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機械学習型チャットボットとは?非AI搭載型との違い・おすすめサービス

最終更新日:(記事の情報は現在から203日前のものです)
機械学習型のチャットボットは、あらかじめデータを学習させたうえで運用するチャットボットです。本記事では、非AI搭載型のチャットボットとの違いや機械学習型チャットボットのメリットや活用シーン、おすすめのサービスについて解説します。

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機械学習型チャットボットとは

機械学習型のチャットボットとは、AI搭載型チャットボットの一種であり、あらかじめ十分なデータを与え、学習させてから運用するタイプのチャットボットのことです。

AIチャットボットとは、人工知能(AI)を搭載したチャットボットで、チャットで質問を送ると、質問の答えを返してくれます。自然言語処理技術や機械学習技術を用いて、ユーザーの発話や意図を理解し、人と会話をするように適切な応答を生成できるのが特徴です。

過去の会話データを大量に学習することで、回答の精度が高まるため、利用すればするほど使いやすいシステムになります。現在はWebサイトやアプリなどのプラットフォームで、さまざまな目的や業務に応用されています。

また自然言語処理技術で言葉のゆらぎにも対応でき、ユーザーの疑問をスピーディーに解決してくれるため、問い合わせ対応の業務効率を向上できるのがメリットです。一方で学習に手間や時間、コストがかかるデメリットもあります。ただし、近年は「ChatGPT」のような生成AIと連携し、この学習・チューニングの手間や時間を省けるサービスも登場しています。

>>AIチャットボットとは?仕組みや導入メリット・課題と事例

AI型チャットボットと非AI搭載型(シナリオ型)チャットボットとの違い

チャットボットはAI搭載型ともう1つ、非AI搭載型チャットボットに分類できます。非AI搭載型チャットボットは、あらかじめ用意されたシナリオのフローやルールにもとづいて、ユーザーの入力に対して決められた応答を返す仕組みのチャットボットです。そのためシナリオ型・ルールベース型とも呼ばれます。

たとえば「料金の質問ですか、サービスの質問ですか」の問いに「料金」と回答すると、次は「料金プランの質問ですか、支払い方の質問ですか」といったように、徐々に絞り込みを行います。

AI搭載型チャットボットと非AI搭載型チャットボットの特徴やメリット・デメリットは、次のようにまとめられるでしょう。

項目 応答の生成方法 応答の柔軟性 学習能力
AI搭載型チャットボット AIでの機械学習や自然言語処理などを用いて、ユーザーの発話や意図を理解し、一問一答で適切な応答を生成する ユーザーの発話や意図に合わせて、応答の内容や形式を変えられる ユーザーとの会話やフィードバックなどを通じて、みずから学習し、応答の精度や質の向上が可能
非AI搭載型チャットボット あらかじめ用意されたシナリオやルールにもとづいて、ユーザーの入力に対して決められた応答を返す ユーザーの入力がシナリオやルールに沿っていない場合、応答できないか、適切でない応答を返すことがある 学習能力はなく、シナリオやルールの更新は人間が行う

>>チャットボットとは?仕組みやメリット

AI搭載型チャットボットの仕組み

AI搭載型チャットボットが質問の答えを導き出す仕組み(アルゴリズム)は、文の各単語を重要度で点数をつけて分類し、質問の意図を類推して正しい回答を探し出す、といったものです。たとえば質問の内容が「インターネットが接続できない」だったとします。

AIはこの質問を「インターネット/が/接続/できない」と区切って、それぞれの単語と類似した、過去のFAQを探し出します。ただし、たとえ「接続」が一致していたとしても、「ヘッドホンが接続できない」といった内容のFAQでは、まったく違う答えが出てしまうでしょう。

そのため単語ごとに重要度を設定して点数をつけ、より高い点数が出た過去のFAQの答えを出すことで、正しい回答をユーザーに表示します。今回の例では最も重要で点数が高い単語は「インターネット」で、次に高いのは「接続」、次が「できない」と設定したとします。

AIはこれらの情報から、過去にあったFAQ「インターネットを接続できないで困っている、対策を教えてほしい」と、質問の意図が同じであると認識します。そしてこのFAQの回答を表示することで、ユーザーの求める回答ができます。

AI搭載型チャットボットの種類

AI搭載型チャットボット大きく次の2種類にわけられ、それぞれ特徴が異なります。

  • 機械学習型
  • ディープラーニング型

それぞれの違いを詳しく紹介します。

機械学習型

機械学習型のチャットボットは、どういった単語を重要視するかを人間が設定し、この情報をもとに点数づけを行って質問の意図を類推し、回答を出すタイプです。この重要度は、学習データ(追加のFAQ)が増えるごとにAIが自動で調整し、質問の点数も計算し直してくれるため、回答精度を高められます。

そのため導入時は最低限のFAQ登録で運用でき、コストもAI型としては安く抑えられるのが魅力です。シナリオ型と後述するディープラーニング型のいいところを、両方兼ね備えたタイプといえるでしょう。

ディープラーニング型

ディープラーニング型のチャットボットは、人間の手を借りずに質問の意図を類推し、回答を出せるタイプです。ディープラーニングでは、人間の脳を模したAI(ニューラルネットワーク)を利用しており、人間がヒントを与えずともみずから単語の重要度設定・点数づけを行って、回答を導き出します。

また機械学習型よりも高度な自然言語処理が行えるため、より自然な会話が行えるのも魅力です。ただしAIに対象となる単語の重要度から計算させる必要があるため、少なくとも100万件のデータ学習が必要といわれています。そのため費用が高額になりやすく、導入に手間がかかることにも注意が必要です。

また重要度の設定もAIが行うため、なぜそういった回答に至ったかを突き止めるのが難しく、間違った回答が出ても修正・メンテナンスは簡単に行えません。そのため運用には、AIに詳しい人材を確保する必要があります。これらのことから、ディープラーニング型はチャットボットで利用されることはあまりなく、機械学習型チャットボットが一般的です。

AI搭載の機械学習型チャットボットのメリット

AI搭載の機械学習型チャットボットの導入には次のようなメリットがあります。

  • チューニングやメンテナンスがしやすい
  • 対応できる範囲が広い
  • 対応力が高い

チューニングやメンテナンスがしやすい

AI搭載の機械学習型チャットボットは、AIみずから学習する能力があるため、シナリオ・ルールの作成や、チューニングにかかる手間・コストを削減できます。前述したように、機械学習型は初期段階で人間がある程度設定を行う必要はありますが、ある程度学習が進めばあとは追加の学習データを登録するだけで、自動で学習可能です。

シナリオ型のように、都度シナリオやルールを作成する必要がないため、運用の負担を軽減できるでしょう。また回答に間違いがあったとしても、機械学習型は人間が設定した情報をもとに回答を表示しているため、ロジックをたどりやすく、原因を追求しやすいのも特徴です。そのためディープラーニング型よりも、修正・メンテナンスの負担を軽減可能です。

対応できる範囲が広い

AI搭載の機械学習型チャットボットは学習を重ねることで、対応範囲が広くなります。機械学習型は、過去のFAQをもとに学習し、質問に対する適切な回答を検索します。そのためFAQのデータベースが充実し、十分に学習ができれば将来的に、広範囲の質問にも回答できるようになるでしょう。

たとえば同じ質問でも、ユーザーの知識レベルや興味に合わせて、詳細な説明や例示を行ったり、簡潔に回答したりといった複雑な回答も可能です。

対応力が高い

AI搭載の機械学習型チャットボットは、学習により対応力を高められるのもメリットです。ユーザーとの会話やフィードバックなどを通じ、会話の精度も高められるため、より自然なコミュニケーションができるようになります。

たとえばサービスの名称を忘れてしまい、別の単語を使ってあいまいな言葉で質問されても、過去のデータから意図を読み取り、最適な返答ができるでしょう。

AI搭載の機械学習型チャットボットの活用シーン・使い方

AI搭載の機械学習型チャットボットは、さまざまな目的や業務に応用されています。そこで代表的な活用シーンや使い方についていくつか紹介します。

カスタマーサポート

カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせや質問に、電話やメールしているケースが多くあります。しかし商品やサービスに関する基本情報やシステムの操作方法など、シンプルな内容の問い合わせや質問であれば、チャットボットでも対応でき、業務効率化が可能です。

また顧客側にとっても、電話やメールのように待つ必要がなく、知りたいときにすぐに回答を得られることで、満足度やロイヤルティの向上につながります。チャットボットでの回答が難しい場合には、途中から有人対応に切り替えられる機能もあります。

また、チャットボットへ蓄積された問い合わせ内容を分析できるため、サービスや応対品質の改善にも役立つでしょう。

Web接客

チャットボットは、Webサイトやアプリの訪問者に対して接客を行うことも可能です。訪問者の属性や行動を分析し、興味やニーズに合わせた情報やサービスを提供できます。

また、購買意欲を高めるクーポン・特典提示や、カートに入れた商品に関連した商品のおすすめ表示、カートに入ったまま放置された商品のリマインドも可能です。WebサイトやアプリのCV(コンバージョン)率や、ECサイトのカゴ落ち率の改善に役立つでしょう。

社内問い合わせ対応

社内の従業員からの問い合わせ対応も、チャットボットの利用方法の1つです。バックオフィス担当者は、本来の業務を進めながら、日々従業員からの質問への対応もしている場合が多いでしょう。

しかし社内の規則や手続き、給与や福利厚生などあらかじめルールとして制定されている情報は、チャットボットで提供することで、直接の問い合わせの量を削減できます。また、問い合わせの内容に応じて、適切な担当者や部署にエスカレーションも可能です。社内問い合わせ業務の効率化や負担軽減を目指せます。

マーケティング

マーケティングの支援にも、チャットボットは有効です。Webサイトに訪れたユーザーに対して、商品やサービスの案内をしたり、離脱しそうなユーザーにメッセージを表示したりと、顧客行動に合わせてチャットボットを稼働させられます。

このようなユーザー心理を理解した提案により、離脱率の低下やサイトの回遊率、CVの向上が期待できるでしょう。またチャットボットの案内終了後に、対応への満足度や意見を送信できる機能がある場合には、顧客からのフィードバックを活かした改善施策の実行も可能です。

AI搭載の機械学習型チャットボットを導入する際のポイント

機械学習型のチャットボットを導入する際は、次の点に注意しましょう。

導入の目的を明確化する

導入を検討する際は、なぜ機械学習型チャットボットを導入するかをはっきりさせましょう。たとえば問い合わせ対応における顧客満足度向上や、担当者の負担軽減、Webサイトにおけるコンバージョン率のアップなど、利用の仕方や目的はさまざまです。

また後述するように、AIチャットボット・機械学習型のチャットボットはサービスも多く、それぞれに機能や強みも異なります。導入の目的によっても選ぶべきチャットボットや、学習させるデータも大きく異なるため、まずは自社の課題を明らかにし、導入の方針を定めましょう。

導入後も検証・改善を継続する

機械学習型チャットボットは、導入後も検証・改善を続ける必要があります。導入直後のチャットボットは、利用されればされるほど、回答精度は高くなるのが特徴です。しかし導入後に放置していると、間違った方向に学習を進める危険性があります。

そのため導入後も定期的に検証を行い、正しく回答精度を上げられるよう、メンテナンスを行いましょう。また追加で学習データを入力できれば、よりスピーディーに学習が進められます。

機械学習型のおすすめのチャットボットシステム比較

機械学習型のチャットボットシステムは、多くの企業やサービスで利用されています。おすすめの人気チャットボットをいくつか紹介します。

OfficeBot - ネオス株式会社

OfficeBot
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導入事例セクション | BOXIL SaaS AWARD 2023
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ボクシルSaaSのデータを元に表示しています
提供企業様でご不明点がある方はこちら

OfficeBotは、ChatGPTのアルゴリズムをベースに、企業内のデータを使って回答するAIチャットボットです。

FAQ学習AIやドキュメント学習AIの機能により、同じ意味の異なる質問内容にも、登録したFAQをAIによって回答パターンを増やし、適切な回答を導き出せます。またFAQ登録がない質問には、登録したドキュメントから回答を導き出すことも可能です。

英・中(簡・繁)・韓の自動翻訳が行える多言語対応やログ情報の分析など、幅広く機能が揃っています。

PKSHA Chatbot - 株式会社PKSHA Communication

PKSHA Chatbotは、自社開発AIエンジンによる深層学習と、自然言語処理を用いたチャットボットです。ビッグデータを活用した辞書データが搭載されているため、会話の土台がある状態からスタートできます。少ない学習データから高精度な回答を導き出せるのが魅力です。

豊富な機能を搭載しているため、専門的な知識がなくても分析・改善を行え、継続的な対話性能の向上が目指せます。

QA ENGINE

QA ENGINEは、自然言語処理と機械学習を用いて、ユーザーの質問に対して最適な回答を生成するチャットボットです。少ないデータで高い回答精度を実現していることが特徴です。

機械学習の知識が少ない方でも、画面クリックで簡単に質疑応答のAIを作れるため、運用開始までの機械学習のデータ作成や、学習モデルの生成がスムーズに行えます。


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機械学習型のチャットボットの導入で顧客満足度やWebサイトの効果向上を図ろう

機械学習型チャットボットは、みずから学習してユーザーの発話や意図を理解し、適切な応答を導き出せるチャットボットです。カスタマーサポートや社内問い合わせ対応にはもちろん、Web接客やマーケティングの一環としても活用できます。

AI搭載型や機械学習型のチャットボットは複数あり、それぞれ機能や特徴、費用などが異なります。導入目的に沿ったチャットボットを導入するために、サービスを比較検討して自社に合うツールを選んでください。

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