心理的安全性とは?高い職場・チームの作り方や方法、運用のポイント
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- 心理的安全性とは
- 心理的安全性が注目されたきっかけ
- 企業による心理的安全性の導入
- リモートワーク環境における心理的安全性の重要性
- 「ぬるま湯組織」との違い
- 心理的安全性と多様性の関係性
- 多様性を活かすための心理的安全性の重要性
- 心理的安全性とメンタルヘルスの関連
- 心理的安全性が低い人に起きる4つの不安
- 無知だと思われる不安
- 無能だと思われる不安
- 邪魔していると思われる不安
- ネガティブだと思われる不安
- 心理的安全性が低い職場の特徴
- メンバー同士のコミュニケーションが少ない
- 失敗を恐れる雰囲気がある
- サイロ化が進んでいる
- メンバーのストレスが高い
- 建設的な議論が行われない
- ミスを隠す傾向がある
- 離職率が高い
- 心理的安全性を測定する方法
- エドモンドソン氏の提唱する質問項目を実施する
- アンケート調査
- インタビューや観察
- 心理的安全性を高めるメリット
- メンバーのパフォーマンスの向上
- 改善・改革が進みやすくなる
- 人材の流出防止
- 組織の学習能力の向上
- 組織の評判とブランド価値の向上
- 心理的安全性を高めすぎることのデメリット
- 建設的な緊張感の喪失につながる
- 個人の責任感が低下してしまう
- 非現実的な期待が増えてしまう
- 心理的安全性を高める具体的な方法
- チーム内での情報共有を徹底する
- 互いに認めあう価値観を共有する
- 風通しの良い組織作りを工夫する
- ピアボーナス®を導入する
- おすすめのピアボーナス®ツール
- Unipos
- 1on1改善ツール
- ラフールサーベイ
- HRBrain
- 心理的安全性を高めるリーダーシップのあり方
- 傾聴と共感のスキルを磨く
- 自分の弱さも見せ謙虚な姿勢を貫く
- 公平性と包括性を重視する
- 権限委譲と自律性を促進する
- 心理的安全性を高めて生産性の高いチームを作ろう
- BOXILとは
心理的安全性とは
ビジネスにおける心理的安全性とは、組織の中で自分の考えや気持ちを安心して発言できる状態のことです。簡単に言い換えると、「安心して自分らしく働ける環境」とも表現できます。もともとは心理学において用いられていた用語で、英語の「サイコロジカルセーフティ(psychological safety)」を和訳した単語です。
ハーバード大学で組織行動学を研究するエドモンドソンが提唱した概念で、もともとは自分に対する他者の反応を過度に恐れ、羞恥心を抱くことなく、自然体の自分で振る舞える環境のことを指します。
次第にビジネスの現場でも使われるようになり、自分の能力を十分に発揮して自分らしく働ける場のことを指すようになりました。具体的には、従業員一人ひとりが所属する組織に対して引け目を感じたり、周囲の目を気にしすぎたりせず、リラックスした状態で自分の能力を発揮できる状態のことといえます。
心理的安全性が注目されたきっかけ
もともと心理学の世界で使われていた用語がビジネスシーンで注目されるようになった背景には、Googlで実施した調査にあります。
同社は2012年から数年かけて「プロジェクトアリストテレス」と呼ばれる、組織の生産性を高め、働きやすい環境を作るための調査を行ってきました。
結果として、生産性が高くマネジメントの行き届いた組織は、心理的安全性が高いと結論が出たことで、ビジネスの世界でも心理的安全性が大きな注目を集めるようになりました。
企業による心理的安全性の導入
Googleの調査によって、組織の生産性に心理的安全性が大きく関わっていることも明らかになり、多くの企業が「優秀な人材を集める」ことから「どのようにチーム作りをするか」といった観点に重点をおくようシフトチェンジしています。
「このチームならば受け入れてもらえる」と信じられるかどうかが、メンバーの生産性に大きく関わってきます。そのため、多くの先進的な企業では、組織内の心理的安全性をどう高めるのか試行錯誤をしており、1on1ミーティングやピアボーナス®などの施策を導入しはじめているのが現状です。
※「ピアボーナス®」はUnipos株式会社の商標です。商標権者から使用許諾を得ています。
リモートワーク環境における心理的安全性の重要性
リモートワークが普及する中、心理的安全性の重要性はさらに高まっています。
オフィスで対面のコミュニケーションができない分、メンバー同士の信頼関係を築きにくく、相手の反応を見ながら意見を述べることが難しくなります。また、孤立感を感じやすく、些細な行き違いから人間関係の悩みが生じるケースも少なくありません。
このような状況下では、メンバーの一人ひとりが安心して意見を述べられるようサポートすることが不可欠です。リモート環境だからこそ、リーダーは意識的にコミュニケーションの機会を設け、メンバーの発言を丁寧に拾い上げる必要があります。
「ぬるま湯組織」との違い
心理的安全性が高い組織と、いわゆる「ぬるま湯組織」には大きな違いがあります。
ぬるま湯組織とは、互いに干渉せず、問題があっても指摘しない、まさに「ぬるま湯」のように緊張感のない状態を指す用語です。
一方、心理的安全性が高い組織では、メンバー同士が信頼関係を築き、建設的な意見交換を活発に行います。
つまり、心理的安全性が高いからといって、甘えや怠慢を許容するわけではありません。むしろ、互いを尊重しながらも、高い目標に向かって切磋琢磨しあえる環境が、真の心理的安全性が確保された状態といえます。
心理的安全性と多様性の関係性
心理的安全性と多様性は密接に関連しています。多様性が高い組織、つまり、さまざまなバックグラウンドや価値観をもつメンバーで構成された組織において、心理的安全性が確保されていることはとくに重要です。
多様性があるからこそ、異なる意見や視点が出てくる可能性も高くなります。しかし、心理的安全性が低い環境では、マイノリティや少数派の意見が表明されにくくなりかねません。
逆に、心理的安全性が高い組織では、すべてのメンバーが安心して意見を述べられるため、多様性がもたらす創造性やイノベーションの力を最大限に引き出せるようになります。
多様性を活かすための心理的安全性の重要性
多様性を活かすためには、単に多様なメンバーを集めるだけでは不十分です。多様なバックグラウンドをもつメンバーの一人ひとりが、意見を自由に表明できる心理的安全性が確保されていなければ、多様性が活きません。
リーダーは、メンバー全員が安心して発言できる環境を整え、多様な意見が尊重される状況を示すことが求められます。そうすることで、多様性がもたらすさまざまな視点や発想を組織の強みとして活かせます。
心理的安全性とメンタルヘルスの関連
心理的安全性とメンタルヘルスも深く関わっていることは覚えておきましょう。心理的安全性が低い環境では、メンバーはストレスを感じやすく、メンタルヘルスを害するリスクが高くなります。
意見をいえない、ミスを恐れてチャレンジができない状況が続くと、仕事に対するモチベーションが下がるだけでなく、不安やストレスが蓄積していきます。
一方、心理的安全性が高い環境ではメンバーが意見を自由に表明でき、失敗を恐れずにチャレンジできるため、ストレスが軽減されメンタルヘルスの維持が可能です。
組織は、メンバーのメンタルヘルスを守るためにも、心理的安全性の確保に努める必要があります。
心理的安全性が低い人に起きる4つの不安
心理的安全性が不足した場合、メンバーは次の4つの不安を感じるようになるといわれています。
無知だと思われる不安
業務でわからないことを聞くとき、「こんなこともわからないのか」と思われるのではと不安になり、質問できない状態になることです。メンバーとコミュニケーションが取りにくくなり、業務に支障をきたす原因になりえます。
この不安から、知識不足を隠そうとする行動につながることもあります。しかし、質問を控えることで、業務上の重要な情報を見落とすリスクが高まるかもしれません。
組織としては、「質問することは恥ずかしくない」といった文化を醸成し、メンバーが安心して質問できる環境を整えることが重要です。
無能だと思われる不安
業務で失敗したとき、「こんなこともできないのか」と思われるのではないかと不安になることです。ミスを隠したり、間違いを認められなかったりする原因になります。
この不安から、失敗を恐れてチャレンジを避ける行動につながることもあります。しかし、失敗から学ぶことは成長するためにも欠かせない経験です。
組織としては、失敗を許容する文化の醸成によって、メンバーが安心して新しいことにチャレンジできる環境を整えることが重要です。
邪魔していると思われる不安
発言によって「あの人はいつも議論を邪魔してくる」と思われないか不安に駆られることを指します。みずから発言をしなくなり、新しいアイデアを提案しなくなります。
この不安から、会議では発言を控えめにする、意見をいわないようにするなどの行動につながるかもしれません。しかし、多様な意見やアイデアは、イノベーションを生み出す源泉です。
組織としては、すべてのメンバーの発言が尊重される文化を醸成し、自由に意見できる環境を整えることが重要です。
ネガティブだと思われる不安
「意見を否定する」「消極的だ」と思われないか不安に駆られることを指します。意見がいえない状態になり、常に自分を隠す苦しい状態になります。
この不安から、建設的な意見であっても、否定的なフィードバックを控えるようになるかもしれません。しかし、建設的な意見は組織の成長につながります。
組織としては、建設的な意見が歓迎される文化を醸成し、メンバーが安心して意見できる環境を整えることが重要です。
心理的安全性が低い職場の特徴
心理的安全性が低い職場には、いくつかの特徴的な傾向が見られます。主な特徴として挙げられるのは、次のとおりです。
メンバー同士のコミュニケーションが少ない
心理的安全性が低い職場では、メンバー同士のコミュニケーションが少ない傾向にあります。会議では特定の人が発言を独占し、他のメンバーは沈黙しがちです。
また、メールやチャットでのやり取りが多く、対面でのコミュニケーションが不足しています。このような状況では、メンバー間の信頼関係が築きにくく、協力体制が取りづらくなりかねません。
さらに、他者からのフィードバックを受け入れることも難しくなるため、成長機会も限られてしまいます。
失敗を恐れる雰囲気がある
心理的安全性が低い職場では、失敗を恐れる雰囲気があり、新しいことにチャレンジしづらい環境であることも特徴です。メンバーは、ミスが責められることを恐れ、リスクを避けがちです。
また、管理職が権威的で、部下の意見を聞く姿勢に乏しいこともあります。さらに、ミスした部下を厳しく叱責する傾向もあります。
このような状態では、上司の評価を過度に気にするあまり、意見をいえない、いわない状況も見られがちです。
サイロ化が進んでいる
心理的安全性が低い職場では、部署間の連携が不足し、サイロ化が進んでいることも特徴です。情報共有が滞り、業務の非効率化や、ミスの発生にもつながりかねません。
サイロ化が進むと、組織全体の目標に向かって一丸となることが難しくなります。
メンバーのストレスが高い
心理的安全性が低い職場では、メンバーのストレスが高くなる傾向にあります。意見をいえない、失敗が許されないなどの状況が続くと、メンバーは常に不安を抱えながら働くことになりかねません。
また、上司からの評価を過度に気にするあまり、本来の力を発揮できなくなることもあります。高ストレスの環境では、メンタルヘルスの問題も生じやすくなるでしょう。
建設的な議論が行われない
心理的安全性が低い職場では、建設的な議論が行われにくい傾向もあります。メンバーが意見を自由に述べられない環境では、多様な視点からの意見交換が行われず、良い意思決定ができません。
また、議論を避けるために、重要な問題が先送りされることも往々にしてあります。
ミスを隠す傾向がある
心理的安全性が低い職場では、メンバーがミスを隠しがちです。失敗を恐れる雰囲気の中では、メンバーはミスの報告を躊躇します。
ミスが表面化しないことで、問題の早期発見・解決が難しくなり、大きな問題に発展するリスクがあります。
離職率が高い
心理的安全性が低い職場では、メンバーの離職率が高くなりがちです。ストレスが高く、意見をいえない環境では、メンバーの仕事に対する満足度が低下し、離職につながりやすくなります。
優秀な人材の流出は、組織における競争力の低下を招く可能性があるでしょう。
心理的安全性を測定する方法
心理的安全性を高めるためには、まずは現状を正確に把握することが重要です。
「心理的安全性」の概念を提唱したエドモンドソン氏は、「チームの心理的安全性」を「対人関係においてリスクのある行動をしてもこのチームでは安全であるとする、チームメンバーによって共有された考え」と定義しています。
次に、エドモンドソン氏の提唱する心理的安全性の測定方法を中心に、代表的な方法をいくつか紹介します。組織の特性や目的にあわせて、適切な方法を選択しましょう。
エドモンドソン氏の提唱する質問項目を実施する
エドモンドソン氏は、チームの心理的安全性のレベルを測定するために、次のような質問項目※をチームメンバーに尋ねることを提案しています。
- チームの中でミスをすると、たいてい非難される。
- チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える。
- チームのメンバーは、自分と異なるということを理由に他者を拒絶することがある。
- チームに対してリスクのある行動をしても安全である。
- チームの他のメンバーに助けを求めることは難しい。
- チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない。
- チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる。
※出典:Google「Google re:Work - ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る」(2025年5月30日閲覧)
これらの質問に対するメンバーの回答を分析することで、チームの心理的安全性の現状を把握できます。
アンケート調査
エドモンドソン氏の質問項目を含めた、より広範なアンケート調査を実施することも有効です。心理的安全性に関する多様な質問を行い、回答を分析することで、チームの状況をより多角的に理解できます。
アンケートの結果を数値化し、定期的に実施することで、施策効果の測定も可能です。
インタビューや観察
アンケートやインタビューに加えて、メンバーの行動や言動を直接観察することも重要です。
会議での発言の活発さ、メンバー同士のコミュニケーションの頻度、失敗に対する反応などを観察することで、アンケートでは得られない、実際の行動レベルでの情報を得られます。
心理的安全性を高めるメリット
心理的安全性を高めることで得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
メンバーのパフォーマンスの向上
チーム内の心理的安全性は、一人ひとりの仕事のパフォーマンスに大きく影響します。
たとえ仕事でミスをしてしまっても、チームメンバーからの励ましや協力があるとわかっていれば、過度な緊張や不安にならずにリラックスして仕事に集中できます。また、どのような行動をしても周りに否定される心配はないと信じられれば、羞恥心や恐怖を感じずに本来の力を発揮可能です。
改善・改革が進みやすくなる
ミスや常識に囚われない挑戦をしても許容される環境により、チーム内でチャレンジ精神が醸成され、改善や改革、イノベーションが進みやすくなる点も大きなメリットといえます。
つまり、組織のメンバーが「こんなことをいって(こんなことにチャレンジして)も大丈夫だろうか?」といった不安をもたずに、さまざまなことにチャレンジできる職場環境になるため、革新的なチームを構築できます。
人材の流出防止
心理的安全性の高い組織はメンバー同士が尊重しあい、高いレベルで協力できる体制にあるため、一人ひとりが強みや特性を発揮しやすくなるのもメリットです。
そのため、自己重要感が高まり、仕事で幸福感や達成感をもてることから、おのずと組織で長く働きたいと思うようになります。とくチームの成績に大きく貢献している優秀な人材は、それだけ自己重要感を感じる機会が多くなるので、そういった人材の離職防止策としても非常に有効です。
組織の学習能力の向上
心理的安全性が高い組織では、メンバーが失敗から学ぶことを恐れません。失敗を隠すのではなく、オープンに共有し、そこから学びを得られます。
また、メンバー同士が積極的にフィードバックを交換しあうことで、個人だけでなく組織全体の学習能力が向上します。学習能力の高い組織は、変化に素早く適応し、困難な課題にも効果的に対処可能です。
組織の評判とブランド価値の向上
心理的安全性の高い組織は、メンバーにとって働きやすい環境であるだけでなく、外部からも魅力的に映ります。メンバーが生き生きと働き、革新的な成果を生み出す組織は、優秀な人材を惹きつけ、顧客や社会からの信頼を獲得しやすくなります。
また、心理的安全性の高さは、「企業の社会的責任(CSR)」の一部としても捉えられる要素です。メンバーのウェルビーイングを大切にし、多様性を尊重する組織は、ステークホルダーから好意的に評価されます。
心理的安全性を高めることは、組織の評判とブランド価値を向上させ、長期的な成功につなげるための重要な戦略です。
心理的安全性を高めすぎることのデメリット
心理的安全性を高めることは、組織にとって多くのメリットをもたらす一方で、デメリットも存在します。次に、心理的安全性を過剰に高めすぎることで生じる可能性のあるデメリットを紹介します。
建設的な緊張感の喪失につながる
心理的安全性が過度に高まると、メンバー間の建設的な緊張感が失われるかもしれません。
ある程度の緊張感は、メンバーのモチベーションを維持し、高いパフォーマンスを発揮するために必要な要素です。しかし、心理的安全性が行きすぎると、メンバーが役割や責任を軽視したり、締め切りや目標に対して緩慢になったりするかもしれません。
また、かえって建設的な議論や健全な競争が少なくなり、組織の活力が損なわれる恐れもあります。心理的安全性を高めながらも、適度な緊張感を維持することが求められます。
個人の責任感が低下してしまう
心理的安全性が高すぎる環境では、メンバーの個人的な責任感が低下するかもしれません。失敗が許容され、常に支援が得られる状況では、メンバーが行動に対する責任を軽視しがちです。
たしかに心理的安全性が高い環境では、メンバーが安心して意見表明できることを重要視していますが、これを「何をしても許される」といった甘えと混同してはなりません。ミスを許容することと、ミスからの学びを怠ることは別物です。
結果として、不十分な準備やリスクの高い意思決定が増加し、組織のパフォーマンスの低下を招く可能性があります。また、メンバーが常に他者に依存し、自立性を失ってしまうことも懸念されます。
心理的安全性を確保しつつ、メンバーの自律性と責任感を育むことが重要です。
非現実的な期待が増えてしまう
心理的安全性が高い組織では、メンバーが非現実的な期待を抱くリスクがあります。失敗が許容され、新しいアイデアが奨励される環境では、メンバーが現実的な制約を見落とし、実現不可能な目標を追求しがちです。
このような状況になると、組織のリソースが非効率的に使用され、本来優先すべき課題が後回しにされる可能性もあります。また、非現実的な期待が満たされない場合、メンバーのモチベーションが大きく低下するかもしれません。
心理的安全性を維持しながら、現実的な目標設定とリソース管理を行うことが求められます。
心理的安全性を高める具体的な方法
続いて、心理的安全性を高める具体的なコツやポイントについて解説します。
チーム内での情報共有を徹底する
心理的安全性の高い組織は、チーム内での情報共有を盛んに行っている点が特徴です。メンバーに情報が行き渡っていると、意見やアイデアの発案や交換のハードルが低くなり、挑戦的な施策も打ち出しやすくなります。
逆にチームで共有する情報量に差があったり、そもそも情報共有があまりされなかったりするとコミュニケーションは活発になりません。そのため、まずは情報共有を徹底して、誰もが同じ俎上で発言できる環境を整えることが重要です。
互いに認めあう価値観を共有する
自由に発言しあえる環境を作るためには、前提として互いに「認めあう」「尊重しあう」価値観の共有が欠かせません。
たとえば、何かを発言しても否定されることはないとメンバーの一人ひとりが安心できれば、個人がもつ強みやポテンシャルを最大限発揮しながら行動できるようになります。
結果として、組織の安定的な成長に寄与する施策を実行できるようになります。
風通しの良い組織作りを工夫する
日本ではピラミッド型の組織が多く、どうしても上の立場の人に意見するのが憚られる環境になりがちです。そのため、まず上司(管理者)の方から積極的に組織の風通しを良くするための努力や工夫をする必要があります。
組織の管理者(マネージャー)と従業員が一定期間ごとに個人的なミーティングの場を設け、日々の業務で良かった点や、個人的な目標の達成を妨げている問題などについて話しあうことが効果的です。
たとえば、働き方や今後のキャリアについて意見の交換を行う「1on1ミーティング」を行うと、プライベートな問題についても上司と話しあいやすくなり、心理的安全性が高まります。
ピアボーナス®を導入する
組織の心理的安全性を高める有効な施策として注目されているのが「ピアボーナス®」です。
「ピアボーナス®」とは、チームメンバー同士が仕事の成果や貢献に応じて、感謝の言葉に加えて金銭的な報酬が含まれたボーナスを送りあう仕組みのことで、互いを認めあう環境作りの一環として、多くの企業で導入されはじめています。
上司からの目ではなかなか気づきにくい部分の貢献に対しても正しく評価できることから、組織の心理的安全性を高める施策としても有効です。
※「ピアボーナス®」はUnipos株式会社の商標です。商標権者から使用許諾を得ています。
おすすめのピアボーナス®ツール
それでは、心理的安全性を高めるために業種・業界を問わず広く受け入れられはじめている、ピアボーナス®を効率的に進めるためのツールを紹介します。
- 従業員エンゲージメント・働きがいを向上させる
- 人事の負担は最小限に、従業員の認め合いを促進できる
- 導入・運用・定着の徹底サポートで継続率は99%※超
ピアボーナス®「Unipos」は、従業員同士がオープンに感謝・賞賛の言葉を送りあえるシステムとして、メルカリ社のような大企業から、規模を問わず多くの企業にまで幅広く導入されているサービスです。
従業員がみずから使いたくなるプロダクト設計を強みとし、エンゲージメントや働きがいの向上に寄与します。他にも、部署・拠点を超えた連携強化・心理的安全性の醸成・行動指針の浸透など多くの経営課題にアプローチできることもあり、HR関連アワードを多数受賞しています。
※出典:Unipos「Unipos (ユニポス) | 心理的安全性を高め、挑戦できる風土をつくる ピアボーナス®︎のUnipos」(2024年5月30日閲覧)
※「ピアボーナス®」はUnipos株式会社の商標です。商標権者から使用許諾を得ています。
ピアボーナス®「Unipos」については次の記事でも詳しく紹介しているため、気になる方はぜひ見てみましょう。

また、その他のピアボーナス®ツールの詳細はこちらから資料をダウンロードできます。
1on1改善ツール
心理的安全性を構築するための方法として、ピアボーナス®のほかにも挙げられる代表例が1on1です。次に、1on1を改善するためのツールをいくつか紹介します。
- 1億5,000万の蓄積データ※を保持
- 豊富な分析項目による多角的分析
- 健康経営を通じて企業力を向上
ラフールサーベイは、組織課題の調査・分析・対策までをトータルサポートし、離職防止や生産性向上につなげられるサービスです。個人と組織を多角的に分析し、どの部署に課題があり、どのような対策をするべきなのか個別に報告・提案してくれます。
経営リスクを事前に回避することで、離職防止と組織の生産性向上、魅力的な企業ブランドの構築を可能にします。
※出典:ラフール「組織改善ツール |ラフールサーベイ」(2025年5月30日閲覧)
- 人事評価・目標管理における課題を解決
- ベンチャーから大企業まで広く導入可能
- 無料トライアルあり
HRBrainは、目標意識を高めて自発的に成長してもらいたい企業向けの人事評価・目標管理システムです。評価や目標をクラウド上で簡単に管理でき、常に目標を意識できる環境が整えられます。
OKR、MBO、1on1などさまざまなテンプレートを完備しており、各テンプレートを選ぶだけで一流企業と同じ目標管理の仕組みをすぐに導入できるのが特徴です。また、集計したデータは評価者別、スコア別など、さまざまな切り口で分析できます。これによって目標管理を円滑にし、適正な人事評価が可能になります。
1on1についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も見てみましょう。

その他の1on1ツールについては、こちらから資料をダウンロードできます。
心理的安全性を高めるリーダーシップのあり方
心理的安全性を高めるには、リーダーシップのあり方が重要な役割を果たします。リーダーやマネージャーとして心理的安全性を高めたい方は、次に紹介するリーダーシップのあり方を意識しましょう。
傾聴と共感のスキルを磨く
心理的安全性を高めるリーダーは、メンバーの意見や懸念に耳を傾け、共感する能力に長けています。メンバーが考えを自由に表現できるよう、オープンで受容的な態度を示すことが重要です。
リーダーは、メンバーの発言を最後まで聞き、背景にある感情や意図を理解しようと努めましょう。また、メンバーの貢献を認め、感謝の気持ちを伝えることも欠かせません。
傾聴と共感のスキルを磨くことで、メンバーとの信頼関係が深まり、心理的安全性が高まります。
自分の弱さも見せ謙虚な姿勢を貫く
心理的安全性を高めるリーダーは、自分自身の弱さを進んで示す勇気をもっています。完璧を装うのではなく、自分の失敗や弱点を率直に認め、それらから学ぶ姿勢を示すことが大切です。
リーダーが謙虚で誠実な振る舞いを見せることで、メンバーも自分の弱さを受け入れ、挑戦することへの恐れが減ります。また、リーダーから助けを求める姿勢が示されることで、メンバー同士の支え合いが促進されます。
弱さと謙虚さは、心理的安全性を高めるリーダーシップに不可欠な要素です。
公平性と包括性を重視する
心理的安全性を高めるリーダーは、公平性と包括性を重視します。すべてのメンバーに平等な機会を提供し、個人の多様性を尊重することが求められます。
リーダーは、アンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや偏見)に注意を払い、客観的な評価基準にもとづいて判断を下しましょう。また、マイノリティや多様な背景をもつメンバーが、グループの一員として受け入れられていると感じられるよう配慮することも重要です。
公平性と包括性を重視するリーダーシップは、メンバーの心理的安全性を高め、組織の結束力を強化します。
権限委譲と自律性を促進する
心理的安全性を高めるリーダーは、メンバーに権限を委譲し、自律性を促進します。メンバーが自分の判断で意思決定を行い、主体的に行動できる環境を整えることが重要です。
そのためには、リーダーがメンバーの能力を信頼し、挑戦を奨励する必要があります。また、失敗を許容し、学びが重視されるような姿勢を示すことも欠かせません。
権限委譲と自律性の促進は、メンバーの自信とオーナーシップを高め、心理的安全性を向上させます。
心理的安全性を高めて生産性の高いチームを作ろう
近年、世界的な有名企業を中心に、各所で導入が進んでいる心理的安全性にもとづいた組織作りやメリットについて解説してきました。
従業員一人ひとりの生産性の向上を目指す企業としては、前提として優秀な人材を集めてチームを作るのも重要です。しかし、それ以上に心理的安全性が担保されたチームをいかに作るかが、今後ますます重要となります。
また、従業員一人ひとりの強みを理解して活かせる職場環境を整えることが、パフォーマンス向上の鍵であると考えられるようになり、従業員同士が互いに認めあい、称賛しあえる組織作りが欠かせない時代になってきています。
本記事で紹介したピアボーナス®や1on1の導入などは組織作りの一環として有効なので、ぜひ導入して従業員が働きやすい環境作りに努めましょう。
※「ピアボーナス®」はUnipos株式会社の商標です。商標権者から使用許諾を得ています。
BOXILとは
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