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キャリア開発支援とは?必要性・7つの手法・企業の実施例を紹介

最終更新日:(記事の情報は現在から133日前のものです)
キャリア開発支援とは、企業による従業員のキャリア形成をサポートする取り組みです。採用競争の激化や人的資本開示の影響で、必要性が増している状況にあります。キャリア開発支援の概要や必要性、具体的な手法、実際の事例、有効なツールを紹介します。

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キャリア開発支援とは?

キャリア開発支援とは、企業が従業員のキャリア形成をサポートすることです。従業員が考えるキャリアプランに沿って経験や実績を積めるよう、必要な職務やスキルを中長期的に計画し、成長を促します。

キャリア開発には、従業員の主体的な取り組みや意欲が重要になりますが、企業側が主導して導けることも多々あります。たとえば、研修制度の充実や資格取得のサポート、ポテンシャルを活かすための人事異動や配置転換などです。

キャリア開発支援によって、活躍をサポートできるとともに、従業員の自己実現にもつながります。

キャリア形成との違い

キャリア形成とは、個人がどのようなキャリアを築きたいかを明確にし、そのための経験やスキルを計画的に蓄積して自己実現を図ることです。終身雇用が崩壊しつつある現代において、個人の自己実現のために重要な考え方の一つです。

一方で、キャリア開発は、個人と企業が協力して行う取り組みで、企業が従業員のキャリア形成を中長期的な計画で実現に向けて支援することをいいます。キャリア実現のために必要なスキルや知識・経験を得るための研修制度や人事異動、資格取得支援などの施策を行うことでキャリア形成を支援し、組織力強化につなげるのが目的です。

つまり、キャリア形成は「個人が自己実現を目指すプロセス」、キャリア開発は「企業が個人のキャリア形成を支援する取り組み」を指すといった違いがあります。

キャリア開発が注目される背景

従業員を主体としたキャリア開発が注目されるようになった背景として、次の2つがあります。

  • 終身雇用や年功序列制度の維持が困難
  • インターネットや自動化技術の発達

終身雇用や年功序列制度の維持が困難

キャリア開発が注目される背景には、長年にわたり採用されていた終身雇用や年功序列制度が崩壊しつつあることが影響しています。

国内の企業では、長らく終身雇用や年功序列制度が前提となり、入社から定年まで同じ会社で昇進しながら働くのが一般的でした。しかし、昨今では少子高齢化による人材不足や働き方の多様化により、これら制度の維持が困難になったことから、働き方や雇用事情は変化しつつあります。

そのため、企業は従業員一人ひとりのもつ強みやスキルを資産として投資し、企業価値を高める必要性が生じています。また、従業員はキャリアの方向性を明確にし、企業での経験を活用しながら主体的にキャリアを選択し開発することが求められるようになりました。

そのため、企業は本人の希望を確認し、個々のスキルや能力に注目して能力開発をする必要性が高まっています。

インターネットや自動化技術の発達

インターネットや自動化技術の発達も、キャリア開発が注力を集める理由の一つです。

近年では、AIやRPAなどの導入により従来人が行っていた業務を自動化し置き換えられることが増えてきました。また、インターネットやITツールなどの技術の発展によりリモートワークが普及したことで、働く場所の多様化が進んでいます。

このような環境の変化に適応するには、一人ひとりが自身でキャリアを管理し、自己管理能力や自己マーケティング能力をもって自己成長を促進することが求められます。また、企業にとっては、デジタル化を進めるために、従業員に新しいスキルや技術を習得してもらう必要性が高まっているのも実情です。

このような背景からキャリア開発の重要性が高まり、注目されるようになりました。

キャリア開発支援の必要性

企業がキャリア開発支援を行う必要性は、次のとおりです。

  • 採用競争の激化
  • デジタルシフトの波
  • 人的資本開示の流れ

採用競争の激化

採用競争の激化が、キャリア開発支援が求められる大きな要因です。

少子高齢化による労働人口の減少や特定のスキルをもつ人材への需要増加により、企業間では採用競争が激化しており、優秀な人材を獲得・維持するためには、魅力的なキャリア開発支援が不可欠といえます。

キャリア開発支援によって、成長機会や将来のキャリアパスを明確に示すことで、企業の魅力度や人材の獲得・定着率の向上につながります。また、長期的な視点では、既存の人材を育成することによる競争力強化にも寄与するでしょう。

デジタルシフトの波

デジタルシフトもキャリア開発支援の必要性に大きく影響しています。

AI・IoT・ビッグデータなどのデジタル技術の急速な進化により、ビジネス環境は大きく変化しており、それに対応するには従業員のデジタルスキルの向上が必要です。

キャリア開発支援を通じた、デジタル技術に関する教育プログラムや実践的な経験の機会の提供によって、従業員のスキルアップの促進や、企業全体のデジタル化への対応力の向上を期待できます。

人的資本開示の流れ

人的資本開示の流れもキャリア開発支援が求められる要因です。近年、企業の持続的な成長と価値創造における人的資本の重要性が認識され、情報開示が求められています。

キャリア開発支援は、人的資本の質的向上に直結する取り組みであり、取り組みの充実度は企業の将来性や競争力を示す重要な指標です。具体的な支援策や成果を示すことで、投資家や顧客、求職者に対して人材育成への姿勢や組織力を提示できます。

また、従業員のスキル向上や満足度の向上が数値によって開示されれば、経営戦略における人材育成の重要性が明確になり、継続的な投資と改善のサイクルの促進につながります。

企業がキャリア開発支援を行うメリット

企業がキャリア開発支援を行うメリットは次のとおりです。

  • エンゲージメント向上・組織活性化
  • 定着率アップ・優秀人材の採用
  • 生産性の向上

エンゲージメント向上・組織活性化

キャリア開発支援を行うメリットは、従業員のエンゲージメント向上と組織の活性化に寄与することです。従業員が自身のキャリアについて考え、目標を設定して、努力する環境を提供することで、仕事に対する責任感とモチベーションが高まります。

また、企業が従業員のキャリアプランを支援することで、従業員は大切にされていると実感し、エンゲージメントの向上が期待できます。

従業員が自発的にスキルを磨くことで組織全体のパフォーマンスが向上するほか、支援を通じて従業員同士のコミュニケーションが活発になり、組織内の協力体制が強化されるため、組織全体も活性化されるでしょう。

定着率アップ・優秀人材の採用

キャリア開発支援には、従業員の定着率の向上や優秀な人材の採用といったメリットもあります。

従業員が成長を実感できる環境の提供により、長期的に企業に貢献する意欲が高まるため、離職率が低下しやすくなります。

また、キャリアパスの明確化やスキルアップの機会の提供により、従業員は将来のキャリアに対して不安を感じにくくなるため、企業に対する信頼感も増大するでしょう。

このように、キャリア開発支援が充実している企業は求職者にとって魅力的な職場となるため、優秀な人材を採用しやすくなる要因にもなり、企業は競争力を維持・強化できます。

生産性の向上

企業や組織の生産性が向上する点も、キャリア開発支援のメリットです。従業員のスキルと知識の向上は、生産性の向上に直結します。

従業員が最新の技術や業界のトレンドに対応できれば、業務が効率化されたり、ミスやトラブルの発生が減少したりします。

キャリア開発を通じて従業員が強みを最大限に発揮できるようになれば、個々のパフォーマンスが向上し、チーム全体の生産性が底上げされるでしょう。

キャリア開発支援の8つの手法

キャリア開発支援の方法は主に次のとおりです。

  • スキルの可視化
  • 1on1
  • 研修
  • 自己学習を支援する福利厚生
  • キャリアパスの提示
  • 人事異動
  • 副業や兼業の許可
  • リスキリング支援の導入

スキルの可視化

キャリア開発支援の手法の1つがスキルの可視化です。従業員がもつスキルや能力を可視化することで、従業員は強みや弱みを把握しやすくなるほか、キャリア開発の方向性を考えやすくなります。

従業員のスキルセットを把握することで、適材適所の配置や育成計画などを実行しやすくなるといった、企業側のメリットもあります。

スキルマトリックスやスキルマップを活用すれば、従業員のスキルを体系的に整理でき、必要なスキルと現状のギャップを特定しやすくなるでしょう。

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1on1

キャリア開発支援の手法の1つが、1on1ミーティングです。1on1ミーティングとは、上司と従業員が定期的に行う個別面談のことで、業務の進捗確認に加えてキャリアの目標設定や課題の共有、フィードバックを行います。

従業員はキャリアについて考える機会を得られるほか、上司からの具体的なアドバイスやサポートを受けられるため、従業員のモチベーションが向上し、キャリア開発の促進を期待できます。

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研修

研修もキャリア開発支援の手法です。従業員のスキルアップや知識の習得を目的とした教育プログラムを、職種別や階層別、テーマ別に実施することで、従業員の専門性を高められます。

研修を通じて従業員は最新の知識や技術を習得できるため、業務の効率化や業務の質の向上を期待できるでしょう。

自己学習を支援する福利厚生

従業員の自己学習をサポートする福利厚生の充実もキャリア開発支援の1つです。従業員が主体的にキャリアを形成するには、自主的な学習環境や成長を感じられる環境の提供が大切です。

近年は、キャリア自律の重要性が認識されつつあり、自己学習の支援環境を充実させる企業も増加しています。たとえば、eラーニングの導入や外部で開催されるセミナーへの参加費負担、資格取得のための金銭的なサポートなどです。

従業員がみずから前向きに学ぶ仕組みを取り入れることで、キャリアの可能性を広げられるでしょう。

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キャリアパスの提示

キャリアパスの提示とは、従業員が将来のキャリア目標を達成するための具体的な道筋を示すことです。従業員は自身のキャリアの方向性を明確にできるほか、必要なスキルや経験を積むための計画をみずから立てやすくなります。

企業側にとっても従業員のモチベーション向上や、長期的な人材育成を促進できるため、組織全体の成長を期待できるメリットがあります。

人事異動

人事異動も、キャリア開発支援の手法です。従業員を異なる部署や職務に配置転換することで、従業員は新たな業務経験やスキルを習得でき、キャリアの幅を広げられます。

適性や希望を考慮しながら人事異動を行うことで、モチベーションの向上や組織の活性化にもつながります。異なる部署での経験を積むことで、従業員は広い視点を持てるようになり、組織全体の連携強化にも好影響を与えるでしょう。

副業や兼業の許可

キャリア開発支援の手法として、副業や兼業を許可する方法があります。本業以外の仕事を認めることで、従業員はさまざまな経験やスキルを外部で積めるほか、キャリア形成にいい影響を与える可能性があります。

また、副業や兼業を通じて得た知識や人脈は、本業にも活かされることがあり、企業にとってもメリットとなるでしょう。副業や兼業を許可する際は、企業ガイドラインを策定し、本業への影響や利益相反を防止する仕組みを整えることが重要です。

リスキリング支援の導入

リスキリング支援の仕組みの導入も、キャリア開発支援の手法の一つです。

リスキリングとは、新しい職業に就いたり、変化への適用のために学び直したりすることによって新たなスキルを習得することです。とくに、デジタル関連の知識やスキル習得を示す意味で使われることが多くあります。

デジタル化が進む近年ではIT人材不足が大きな課題となり、既存の社員に新しいスキルや知識を身につけてもらうことで人材不足を解決する、リスキリングに注目が集まっています。リスキリングは、デジタル分野だけでなく、営業スキルやコミュニケーション能力の向上など、あらゆる業務領域で必要とされています。

リスキリング支援の仕組みには、最新のIT技術のようなスキルや知識を身につけるための教育・研修プログラムのほか、実際に業務の現場で活用する機会を提供するなどの方法でキャリア開発の支援が可能です。

キャリア開発支援の企業実施例3選

キャリア開発支援を行った企業の実例を厚生労働省の資料をもとに紹介します。

  • 白鷺電気工業株式会社
  • 東京ガス株式会社
  • カゴメ株式会社

※出典:厚生労働省「実践事例 変化する時代のキャリア開発の取組み」(2024年10月15日閲覧)

白鷺電気工業株式会社

白鷺電気工業株式会社では、会社全体の理解を深めるための取り組みとして、現業部門から安全品質総務本部への1年間の社内留学制度を導入しています。全社の事業内容や日々の安全のために行う取り組みの重要性の理解促進が目的です。

また、従業員の技術力が事業の成果に直結すると考えており、技術習得支援を実施しました。発変電部門では、顧客が設定する認定資格の取得に向けて、スキルの細分化と部署ごとのスキルマップ作成を行っているほか、年初に習得するべき目標の設定と年末の評価を行っています。

さらに、個人に加えて部署全体でも目標を決め、総合的なスキルの伸長を目指しているとのことです。上長や社内のキャリアコンサルタントとの面談で社員へ期待する役割を伝え、キャリアビジョンの検討を促進しながら、資格取得やキャリアアップを支援しています。

東京ガス株式会社

東京ガスでは、従業員が高い専門性を習得するには、自律的にキャリアを考えて行動することが重要と考えて、そのための取り組みを開始しています。

タレントマネジメントシステムの導入により、従業員のこれまでの経歴を社内に公開して、若手社員が今後のキャリアを考えるための手助けとなるようにしたそうです。

また、上司と従業員による1on1ミーティングを2週間に1回のペースで行うよう社内に促しており、ミーティング内でキャリアの希望を聞き出すよう上司に求めています。

具体的に1on1ミーティングを行うための動画やガイドラインを作成して、上司の1on1スキルの向上に加えて、従業員に対しても1on1ミーティングへの理解を深めようとしています。

カゴメ株式会社

カゴメ株式会社では、従業員のキャリア自律を徹底しており、人事異動は本人の希望を優先する仕組みが導入されているそうです。

また、どのようなキャリアを実現したいのか、そのためにはどのような知識やスキルが必要かを、従業員自身に決定させています。同社では本人の決定をサポートする姿勢が貫かれ、代わりにカフェテリア型研修や社内公募制度などを用意しているそうです。

また、人事制度の変更によって、年次よりも能力を重視する選抜・昇進の仕組みが導入され、新卒入社の人員が最短9年で課長まで昇進できるようになったとのことです。

ただし、選抜や昇進にはアセスメントやテスト、小論文が課されるようになり、適した能力をもつ従業員が昇格できる仕組みを構築しました。このような仕組みの導入により、納得感のある昇格と、健全な評価が行われるようになったそうです。

キャリア開発に取り組む際のポイント

キャリア開発は、エンゲージメントの向上、人材の確保と定着や生産性向上などさまざまなメリットにつながりますが、間違った取り組み方をすると逆に離職や転職につながってしまう恐れもあります。

そのため、キャリア開発に取り組む際には、次のポイントに注意しましょう。

  • キャリア自律の考え方を取り入れる
  • 希望や考えに応じた支援を行う
  • 能力向上のための環境を整える
  • ジョブ型人事制度を構築する

キャリア自律の考え方を取り入れる

キャリア開発には、キャリア自律の考え方を取り入れ、従業員にキャリアについて考える機会を与える必要があります。

キャリア自律とは、キャリアについて自身が主体的に考え、みずからがキャリアを切り拓くことです。

昨今の労働人口減少に伴い、企業では少ない人数で生産性を上げる必要が高まっていることから、受け身の姿勢ではなく主体的に行動する人材が求められるようになりました。そのため、少ない人員で生産性を維持するための施策として、近年キャリア自律の考え方が注目を集めています。

ただし、実際にキャリア自律を促すには、従業員への意識の浸透が必要です。たとえば、キャリアについて考える機会として、面談やキャリア研修を実施するなどの機会を設けることで、促進につながります。

希望や考えに応じた支援を行う

従業員のキャリアへの考え方や希望に応じた支援を行うことも重要なポイントです。

取り組みは企業が主導で行うとしても、キャリア開発は従業員が主体となるため、企業側の視点から一方的にスキルを押し付けても意味がありません。そのため、「キャリア形成を支援する」意識をもち、一人ひとりの希望に合わせた育成を行っていく必要があります。

また、従業員に応じて必要とするスキルや経験などが異なるほか、年代や職種によって必要な支援が変わってきます。そのため、企業が考えた一律の方法ではなく、一人ひとりに適した複数の方法で育成を行うことも大切です。

能力向上のための環境を整える

キャリア開発では、従業員が希望する研修制度や資格取得の補助制度を提供するなど、能力向上をサポートするための機会を与えるための環境整備も必要です。

つまり、業務に携わるために必要なスキルや知識を高めるための研修ではなく、本人が希望するキャリアの形成に有効な教育の機会を提供する必要があります。

集合研修だけでなく、従業員が自主的に学べるオンライン研修や学習コンテンツを選定し、福利厚生の一環として提供するといった環境整備が求められます。

ジョブ型人事制度を構築する

キャリア開発がしやすい人事制度の構築も必要です。

従業員が携わる業務、部署やポジションは、個人のキャリア形成に大きく関わる要素のため、人材配置についても個々の希望をもとに決められるようにする必要があります。

そのためには、ジョブ型人事の導入を検討するとよいでしょう。ジョブ型人事とは、業務の遂行に必要な知識やスキルのある人材を雇用し、配置する人事制度ことです。

つまり、業務内容に対して必要なスキルや能力がある人を割り当てるため、従業員がみずからのキャリアプランに沿って主体的に行動するキャリア自律の促進につなげられます。

キャリア開発で使用できる助成金

キャリア開発のために活用できる助成金として、次の2つがあります。

  • 人材開発支援助成金
  • キャリアアップ助成金

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、従業員のキャリア形成のために研修を実施した企業に対して、従業員に専門的な知識やスキルを習得させるための必要経費や、職業訓練を行った際の賃金の一部を助成する制度です。

人材開発支援助成金には、下記7つのコースが用意されています。

  • 人材育成支援コース
  • 教育訓練休暇等付与コース
  • 人への投資促進コース
  • 事業展開等リスキリング支援コース
  • 建設労働者認定訓練コース
  • 建設労働者技能実習コース
  • 障害者職業能力開発コース

ただしこれらのコースで助成を受けるためには、雇用保険の適用事業所の事業主であること、職業能力開発推進者を選任していること、支給審査への協力などの共通要件があります。さらに、コースごとに異なる支給条件が設定されているため、あらかじめ確認が必要です。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、パートタイマーのような有期雇用労働者や短時間労働者、派遣労働者のような非正規雇用労働者を正規雇用に転換、もしくは処遇改善を実施した事業主に支給される助成金制度です。

キャリアアップ助成金には、大きくわけて「正社員化支援」と「処遇改善支援」の2つがあり、さらに下記6種類のコースが用意されています。

<正社員化支援>
正社員化コース
障害者正社員化コース

<処遇改善支援>
賃金規定等改定コース
賃金規定等共通化コース
賞与・退職金制度導入コース
社会保険適用時処遇改善コース

支給額や支給条件はコースや企業の規模により異なります。また、全コース共通の条件として、「雇用保険適用事業所の事業主であること」「雇用保険事業所ごとにキャリアアップ管理者を置いていること」などを満たしている必要があります。

キャリア開発支援にはタレントマネジメントシステムが効果的

企業でキャリア開発支援を行いたい場合は、タレントマネジメントシステムの導入がおすすめです。

タレントマネジメントシステムには、従業員の経歴や保有するスキルを可視化したり、連動してスキルマップを作成できたりするスキル管理機能が搭載されており、キャリア開発支援に活用できます。

また、従業員のキャリアプランの実現をサポートできるさまざまな機能が備わっています。たとえば、1on1ミーティングの実施の通知や内容の記録ができる機能、従業員に提供する研修や教育プログラムを管理できる機能、人事異動や配置転換を事前にシミュレーションできる機能などです。

現在では、さまざまなタレントマネジメントシステムが提供されており、選択肢の幅も広い状況です。おすすめのタレントマネジメントシステムについては、次項で詳しく解説します。

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カオナビ - 株式会社カオナビ

カオナビ
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カオナビは、従業員の個性や才能を発掘し、戦略的な人事施策を加速させるタレントマネジメントシステムです。従業員の資格の有無やスキルの習熟度を簡単な操作で収集できます。また、組織内の保有資格の分布状態を可視化したり、保有資格やスキルを確認できるスキルマップ作成ができたりするなど、スキル管理に関するさまざまな機能が搭載されています。

1on1のテンプレートにより、面談内容を記録・蓄積も可能です。さらに、これまで提供した研修の受講状況や過去の研修履歴などのデータを蓄積できます。未受講の従業員に通知できるため、研修に関わる業務の効率化が実現できます。

HRBrain - 株式会社HRBrain

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BOXIL SaaSセクション | BOXIL SaaS AWARD 2024
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HRBrainは、タレントマネジメントから人事評価、組織診断サーベイ、労務管理などが完結できるシステムです。分析と活用を前提に人材データを一元管理でき、資格やキャリアプランなどのデータも管理可能です。項目ごとに権限を設定でき、独自の人材データベースを構築できます。

また、スキルや異動希望のデータも管理でき、人員配置に必要なデータをまとめられるのも魅力です。データに基づいた適材適所の人員配置が可能になるほか、事前のシミュレーションも可能です。

SmartHRタレントマネジメント - 株式会社SmartHR

SmartHRタレントマネジメント
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SmartHRタレントマネジメントは、人事業務の効率化と人事データの活用による組織改善ができるタレントマネジメントシステムです。従業員の資格やスキルの情報収集と一元管理が簡単にでき、収集した情報はスキルマップでの可視化も可能です。

また、キャリア台帳機能では、SmartHRが収集した情報をまとめて確認できます。1on1の面談内容を記録でき、時間の経過による従業員の意識や発言の推移をチェックできます。研修の受講や管理もでき、情報はタレントマネジメント機能に自動連携されるため、育成施策にも活用しやすいでしょう。

タレントパレット - 株式会社プラスアルファ・コンサルティング

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タレントパレットは、人材マネジメント業務に必要な機能が幅広く搭載されたタレントマネジメントシステムです。従業員に紐づくデータを一元管理できるほか、必要なときにすぐに確認できるのが特徴です。社員の顔写真を一覧化して、クリックするだけで経歴やスキル、評価結果など、さまざまなデータをチェックできます。

従業員との1on1面談での記録も蓄積可能で、メンバーのメンタルチェックやキャリアビジョンのサポートにも活用可能です。また、研修の受講履歴を個人に紐づけて蓄積・管理できるため、誰がどのタイミングでどのような研修を受けているか、どのような成果があったのかを簡単に確認できます。

One人事 - One人事株式会社

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One人事は労務管理や勤怠管理、給与計算、タレントマネジメントなど、さまざまな機能が利用できるシステムです。レーダーチャート機能によって、従業員それぞれの強みや足りないスキルを視覚的に把握できたり、スキルマップで再現できたりするスキル管理機能が搭載されています。

目標管理機能では、個人と組織の目標を一括管理できます。人材育成・配置機能なら、スキル管理と連携した育成プランの立案や、リーダー・管理職候補の選出が可能です。配置シミュレーション機能を使って、組織力を最大化する人材配置の検討もできます。

キャリア開発支援を効率的に実施しよう

キャリア開発支援は、企業の競争力強化において重要性が増しています。人材の定着から生産性の向上、優秀な人材の採用など、人事にさまざまな好影響を与えてくれます。

本記事を参考に、キャリア開発支援の仕組みやタレントマネジメントシステムを導入し、従業員を効率的にサポートしていきましょう。

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