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経費精算システムとは?機能の詳細・メリット・選び方

最終更新日:(記事の情報は現在から501日前のものです)
経費精算システムとは、経費の申請や承認、支払いを効率化するシステムです。経費精算システムのメリット・デメリット、機能の詳細、選び方のポイント、クラウドのトレンドについて解説します。これから経費精算システムの導入を検討する方、効率化できる業務を知りたい方は参考にしてください。

経費精算システムとは

経費精算システムとは、経費の申請や承認、支払いを効率化するシステムです。OCR入力、ICカード読み取り、クレジットカード連携により経費申請の工数を削減したり、不正や不備を防いだりします。また、会計ソフト連携やFBデータ作成機能で、経理担当者の作業も楽にします。

経費精算システムの効率化する業務例

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経費精算システムを導入するメリット

経費精算システムを導入するメリットは次のとおりです。

  • [申請者のメリット] 申請時間の短縮
  • [承認者のメリット] 承認プロセスや手続きがスムーズに
  • [経営者のメリット] コスト削減と生産性向上
  • [経営者のメリット] 不正防止
  • [経理担当者のメリット]工数の削減

それぞれのメリットについて詳しく説明します。メリットについては動画でより詳しく紹介しています。

[申請者のメリット] 申請時間の短縮

クラウド経理精算システムなら、出先でもスマートフォンでレシートや領収書を撮影することで経費申請が可能です。SuicaやPASMOといった交通系ICカード、法人向けクレジットカード、銀行APIからデータを取り込めるシステムもあり、申請時間を短縮できます。

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[承認者のメリット] 承認プロセスや手続きがスムーズに

ワークフロー機能があるクラウド経費精算システムなら、進捗をオンラインにて把握でき確認がスムーズになります。スマートフォンアプリに対応していれば、出張先や外出先から帰社せずともアプリから経費を承認できます。

紙での申請では、承認者が複数いたり不在がちがちであったりするために、ワークフローが滞り承認までに時間がかかるといったことが起こりがちです。しかし、システムの導入により、ワークフローの停滞を防ぎ、承認プロセスをスムーズに進められます。

会計ソフトとの組み合わせにより精算業務と振込業務を一体化でき、経理業務も遅滞なく進みます。

[経営者のメリット] コスト削減と生産性向上

経費精算システムは、コスト削減も大きなメリットのひとつです。領収書の管理や検索にかかる労力、紛失のリスク、事務処理のコストを減らします。全国に支社のある企業でもリアルタイムにデータを反映し、まとめて管理可能です。クラウド会計システムと連携すれば、さらに生産性を向上できるでしょう。

[経営者のメリット] 不正防止

経費精算システムは不正や不備の防止に役立ちます。地図アプリやICカードと連動して正確な交通費データを取得できるので、虚偽申請の防止が可能です。

たとえば交通費精算では、SuicaのようなICカードと連携すれば利用履歴を自動取得でき、申請者は手入力する手間が不要になります。経理担当者は申請金額が正しいか照合する作業が不要になります。

[経理担当者のメリット]工数の削減

経費精算システムを導入すると、経費や交通費を自動で計算できるため、経費精算にかかる工数を削減できることもメリットです。

紙で申請を行う場合は、一枚ずつ申請書を確認しながら仕訳をするため手間がかかります。さらに申請者が金額を間違って申請していたり、領収書やレシートが添付されていなかったりするケースもあるため、確認作業にも手間や時間をさくことになります。

経費精算システムを利用すれば、交通費は自動で計算、仕訳されるため、作業工数を大幅に削減可能です。

経費精算システムを導入するデメリット

一方、経費精算システム導入のデメリットになりうる注意点としては、次のような項目があげられます。

  • セキュリティのリスク
  • コストがかかる
  • 社内規定やワークフローの変更が必要
  • 料金プランが複雑なことも

セキュリティのリスク

経費精算システムで電子化された経費データは、セキュリティのリスクを伴います。とはいえ、紙であっても不正や不備は起こりうるので一長一短だと考えられます。

経費精算システムを選ぶ際には、プライバシーマークや暗号化通信を導入しているかをチェックするとよいでしょう。

コストがかかる

経費精算システムの導入には、初期費用や利用料金といったコストがかかります。

そのため、導入によってコストに見合うだけの費用対効果が得られるのかを、試算しておくのがよいでしょう。経費精算システムによって機能や費用はさまざまです。どのような業務を効率化して、どのような効果を得たいのかを明確にしたうえで、システムを検討する必要があります。

また、経費精算システムを従業員に使いこなしてもらうためには、使い方の説明に工数をさかなければなりません。一般的には、100人規模の企業なら1か月で導入から運用までスムーズに進められますが、1,000人を超える大企業だとオペレーションの変更・検証や周知に時間がかかり、運用までに半年ほどかかります。

新しく経費精算システムを導入する際は、導入から運用までどの程度時間と工数がかかるか、よくシミュレーションしておきましょう。

無料で利用できる経費精算システムについては、次の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。

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社内規定やワークフローの変更が必要

クラウド経費精算システムの導入にあたっては、クラウド利用を前提としたルールの変更や利用方法の説明を企業全体で調整をしなければなりません。必要なサポートを考慮して選定を進めるとよいでしょう。

たとえば「楽楽精算」なら、導入時に専任担当者が電話やメールでサポートしてくれるほか、有料の設定代行プランもあります。「Concur Expense」はマニュアルやFAQが豊富で、上位プランではより充実した導入支援を受けられます。

経費精算システムの導入に不安があれば、サポートが充実したシステムを選ぶのもひとつのポイントといえるでしょう。

料金プランが複雑なことも

経費精算システムの料金体系は、初期費用、システム利用料(固定費)、月額利用料(アカウント数課金)の組み合わせが基本です。

クラウド経費精算システムの場合は、初期費用無料のサービスが多く、月額利用料は1人あたり300円程度からと手頃です。カスタマイズ性が高いオンプレミス型システムの場合は、初期費用が有料でかつ価格も高い傾向にあります。

経費精算システムを導入する効果

経費精算システムの利用には多くのメリットがあり、導入によって次のような効果が得られます。

  • バックオフィス業務のDX
  • 業務の効率化
  • テレワークの促進

中小企業のなかには領収書、請求書を紙ベースで経費精算を行っているケースもあるでしょう。しかし、紙で管理をする方法は、経理部門で管理する書類が膨大な量になりがちです。

経理精算システムを使用すれば、すべてデータ化して一元管理できるようになり、バックオフィス業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を図れます。見つけたい書類がある場合も、検索機能を使って簡単に探し出せるでしょう。

経理担当者だけではなく、営業担当者のような経費を申請する従業員にとっても、経費精算システムの利用にはメリットがあります。

経費精算システムの導入で、領収書をスマートフォンで撮影するだけでデータ登録ができるようになるため、経費の申請や精算にかかる作業負担が軽減します。領収書の紛失、申請の遅延や漏れの防止にもなるでしょう。申請作業もスマートフォンやパソコンからシステム上で行えるので、テレワークの促進につながる効果もあります。

経費精算システムで中小企業におすすめのものについては、次の記事で詳しく比較しています。ぜひ参考にしてください。

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経費精算システムの機能

経費精算システムには、数多くの機能が実装されており、書き出すとおおよそ次のようになります。各機能の詳細は以降にて詳しく解説していきます。

分類 機能
経費精算 ・OCR入力
・オペレーター入力代行
・外貨レートの換算
・軽減税率対応
・電子帳簿保存法対応
交通費精算 ・ICカード読み取り端末
・ICカード自動連携
・定期区間の控除
・乗換案内アプリとの連携
・ガソリン代の計算
旅費精算 ・航空券手配と経費連携
・タクシー手配と経費連携
・ホテル予約と経費連携
ワークフロー ・稟議の申請と承認
・代理承認
バックオフィス ・請求書管理
・労務管理
・勤怠管理
・予算管理
・給与計算
・経費分析
会計ソフト連携 ・同社会計ソフトと連携
・API連携
・CSV連携
・会計ソフトとの連携実績
サービス連携 ・クレジットカード連携
・FBデータ(総合振込データ)作成
・Amazonビジネスとの連携
スマートフォン ・iOS(iPhone)対応
・Android対応
・経費申請
・経費承認
セキュリティ・内部統制 ・SOC報告書
・ISO認証
共通機能 日本語以外の対応言語

経費精算の機能

OCR入力

OCR入力は、領収書やレシートをスマートフォンのカメラで撮影し、画像から文字を抽出して経費申請に使う機能です。

スマートフォンにて撮影した領収書およびレシートを添付し、抽出されたテキストを調整するだけで申請が完了します。読み取る精度はシステムによって異なるので、一度トライアルすることをおすすめします。

オペレーター入力代行

オペレーター入力代行は、領収書やレシートをカメラにて撮影し画像をもとに人間が申請内容を入力してくれる機能です。

OCR入力より精度が高い反面、オプションとされるケースが多くコストはかかります。OCR入力とあわせて入力精度を向上させる使い方がおすすめです。

外貨レートの換算

海外の通貨を日本円やほかの通貨に変換する機能です。ドルやユーロといった外貨で支払った経費の精算で、日本円に変換する必要があるときに工数を削減します。換算レートが人によってばらつくリスクも低減します。

軽減税率対応

2019年から実施されている消費税の軽減税率に対応する機能です。具体的には経費申請時に、軽減税率の8%と標準税率10%のいずれかを選べたり、データをまとめる際に分けて集計してくれたりします。

電子帳簿保存法対応

帳票や証憑書類のすべてまたは一部を電子化するための要件を満たす経費精算システムの機能です。システムによって、電子交付されたデータのみを受け付ける、スマートフォンで撮影したデータを取り込むといった対応に差があります。

短いスパンで要件が変わる項目でもあるため、最新の要件に合致しているかをチェックしましょう。

電子帳簿保存法について詳しく知りたい方は、ぜひ次の記事を参考にしてください。

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交通費精算の機能

ICカードの読み取り

ICカードの乗車情報をスマートフォンやカードリーダーにて読み込むことで、交通費精算のデータとして利用できます。SuicaやPASMOのほか地方の交通系ICカードにも対応しているケースがほとんどです。

ICカード読み取り端末種類

交通系ICカードを読み取る端末には、主にスマートフォンやカードリーダー、専用端末があります。スマートフォンはアプリにて、カードリーダーは別売りのリーダーにて、専用端末はデバイス自体でデータを読み取ります。

テレワークの普及が進んでいる現状をふまえるのであれば、場所を選ばないスマートフォンがおすすめです。

読み取り端末 メリット デメリット
スマートフォン 外出中や在宅中でも読み取り可能 スマートフォンを持っていない従業員に別途対応を要する
カードリーダー 既存のデバイスと組み合わせられる カードリーダーの購入が必要
専用端末 (ほぼない) 専用端末の購入が必要

ICカード自動連携

モバイルSuicaやモバイルPASMOといったオンラインで利用できるICカードは、自動連携を設定すれば読み取らずとも経費申請が可能です。

従来のICカードは20件までしか履歴に残せずそれまでに読み取る必要があるのに対し、これらのICカードは自動でデータを送信するため制約がほぼありません。モバイルSuicaやモバイルPASMOに対応していても、自動連携には対応していないケースがあるのでチェックが必要です。

定期区間の控除

定期区間を事前に登録しておき、交通費申請があった際に該当区間を控除する機能です。従業員が定期区間と重複した申請をしてしまったとしても自動で控除してくれるため、交通費精算の不正および不備を予防できます。

乗換案内アプリとの連携

乗り換え案内アプリとの連携によって、最適なルートを経費精算システム上で確認できるシステムです。申請者がICカードを読み取らずに交通費申請する場合や、承認者が申請内容をチェックする場合に便利な機能だといえます。

ガソリン代の計算

事前に登録しておいたガソリン代に走行距離をかけ算して交通費申請する機能です。システムによっては地図アプリやGPSによって走行距離を算出してくれるため、マップで距離を測る機会が減るでしょう。

ICカード読み取りに強い経費精算システムについては、次の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。

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旅費精算の機能

旅費精算の際に利用する航空券やタクシー、ホテルの予約サイトを事前に連携しておけば、手配するのみで経費申請のデータとして取り込めます。

前述のICカード読み取りやガソリン代の計算と組み合わせて、出張中に発生する経費申請の工数を最小限におさえましょう。機能の例はこちらです。

  • 航空券手配と経費連携
  • タクシー手配と経費連携
  • ホテル予約と経費連携

ワークフローの機能

稟議の申請と承認

経費精算に必要な稟議をワークフローシステムによって効率化します。システムによって、経費精算のみで使えるワークフローと、経費精算以外でも使える汎用ワークフローの2種類に大きくわかれます。

代理承認

経費精算の承認者に代わって承認する人を設定する機能です。承認者が多忙な時期や休んでいる時期にそなえて登録しておくとよいでしょう。

経費精算ワークフローシステムについて詳しく知りたい方は、ぜひ次の記事も参考にしてください。

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会計ソフト連携機能

経費精算システムを会計ソフトと連携すると、手入力せずに仕訳情報を登録できます。会計ソフトとの連携方法は大きく分けて次の3つです。

基本的には同社会計ソフトと連携、API連携、CSV連携の順で便利ではあるものの、対応している会計ソフトが少ない場合もあります。利用している会計ソフトとの連携を確認しておくとよいでしょう。

メリット デメリット
同社会計ソフトと連携 連携できるデータが多く連携の工数もかからない 連携するソフトを選べない
API連携 独自のアプリも含めデータを柔軟にやりとりできる 開発が必要
CSV連携 多くの会計ソフトと連携できる 会計ソフトにあわせて微調整が必要

同社会計ソフトと連携

同社会計ソフトと連携とは、経費精算システムを提供しているベンダーが会計ソフトもリリースしており、両者間で連携できるものです。たとえば、マネーフォワード クラウド経費や経費精算freeeが対応しています。

シリーズで利用できると、データの連携が簡単にできたり、サポートも受けやすかったりとさまざまなメリットがあります。すでに会計ソフトを利用していて、シリーズに経費精算システムがあれば、導入を検討するとよいでしょう。

API連携

API連携は、経費精算システムが提供しているWeb APIを活用して、オンラインで会計ソフトへデータを送信する方法です。仕訳の入力や取り込み作業がなくなり、より経費精算の業務時間を短縮できます。

例をあげると、Concur ExpenseはAPI連携に対応しており、API ReferenceよりAPI連携の詳細がわかります。

CSV連携

CSV連携は、CSVデータにて経費精算システムから会計ソフトへ仕訳情報を送る方法です。経費精算システムのほとんどが少なくともCSV連携には対応しており、事実上ほぼすべての会計ソフトへ連携できます。

会計ソフトとの連携実績

会計ソフトとの連携実績では、公式サイトに記載のある会計ソフトとの連携実績を記載しています。経費精算システムを使う以上、会計ソフトとの連携はほぼ必須なため、使っている会計ソフトと連携できるか確認しましょう。なお、記載がない場合でも連携可能なケースはあります。

バックオフィスの機能

バックオフィスのSaaSのなかには、会計ソフト以外にも連携できるものが多くあります。以降ではよく連携される管理機能について紹介していきましょう。

請求書管理

経費精算システムで承認した請求書を管理するシステムです。振込の必要な請求書を管理することで、払込の漏れを防ぐのに役立つでしょう。

労務管理・勤怠管理

労務管理の従業員情報を経費精算システムに反映します。経費の申請や承認は、役職によって権限が変わるため調整を簡単にできる点が便利です。

予算管理

経費精算システムで集計した予算の使用状況を可視化するツールです。経営者をはじめ現状の観測をしたい方に便利な機能といえます。

給与計算

経費精算システムで発生した立替経費を給与計算に組み込むシステムです。給与の支払い時に立替精算も済ませてしまう企業であれば、工数や手数料の削減に役立ちます。

経費分析

過去の経費データを可視化できるシステムです。データを分析することで、経費のムダを省いて適正化し、利益を最大化することにつながります。

サービス連携

クレジットカード連携

クレジットカード連携は、法人カードにて支払ったデータを経費申請に用いるものです。入力の工数を削減できるほか、正確な情報を取得し不正や不備を防ぎます。

FBデータ(総合振込データ)作成

企業や従業員に対して振込をする際に、経費精算システムよりFBデータを作成する機能です。インターネットバンキングと組み合わせて、振込にかかる工数を削減します。

Amazonビジネスとの連携

Amazonビジネスにて購入したデータを経費申請に反映する機能です。Amazonにて購買する機会の多い企業で、重宝する機能だといえます。

スマートフォン対応

最近の経費精算システムは、スマートフォンアプリまたはブラウザに対応しているものが多くリリースされています。そのため、スマートフォンで利用できるかだけではなく、どのデバイスで利用できるか、どのような機能を利用できるのかまで調べることをおすすめします。

iOS(iPhone)対応・Android対応

スマートフォンがiOSやAndroidでの利用に対応しているかはぜひチェックしたい項目です。ブラウザであればどちらでも利用できるケースが大半であるものの、アプリの場合はどちらかのみで対応しているシステムもあるため調べておきましょう。

経費申請・経費承認

スマートフォンから経費申請および承認ができるか、またどのように申請や承認をするのかは経費精算システムによって異なります。

OCR入力やクレジットカード連携、ICカードの読み取りなど、アプリごとに使える機能が異なるため、スマートフォンでできる機能は実際にダウンロードして確かめるのがおすすめです。

セキュリティ・内部統制

セキュリティや内部統制の項目は、企業によって要件が大きく異なるので詳しくは担当者に確認してください。ここからは、第三者機関による認証で、セキュリティや内部統制に対して一定の品質を認められる基準について紹介します。

SOC報告書

SOC報告書は、米国公認会計士協会(AICPA)らが調査している内部統制やセキュリティに対する報告書です。SOC1よりSOC2およびSOC3のほうが、クラウド経費精算システムにおいては、評価をしやすいと考えられます。SOC1とSOC2は一時的なデータのみを評価するtype1と、半年間以上を評価するtype2が存在します。type2のほうが報告の精度は高いといえるでしょう。

対象 特徴
SOC1 内部統制の観点において広く受託業務を評価
SOC2 セキュリティ・可用性・処理のインテグリティ・機密保持・プライバシーといった、5つの基準にもとづいて受託業務を評価
SOC3 評価基準はSOC2と同様で、不特定の利用者に公開できる

ISO認証

ISO認証は、国際標準化機構による認証です。ISOとは、「International Organization for Standardization」の略称になります。クラウド経費精算システムで認証されているケースの多いものは、ISO/IEC 27001とISO/IEC 27017です。

代表的な種類 対象
ISO/IEC 27001 情報セキュリティ
ISO/IEC 27017 クラウドサービスセキュリティ

共通機能

日本語以外の対応言語

クラウド経費精算システムのほかのSaaSにも共通している機能として、多言語対応があげられます。日本語を得意としない方が社内にいる企業、海外に拠点をおいている企業においては必須の機能といえるでしょう。システムによって翻訳の精度が異なるため、対象者に実際に触ってもらうのをおすすめします。

英語対応の経費精算システムについては、次の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。

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経費精算システムの選び方

経費精算システムを導入するにあたって、選び方で重要視すべきポイントを紹介します。

  • 効率化したい経費精算業務を洗い出す
  • テレワーク対応ならクラウドシステム
  • 連携システムを確認する
  • ユーザーフレンドリーで管理が容易なシステムの選択
  • 自動化したい経費精算の具体的な業務を明確にする

それぞれのポイントについて説明します。

効率化したい経費精算業務を洗い出す

経費精算システムには、幅広い機能があり、システムによって強みや使いやすさが異なります。

まずは効率化したい経費精算業務を洗い出してみましょう。

たとえば、経費申請を省力化・自動化して、社内の生産性を向上させたいのか、内部統制を強化しつつ経理部門の業務負担を軽減させたいのかなどが挙げられます。他にも、稟議や決裁のワークフローまで自動化させたいのか、といった視点から検討してみるとよいでしょう。

テレワーク対応ならクラウドシステム

テレワークを推進しているのであれば、クラウド型の経費精算システムを選びましょう。

クラウド経費精算システムであればスマートフォンに対応したものがほとんどなので、外出時や出張先、テレワーク環境においても、経費の申請から承認までに対応できます。領収書管理といった雑務から解放されるため、経理部門も含めた従業員体験が向上するはずです。

連携システムを確認する

経費精算システムを導入する際には、既存の会計システムや送金システムとの連携についても確認しましょう。

同じベンダーの業務システムであれば、もっともシームレスに連携可能でしょうし、APIが用意されていれば比較的簡単に外部システムと連携可能です。既存システムと経費精算システムがうまく連携できれば、経理部門の業務負担を大幅に軽減することにつながります。

ユーザーフレンドリーで管理が容易なシステムの選択

経費精算システムを選ぶ際は、使用しやすさが重要な要素です。これは経費精算システムに限らず、どんなシステムを選ぶ際にも考慮すべき点です。

経理部門が業務を効率的に行うための使い勝手、また日常的にシステムを利用する従業員にとっての使用のしやすさの両方を考慮することが重要です。

システムは、経理担当者にとって手間のかかる業務を減らし、従業員が直感的かつ迅速に申請や承認を行えるかどうかを導入前に検討する必要があります。

導入前に無料で試用できるオプションを利用して、実際の使い勝手を確認することも一つの良い方法です。

自動化したい経費精算の具体的な業務を明確にする

経費精算システムとはいえ、各サービスにはそれぞれ異なる強みや特色があります。

重要なのは、どの経費精算のプロセスを改善したいかを社内で明確にし、目的に適したシステムを選ぶことです。

ただし、システム導入がはじめての企業にとっては、どのように進めればよいか迷うこともあるでしょう。その場合、経費精算システムを提供する業者に連絡して相談することが効果的なアプローチとなるでしょう。

次の記事では、経費精算システムを詳しく比較しています。ぜひ導入の際の参考にしてください。

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経費精算の電子化トレンド

キャッシュレス決算の拡大とともに経費精算領域でもデジタル化が進み、紙書類を減らす法改正が次々と行われています。2020年の10月には改正電子帳簿保存法が施行され、電子取引時の記録要件が緩和されました。また、2022年1月にも改正がされています。

2020年度の電子帳簿保存法改正、および対応クラウドシステムについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

※出典:国税庁「電子帳簿保存法が改正されました - 国税庁」(2022年12月5日閲覧)

キャッシュレス決済の経費精算、紙領収書不要に - 税制改正で2020年10月から
クレジットカードやICカードなどを用いたキャッシュレス決済について、紙の領収書を扱わず経費精算できるようになります...
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電子帳簿保存法改正の流れ

これまでの電子帳簿保存法の主な改正について、流れを簡単にまとめました。年々要件が緩和され、利便性があがる傾向にあります。

  • 2005年度:スキャナ保存の容認(証憑として電子データが認められた)
  • 2015年度:スキャナ保存の金額要件緩和(3万円以上もスキャナ保存対象に)
  • 2016年度:画像データの容認(スマートフォンやデジカメの画像が証憑として認められた)
  • 2020年度:領収書レスの実現(キャッシュレス決済で領収書が原則不要に)
  • 2021年度:保存データの緩和(検索に必要な要件が減少された)
  • 2022年度:承認制度の廃止(3か月前の事前申請が廃止に)

領収書をスマートフォンで電子化するメリット

2016年度の電子帳簿保存法改正で、スマートフォン撮影による領収書電子化が可能となりました。メリットには、次のものが挙げられます。

  • 領収書を受け取ったときすぐに撮影し保存できる
  • オフィスでスキャンしなくてもよいので、出先からでも、支払った当日に精算申請ができる
  • 紙レシートをのり付けして経理に提出する手間が減り、事務処理が効率化される
  • 経理も、紙ではなくデジタル化された情報でチェックや仕訳ができ、経理業務が効率化される

なお、領収書自体がすでに電子化されて発行される場合もあります。この場合は、電子領収書をオリジナルとして使え、印紙税がかからないメリットもあります。

経費精算システムで効率化できる業務は多い

経費精算システムとは何か、どのような機能があり、どのような業務を効率化できるのか詳しく解説しました。

行政手続きの電子化も進んでおり、経費精算システムで営業や経理の仕事の効率をあげ、競争力アップにつなげましょう。

ぜひ本記事で紹介した経費精算システムの選び方を理解して、最適なシステム導入を実現してください。サービス選定で失敗しないためには、料金プランや搭載している機能の比較を十分に行うことが重要です。

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