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電子公印とは?自治体で注目を集める理由や規定、作り方

最終更新日:(記事の情報は現在から3日前のものです)
電子公印とは、地方自治体や官公庁などで使用する公印をデジタルデータへと変換することです。電子公印を利用すると、おのずと電子文書を扱う機会が増えるため、ペーパーレス化やDX化のきっかけを生み出せます。本記事では、電子公印の特徴や仕組み、作成方法などを解説します。

電子公印とは

電子公印とは、公印の印影をデジタルデータ化したものです。公印とは、地方自治体や官公庁で用いられる印鑑を指します。運転免許証やマイナンバーカードなどを発行する際、その証明として押印するのが一般的です。

公印をデジタルデータ化することで、公文書の電子化やペーパーパレス化に寄与します。その結果、紙の文書を運用する際に起こりがちな書類の紛失や情報の改ざんなどのリスクを抑えられるほか、業務効率化にも効果を発揮します。

電子公印と電子職印の違い

電子公印とよく似た言葉に、電子職印があります。電子職印とは、職印の印影をデジタルデータ化したものです。

そもそも職印とは、弁護士や行政書士といった仕業に携わる人が利用する名簿登録用の印鑑を指します。また、役職名や職位を刻んだ印鑑として利用するケースもあります。一方の公印は、公務のために使用する印鑑全般のことです。

電子公印と電子署名の違い

電子署名は、電子文書に会社名や本人の氏名などを記す行為を指します。紙の文書における印章やサインと同じ役割を果たします。一方の電子公印は、印影をデジタルデータ化したそのものを表す言葉です。

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電子公印が注目を集める背景

地方自治体や官公庁などで電子公印に対する注目度が高まっているのは、ビジネスシーンを中心にDXが普及しつつある要因が考えられます。DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を駆使して新規事業の創出や構造改革などを行う取り組み全般のことです。

経済産業省が2018年にDXレポートを発行したのを皮切りに、ビジネス界隈ではDXの一環としてITツール活用による業務効率化やペーパーレス化などが進んでいます。なかでも印鑑のデジタルデータ化は導入ハードルが低く、DXのきっかけとして導入するケースも珍しくありません。

また、最近では民間企業だけでなく、DXに取り組み始める地方自治体や官公庁も徐々に増え始めています。地方自治体や官公庁にとっても民間企業と同様に印鑑のデジタルデータ化は取り組みやすく、電子公印の導入が進んでいます。

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電子公印を利用するメリット

電子公印を利用するメリットは次のとおりです。

  • 書類の紛失や情報改ざんを防げる
  • ペーパーレス化を促進できる
  • 業務効率化につながる

書類の紛失や情報改ざんを防げる

電子公印を利用する一つ目のメリットは、書類の紛失や情報改ざんを防げる点です。

電子公印を利用すると、同時に文書もデジタルデータとして保管できるため、紙の文書を扱う必要がありません。結果として書類紛失を防げます。紙の文書で公務を行う場合、ヒューマンエラーや管理不足によって書類を紛失するリスクがあります。とくに公文書であれば、職員や住民の個人情報が記載されていることもあり、書類紛失によって情報漏えいといった重大なトラブルに発展しかねません。

また、電子文書を扱う際は、電子署名タイムスタンプを付与するのが一般的です。電子署名やタイムスタンプにより「いつ、誰が、文書を作成・改変したのか」がわかるため、電子文書の本人性や非改ざん性を証明できます。

ペーパーレス化を促進できる

電子公印の活用に伴い、徐々に紙での文書作成や管理の機会を減らすことで最終的にペーパーレス化へとつながります。ペーパーレス化が実現すれば、コストや保管スペースの削減、管理プロセスの適正化などのさまざまな恩恵が生まれるでしょう。

デジタル化が進むに連れて印刷や印紙の貼り付け作業が徐々に省略され、印刷費や印紙代、発送費などのコスト削減が可能です。

業務効率化につながる

組織内の業務効率化が促進されるのも電子公印を利用するメリットです。

電子公印を利用して紙の文書を電子文書に切り替えたり、公務をデジタル化したりすることで業務の時間短縮につながります。デジタルな業務環境では、情報の手入力や実物での押印・署名などの作業が必要ありません

また、文書作成や管理業務がオンライン上で完結するため、書類の出力や発送も不要です。システム内に情報を集約すれば必要な情報に素早くアクセスできるので、組織内の情報共有もスムーズになります。

電子公印に関する規定・法律

公文書のなかには、電子公印のような印影が求められるケースも存在します。たとえば、戸籍法施行規則の第七十三条には、「戸籍証明書等には、市長村長が職氏名と職印を付与すること」と定められています。

また、民事訴訟法の第二百二十八条には、「本人または代理人の署名や押印があってはじめて、文書に真正性があることを推定する」と記載されており、電子文書も同じく、本人性と非改ざん性の証明が必要です。

電子公印の場合、たんに印影を画像に変換するだけでは法的効力は発揮されません。そのため、電子署名や電子証明書、タイムスタンプなどを使って電子文書に本人性や非改ざん性を付与する必要があります。

電子公印の作り方

電子公印を作る場合、公印の用途によって方法が大きく異なります。たんに印影の画像を作成するだけであれば、電子印鑑作成サービスや画像編集ソフトを利用すれば済みます。

しかし、電子署名や電子証明書などを利用して、電子公印に法的効力を持たせるためには、電子印鑑作成サービスや画像編集ソフトでは実行不可能です。そのため、専用のシステムを利用することをおすすめします。

電子契約システムの場合は電子署名や電子証明書、タイムスタンプなどの機能が搭載されています。また、システム内で文書の作成や管理、送受信を行えるのもポイントです。電子公印を作成する際は、電子契約システムのなかでも、地方自治体や官公庁の導入実績がある製品を選ぶと良いでしょう。

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電子公印を正しく利用するためのポイント

電子公印を正しく利用する際は、次のポイントを意識することが大切です。

  • セキュリティレベルの高いサービスを利用する
  • 印字漏れに注意する

セキュリティレベルの高いサービスを利用する

電子印鑑サービスや電子契約システムなど、どのようなサービスを利用するにしても、セキュリティレベルの高いものを採用しましょう。

電子公印を利用する公文書には、住民の個人情報や職内の機密情報などの重要な情報が記載されています。仮にセキュリティレベルの低いサービスを利用して情報漏えいした場合、信用問題や損害賠償などに発展しかねません。

そのため、サービスを利用する前に搭載されているセキュリティ機能や認証資格の有無、導入実績などを確認することが重要です。

印字漏れに注意する

電子公印を利用するケースのなかでも、押印に関する規定がある場合は、印字漏れには十分に注意する必要があります。過去には、岡山県総社市で電子公印が必要な戸籍証明書に印字漏れが発覚した事例も存在します。

印字漏れを防ぐには、文書発行前のダブルチェックやが不可欠です。地方自治体や官公庁が電子公印を利用する際は、内閣府が発行した「地方公共団体における押印見直しマニュアル」を参考にするのも良いでしょう。

電子公印を導入してペーパーレス化やDX化のきっかけを生み出そう

DXやデジタル化の進展に伴い、庁内で使っていた公印をデジタルデータ化するケースも多いでしょう。電子公印へと切り替えることで、同時に電子文書への移行にもつながります。電子公印への切り替えは比較的取り組みやすいこともあり、ペーパーレス化やDX化のきっかけを生み出すのに最適です。

ただし、電子公印に法的効力を持たせるには、電子署名や電子証明書、タイムスタンプなどの仕組みが求められます。このような仕組みを構築する場合は専門知識が必要ですが、電子契約システムを活用すればノウハウなしでも始められるため、導入を検討してみてください。

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