インバウンドマーケティングとは?注目の理由とポイント・手法・事例・アウトバウンドとの違い
インバウンドマーケティングとは
そもそもインバウンドマーケティングとは、「元来の広告に頼って集客を行う形式ではなく、検索のような消費者自身の行動によって見つけてもらうマーケティング」をいいます。
検索エンジンやSNSの発展に伴って新たに現出してきたビジネススタイルで、消費者自身が自発的に行動し、企業から情報を受け取り最終的に顧客として購買活動を行わせることを目的としています。
企業が売りこみたいと思う対象が自ら企業に対してアプローチを行うため、インバウンド(内に向かう)と名付けられました。
今回は基礎的なインバウンドマーケティングの知識から、具体的な方法、費用まで徹底的に解説します。
- 月間700万PVのビジネスメディアで広くリーチ
- 10,000件/月を超えるリード件数
- 「法人向け」に特化した紹介メディア
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なぜインバウンドマーケティングが必要なのか
ではなぜインバウンドマーケティングの需要が高まっているのでしょうか。たとえば、想像してみてください。突然家にセールスマンが訪れて物を売ろうとしてきたらどう思うでしょうか。追い返すことはしないとしても、少なからず嫌悪感や不信感を抱くでしょう。
インバウンドマーケティングの意義はここにあります。
インターネットの普及が目覚ましく、情報が溢れ返っている時代に自分が求めていない物やサービスを勧められることは不快に感じてしまうのです。だからこそ消費者が求める情報や物、サービスを企業が見極めて提供する必要があります。
インバウンドマーケティングの方法
さて、次にインバウンドマーケティングの具体的な方法について説明していきます。インバウンドマーケティングにおいては、消費者のニーズを汲み取ることが何よりも重要です。ニーズによって取るべき対処が変化するからです。
具体的には以下の通りです。
順番 | 方法 | 具体策 |
---|---|---|
1 | 認知を獲得 | SEO ソーシャルメディア |
2 | 理解を促進 | ランディングページ フォーム |
3 | 比較用に情報を発信 | メール |
4 | リピート、口コミを促進 | マーケティングオートメーション ポイント、クーポン |
それでは紹介していきましょう。
認知を獲得
第1段階で、まだニーズが顕在化しておらず潜在顧客に「見つけてもらう」状態です。消費者が情報収集を行っていない段階なので、この状態で物やサービスを積極的に発信したとしても興味を持ってもらえる可能性は非常に低いです。
施策例
対象となる消費者が何に興味を持っているかを考え、ブログやソーシャルメディアで情報を発信しましょう。あくまで準備段階なので、PVなどの数字を気にする必要性は低いと言えます。
SEO
PVを重視する必要性は低いといっても、漫然と情報を発信するだけではターゲット層に認知してもらえません。ではどうすればよいのか。あなたは情報が必要になると、Googleなどでインターネット検索しませんか。
つまりターゲットが欲している情報を予測し、そのキーワードをうまくコンテンツに盛り込み、検索上位で表示されるようにしておくだけで、顧客は自然に自身のサイトにアクセスしてくれるようになります。
ソーシャルメディア
ターゲットが欲している情報を予測する際、どんなソーシャルメディアを使っているかも予測し、シェアを促す仕組みも作っておきましょう。
こうすることによって、ユーザーは気に入った記事をシェアしてくれるようになり、不特定多数への拡散が期待できるだけでなく、顧客へと導くエンゲージメント(つながり)をユーザーと共有することができるのです。
理解を促進
第2段階で、ニーズが顕在化し消費者が情報収集を開始している段階です。課題の存在を自覚させ、それに対する改善方法や解決策を理解してもらうことが重要です。
施策例
メルマガ、eBookなどを活用してコンテンツの紹介を行います。多くの消費者は、似たような状況にある別の消費者の意見や評価が気になるはずなので、口コミや導入事例などを含めて発信するのが良いでしょう。顧客になりつつある消費者の信頼を獲得することに重きを置きましょう。
ランディングページ
有用なコンテンツを提供することによって、商品やサービスへの興味が増してきたユーザーは、次のアクションへと段階を進める可能性が大きくなります。
これを自然に促すためには、ホワイトペーパーダウンロードなどへのCTA(Call to Action)ボタンを設置し、ランディングページへ誘導していく必要があります。
ここでユーザーを特定することによって、はじめてリード(見込み顧客)獲得が実現するため、ランディングページの作り込みにも十分な注意を払う必要があるでしょう。
フォーム
ユーザーをランディングページまで誘導できたら、リードとしての情報入力を行ってもらわねばなりません。この役割を果たすのがフォームです。しかし、リード情報を詳細に得たいからといって、入力項目の多いフォームを作成すると、ユーザーが逃げてしまいます。
できる限り簡素なフォームを心がけ、送信ボタンのクリックまで誘導できる工夫が必要です。
以下の記事では、Web接客ツール、チャットシステムについてより詳しく解説しています。
比較用に情報を発信
第3段階は、消費者が物やサービスの購入を決めており、競合他社との比較を行っている状態です。ここでは、自社のサービスの強みをしっかりとアピールし、他のサービスとの差別化を図りましょう。
施策例
営業部門と密接な関係を意識しつつ、消費者にはできるだけ導入の利点を理解してもらえるようにしましょう。実際に製品を体験できるデモやトライアル、導入事例を集めて消費者を納得させるのがベストです。もっとも商品力・営業力が試される場面です。
メール
リードとして情報を提供したからといって、すぐに顧客獲得へとつながるわけではありません。こうした比較検討時期にいるリードに対して有効なのがメールマーケティングです。
CTAクリックやフォーム入力を通じて得た情報を元に、ユーザーに有用なコンテンツをにフォーカスしたメールマガジンなどを配信し、顧客との関係性を強化していく必要があるでしょう。
リピート、口コミを促進
最終段階では商品の満足度を向上させ、顧客がリピーターになるように努力しましょう。会員限定のサービスなどを打ち出し、より強固な信頼関係を築きましょう。
施策例月額制のサービスであれば解約がでないことを目指すのはもちろん、製品に対するサポート体制を確立し、良い口コミが広がるようにしましょう。
マーケティングオートメーション
リード獲得からナーチャリングを経て、顧客化に成功したあとは、継続した利用や拡散を望める優良顧客へと導く、カスタマーエクスペリエンスを提供していく必要があります。
このためには、ユーザー個々のニーズを見極めるリードスコアリングが重要となり、それに応じた施策が可能であるMA(マーケティングオートメーション)ツールが必要となってくるのです。
以下の記事では、マーケティングオートメーションの紹介、機能比較を行っています。
ポイント・クーポン
また、このような優良顧客への誘導には、エンゲージメントを高めていくことが必須であり、自社のロイヤルカスタマーとしてファンになってもらう必要があります。
ポイント制度やクーポンの配布などは、そうした過程で欠かせない施策のひとつでもあり、柔軟に優待をしていく必要があるでしょう。
アウトバウンドマーケティングとの違い
ここまで、インバウンドマーケティングの説明を行ってきました。ここからはインバウンドマーケティングの対をなすアウトバウンドマーケティングとの違いを解説していきます。
アウトバウンドマーケティングとは、「新聞広告やTVCMなど、不特定多数に対して広告活動を行い、顧客を増やす方式」のことをいいます。
顧客獲得方法
インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの顧客の獲得方法の違いは、企業の物やサービスに興味があるユーザーが来るのを待つか、自分から探しに行くかです。
企業はWeb上に物やサービスを公開しておくだけで顧客を獲得できるのです。
費用
次に、費用の面での違いを解説していきます。不特定多数に向けた大規模な広告活動が必要なアウトバウンドマーケティングとは違い、インバウンドマーケティングでは莫大な費用は必要ありません。
大まかな必要費用としては
- コンテンツ制作費
- ソーシャルメディアマーケティングの費用
- リードジェネレーションおよびリードナーチャリングにかかわる費用
以上の3点があるでしょう。
インバウンドマーケティングのメリット・デメリット
この事実からすれば、アウトバウンドマーケティングに対して、インバウンドマーケティングがコスト面で有利なのは明白ですが、実際の効果を含めたメリット、デメリットがどのようなものなのか、具体的に挙げてみましょう。
以下ではインバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングそれぞれのメリット・デメリットを先にまとめておきます。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
インバウンドマーケティング | 継続的に使用できる資産が作れる | 成果が出るまでに時間がかかる |
アウトバウンドマーケティング | 短期間で成果が出る | 多額のコストがかかる |
インバウンドマーケティングのメリット
インバウンドマーケティングで活用される手法には、オウンドメディア、SNSなどの活用を基本に、ホワイトペーパー配布、セミナー開催などがあります。
詳しくは後述しますが、基本は「ユーザーにとって有益な情報を提供する」ことであり、これに沿ってコンテンツを作成する手法によって「継続的に活用可能な資産」を残すことができ、コスト面とあわせた大きなメリットとなります。
インバウンドマーケティングのデメリット
その一方で、有益なコンテンツを提供し続けていく努力が必須であり、効果を発揮するまでに長い時間を要するというデメリットが考えられます。
通常、効果を実感できるまで3か月から半年ともいわれており、このため、その期間の人的コストを含めた、投資費用に対する成果の予測が立てにくい、という面もあります。
アウトバウンドマーケティングのメリット・デメリット
それでは、アウトバウンドマーケティングのメリット、デメリットはどのように見ておけばいいでしょうか。
アウトバウンドマーケティングのメリット
不特定多数へのプッシュ型であるアウトバウンドマーケティングの場合、対象商品やサービスを認知していない、もしくは興味を持っていない層へもアピールすることが可能であり、短期間で成果を上げることが可能となります。
このため、どのような手法を使用してどのような効果が得られるのか、成果の予測が立てやすく、PDCAサイクルによって改善していくことができます。
アウトバウンドマーケティングのデメリット
すでに解説したとおり、アウトバウンドマーケティングには多くの費用が必要であり、一般的にその効果も投じたコストに比例する傾向にあります。
また、コストを投じて施策を行っている間のみ、効果が得られるという傾向もあるため、継続的な成果のために莫大な費用が必要になる、というデメリットがあります。
インバウンドマーケティングの成功事例
ガイアックス
BtoB向けのインバウンドマーケティング支援を行うガイアックスでは、2006年頃からインバウンドマーケティングへの取り組みを本格的に開始しました。
当初は順調に伸びていた問い合わせ件数も、2009年頃に月30〜40件程度で頭打ちに、その打開策として行ったのが、自社の持つノウハウを可視化するブログ「ソーシャルメディアラボ」の立ち上げでした。
その後、運営していくうえで都度課題となった事項、たとえば顧客の状況に合わせた最適なCTA、ランディングページの最適化と誘導の強化など、細かいチューニングを施し、結果的には月の問い合わせ件数が150件にもおよぶ成功を収めたのです。
Salesforce
SFAやCRMで知られるSalesforceでは、自社の製品をより多く触れてもらうことを目的に、Salesforce.comのUKディレクトリに「#socialsuccess」というマイクロサイトを12週間で作成、公開しました。
32のコンテンツ内容は「オリジナル」「キュレーション」「コラボレーション」「レガシー」となっており、作成を行った外部ブロガーの協力を含め、自社SNS、Webサイト、メール/ニュースレター、Googleリスティング広告などを活用してプロモーションを行ったのです。
結果的に、前年度比80%のトラフィック向上と新規ニュースレター購読者6,500人を獲得したほか、オリジナルeBookダウンロード数10,000人=リード10,000人を獲得するという成功を収めました。
インバウンドマーケティングを活用して新たな顧客を獲得しよう!
インバウンドマーケティングは、今後さらに発展していくと思われます。莫大な広告費を使って広告するよりも、効率的な集客をすることができるからです。インバウンドマーケティングでもっとも重要なことは、消費者、ユーザーのニーズを理解してきちんと対策することです。万全な準備をして新規顧客獲得を目指しましょう。
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