EUC(エンドユーザーコンピューティング)とは?メリット・留意点
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EUC(エンドユーザーコンピューティング)とは
EUCとは、「End User Computing(エンドユーザーコンピューティング)」の頭文字をとったもので、情報システム部などのシステム管理部門の担当者ではなく、当該コンピュータシステムを利用する業務部門のエンドユーザーが主体的にシステムの構築や運用管理に携わることを言います。
EUCの定義
EUCの定義は、「情報システム部門以外の人が自主的にコンピュータを操作して、自分あるいは自部門の業務に役立てること」です。
ある一定以上の規模の企業では情報システムの構築や運用は情報システム部門や外部の専門事業者が行うことが多いのですが、EUCではシステムを利用して業務を行う部門や人員が業務に必要なシステムを自ら開発・運用するというものです。
EUCの背景
非定型的処理ニーズの拡大
非定型的処理は、部門やグループによって異なっているため、システム部門での優先順位は低くなってしまいます。定型的な処理がコンピュータを利用して行われるようになってきており、非定形的処理に対するコンピュータの利用のニーズが拡大してきています。
問題の積み残し
情報システム部門に対するユーザー部門からの要求事項は増加しますが、システム部門での処理能力に限界があり、問題の積み残しが蓄積しています。この積み残しの解消のため、ユーザー側が自分でシステム構築せざるを得なくなってきています。
価格性能比の向上
コンピュータの価格性能比が向上し、エンドユーザーのニーズに合ったコンピュータの利用環境を独自に用意する事ができるようになっています。
EUCのメリット
EUCのメリットには次のようなものがあります。
- 必要な人が必要なときに必要な情報を得ることができる
- 業務の改善にも役立つ
- システム部門に余裕ができ戦略部門としての業務に集中できる
- ユーザー部門の情報システムに関するリテラシーが向上
- 情報システムの効果的な活用ができるようになる
- 基幹業務系システムを小規模に簡素化することができ、開発・保守も容易になる
- データ体系やデータ構造が明確になり、情報システムが「見える化」される
以下の記事では、基幹システムについて詳しく解説しています。
EUC推進時の留意点
EUCを推進するうえで陥りがちな状態と、改善のために留意すべきポイントについて説明していきます。
全社的な活動にならない
EUC推進の効果を明確に示すことができないと、全社的な活動にならない可能性があります。
本来は、ユーザー部門が業務を改善するためにEUCを利用することから、ユーザー部門が中心になってEUCを推進し、情報技術的なことだけを情報システム部門に依頼するべきです。
ところが、EUC推進による効果を明確にできなければ、現実にはユーザー部門は消極的で全社的な取り組みにならなくなります。
情報システム部門の努力が空回り
ユーザー部門が消極的なままだと、情報システム部門はいつの間にかEUC推進の責任部門となってしまい、その利用増大が部の評価尺度になります。ユーザー部門からすると、「コンピュータは自分の仕事ではない」「それを支援するのが情報システム部門の任務」と考えています。
その結果、EUCとは、情報システム部門の仕事をユーザー部門に押し付けることだと考えられてしまうのです。
情報システム部門の負荷が増大
情報システム部門は、EUC推進の責任部門となるため、エンドユーザーに利用してもらうために逆に情報システム部門がメニュー作成のために多忙になります。
その結果、情報システム部門内からは文句が出るなど不満が溜まっていきます。
目的と手段の混同
エンドユーザー側では過度に体裁を整えたがるところがあります。
EUCの推進は、情報を自分たちで加工し活用していくことが目的ですが、情報の活用よりも、見た目がきれいに整った図表を作ることにエンドユーザーの関心がいってしまいます。
また、ただパソコンを使うことが目的となってしまうなど、目的と手段が混同してしまうことがあります。
貢献度が曖昧
EUCはエンドユーザーでの開発になるので、管理の眼が行き届きにくい面があります。
たとえば、帳票の公開ファイルが無計画に乱造され、その維持管理が大変な作業になる危険があります。
初期段階では、全体のデータ体系などは考えずに、限定されたユーザーの限定された分野に公開ファイルを作成しました。成長段階では、多数ユーザーの多様なニーズに応えるために多くの公開ファイルを作成しましたが、その中には似たような内容のファイルが多くあります。
この状態を放置しておくと、どのような公開ファイルがあるのか、そのファイルの項目の定義がどうなっているのかわからなくなってしまいます。
EUCに役立つERPパッケージ5選
企業が現場でEUCを実現するために役立つERPパッケージ製品の中から、厳選した7製品を紹介します。
以下の記事では、ERPパッケージについて詳しく解説しています。
- プロジェクト収支、部門収支をタイムリーにモニタリング
- 経営管理上のセグメントを柔軟に設定
- 個別原価計算を効率化するシステム設計
クラウドERP ZACでは、組織全体で同一のシステム・マスタ・フォーマットを利用するため、各部署で入力したデータを他部門とも共有・連携が可能となっています。
また、請求発行、支払処理、日報入力、経費申請、担当タスクなど、未対応の業務や処理は、各担当者のトップページに警告として表示されるため、 作業のモレを確実に防ぐことができます。
ワークフロー | EDI | スケジュール管理 | BI | マルチカンパニー |
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以下の記事では、NetSuiteについてより詳しく解説しています。
クラウドERP freee - フリー株式会社
- 会計・人事労務のバックオフィスを一元管理
- 業務の効率化と内部統制を実現
- 経営状況をリアルタイムで把握
クラウドERP freeeは、会計・人事労務領域を一気通貫で管理し、社内の全社最適化を実現するクラウドERPです。
経営に関わる会計・人事労務などのバックオフィス業務を一元化。また、社内の情報や従業員の情報を融合し、データを連携させることで現場の業務、管理業務の効率化とペーパーレス化を図ります。各種レポートが自動で生成されるので、経営状況をリアルタイムで把握でき、素早い意思決定を可能にします。さらに、各種機能や情報へのアクセス権限は細かく設定可能。全社で業務効率化と内部統制を同時に進められます。
ワークフロー | EDI | スケジュール管理 | BI | マルチカンパニー |
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- スモールスタートによる無理・無駄のないERP導入
- フルオープンソースによる低コスト導入
- だれでも自由に使用する事のできる、世界でも数少ない“オープンソースERP”
iDempiereは、オープンソースの強みである「低コスト導入」「低コスト運用」を武器に、顧客の基幹業務の改善に貢献します。
「低コスト経営」は加速する一方のグローバル化社会において、企業にとっては重要な課題です。iDempiereはアプリケーションパッケージだけでなく、バックエンドのデータベースやシステムを稼働させるWEB/アプリケーションサーバーなど、すべてをオープンソースで構築することが可能です。
ワークフロー | EDI | スケジュール管理 | BI | マルチカンパニー |
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GRANDIT miraimil - GRANDIT株式会社
- コラボレーションを実現する日本発完全Web-ERP
- 幅広い企業規模や業種に対応可能
- 優れた運用性、機能性、操作性
GRANDITは、ワークフローやEDI、EC、BIなどを標準搭載し、企業グループや取引先までをシームレスに結ぶ情報化と最適化を実現しています。
また、市場ニーズに応えた機能の強化と国際化、多様化の時代を迎えたERPとして必要な機能を実装しています。あらゆる企業規模、業務特性に適応してフレキシブルな導入形態を推進し、豊富な機能で少ないカスタマイズを実現し短期間での導入が可能です。
ワークフロー | EDI | スケジュール管理 | BI | マルチカンパニー |
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- 累計19,000社を超える企業に導入
- 情報基盤を統一化 “クラウド”導入も実現
- 圧倒的に豊富なERPソリューションラインナップ
OBIC7は、セキュリティ管理、ワークフロー、共通マスター管理など、基幹業務システムに求められる 基本機能を情報基盤上で一元管理することが可能です。連携性と拡張性を備え、効率化とスピード稼働を推進し、さらに、すべてのシステムをクラウドでの導入することも可能です。
ワークフロー | EDI | スケジュール管理 | BI | マルチカンパニー |
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また、こちらからはERPの人気ランキングや、各種サービスの評判・口コミをチェックできます。あわせてご覧ください。
EUCのメリットを理解し、エンドユーザ主体の組織活動を実現
EUCは、情報システム部門ではなく利用部門が主体的にシステム開発や運用を行うことです。
システム化のニーズは現場にあります。現場のニーズに合わせて主体的にシステム化を行うことがEUCの目的です。現場が主体的にEUCに取り組まなければ、逆にシステム部門に負担がかかってしまいます。
クラウドのERPシステムなどを上手に活用して、現場の人間でもニーズに合わせたシステム開発ができるようにしていきましょう。
以下の記事では、クラウドERPについて実際の導入事例を交えながら詳しく解説しています。
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