経費とは?計上できる費用とできない費用、メリット・デメリット
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経費とは
経費とは、事業を運営するのにかかる費用のことです。具体的には、商品やサービスを販売するための費用や、事業を運営するための費用などが含まれます。これらを経費として計上することで、所得が少なくなり、結果として税金が減額されます。
「経費で落とす」の意味
「経費で落とす」とは発生した費用を経費として計上することを指します。また、経費として計上することで、所得を抑えて節税するニュアンスを含んでいる場合もあります。
経費を計上するメリット
経費を計上するメリットは、節税効果です。経費を計上することで、課税対象となる所得を減らせて、税金を抑えられます。所得が高い個人事業主や法人にとっては大きなメリットです。なお、費用として認められないものまで経費として計上すると、追徴課税や罰則のリスクがあるので注意しましょう。
経費を計上するデメリット
経費を計上するデメリットは、事務処理の増加と金融機関からの融資に対する影響です。
事務処理の増加
経費計上をするにあたって領収書や請求書を管理するため、事務処理が増加します。小規模事業者にとっては少ない工数のなかで負担となりやすいほか、企業においても数が膨大となるため管理が煩雑になるでしょう。
利益の減少による融資への影響
また、経費を計上すると会計上の利益が減少し、金融機関からの融資審査や取引先からの信用評価に悪影響を及ぼしかねません。赤字の企業は審査が厳しくなるため、資金調達を控えている事業者は特に注意が必要です。
経費にできる費用とその例
経費にできる費用について具体的に詳細を紹介します。
費用 | 詳細 | 例 |
---|---|---|
人件費 | 労働の対価として支払われる費用 | 基本給、賞与、残業手当 |
通信費 | 通信手段を利用するためにかかる費用 | 電話料金、インターネット利用料、郵便料金、切手代 |
旅費交通費 | 出張および外出をした際に発生する交通費や宿泊費 | 電車賃、航空券代、タクシー代、宿泊費 |
消耗品費 | 事務用品や消耗品など一度使用したらなくなるものの購入費用 | ボールペン、コピー用紙、電池、ティッシュペーパー |
地代家賃 | 事務所や店舗などの土地および建物を借りるために支払う費用 | 事務所家賃、店舗家賃、駐車場代 |
福利厚生費 | 福利厚生のために支出する費用 | 社員旅行費用、健康診断費用、慶弔見舞金 |
広告宣伝費 | 販売促進のために支出する費用 | 新聞広告掲載料、テレビCM放映料、チラシ作成費用、ホームページ制作費用 |
支払手数料 | 支払い時に発生する費用 | 銀行振込手数料、クレジットカード決済手数料、電子マネー決済手数料 |
経費にできない費用の例
経費にできない費用とは、事業とは直接関係のないプライベートな支出や、税法上、経費として認められない費用のことです。これらの費用を経費として計上すると、税務調査で指摘されたり、追徴課税を受けたりする可能性があります。
費用の例 | 経費にできない理由 |
---|---|
個人の飲食費 | 事業とは関係のない私的な支出のため |
自宅の家賃や光熱費(事業用スペースと明確に区分されていない場合) | 事業用と私用が混在しているため、按分が必要 |
生命保険料、損害保険料 | 個人事業主が契約するものは原則経費にならない |
罰金、延滞税 | 税法上、経費として認められない |
交際費 (一定額を超える部分) | 税法上、経費として認められる金額に上限がある |
借入金の元本返済 | 返済自体は資産の減少であり、費用の発生ではない |
上記以外にも、税法の改正により、経費として認められる範囲が変更される場合があります。経費計上する際には、税理士や税務署とも相談して最新の情報を確認しましょう。
経費計上の注意点
経費計上には、いくつかの注意点があります。これらの注意点を理解し、適切な処理を行うことが重要です。
勘定科目を途中で変えない
一度決めた勘定科目は、途中で安易に変更しないようにしましょう。勘定科目を変更すると、会計処理が煩雑になるだけでなく、税務調査の際に指摘を受ける可能性があります。どうしても変更する必要がある場合は、税理士に相談しましょう。
公私ともに使うものは家事按分する
自宅兼事務所や自家用車など、事業用と私用で兼用しているものは、使用割合に応じて費用を按分します。按分方法は、不動産なら私用と事業用で使っている面積の割合、光熱費なら使用料や使用時間の割合などによる按分が一般的です。
個人事業主と法人で経費にできる費用は異なる
個人事業主と法人では、経費として認められる範囲が異なります。たとえば法人は届出なしで家族に給与を支払い、それを経費にできますが、個人事業主は青色専従者の届出をしなければなりません。経費計上する際には、自身の事業形態に応じたルールを確認しましょう。
経費は正しく仕訳し申告しよう
経費の計上は、節税効果や資金繰りの改善など、事業にとってメリットをもたらします。しかしその一方で、経費計上には複雑なルールや注意点が存在します。計上できる費用とできない費用を正しく理解し、適切な勘定科目を選択することが重要です。
また、領収書をはじめとする証憑を保管し、税務調査に備えることも忘れてはいけません。これらのルールを遵守し、正確な経費計上と申告を行うことで、健全な事業運営と発展を目指しましょう。