タレントマネジメントをExcel（エクセル）で実践できるのか？メリット・デメリット

タレントマネジメントシステムには多くの種類があり「どれを選べばいいか」迷いますよね。後から知ったサービスの方が適していることもよくあります。導入の失敗を避けるためにも、まずは各サービスの資料をBOXILでまとめて用意しましょう。
⇒【料金・機能比較表つき】タレントマネジメントシステムの資料をダウンロードする（無料）

＼ 稟議や社内提案にも使える！／

タレントマネジメントとは

タレントマネジメントとは、企業が一人ひとりの能力や専門性をくわしく把握し、人材を戦略的に活用する仕組みのことです。

個人の情報を共有することで、適切な人材配置や育成が可能になるほか、人材育成や採用活動に活用できます。また、企業の目標達成と持続的な成長につなげられるのもタレントマネジメントの特徴です。

一人ひとりの才能を引き出し効果的に活用することが、タレントマネジメントの主な目的といえます。

タレントマネジメントが注目される背景

タレントマネジメントが注目されるようになった背景には、労働市場における環境の変化が影響しています。

特に大きな影響を与えているのが、次の3つの要因です。

• 労働人口の減少
• 働くことに対する価値観の変化
• 経営戦略の高速化

少子高齢化が進む現代では、労働人口が減少し、人材の確保が困難な状況です。そのため、すでに在籍している個人の能力を最大限に発揮して生産性を上げることが求められています。

一人ひとりの能力や特性を把握したうえで、人事戦略を練る必要があり、タレントマネジメントの活用が注目されています。

また、労働に対する価値観が変化しており、転職への抵抗感が低下していることも大きな要因です。タレントマネジメントでは、仕事に対する満足度調査も実施できるため、モチベーションの低い人材へのフォローや人員の見直しがしやすくなります。

さらに、経営戦略の変化が高速化していることにより、近年では組織に在籍する個人の能力を把握して、事業戦略の変更に対応する企業が増加しています。こうした理由からも、タレントマネジメントへの注目度が増しているといえます。

タレントマネジメントに必要な項目

タレントマネジメントに必要な項目は次のとおりです。

• 基本情報
• 評価・目標情報
• スキル・キャリア情報

それぞれくわしく解説します。

基本情報

タレントマネジメントでは、個人の基本情報が必要です。誰がどのような経歴をもっているのかを可視化できなければ、正確なデータの検索や分析ができなくなります。具体的な項目例は次のとおりです。

• 氏名
• 生年月日
• 住所
• 電話番号
• 学歴
• 社員番号
• 入社日
• 勤続年数
• 所属拠点
• 役職
• 雇用形態
• 職種

評価・目標情報

タレントマネジメントでは、個人の評価や目標に関する情報も必要です。一人ひとりがどのような経験や実績を積んでいるのか、まとめましょう。

評価・目標情報の項目例は次のとおりです。

• 組織における等級
• 期限ごとの目標
• キャリアの目標
• これまでの成果
• 人事的な評価履歴
• 社内での受賞、表彰履歴

これらの情報を正確に残すことで、過去と比較してどれだけ成長しているのか、成果を残しているのかが把握しやすくなります。人事業務において正当に評価しやすくなる点がメリットです。

また、離職防止やモチベーションの向上・維持、企業内・組織内での最適な人事配置に活用できます。

スキル・キャリア情報

スキルやキャリアといった、業務に関連する情報もできるだけ把握しておきます。具体的な項目例は次のとおりです。

• 保有資格や取得年
• 個人がもつスキルの詳細情報
• これまでに社内外で経験した職種
• これまでに経験した業務内容
• 免許情報

これらの情報を正確に把握していれば、人材育成や配置転換、新しいポストへの抜擢などに活用できます。

タレントマネジメントにより、情報を一元的に把握・管理することで、企業における人事戦略の幅広いシーンで活用できるでしょう。

Excel（エクセル）でのタレントマネジメントは可能

タレントマネジメントするためには、システムを導入することが一般的ですが、Excelを使ったタレントマネジメントも可能です。

Excelはパソコンに標準装備されているケースが多く、無料で利用できるため、コストを抑えながらタレントマネジメントを運用できます。

Excelでのタレントマネジメントのメリット

Excelによるタレントマネジメントのメリットは次のとおりです。

• システム費用がかからない
• 操作に慣れているExcelを使える
• カスタマイズ性が高い

システム費用がかからない

Excelを活用したタレントマネジメントのメリットのひとつは、新しいシステムの導入に費用がかからないことです。専用のタレントマネジメントシステムを導入したり、システムを一から開発したりする場合、相応の費用が発生します。

Excelであれば、社内のパソコンにプレインストールされているケースが多いため、導入コストを大幅に削減できるでしょう。

また、Excelであれば手軽に始められるため、中小企業でタレントマネジメントを導入したい場合におすすめです。

操作に慣れているExcelを使える

タレントマネジメントにExcelを利用するメリットとして、操作に慣れていることが挙げられます。Excelはほとんどの人材が日常的に使い慣れている表計算ソフトです。

タレントマネジメントの運用にExcelを活用すれば、ストレスなく取り組めるでしょう。既存のExcel活用ノウハウを活かせるので、新しいシステムの操作を覚える必要がなく、スムーズに導入できます。

カスタマイズ性が高い

カスタマイズ性が高いのも、Excelでのタレントマネジメントのメリットです。Excelはカスタマイズ性が高く、組織構造やニーズに合わせて、柔軟にタレントマネジメントの仕組みを設計できます。必要に応じてデータの追加や表示形式の変更もできます。

タレントマネジメントでは、企業や組織の実情に合わせた仕組みの構築・運用が重要です。

ITリテラシーの高い人材が多い環境であれば、タレントマネジメントシステムを導入するよりも、Excelを使ったほうが向いている場合もあるでしょう。

Excelでのタレントマネジメントのデメリット

一方、Excelでのタレントマネジメントのデメリットは次のとおりです。

• 管理が複雑になり、リソースが多くかかる
• データの一元管理は困難
• セキュリティに不安が残る
• 人的ミスが起こりやすい
• 閲覧権限を細かく設定できない

管理が複雑になり、リソースが多くかかる

管理が複雑になり、多くのリソースが必要になることが、Excelを使ったタレントマネジメントのデメリットです。

企業が成長するにつれて情報は増加していくため、Excelファイルの管理が煩雑になります。

ファイルの共有や更新、バックアップ管理など、手作業での対応では限界を感じるかもしれません。中・大規模の組織になると、Excelの管理に専任者の配置が必要になる場合もあるでしょう。

また、データの分析や可視化にもプログラムや関数を複雑に組む必要があります。そのため、Excelベースのタレントマネジメントには限界があるといえるでしょう。

データの一元管理は困難

Excelを使ったタレントマネジメントでは、データの一元管理が難しいといった課題があります。

部門ごとにExcelファイルが分散する可能性が高いため、組織全体で人材情報を一元管理したり、把握したりすることが難しくなるでしょう。

また、Excelファイルが増えていくと、データの重複や矛盾が生じるリスクも高くなります。

Excelを用いた方法では、タレントマネジメントの本来の目的である、組織全体での人材の可視化と最適な活用を実現するのは困難なケースがあります。

セキュリティに不安が残る

セキュリティ面での不安が残りやすいのも、Excelによるタレントマネジメントのデメリットです。

タレントマネジメントには個人情報をはじめとする機密情報が含まれるため、Excelファイルの管理には細心の注意を払わなければなりません。

ファイルの共有や保管方法によっては情報漏えいのリスクが高くなるほか、Excelファイルは容易に編集できるため、意図せぬ変更や不正に修正される恐れもあります。

また、Excelを使用する場合、業務上の必要性から不特定多数がファイルにアクセスします。そのため、情報管理も難しくなるでしょう。

人的ミスが起こりやすい

Excelによるタレントマネジメントでは、人的ミスが起きやすいことも課題として挙げられます。

Excelファイルは手作業で管理する必要があるため、データの入力ミスや計算式の間違いなど、さまざまなヒューマンエラーが発生するリスクがあります。

特に、異動や採用、退職の際に、情報の更新漏れや誤りが生じやすいほか、誤ったデータの共有により、組織全体で誤情報が蔓延するケースもあるでしょう。

閲覧権限を細かく設定できない

閲覧権限の設定が難しいことも、Excelによるタレントマネジメントのデメリットです。

タレントマネジメントでは、組織内の立場や役割によって、個人の情報へのアクセス権限を細かく管理する必要があります。

しかし、Excelは柔軟性や管理機能に限界があるため、管理する情報のセキュリティ上のリスクが高まる恐れがあります。

Excelでのタレントマネジメント実践手順

Excelによるタレントマネジメントの手順は次のとおりです。

• 必要なタレントと評価基準を定義する
• 必要な項目をExcelに集約する
• 表やグラフで可視化する
• 必要な施策を洗い出す

それぞれくわしく解説します。

必要なタレントと評価基準を定義する

組織が目指す方向性や、達成したい目標を実現するために必要な人材像を明確にします。

具体的にどのようなスキルや経験、価値観をもつ人材が求められるのかをイメージして、タレントマネジメントの方針を決めましょう。

次に、組織が求める人材の評価項目を設定します。所属部署や経歴、保有するスキルや資格など、評価の対象となる項目を洗い出し、組織の目標やビジョンと照らし合わせて検討してください。

評価項目を明確にすることで、組織にとって最適な人材を見極め、適切な育成や配置ができます。

必要な項目をExcelに集約する

次に、決定した評価項目に沿って必要な情報をExcelに集約しましょう。

既出の「タレントマネジメントに必要な項目」で記載したものを参考に、必要な項目を付け加えて、管理用のExcelファイルを作成してください。

また、実際にデータを収集する場合は、入力用のExcelデータを作成して従業員に配布することがおすすめです。個人のデータを集めて、タレントマネジメントの基礎を構築しましょう。

表やグラフで可視化する

データが収集できたら、Excelの表機能やグラフ機能を活用して、データを可視化しましょう。これにより、組織や部門における強みや弱み、人材の分布やスキルの偏りを確認できます。

必要な人材が足りているか、適切に配置されているかチェックしてください。また、将来的に採用や育成が必要な人材に関しても、集めたデータをもとに分析します。

必要な施策を洗い出す

個人データの可視化と分析が完了したら、必要な施策を洗い出します。組織が掲げる目標の達成に必要なスキルや経験がある人材が不足している場合は、新規採用もしくは中途採用が必要となるでしょう。

また、スキルや経験が不足していても、ポテンシャルの高い人材がいる場合は、育成による穴埋めを実施する方法もあります。

人材を採用する場合は、必要なスキルや経験を明記した求人で適切な人材を確保できるよう心がけましょう。育成する場合は、長所と短所を把握したうえで、適切な教育プログラムや研修プログラムを提供することが重要です。

おすすめタレントマネジメントシステム8選

これまで解説してきたとおり、Excelでのタレントマネジメントはできなくはありません。しかし、データが分散する可能性があるほか、データの適切な可視化が難しいことが課題として挙げられます。

そのため、組織のタレントマネジメントをしっかり実施したい場合は、タレントマネジメントシステムの導入をおすすめします。

タレントマネジメントシステムでは、個人のスキルや経験、キャリア志向などデータの一元管理が可能です。適切な人材配置や育成計画、採用管理に役立つ機能も豊富に搭載されています。

タレントマネジメントシステムのくわしい機能や選び方をくわしく知りたい方は、タレントマネジメントシステムおすすめ比較記事をご覧ください。

カオナビは、人事に対する深い知見とノウハウをもとにしたタレントマネジメントシステムです。

人材データベースとしては有用なのはもちろん、機能も充実。個人の情報を自由に検索できる機能や、条件を満たす従業員を適切に配置する機能、アンケート機能など、タレントマネジメントに必要な機能が網羅されています。

高い導入実績を誇るシステムです。

HRMOSタレントマネジメントは、人事と経営をデータでつなぐタレントマネジメントシステムです。

組織や人材の可視化やデータ分析、目標・評価業務の効率化、人材育成・研修管理、エンゲージメント向上、離職防止などさまざまな機能が搭載されています。

幅広い業界のベンチャー企業から大手企業まで活用されているシステムです。

HRBrainタレントマネジメントは、簡単かつシンプルに使用できるシステムです。

人材データの集約や一元管理に加え、スキル管理、人事評価、離職防止に至るまでひとつのシステムで完結できます。

課題に合わせて、必要なシステムを組み合わせて利用できるほか、サポートプランも充実しているため、導入しやすいシステムといえます。

SmartHRタレントマネジメントは、人事業務の効率化や人材育成までサポートできるタレントマネジメントシステムです。

労務手続きを効率化しながら、最新の従業員データが蓄積される仕組みで、人事施策にデータを活用しやすいことが特徴です。

適切な人員配置や経営の意思決定など、さまざまなシーンで活用できるため、業界を問わず多くの企業に採用されています。

JobSuite TALENTSは、簡単な操作でタレントマネジメントが運用できるシステムです。

人材データベースや組織シミュレーション、人事業務管理、1on1、アンケートなど、タレントマネジメントに必要な機能がひととおり搭載されています。

セキュリティ性能も高いため、これからタレントマネジメントを始めたい場合に使いやすいシステムです。

スキルナビは、スキル管理と人事評価を効率化し、組織全体の成長を促進するタレントマネジメントシステムです。

社員の基本情報管理、スキルマップ、履歴管理、評価制度のカスタマイズなど多彩な機能を搭載しており、人材戦略を包括的にサポートします。

エンゲージメント分析も標準装備しており、組織の活性化や離職防止に向けた施策にも対応可能です。

ミイダスは、包括的なサーベイとスキル開発機能を提供するタレントマネジメントシステムです。

運用しやすい組織サーベイ機能を通じて、社員の悩みや課題を可視化し、効率的な改善をサポートします。健康経営優良法人認定の取得支援サービスも提供し、コストを削減しつつ、必要な手続きを代行してくれる特徴があります。

200以上の研修講座を受講でき、個人のスキル向上も促進可能です。

人事管理ナビゲーターは、人事情報を安全に一元管理するシステムです。ITリテラシーに問わず、使いやすいシンプル設計で、直感的な操作が特徴です。

標準的な人事情報に加えて、独自の項目も設定できます。資格情報や研修履歴も管理でき、登録は手入力またはCSVファイルでの一括登録に対応しています。また、閲覧権限も自由に設定可能です。

データに基づいた正確な人材把握により、効率的な組織運営を支援します。

Excelでタレントマネジメントをする際のポイント

Excelでタレントマネジメントする際に注意したいポイントについて紹介します。

情報漏えい・改ざん防止を徹底する

Excelで人材情報や評価データを管理する場合は、情報の漏えいや改ざんのリスクが高くなります。

そのため、パスワード設定やアクセス権の管理をしっかり意識しながら、必要に応じてファイルの暗号化も検討しましょう。

特に個人情報を扱う場合は、社内の情報管理ルールに従い安全性を確保することが重要です。

法改正に合わせた対応

労働関連法規や個人情報保護法の改正により、管理方法や記録内容の変更が求められることがあります。

Excelで運用する場合は、法改正に合わせて随時更新しながら、古い形式や運用方法が残らないよう注意が必要です。

データの整理・統合を意識する

Excelは複数のファイルやシートに情報が分散しやすく、最新データの確認や集計に手間がかかります。

そのため、評価や異動、研修計画などの判断に誤りが生じないよう、定期的に整理・統合しましょう。運用上の工夫を意識することが大切です。

タレントマネジメントで企業成長を加速しよう

ビジネスを取り巻く環境や働くことへの価値観が変化している現代では、タレントマネジメントの重要性が増しています。

タレントマネジメントはExcelでも可能ですが、効率的に運用したい場合は専用のシステムの導入がおすすめです。

本記事を参考に、タレントマネジメントを適切に実施し、企業の成長へとつなげていきましょう。

＼ 稟議や社内提案にも使える！／