ボイスボットおすすめ比較14選!メリットやIVRとの違い、選び方

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ボイスボットとは?
ボイスボットとは、音声認識・解析を行うAI(人工知能)を活用して、電話オペレーターの業務をAIボットが代行するツールのことです。
電話対応業務を効率化する効果が期待でき、IVRよりも柔軟なシナリオ変更が可能なので、コールセンターでの導入が進んでいます。
受電だけではなく架電に対応したシステムもあり、電話での予約確認・リマインドといったシチュエーションでも活用されるケースがあります。
ボイスボットの仕組み
ボイスボットでは、ユーザーからの着電を感知すると、あらかじめ設定したシナリオをベースにAIが会話をします。
ユーザーが問い合わせたい内容を発話すると、AIがその内容を瞬時にテキスト化、自然言語処理技術により内容を解析して、問い合わせに合致した回答を設定されたシナリオから探し出します。そして、そのシナリオを音声合成技術により読み上げる仕組みです。
初期設定として、想定される会話のパターンや返答例を入力する必要はありますが、通話を繰り返していくうちにAIが機械学習を行い、より高精度の会話ができるようにチューニングされます。
IVRとの違い
ボイスボットとIVR(自動音声システム)の違いは、ユーザーのダイアル操作の有無です。
ボイスボットは、会話を通じて必要な答えに辿りつけるのでダイヤル操作は必要ありません。一方で、IVRでは「~な方は1を」「~な方は2を」といった音声を流し、ユーザーがダイヤル操作を行いながら求めている答えへ辿りつくという違いがあります。
ボイスボットではユーザーとより自然な形でのコミュニケーションが可能な点も、IVRと大きく異なる点です。
IVR(Interactive Voice Response)についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

ボイスボットの選び方
自社にあったボイスボットを選ぶためには次の4つのポイントに気をつけて、システムを比較、検討してください。
同時接続できる件数
ボイスボットを選ぶ際には、ボイスボットが同時に相手にできる数が重要です。ボイスボットの対応キャパ以上に架電があると、いわゆる「あふれ呼」が発生してしまいます。
あふれ呼が発生すると顧客満足度が下がるうえに、オペレーターが再度架電しなければならないので二度手間になります。
コールセンターの稼働状況から必要な同時接続数を算出して、それ以上の対応キャパがあるボイスボットを導入するべきです。
音声認識・チューニング機能の精度
ボイスボットにおいて重要な選び方の要素は、音声認識とチューニングの精度です。
音声認識の精度が低いと、受電したユーザーと会話が成り立たず、人間のオペレーターが対応せざるをえなくなります。また、チューニング精度が低いと顧客満足度を低下させる可能性があります。
どのような技術や仕組みで音声認識・チューニング機能を担保しているのか、サービス提供会社に聞いておくのもよいでしょう。
デモや無料トライアルなどが設定されているツールであれば、「どの程度の精度で会話ができるのか」「回答精度向上のためのチューニングがどの程度行われるか」をチェックできるはずです。
オペレーターとの連携の仕方
ボイスボットが回答困難な場合の、オペレーターとの連携方法はあらかじめ確認しておきましょう。
複雑な発話やシナリオが設定されていない質問に対して、ボイスボットが回答をするのは困難です。
そういった場合を想定して、ボイスボットとオペレーターの連携の仕方を確認しておくと、顧客とのやりとりをスムーズに完結できるようになります。
他システムとの連携
他システムとの連携についてもボイスボットツール選びでは重要です。
ボイスボットが受電した内容をSlackのようなビジネスチャットに自動入力したり、外部のCRMやデータベースに履歴を記録できたりするツールもあります。
ボイスボットが対応した顧客データや内容をどのように活用・管理したいのかも、サービス比較・検討段階で明確にするべきです。
おすすめボイスボット比較
ボイスボットの中でも、とくにおすすめのツールを特徴とともに紹介します。
- 個性豊かな7話者の発話音声から好きな声を選択可能
- 業界標準のIP電話仕様に対応、内線電話としてボイスボットを導入できる
- リアルタイムで会話内容をテキストベースで確認できる
commuboは、株式会社ソフトフロントホールディングスのボイスボットです。クラウドサービスをベースにしているので、現在使用している電話機やスマートフォンに簡単に追加できます。commuboは外部のサービスとの通信を一切行わずにシステム内ですべての処理を完了し、日本国内で多くの実績をもつデータセンターにてシステムの冗長化やデータの保全を行っているので、セキュリティも信頼できます。
ロボット自動受付 - 株式会社電話放送局

- 次世代型音声認識IVRとレシート機能でスムーズな電話対応を実現
- 専任担当者が丁寧に要望をヒアリングして各社の要望に合ったロボットを構築
- 金融機関や保険業界など高いセキュリティが求められる業界への導入実績あり
ロボット自動受付は、株式会社電話放送局のボイスボットです。同時着信300回線以上可能の大規模コールセンターにも導入可能で、業務量や業務特性に応じて専用環境やVPN対応も可能です。ロボットが受け付けた内容はその後ユーザーにSMSを通じて送信されるので、受付内容に誤りがあればユーザーみずから修正・登録できます。
Cognigy - TDSE株式会社

- 対話型AIの開発・運用・分析まですべてプラットフォーム上で完結
- 自動翻訳機能による多言語展開が可能
- 20以上のチャネルと追加開発なしで接続
Cognigyは、TDSE株式会社が提供しているボットシステムです。ボイスボットとチャットボットの両方に対応しており、Webや電話、LINE、Slack、Teamsなど20以上※のチャネルでボットとして稼働できます。ドイツ語やスペイン語、日本語など20の言語に対応※しており、自動翻訳機能も搭載されているのでさまざまな国からの問い合わせ対応に活用できます。
出典:TDSE株式会社「Cognigy(コグニジー)公式サイト」より 2022年11月1日閲覧
- あふれ呼対策、オートコール、選挙世論調査など多様なシーンに対応
- 月間600万コールに耐えられる安定性
- 安価な価格設定
DXでんわは、メディアリンク株式会社が提供しているボイスボットです。大規模なコールセンターの音声応答数が非常に多い現場、運用回線数が多い現場でも耐えられる安定性を誇りながら、月額費用3万円からと安価な導入ができます。業務用途に合わせてさまざまなサービスラインナップが用意されており、オーダーメイドでの自動音声応答サービス構築も可能です。
- 受電・架電の両方に対応
- 各種PBXとの連携が可能
- スピーディーに導入可
AI電話サービスは、株式会社NTTドコモが提供しているボイスボットです。受電・架電の両方に対応しており、予約受付やFAQ、支払い督促、商品説明、在宅確認などさまざまなシチュエーションで使用できます。RPAツールとの連携によりパソコン操作も含めた電話応対の業務を自動化でき、既存システム側の開発不要でスピーディーな導入が可能です。
- LINEの音声技術「CLOVA」をベースにしたボイスボット
- 細かい要素までチューニング可能
- LINEアプリ・SMS連携がスムーズに行える
LINE AiCallは、LINE株式会社が提供しているボイスボットです。LINE社の音声技術である「CLOVA Speech」「CLOVA Voice」を組み合わせて、AIによる自然な対話応答を実現しています。
自社開発だからこそできる細やかな個別チューニングが特徴で、想定ユーザーのデモグラフィックや利用シーンに合わせた表現方法、会話速度、音声認識時間など各社のこだわりに合わせて調整が可能です。LINEアプリ・SMS連携がスムーズに行えるのでアフターフォローもでき、PBXシステムやCRM、予約管理システムといった各種サービスとも柔軟に連携できます。
AI Messenger Voicebot - 株式会社AI Shift
- 専属のAI開発チームが産学連携しながらシステムを開発
- 銀行、保険、自治体などへの導入実績
- 要望に合わせて柔軟なオプション連携
AI Messenger Voicebotは、株式会社AI Shiftが提供しているボイスボットです。AIによる応答機能だけではなく、オペレーター転送機能やSMS・メール・LINE送信といった機能も搭載されており、自然な形での顧客対応が可能です。SalesforceやZendesk、Slackといったシステムと連携可能なのはもちろん、ユーザーの要望に応じて個別のデータベースとの連携もできます。
COTOHA Voice DX Premium - NTTコミュニケーションズ株式会社
- オペレーター業務を効率化できるCOTOHAシリーズのボイスチャット
- NTTが独自開発した言語処理AIの「COTOHA」を使用
- 電話回線の運用など応対自動化に必要な仕組みを一気通貫で運用可能
COTOHA Voice DX Premiumは、NTTコミュニケーションズ株式会社が提供しているボイスチャットです。NTTグループ40年以上の研究成果を活かした音声認識と、合成技術を結集したコミュニケーションAI「COTOHA」をベースにしたボイスチャットです。
COTOHAシリーズでは他にもチャットボットの「COTOHA® Virtual Assistant」や書き起こしたテキストファイルを要約する「COTOHA ®Summarize」といった一連のソリューションとして提供されています。単なるボイスチャットの提供に留まらず、電話回線の運用から応対の自動化まで一貫したサポートが可能です。
transpeech - トランスコスモス株式会社
- AmiVoiceをベースにしたボイスチャット
- コールセンターのアウトソーシング会社が蓄積したノウハウを使用
- 発話者の感情までも解析できる
transpeechは、トランスコスモス株式会社が提供しているボイスボットです。音声認識ソフト「AmiVoice」をベースに、コールセンターのアウトソーシング会社として長年にわたって蓄積してきた電話対応のノウハウを融合させています。AIが機械学習して回答の精度を自動的に高めるのはもちろん、感情解析を用いた発話者の反応の分析、トーク改善も行えます。
AIコンシェルジュ - 株式会社TACT
- 予約対応、あふれ呼対応、フォローコールなどさまざまなシーンで使用可能
- 高度なカスタマイズ機能で複雑な応対にも対応
- 2週間の無料トライアルが可能
AIコンシェルジュは、株式会社TACTが提供しているボイスボットです。同社が長年のコールセンター業務で培ったノウハウをシステムに搭載しており、企業ごとにカスタマイズしたフローや音声認識辞書を構築するので、複雑なオペレーター業務にも対応できます。日本国内にデータセンターを保有しており高い堅牢性、機密性を誇っています。
MOBI VOICE - モビルス株式会社
- 初期費用30万円、月額費用15万円から利用可能
- 3ステップでシナリオ作成、公開までわずか5分
- 発話音声を自動でテキスト化
MOBI VOICEは、モビルス株式会社が提供しているボイスボットです。ボイスボットとしては比較的安価に導入が可能で、シナリオ作成機能やダッシュボード機能といった必要な機能が揃っています。また、同社が提供しているチャットボットの「MOBI BOT」やIVRの「Visual IVR」などを組み合わせて、総合的にコールセンター業務を効率化できます。
ekubot - 株式会社ベルシステム24ホールディングス
- 初期費用0円から利用可能
- トライアル用の無料プランあり
- シナリオベースのUIで設定漏れ、シナリオチェック機能も搭載
ekubotは、株式会社ベルシステム24ホールディングスが提供しているボイスボットです。小規模に簡単にスタートできるクイックスタート外線型AIボイスボットの「Voice LITE」と、大規模コールセンター業務で活用するPBX連携型AIボイスボットの「Voice PRO」の2種類のプランが用意されています。
Voice LITEはシナリオベースでAIの挙動を簡単に設定でき、わずか1日で利用を開始できます。Voice PROはコールセンターでAIとオペレーターが協働するためのプランで、オペレーターの稼働状況に応じてAIが電話をオペレーターにつなぐべきか判断したり、スムーズな有人への引継ぎができたりします。
PKSHA Voicebot - 株式会社PKSHA Workplace
- ノーコードで簡単に対話フローが構築できる
- 発話内容を整理して業務活用しやすい形式で対話ログを格納
- コンサルタントによる導入支援により最短1か月でローンチ可能
PKSHA Voicebotは、株式会社PKSHA Workplaceが提供しているボイスボットです。CTIやPBX、追加開発や設定変更をせずに、専用番号に転送設定するだけで利用を開始できます。AIアルゴリズムを開発しているのはAI技術開発で有名なPKSHAグループであり、パートナー企業や大学との共同開発で培われた技術が盛り込まれています。拡張性が高くAPI接続によって各種外部システムとの連携が可能です。
CTC-AICON - 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
- PBX連携が可能な高機能ボイスボット
- オペレーターに代わり、要件確認、本人確認が可能
- 応対内容をコミュニケーターの画面に表示できる
CTC-AICONは、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社が提供しているボイスボットです。有人オペレーターと協働してコールセンター業務を行うための機能が充実しています。
ボイスボットだけで問い合わせの受付から回答まで完了させられるのはもちろん、オペレーターの代わりに要件確認、本人確認をしてオペレーターにつないだり、AIの応答内容をみながらオペレーターが応対を引き取ったりできます。アフターコールワーク業務もボットが自動で行うのでオペレーターの業務負担を軽減できるでしょう。
ボイスボットを導入するメリット
ボイスボットを導入する主要なメリットは次の3つです。それぞれのメリットについて紹介します。
- コールセンター業務の効率化・コスト削減
- 顧客満足度の向上
- IVRよりも柔軟にシナリオが変更できる
コールセンター業務の効率化・コスト削減
コールセンターのオペレーターをボイスボットに代替することにより、人件費が削減できる分だけ顧客対応コストを削減できます。
また、オペレーターの場合は個別に教育が必要ですが、ボイスボットの場合は教育を施す必要がないため、教育コストも削減できます。
さらに、オペレーターのシフト調整や新規採用、トラブル対応といった業務もボイスボットを使えば発生しません。
よって、ボイスボットの導入はコールセンター業務の効率化・コスト削減メリットが期待できます。
顧客満足度の向上
顧客満足度の向上もボイスボット導入のメリットです。
受電に対してコールセンターのスタッフが少なければ、「あふれ呼」が発生してつながらなかったユーザーの満足度下げます。また、IVRを活用した自動応答の場合、都度音声を聞きながらダイヤルパッドをプッシュするのは顧客にとって煩わしい作業です。
ボイスボットを活用すれば、ピーク時の受電の多い時間帯でもスタッフを増やすことなく問い合わせに対応でき、IVRのように煩わしい作業も必要ありません。
IVRよりも柔軟にシナリオが変更できる
初期設定自体はボイスボットよりもIVRの方が簡単です。しかし、IVRは一度設定したシナリオやちょっとした言い回しを変更したい場合、手間がかかります。
ボイスボットのシナリオ変更は、音声認識に使用する言い回しや表現を変更するだけで済みます。IVRの場合はシナリオ自体を再設定し直さなければならないので、分岐が複雑なシナリオほど修正に手間がかかる点はデメリットです。
導入後の運用といった観点では、IVRではなくボイスボットの方が便利なケースも多いです。
ボイスボットで顧客対応業務を効率化しよう
ボイスボットは、業務効率化・コスト削減や顧客満足度の向上や柔軟にシナリオ変更できるといったメリットがあり、コールセンター業務を洗練させたい企業におすすめのサービスです。選定の際は次のポイントに注意して選ぶのをおすすめします。
- 同時接続できる件数
- チューニング機能の精度
- オペレーターとの連携の仕方
- 他システムとの連携
ただし、ロボットは複雑な構造の発話は解読できないこともあります。通話環境によっては正確に認識できず、適切な回答ができないかもしれないデメリットもあるので、人間のオペレーターが不要になるわけではありません。
ボイスボットのサービスをより深く検討したい方は、サービス資料を請求し比較するとよいでしょう。
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