユーザーは積極的な行動を起こしにくいため、チャットボットでアプローチした方が興味喚起につながりやすいです。
シナリオ型のチャットボットでは質問事項を予測してシナリオを立てるため、扱う質問の種類が少ない場合もチャットボットがおすすめです。AI搭載型のチャットボットの場合は、登録していない質問内容にも対応していますが、的確な回答ができない可能性もあります。
最近では多言語に対応しているシステムもあるため、外国人を対象とした企業や、社内に外国人労働者が多く在籍する企業にもチャットボットはおすすめです。
FAQシステムが向いているケース
FAQシステムが向いているケースは次のとおりです。
- ユーザー自身の疑問が明確なとき
- 扱うQ&Aが多いとき
- 長文での回答が必要なとき
- 図や表を使って回答を用意したいとき
FAQシステムは、ホームページやECサイトに設置されている「よくある質問」といった専門ページに使われます。あらかじめ回答を用意しているため、ユーザーの疑問が明確な場合に適しています。
1ページを広く使ったり、特定の質問の回答ページだけを別ページに飛ばしたりできるので、扱うQ&Aが多い、質問に対して詳しく解説したい場合にも向いています。
チャットボットよりも多くの情報を掲載できるため、長文テキストや図や表を用いた回答を用意する場合にもおすすめです。
FAQシステムとチャットボットの両方の機能を実現するには
FAQシステムとチャットボットはそれぞれに長所がありますが、FAQの内容をチャットボット形式で提示したい場合もあるでしょう。両方の機能を実現するための方法について解説します。
シナリオ型チャットボットを作成する
シナリオ型チャットボットは、運営者が作成したシナリオに沿って会話を進めるチャットボットです。FAQの設問と回答を作成し、チャットボットでユーザーを誘導しながら、回答提示までたどり着いてもらいます。
通常のFAQシステムに比べて、キーワード検索が不要で選択式のため、スムーズに回答までたどり着けます。
有人チャットと組み合わせる
FAQをチャットだけで解決できない場合は、チャットボットでの回答に加えて、有人チャット対応を取り入れるのも一つの方法です。
チャットボットでFAQの自動応答を行い、解決しない場合には有人チャットに対応することで、ユーザーの不明点や質問に対して満足できる回答を提示できます。
FAQシステムにチャットボット機能を追加または連携させる
すでにFAQシステムを導入している場合、そこにチャットボット機能を追加・連携するのも一つの方法です。新たにFAQシステムを構築する必要がなく、既存のFAQをチャットボット化するだけで完了するため、コストを抑えられ、担当者の負担も軽減できます。
FAQチャットボットのメリット
FAQチャットボットの利用には次のようなメリットがあります。
すばやい回答を得られる
FAQシステム単体の場合、検索ワードが曖昧だと、ユーザーが答えにたどり着くまでに時間がかかってしまいます。
それは自社のWebサイトを閲覧している顧客はもちろん、社内ヘルプデスクを利用する従業員にとっても同じです。みな「すぐにチャットで聞けたらいいのに」と思うでしょう。
FAQチャットボットを導入すれば、チャットのスピード感を実現できるため、ユーザーは回答に早くたどり着けます。さらに、精度の高い回答も受け取れます。
短文回答と長文回答を使い分けられる
お伝えしたように、チャットボットは短文回答に向いており、FAQシステムは長文回答に向いています。両者を融合すると、まずチャットボットを受け皿にして短文回答ができるようにする、詳細を知りたい場合は別のページに飛べるようにする、といった仕組みを構築可能です。
FAQチャットボットの導入によって、「とにかく早く回答を知りたい」「正確で詳しい情報を知りたい」といった両方のニーズに応えられます。
FAQチャットボットの活用シーン
FAQチャットボットの主な活用シーンとして次のものがあげられます。
顧客問い合わせ対応
たとえば、WebサイトのトップページやLINE公式アカウントなど、目に付きやすい場所にチャットボットを設置することで、ユーザーが気軽に問い合わせできるようになります。これによって、電話やメールの件数も減るでしょう。
この方法は、「住所変更」や「支払い方法の変更」といった既存顧客への対応だけでなく、「資料請求」や「無料トライアルの案内」など新規顧客向けのマーケティングにも活用できます。
社内ヘルプデスク
総務や経理、システム部門といった企業におけるバックオフィス部門には、従業員からの問い合わせが多く寄せられます。「人事規定について確認したい」「システムの使い方を教えてほしい」など、日々多くの問い合わせに対応する必要があります。
FAQチャットボットを社内のヘルプデスクとして利用すれば、バックオフィス部門の負担も大幅に削減可能です。従業員が普段利用するチャットツールやアクセスしやすい場所にチャットボットを設置することで、誰もが知りたい情報を知りたいときに確認できます。
従業員側が質問する手間を省けるうえ、社内の問い合わせ対応にかかっていた工数やリソースの削減にもつながるでしょう。
FAQチャットボットの作り方
最後に、FAQチャットボットの作成方法を紹介します。
問い合わせ内容を集める
まずは、FAQに組み込むQ&Aの材料収集から始めましょう。材料はWebサイトの問い合わせ履歴から集めるのがおすすめです。今までどのような質問が寄せられてきたか、ユーザーは何を求めているのか、などを把握できます。
社内の問い合わせ担当者にヒアリングしたり、ユーザーになりきって疑問や悩みから予想できる問い合わせを考えたりするのも有効な手段でしょう。
集めたデータに優先順位をつける
集めたデータに優先順位をつけ、FAQに実装する問い合わせ内容をまとめます。すべての問い合わせをFAQに反映できれば理想的ですが、それでは膨大な工数がかかるため、まずは優先度の高いデータに絞ってまとめましょう。
カテゴリー数も増やさない方が良いです。いきなり多くのカテゴリーを作成すると、それぞれのカテゴリーに対する回答の精度が下がり、顧客満足度の低下につながってしまう恐れがあります。まずはニーズの高いカテゴリーに集中し、「このカテゴリーのQ&Aはチャットボットを使えば網羅できる」といった状態になるのがベストです。
Q&Aを作成する
データの優先順位を決めたらQ&Aを作成します。Q&Aを作る際は次のポイントを意識しましょう。
- わかりやすく端的に伝える
- 専門用語はできるだけ使わない
- 詳しい情報は別ページに遷移してもらう
WebサイトにQ&Aを掲載する場合、ユーザーが本当に求めている情報であれば、長文でも読んでもらえるでしょう。FAQにチャットボットを搭載する場合は、回答を端的にまとめながら、詳細は別ページに移遷する流れにするのが良いでしょう。
FAQをチャットボットに登録する
FAQの作成が完了したら、それをチャットボットに登録します。登録方法はツールによって異なるので、適宜ベンダーに確認しましょう。
必要に応じてFAQを編集する
チャットボットを無事に導入できたら、必要に応じてFAQを編集します。ユーザーの利用状況や問い合わせ内容を確認し、不足しているQ&Aを追加・修正したり、不要なものを削除したりしましょう。
FAQチャットボットを導入したのに電話やメールでの問い合わせが減らない場合、回答内容に大きな修正が必要となっている可能性があります。定期的に情報をアップデートし、ユーザーの満足度向上を図りましょう。
FAQチャットボット導入時の注意点
FAQチャットボットは導入して終わりではなく、運用中も効果を検証し、よりユーザーが利用しやすいよう改善を繰り返すことが重要です。たとえば、次の点に注意して運用してみてください。
- ボタンや入力フォームが使いやすいか
- 質問に対して適切な選択肢を提供できているか
- チャットでの会話で離脱された原因は何か
- ユーザーが納得のいく回答を提示できているか
システムの操作性はもちろん、回答の精度が保たれ、正しく回答に導けているかをデータを見ながら確認しましょう。たとえば、途中で離脱するユーザーが多い項目は、その原因を特定し、新たな施策を講じることで運用効果を高められます。定期的に効果検証を行い、顧客満足度の高いFAQシステムの構築を目指しましょう。
FAQチャットボットの導入でFAQ利用率の向上を図ろう
チャットボットとFAQシステムの違いや使い分け、FAQチャットボットを導入する際のポイントや注意点について解説しました。
顧客対応や社内での問い合わせを円滑に進めるためには、FAQチャットボットの導入がおすすめです。ツールによって特徴や機能が異なるため、自社に必要なものを洗い出し、比較検討して選んでください。
