ファイル共有ソフトウェアとは?P2P人気ソフト比較 - 仕組み・問題点

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- ファイル共有ソフトとは
- ファイル共有ソフトの特徴
- ファイル共有ソフトの仕組み
- P2Pファイル共有ソフトとは
- P2P形式の分類
- ハイブリッドP2P
- ピュアP2P
- スーパーノード型ハイブリッドP2P
- ファイル共有ソフトの問題点
- データの違法複製や譲渡が発生している
- ファイル共有ソフトをターゲットにしたウイルスも
- データの匿名性や削除のしにくさ
- ファイル共有ソフトは違法?
- 代表的な人気ファイル共有ソフト
- Bit Comet
- Vuze(Azureus)
- Shareaza
- 法人の利用で特におすすめなファイル共有サービス5選
- GigaCC ASP
- J-MOTTOグループウェア
- セキュアストレージ
- 使えるファイル箱
- SPACE PORTER
- ファイル共有ソフトの利用には細心の注意を払おう
- BOXILとは
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ファイル共有ソフトとは
ファイル共有ソフトとは、インターネット上のオンラインストレージ内に文書や画像などのファイルを作成し、オンラインの状態であればどこからでもアクセスでき、不特定多数のユーザーともやりとりや共有ができるサービスのことです。
近年ファイル共有ソフトを利用した違法アップロードやダウンロードが横行しているため、良くないイメージをもっている人も多いでしょう。ただし、ソフトの利用自体はけっして違法なものではなく、使い方によっては非常に便利なツールです。
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ファイル共有ソフトの特徴
ファイル共有ソフトは、大容量のファイルを不特定多数の他ユーザーと共有可能なだけでなく、バックアップソフトとして活用できるという特徴があります。PCはもちろん、スマートフォンやタブレットからも利用できるサービスが多いため、自宅・職場・外出先どこでも場所を問わずにファイルにアクセスできます。
ファイル共有ソフトの仕組み
ファイル共有ソフトの仕組みとして、細かい部分に各々違いはあるものの、ほとんどはP2P(ピア・トゥー・ピアまたは ピア・ツー・ピア)と呼ばれる技術が使用されています。
P2Pファイル共有ソフトとは
一般的にサーバーにあるデータからこちらのクライアントPCにデータをダウンロードする形式を「クライアント・サーバ(型)モデル」と呼びますが、これはデータを提供する役割であるサーバーと、そこにアクセスして当該データの要求をするクライアントという位置付けが明確に定まっているものです。
サーバーは常にデータを提供する立場であり、ローカル環境にある各クライアントは常にデータを要求して受け取る立場となります。
それに対してP2Pという形式は、それぞれの「ピア(対等の立場で通信を行う相手のこと)」がデータを持っていて、他のピアに対してあくまでも対等の立場として各種データの要求や提供をするものです。
つまり、それぞれのユーザーがサーバー、そしてクライアントのそれぞれの役割を果たすことになるわけです。どちらか一方の役割に固定されるということはありません。
P2P形式の分類
P2P形式のファイル共有ソフトではピア同士で受け渡されるデータが、どこか決まった場所にまとまって格納されているとは限りません。
したがって、データを要求するユーザーは当該データの取得をする際に、何らかの方法によってそれが存在する場所を知らなければなりません。
そのデータの探索方法によって、P2P形式は「ハイブリッドP2P」「ピュアP2P」「スーパーノード型P2P」に分類できます。
ハイブリッドP2P
ハイブリッドP2Pとは、すでに説明したクライアント・サーバ型とP2P型の複合(ハイブリッド)タイプです。
すなわちデータの所在情報はクライアント・サーバ型のように決まったサーバー上に存在し、それぞれのユーザーはサーバーに問い合わせをすることによって、そのデータの存在場所を把握できるものです。
完全なクライアント・サーバ型のように、データそのものが決まったサーバー上にあるというわけではなく、あくまでもそのデータが「どこに存在しているのか」という所在情報が、決まったサーバーに問い合わせてわかるようになるということです。
また、こういったデータ探索をするサーバーをインデックス・サーバと呼称します。
ピュアP2P
ピュアP2Pタイプは、ハイブリットタイプのようにデータの所在情報を扱うインデック・スサーバを持たず、互いにデータのやり取りをするピアだけでファイルの共有を実現しようとします。
そういったピア同士の協力によって元データの探索を実行します。具体的には、それぞれのピアが発行した探索情報を互いに収集・拡散させて、目当てのデータを発見した場合にはその結果を伝播した順番に遡って知らせることでデータの場所を把握できます。
同じ商品を探している人々が互いに協力して情報を収集をすることにより、目当ての商品を発見するようなイメージです。
スーパーノード型ハイブリッドP2P
構造としてはハイブリッドP2Pと同じですが、スーパーノード型では元となるデータの探索をスーパーノードと呼ばれる高いスペックをもつマシンが担当します。
「ノード」というのは「ピア」とほとんど同じ意味であり、基本的には情報のやり取りをするPCユーザー(あるいはPCそのもの)のことを指します。
ただノードは「節」や「交点」という意味をもつので、各ユーザーが情報の基点となったりデータをやりとりする中継地点になったりする場合に、特にノードと呼ばれるわけです。
つまり、データをスムーズにやり取りできる高スペックのマシンをもつノード郡がデータの検索を担当するのがスーパーノード型の特徴なのです。
インデックスサーバのようにデータ検索を固定的かつ限定的なサーバーが担うのではなく、検索に参加するスーパーノードの数はそこに参加しているノード数に従って自律的に調整されます。それによって、より早いデータ検索と情報の伝播を可能にしているわけです。
ファイル共有ソフトの問題点
ファイル共有ソフトが、問題視されるようになった点について解説します。
データの違法複製や譲渡が発生している
ファイル共有ソフトは、不特定多数のユーザーが対等に情報のやり取りができるため、短時間で大容量のファイルのやり取りも可能です。
そのため冒頭でも述べたように、ユーザーが著作権を持たない音楽や映像などのファイルを違法に複製して交換するというケースが非常に多く見られるようになってしまいました。
現在はそういった違法アップロードに関する監視の目も厳しくなっているようですが、いまだに多くの違法な映像データや音楽ファイル、あるいはゲームデータなどがネット上でやり取りされているのが現状です。
また、著作権法違反に関する幇助の疑いでWinnyの開発者が逮捕されるという事例もありました。
ファイル共有ソフトをターゲットにしたウイルスも
また、共有されているファイルにウイルスを紛れ込ませることによってさまざまな被害を引き起こす事件も多発しています。
たとえばノード間で共有されている身元不明のファイルを開いてしまった結果、PCがウイルスに感染し個人情報が外部に漏えいしてしまったり、ファイル共有ソフトそのものをターゲットにしたウイルスによって、企業内の機密情報が盗まれてしまうという事件も実際に起こっているのです。
そのため、今ではファイル共有ソフト自体を使わないことが推奨される傾向があり、多くのPCユーザーにとってそういったソフトが危険だという認識が広がっています。

データの匿名性や削除のしにくさ
P2P技術を用いたファイル共有ソフトにデータが共有されると、キャッシュを持つノードが存在するかぎりデータが公開され続けてしまう問題点があり、データの削除が容易ではありません。
また、誰がデータを公開したのかの情報も隠せてしまう問題点もあります。上述のウイルス入りファイルを匿名でアップロードし、それがいつまでも残りづ付けてしまうことも問題でしょう。
ファイル共有ソフトは違法?
ただし、ファイル共有ソフトそのものは違法ではありません。また、それによってやり取りするデータも音楽ファイルやゲームソフトの海賊版などの違法なものではなく、ノード間で共有する仕事上のデータといった合法なものであれば問題はありません。
巷ではそういったソフトを「インストールした時点で違法だ」という間違った認識をもつ人も少なくありませんが、いわゆる違法アップロードや違法ダウンロードの問題が生じるのは、ソフトを使って実際に違法なデータのやり取りをした場合のみなので、ソフトの存在そのものやインストールという行為が違法というわけではありません。
また、事前に著作権者に許可を得ているならば、自らが著作権を持たないデータをP2P技術を使って共有することも問題はありません。
あくまで著作権者に無許可で著作物の複製をアップロードしたり、共有したりする行為が著作権法上、違法ということになるのです。ファイル共有ソフトはデータを素早くやり取りするために発達してきたものですから、正しく利用すれば、大容量のデータを短時間で多くのユーザーに共有できる便利な技術です。
しかし、実際に違法データのやり取りの温床となっているのは事実であり、ウイルス被害の問題もあるため、利用する際にはその特性をよく理解して慎重に使う必要があります。当然、著作権を無視した違法なデータのやり取りをしてはいけません。
代表的な人気ファイル共有ソフト
個人でのファイル共有に使われる代表的な人気ファイル共有ソフトを紹介します。また、個人のストレージを貸し出すことによって仮想通貨がもらえるものもあるため、チェックしましょう。
Bit Comet
Bit Cometは、P2P技術に互換性のあるクライアントソフトウェアであり、単純にファイルをノード間で交換するのではなく、データをダウンロードしている最中のユーザーもダウンロード済みの部分についてアップロード側に協力するという仕組みになっているのが特徴です。それによって、データをダウンロードするまでの待ち時間を短縮できるわけです。
Vuze(Azureus)
VuzeはWindowsだけではなくMac OS XやLinuxでも動作するファイル共有ソフトです。元々は「Azureus」という名称でしたが、現在ではVuzeと名称変更しています。多彩な機能を誇り、さまざまなプラグインも存在するため拡張性に優れているソフトといえます。
Shareaza
Shareazaは2004年からオープンソースとなっているP2Pソフトウェアです。いわゆるBitTorrentやGnutellaなどのP2Pネットワークに接続できます。GPL Licenseで配布されているので無料で誰でも利用可能です。
法人の利用で特におすすめなファイル共有サービス5選
一般的なファイル共有ソフトウェアは、不特定多数のユーザーと共有するため、安全性やセキュリティが気になり、企業・法人向け利用は向いていません。安全かつ便利な法人向けファイル共有サービスを5つ紹介します。
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ファイル共有ソフトの利用には細心の注意を払おう
違法ファイルのやり取りやウイルス被害のために、ファイル共有ソフト自体に悪いイメージを持っている人も多いかもしれません。ですが、その仕組みを理解して正しく使う分には問題ありません。
積極的に使う必要はないかもしれませんが、限られた人々の間で大規模容量のデータをやり取りする際には非常に便利なソフトなので、興味のある人は一度試してみてはいかがでしょうか?
ただし繰り返しますが、違法なデータを扱うのは論外ですし、ウイルスをはじめマルウェアの混入には特に気をつけなければいけません。実際に利用する際は取り扱うファイルに細心の注意を払いましょう。
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