チャットボットの基本機能・課題解決に必要な機能とは


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- チャットボットの種類と仕組み
- ルールベース型チャットボット(シナリオ型チャットボット)
- AIチャットボット
- チャットボットの基本機能
- 自動応答
- 分析・レポート
- ルールベース型チャットボットの機能
- シナリオベースの対話
- シナリオ登録・作成
- キーワードマッチング
- FAQ対応
- ボタン・選択式インターフェース
- カスタマイズ可能なフロー
- AIチャットボットの機能
- 自然言語処理
- 意味検索
- パーソナライズ
- 多言語対応
- 応答の改善
- 【目的別】チャットボットに必要な機能
- 問い合わせ対応の負担を減らしたい
- CVRを改善したい
- AIチャットボットに対するよくある誤解
- 【誤解1】AIチャットボットは使えば使うほど自動で賢くなる
- 【誤解2】AIチャットボットはどんな質問にも正確に答えられる
- 【誤解3】AIチャットボットは導入すればすぐに効果を発揮する
- チャットボットの導入手順
- ルールベース型チャットボットの導入手順
- AIチャットボットの導入手順
- 効果測定と改善
- チャットボットは目的別に必要な機能のあるツールを選ぼう
チャットボットの種類と仕組み
チャットボット(Chatbot)とは、「チャット」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、人と自動的に会話を行うプログラムのことです。Webサービスやアプリケーションに組み込まれ、ユーザーからの問い合わせや質問に対して自動で応答する機能を備えています。
チャットボットには、大きく分けて、「ルールベース型チャットボット(シナリオ型チャットボット)」と、「AIチャットボット」の2種類があります。チャットボットを導入する際には、それぞれの基本的な機能を理解し、用途に合わせて必要なタイプを選ぶことが重要です。

ルールベース型チャットボット(シナリオ型チャットボット)
ルールベース型チャットボット(シナリオ型チャットボット)は、事前に設定されたシナリオやルールに沿って、ユーザーと会話を行うチャットボットのことです。
ユーザーの入力に対して、あらかじめ用意された回答を返す仕組みです。事前にシナリオやルールを登録・作成する必要があり、登録内容以外の対応はできません。
ルールベース型チャットボットは、シンプルでわかりやすい会話が行えるため、さまざまなユーザーからのよくある質問や問い合わせの対応、アンケートや予約の受付対応などに向いています。
AIチャットボット
AIチャットボットは、人工知能(AI)を活用して、ユーザーと自動的に会話を行うチャットボットのことです。人間のような自然な会話ができることを目指し、テキストや音声でのやり取りを通じて、質問に答えたり、サポートを提供したりします。
AIチャットボットは、事前に学習したデータやナレッジベースをもとに、ユーザーの入力に適した応答を選択または生成する仕組みです。シナリオやルールに沿わない入力にも対応可能で、柔軟で自然な会話を行えますが、複雑な会話には対応できない場合もあります。
AIチャットボットは、情報や知識の提供や検索を行うシーンや、チャットボットの対応による顧客エンゲージメントの向上や、コミュニケーションを促したい場合に向いています。

チャットボットの基本機能
チャットボットの基本機能を紹介します。これらの機能は、ルールベース型チャットボットとAIチャットボットに共通の機能です。
自動応答
自動応答は、チャットボットがユーザーの入力に対して、自動的に応答を返す機能です。これにより、チャットボットは、ユーザーとリアルタイムに会話を行え、顧客体験向上につながります。
自動応答機能により、24時間365日の対応が可能となり、機会損失の防止や人手不足の解消、工数・コスト削減といった効果も期待できるでしょう。
分析・レポート
分析・レポートの機能は、チャットボットの利用状況や対応による効果を可視化し、分析できる機能です。
会話数や回答率、離脱率、顧客満足度などの数値を確認できレポート化します。チャットボットの効果測定は、ユーザー属性・ユーザー行動やコンバージョン率のほか、満足度や改善点が明確にできるため、データをもとにチャットボットのパフォーマンスや精度向上を図れます。
また、ユーザーとの会話ログから自動でデータを蓄積するため、データを分析して商品開発や改善につなげるといったように、マーケティングにも活用可能です。
ルールベース型チャットボットの機能
ルールベース型チャットボット(シナリオ型チャットボット)は、事前に設定されたシナリオやルールにもとづいて応答を行うシステムです。主に次のような機能を備えています。
シナリオベースの対話
ユーザーの入力に対して、あらかじめ決められたシナリオをもとに応答する機能です。特定のフローに沿った案内や手続きの補助に適しています。
たとえば、レストランや病院の予約手続きの自動化や、ECサイトでの注文状況の確認を支援するといった、幅広い用途で利用されています。
シナリオ登録・作成
シナリオ登録・作成とは、チャットボットがユーザーと会話を行うために必要なシナリオやルールを登録・作成する機能のことです。チャットボットの会話の流れや内容を自由に設定できます。
キーワードマッチング
特定のキーワードを認識し、対応する回答を提供する機能です。たとえば、「営業時間」と入力すると、事前に登録された営業時間の情報を提供します。また、複数の言葉を組み合わせた複雑な検索にも対応できるように設定可能です。
FAQ対応
よくある質問と回答をデータベース化し、ユーザーの問い合わせに対して適切な情報を提供する機能です。カスタマーサポートの負担を軽減するのに役立ちます。FAQシステムと連携することで、常に最新の情報を提供できます。
ボタン・選択式インターフェース
ユーザーに選択肢を提示し、クリックによる入力を促す機能です。誤解のないスムーズな会話を実現でき、予約や注文プロセスの簡素化に利用されます。ボタン形式で回答を選べるため、入力ミスを防ぐ効果があります。
カスタマイズ可能なフロー
業種や用途に応じて、チャットボットのシナリオを柔軟に設定できます。金融業界ではローン申請のガイド、医療業界では診察予約の案内など、多様な用途に対応可能です。
AIチャットボットの機能
AIチャットボットは、機械学習や自然言語処理を活用し、より柔軟で高度な対応が可能なチャットボットです。主に次のような機能を備えています。
自然言語処理
自然言語処理とは、ユーザーの言葉の意図や文脈を理解し、適切な応答を生成するための技術のことです。これにより、異なる表現や表記ゆれにも対応できます。表記ゆれ対応とは、同じ意味を表す言葉に複数の言い回しや表記がある場合に、それを同一の言葉であることを認識させる機能です。
たとえば、「返品の手続きが知りたい」と「購入した商品を返したい」が同じ意味として処理されます。
意味検索
キーワード一致ではなく、文の意味を理解して適切な回答を見つける機能です。ユーザーの入力するフレーズが異なっても、類似する概念をもとに適切な回答を提示できます。
パーソナライズ
過去の会話履歴やユーザーの行動データをもとに、パーソナライズされた応答を行う機能です。たとえば、ECサイトのAIチャットボットが、ユーザーの好みにもとづいた商品をレコメンド可能です。個人の嗜好や購買履歴をもとに、適切なサービスや商品を案内できます。これにより、個々のニーズに応じた情報を提供し、より良いユーザー体験を実現します。
多言語対応
多言語の自然言語処理を活用し、異なる言語でもスムーズに会話ができる機能です。グローバル企業のカスタマーサポートに適しています。自動翻訳機能を搭載することで、多国籍の顧客に対応できます。
応答の改善
新しい問い合わせ内容が増えると、FAQやナレッジベースのデータベースを更新することで、次回以降の応答精度の向上が可能です。たとえば、特定の製品に関する新しい質問が頻発する場合、それをデータベースに追加すれば、適切な回答を提供できるようになります。
【目的別】チャットボットに必要な機能
チャットボットを導入する場合、導入目的や解決したい課題に合わせて、効果的な機能が備わっているツールを選ぶ必要があります。
問い合わせ対応の負担を減らしたい場合におすすめの機能と、CVRを改善したい場合におすすめの機能をそれぞれ紹介します。
問い合わせ対応の負担を減らしたい
問い合わせ対応の負担を減らしたいといった課題は、多くの企業や組織が抱えている課題です。チャットボットの導入により、問い合わせ対応の効率化や負担の軽減が期待できます。
問い合わせ対応の負担を減らしたい場合には、次のような機能がおすすめです。
- 有人対応切替
- FAQページ生成
有人対応切替
有人対応切替とは、チャットボットがユーザーの問い合わせに対応できない場合や、複雑な説明が必要な場合に、チャットボットからオペレーター対応に切り替えられる機能のことです。
チャットボットで対応できる形式的な質問はユーザー自身で解決できることに加え、必要なときだけオペレーターにつなぐため、応対業務の効率化や顧客対応に必要な人数の削減が可能です。
トラブルへの臨機応変な対応や複雑な問い合わせへの対応など、チャットボットには対応できないことや苦手なこともありますが、有人対応と組み合わせることにより、苦手な部分を補えます。
ユーザーにとっては、チャットボットでは解決できない疑問も、スムーズにオペレーターに対応してもらえるため、信頼や満足度が向上します。
FAQページ生成
FAQページ生成とは、チャットボットがユーザーのよくある質問と回答を自動的にまとめて、FAQページとして生成する機能のことです。FAQページ生成の機能によって、チャットボットに問い合わせる回数や時間を減らせたり、ユーザーにとって有用な情報や知識を提示できたりします。
さらに、ユーザーからの問い合わせ内容や傾向を把握できるため、より利便性の高い内容へ改善が可能です。
CVRを改善したい
チャットボットは、マーケティングにも活用できます。たとえば、ユーザーの行動やタイミングに合わせてチャットボットを提示したり、おすすめの商品やサービスを提案したりすることで、購入やクロスセルにつなげるといった方法で活用できます。
CVR(コンバージョン率)の改善を導入目的としている場合は、次のような機能がおすすめです。
- アンケート
- 外部システム連携
- AIアバター
- 離脱防止
アンケート
アンケートとは、チャットボットがユーザーに対して、質問や選択肢を提示し、回答を収集する機能のことです。アンケートの機能によって、ニーズや要望を把握できたり、興味や関心を引き出せたりします。
さらに、アンケートの結果から、ユーザーに対して適切な提案や誘導を行え、コンバージョンへとスムーズに導けます。
ユーザーにとっても、電話やメールでの問い合わせよりも気軽に利用でき、意見を伝えやすいのがメリットです。
外部システム連携
外部システム連携とは、チャットボットが他のシステムやサービスと連携し、データや機能を共有する機能のことです。外部システム連携の機能によって、より多様で豊富なサービスを提供でき、CVの機会を増やしたり、利便性を高めたりできます。
CRM(顧客管理システム)をはじめ、さまざまな外部システムと連携できるため、属性別のマーケティング施策や個別対応も可能となります。

AIアバター
AIアバターとは、人工知能を活用したデジタル上の仮想キャラクターのことです。音声やテキストを通じてユーザーと対話できるものや、3Dモデルとして動作するものなど、さまざまな形式があります。
AIアバターにより、チャットボットにより親しみやすく魅力的な印象を与え、滞在時間の改善や訪問回数の増加が期待できます。
離脱防止
離脱防止とは、ユーザーがWebサイトやアプリから離れようとするときに、チャットボットが離脱を防ぐためのアクションを行う機能のことです。離脱防止の機能によって、離脱率の低下や滞在時間の増加が期待できます。
離脱防止機能を利用する際は、ユーザーの離脱の原因を分析し、離脱を防ぐためのアクションを設定することが大切です。
AIチャットボットに対するよくある誤解
AIチャットボットの仕組みや機能については、誤解されていることが少なくありません。代表的な誤解は、「AIチャットボットは自動学習によってどんどん賢くなり、精度が向上していく」というものです。
【誤解1】AIチャットボットは使えば使うほど自動で賢くなる
AIチャットボットに対してよくある誤解のひとつが、「ユーザーと会話を繰り返すことで自動的に学習し、精度が向上していく」というものです。実際には、多くのAIチャットボットはリアルタイムで自己学習するわけではなく、定期的なモデル更新や参照データの管理が必要です。
固定されたモデルを使用
ほとんどのAIチャットボットは、事前に学習されたモデルを使用し、ユーザーと対話する際に新しい情報をリアルタイムに学習することはありません。モデルの更新は開発者が定期的に行うものであり、自動で賢くなるわけではありません。
誤学習のリスク
AIチャットボットに自動学習機能を取り入れると、スパムや悪意のある入力を学習してしまい、誤った情報を提供するリスクが高まります。そのため、多くの企業向けAIチャットボットでは、学習プロセスが厳密に管理されています。
追加学習には高度な専門知識が必要
AIチャットボットの精度向上には、ユーザーからのフィードバックを分析し、それをもとに新しいデータを追加してトレーニングする必要があります。これには高度な専門知識が必要で、コストとリソースも小さくありません。
【誤解2】AIチャットボットはどんな質問にも正確に答えられる
AIチャットボットはあくまで事前に学習したデータをもとに回答するため、未知の質問や曖昧な表現には正確に対応できない場合があります。とくに、ナレッジベースにない情報については、誤った回答をする可能性があります。
AIチャットボットは、例外的なケースや複雑な質問に対して適切に対応するのは難しい場合があるため、適切に人間のオペレーターへ引き継ぐ仕組みが重要です。
【誤解3】AIチャットボットは導入すればすぐに効果を発揮する
AIチャットボットを導入した直後は、データの整備や最適化が必要です。特定の業務に適した応答をするためには、ナレッジベースの整備や継続的な改善が求められます。データの整備が不十分な場合、チャットボットの応答が不正確になり、ユーザー体験の質が低下する可能性があります。
AIチャットボットの効果を最大限に発揮するためには、ユーザーからのフィードバックを収集し、定期的にナレッジベースやデータベースを更新することが不可欠です。適切なメンテナンスや改善を続けることで、徐々に効果を高めていくようにしましょう。
チャットボットの導入手順
チャットボットの導入を成功させるためには、まず目的を明確にすることが重要です。カスタマーサポートの効率化や営業支援、社内ヘルプデスクの自動化など、具体的な用途を設定します。チャットボットの対象ユーザーや求める機能を整理し、導入の方向性を決定しましょう。
ルールベース型チャットボットの導入手順
1. シナリオ設計
ユーザーの質問とその回答を体系的に整理し、シナリオや会話フローを構築します。分岐を設けることで、スムーズな対話を実現します。
2. 開発とテスト
シナリオ通りに動作するかを確認し、誤った回答がないかをチェックします。ユーザーの多様な入力に対する応答を検証し、改善を繰り返します。
3. 導入と運用
本番環境で導入した後、ユーザーからのフィードバックを収集し、シナリオの更新や改善を行います。
AIチャットボットの導入手順
1. 設計
ベンダーと協力し、過去の問い合わせデータを活用してAIモデルを整備します。一般的なFAQのパターンを分析し、会話の流れを設計します。
2. 開発とテスト
ベンダーのプラットフォームやテンプレートを活用し、AIチャットボットの精度を向上させます。ユーザーの多様な入力に適切に応答できるかを検証し、ベンダーのサポートを受けながら調整しましょう。開発段階では、意図しない誤回答を防ぐためのフィルタリング機能や、有人対応切替機能も実装します。
3. 導入と運用
導入後は、新しい問い合わせ傾向を分析し、ベンダーのサポートを受けながら調整を進めます。誤回答を防ぎながら精度を向上させるため、適切なデータ管理と運用の最適化が必要です。
効果測定と改善
チャットボットの応答精度やユーザー満足度、問い合わせ削減率、誤回答率などを指標として測定し、導入の成果を分析します。ルールベース型の場合はシナリオの見直しを行い、AIチャットボットの場合はナレッジベースの更新やモデルの調整を依頼し、最適化していきます。
チャットボットの導入は一度で完結するものではなく、運用を通じて成長させていくことが重要です。ベンダーと連携しながら、適切な計画と継続的な改善を行うことで、より効果的なチャットボットを実現できます。
チャットボットは目的別に必要な機能のあるツールを選ぼう
チャットボットの機能と目的別に必要な機能について、詳しく解説しました。チャットボットには、ルールベース型チャットボットとAIチャットボットの2つがあり、目的や課題に応じて適切な機能があるものを選ぶ必要があります。
チャットボットは導入の目的を明確にし、必要な機能を洗い出したうえで、比較検討して選びましょう。
