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グレーゾーン解消制度とは?仕組みや申請方法・事例

最終更新日:(記事の情報は現在から78日前のものです)
グレーゾーン解消制度とは、新規事業のビジネスモデルが現行規制の範囲内かどうかを事前に確認できる制度です。規制の枠組みから外れて規制当局から指摘を受けるリスクを抑えられます。本記事では、グレーゾーン解消制度の仕組みや申請方法、活用事例などを紹介します。

グレーゾーン解消制度とは

グレーゾーン解消制度とは、ビジネスで新規事業を立ち上げる際、規制当局に対して現行規制の適用範囲や適用の有無を確認できる制度です。とくに、従来にはないビジネスモデルを適用する際や、法体制が整っていないデジタル技術を扱うケースなどで重要とされています。

仮に制度を利用せず事業を開始して規制当局から指摘された場合、ビジネスの方針転換や事業そのものの廃止といった事態に陥りかねません。そのため、あらかじめ現行規制に対して事業スキームに問題がないかを確認することが重要です。

グレーゾーン解消制度は、プロジェクト型「規制のサンドボックス」と新事業特例制度と同時に創設されました。産業競争力強化法に則り、新規事業を推進・奨励するのが主な目的です。

プロジェクト型「規制のサンドボックス」との違い

プロジェクト型「規制のサンドボックス」とは、現行規制が原因で新たなビジネスモデルを適用できない場合に、実証データをもとに規制の見直しを提言できる制度です。

グレーゾーン解消制度は、あくまで現行規制から見た新規事業の実現可能性を検証するための制度です。そのため、制度を利用しても、現行規制が厳格で新たなビジネスモデルを適用できないこともあります。

プロジェクト型「規制のサンドボックス」では、まず事業スキームに沿って実証実験を行います。実験で得られたデータが主務大臣の認定をクリアすれば、現行規制の見直しを低減できる仕組みです。そのため、規制の枠組みを超えて新規事業をスタートできる可能性があります

新事業特例制度との違い

新事業特例制度とは、現行規制の特例措置を設けて新規事業を始められる制度です。プロジェクト型「規制のサンドボックス」と同様、現行規制が原因で新規事業の推進が困難なケースに活用されます。

特例措置を受けるには、安全性確保策といった代替措置を検討しなければなりません。新事業活動計画に規制の特例措置と代替措置に関する提案を盛り込み、主務大臣に認められることで例外的に新規事業をスタートできます。特例付きで開始した新規事業の成果が出れば、規制の撤廃や緩和につながることもあります。

グレーゾーン解消制度の申請方法

グレーゾーン解消制度を申請する流れは次のとおりです。

  1. 事前相談
  2. 照会書の作成・提出
  3. 所管省庁からの回答

1.事前相談

政府官房にはグレーゾーン解消制度に関する政府一元窓口(新技術等社会実装推進チーム)が設置されており、書類を提出する前の事前相談が可能です。窓口では、新規事業の立ち上げや現行規制に関して、事業者の意向を伝えられます。また、必要な書類や申請プロセスについても説明してもらえるため、事前に相談しておくと後の流れがスムーズに進むでしょう。

2.照会書の作成・提出

次に、現行規制の解釈やビジネスモデルの適用に関する照会書を作成します。照会書には、新規事業の全体像や計画、開始時期、確認したい法令の条項、制度利用にあたって確認したい事項などを記載します。

フォーマットは「新事業活動に関する規制について規定する法律及び法律に基づく命令の規定に係る照会書(様式第九)」を用いなければならないため、経済産業省のホームページからテンプレートのダウンロードやサンプルの参照をしましょう。

照会書の作成後は事業所管省庁に書類を提出します。

3.所管省庁からの回答

グレーゾーン解消制度の書類提出後は、事業所管省庁から回答が送られるのを待ちます。

主務大臣は照会を受けた後、書類の内容を精査して、計画中のビジネスモデルが規制対象に含まれているかを判断します。回答期限は書類申請後1か月以内です。回答までに1か月以上の期間が空く場合、主務大臣は事業者に正当な事由を説明しなければなりません。回答が遅いと感じる場合は、事業所管省庁に問い合わせすると良いでしょう。

精査が完了すれば事業者宛てに回答が届きます。また、事業者側が同意した場合のみ、経済産業省のホームページで照会書の内容と回答が公開されます。

グレーゾーン解消制度の役割・メリット

グレーゾーン解消制度には次のような役割があります。

  • 法令の迅速かつ的確な確認
  • 所管大臣からの指示による心理的負担の軽減

両社はグレーゾーン解消制度を利用する事業者のメリットでもあります。あらかじめ役割を押さえたうで、制度の利点を最大限に活かしましょう。

法令の迅速かつ的確な確認

現行規制に関する法令を迅速かつ的確に確認できるのが、グレーゾーン解消制度のメリットです。

新規事業を開始するには、さまざまな法令を確認しなければなりません。たとえば、シェアリングエコノミーがテーマであれば、次のような法令が該当します。

  • 旅館業法
  • 旅行業法
  • 道路運送法
  • 貸金業法 など

このような法令を一つひとつ確認し、規制対象の範囲を検討するのは、スピードが重視される現代のビジネスでは時間的に無理があるでしょう。

グレーゾーン解消制度であれば、主務大臣への照会によって新たなビジネスモデルが規制の枠組みにおさまるか否かがすぐに判断できます。原則として1か月以内に回答を得られるため、ビジネスのスピード感を損ねずに済むのが利点です。

所管大臣からの指示による心理的負担の軽減

新規事業をスタートする際の心理的負担を軽減できるのもメリットです。グレーゾーン解消制度では、規制対象の範囲だけでなく、現行規制における新規事業の問題点や事業計画の見直しなどについて、アドバイスを得られることもあります。

現行規制に対する理解が不足している状態で新規事業に取り組み始めると、法律違反の指摘を受ける可能性があります。結果、方針転換によってビジネスモデルの新規性が損なわれたり、事業そのものがなくなって投資資金が無駄になったりと、さまざまなトラブルに発展しかねません。

新規事業に取り組む際に少しでも不安要素があれば、事前に相談することで安心感を得られるでしょう。

グレーゾーン解消制度を利用する際の注意点

グレーゾーン解消制度を利用する際に注意すべきなのは、回答までに時間がかかる可能性があることです。申請から回答までの期間は原則1か月以内ですが、場合によっては期限を越えることも考えられます。とくに、前例が少ない、かつ新規性の高いビジネスモデルほど、回答までに長い時間がかかりやすいといえます。

そのため、制度の活用を前提に新規事業をスタートする際は、なるべく早めに申請を行いましょう。また、回答期間が長期化するリスクを踏まえ、余裕のある計画を組むことも大切です。

グレーゾーン解消制度の活用事例

グレーゾーン解消制度は2014年1月から創設され、いまでは幅広い事業者の間で活用が進んでいます。過去の事例を参考に制度を最大限に活用しましょう。

参考:経済産業省「グレーゾーン解消制度の活用事例」(2025年1月17日閲覧)

AIによるインフルエンザ判定サービス

アイリス株式会社は、AIによるインフルエンザ判定サービスの事業を立ち上げるために、グレーゾーン解消制度を活用しました。

AIによるインフルエンザ判定サービスが実現すると、医師が常駐しない介護施設や訪問介護などにおいて、検体採取なしにインフルエンザの判定が可能になります。これにより医療施設での生産性向上や、タスクシフティングの促進などが期待できます。

しかし、新規事業を展開するためには、医師法の第十七条と保健師助産師看護師法の第三十七条に違反しないことが条件です。本照会に対して主務大臣は、「医師の指示のもとで看護師や准看護師が実施する限り、医師法や保健師助産師看護師法に違反しない」と回答しています。

電子契約システム

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社は、電子契約システムの提供にあたりグレーゾーン解消制度を活用しました。

電子契約システムとは、契約書の作成から署名、送受信までの作業をオンライン上で完結できるツールです。電子署名タイムスタンプなどの機能により、電子文書で契約を締結できます。

制度を利用する際に問題となったのが、同社のシステムに搭載されている電子署名が「契約事務取扱規則の第二十八条第三項に、デジタル上で契約を結ぶ仕組みが同規則の第二十八条第二項に違反していないか」という点です。これに対して主務大臣は、「同システムの電子署名が書面契約の記名押印の代用だとして、それぞれの規則に該当するもの」として認めています。

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グレーゾーン解消制度を活用して新規事業のリスクを抑えよう

新規事業を立ち上げる際は、ビジネスモデルの新規性が高いほど現行規制に反するリスクがあります。規制の枠を超えて事業を展開した場合、規制当局からの罰則を受ける可能性があるため、グレーゾーン解消制度を活用して事前にリスクを見極めることが重要です。

ただし、申請から回答までに時間がかかる可能性があります。そのため、回答が遅れても事業推進に支障をきたさないよう、余裕のあるスケジュールを組むことが大切です。メリットや注意点を押さえたうえで、グレーゾーン解消制度を最大限に活用しましょう。

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