CRMはなぜ必要?必要性を検討するための判断基準も

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CRMとは
CRMとは、「Customer Relationship Management(カスタマー リレーションシップ マネジメント)」の略で、顧客管理のことを指します。
近年は顧客がインターネット・SNSなどに触れる機会が増え、さまざまな情報を得るようになりました。そのため、顧客管理によって一人ひとりにあった対応を行うことが、企業活動を行ううえで重要と考えられるようになりました。
CRMに注目が集まる背景
新規集客よりリピート対策の重要性が増している
マーケティング・セールスにおいては、新規集客よりもリピート対策の重要性が増加しています。
人口の頭打ちや少子高齢化により市場規模が頭打ちになりつつあるうえに、消費者が自身で情報を手軽に得られる時代に変化したことで、新規顧客獲得が年々難しくなっています。そのため新規集客よりも既存顧客からのリピート獲得を狙った方が、コストをかけずに売り上げ拡大につなげられます。
リピート対策のためには顧客一人ひとりに合わせたマーケティング活動が必要であり、そのためには正確な顧客管理がまず必要です。
根拠ある営業・経営を実行するため
顧客管理を行うと、根拠づけて営業・経営が行えるようになり、確実性・再現性が期待できます。
再現性の高い営業・経営を実行するためには、誰に何を販売するのかを明確にしなければなりません。顧客管理を行えば「誰に」の部分は明確ですし、購買履歴や顧客プロフィールからどのような商品が販売できるかの予想もできます。また、CRMを通じてどのような施策が有効だったのかもあとから振り返ることも簡単です。
新規集客に依存したビジネスモデルは顧客獲得コストにばらつきがあるうえに、どの商品がヒットするか読みにくいといったように不確定要素が多くなるデメリットも克服できるでしょう。
事業活動を効率化するため
顧客管理を行えば、次のような効果が期待できます。
- リピートの方が新規獲得よりも効率的に売上が創出できる
- 顧客に依頼して商品のモニタリングを実施できる
- アンバサダーマーケティングによってサービスの認知度を高められる
顧客を深く理解し、協力してもらうことでこれらのようなマーケティング施策が可能となります。結果として、新規顧客の開拓と比較して事業活動の効率化にもつながります。
システムが安価になり導入しやすくなった
経営において顧客管理の必要性は年々増加しています。昔は顧客管理を行うためにシステムを開発するにも費用がかかり、紙の台帳では十分な顧客分析ができないので一部企業でしか取り組めませんでした。
しかし、近年はコンピューターの処理速度の向上、安価な顧客管理のためのシステムも開発されているため、事業規模に問わずにさまざまな企業が顧客管理に取り組める環境が整っています。
CRMでの顧客管理が必要になるケース
簡単な顧客管理であればエクセル・スプレッドシートを活用した顧客管理も可能です。しかし、次のようなケースではCRMの導入を検討するべきです。CRMを導入することにより、エクセル・スプレッドシートでは実現できない効率的な顧客管理が可能になります。
- エクセル・スプレッドシートの限界
- One to Oneマーケティングを実現したい
- 大量の顧客データを管理しなければならない
- リモートワーク可能な営業体制を構築したい
エクセル・スプレッドシートの限界
エクセル・スプレッドシートによる顧客管理には、限界があります。
エクセルもスプレッドシートも顧客管理のためのシステムではないので、複雑な顧客管理には対応できません。また、スマートフォンやタブレットでの操作性や情報漏えい防止のためのセキュリティ機能などもCRMには劣ります。
顧客管理を本格的に実施して、データを分析することにより効率的なマーケティング活動を行いたい場合はCRMの導入を検討してください。

One to Oneマーケティングを実現したい
CRMはMA(マーケティングオートメーション)ツールと呼ばれるシステムと連携できることが多いです。
MAツールとはユーザーのWebサイトでの行動、販売履歴などのさまざまな情報をシステムが自動的に取得し、統合的にデータを管理・分析して顧客一人ひとりに適したマーケティング活動が可能になるツールです。
MAツールを導入してOne to Oneマーケティングを実施しようと考えているのであれば、CRMの導入が前提として必要になります。

大量の顧客データを管理しなければならない
大量の顧客データやさまざまなパラメーターを管理する場合は、CRMを導入すべきです。
紙の顧客台帳は見返し、分析するのに大量の時間が必要になりますし、エクセル・スプレッドシートで管理しても顧客データが増えるほど動作が重くなり、データの管理や共有も難しくなります。
CRMは顧客管理のために最適化されているため、大量の顧客データを管理している場合でも快適な動作環境で顧客情報のチェックや分析が可能です。
リモートワーク可能な営業体制を構築したい
リモートワーク可能な営業体制を構築しようとすればCRMを導入した方が業務効率は高く、セキュリティ面でも安全です。
紙の顧客台帳を持ち歩くのは大変かつ情報流出の危険があり、エクセルやスプレッドシートはユーザーインターフェースの都合上、スマートフォンやタブレットでは顧客管理をしづらい傾向にあります。
よって、リモートワーク体制を構築しようとしている場合は、CRMを導入した方がスムーズに進むでしょう。
CRMの必要性を検討するための判断基準
CRMの導入にあたっては、次の4つのポイントが重要です。それぞれのポイントについて詳しく説明します。
- エクセル・スプレッドシートの動作が重い
- SFA・MAなど他のツールと連携させて使用したい
- 権限管理・ログ監査などのセキュリティ機能が欲しい
- コストが許容範囲内である
エクセル・スプレッドシートの動作が重い
すでにエクセル・スプレッドシートで顧客管理は実施しているものの、動作が重くて情報の更新が反映されていないときがある、見落としが発生して業務に支障をきたしているといった場合はCRMへの切り替えが必要でしょう。
コストに関しても、多様なCRMが開発・提供されており無料やきわめて安価なシステムも存在するので、これらのシステムを利用すればコストを抑えて導入が可能です。

SFA・MAなど他のツールと連携させて使用したい
CRMはさまざまな部署・業務で活用する「顧客情報」を管理するため、他のツールと連携することにより会社全体の業務効率化に貢献します。
CRMと連携する代表的なツールは営業管理のためのSFAとマーケティングを効果的に行うためのMAツールです。CRM・MA・SFAを連携させることにより、新規顧客創出から育成、営業から契約完了までをシームレスに管理できます。
導入するCRMの仕様にもよりますが、その他にも請求書発行システム、受発注管理、電子契約など、さまざまなシステムと連携して業務を効率化できます。
権限管理・ログ監査などのセキュリティ機能がほしい
有料のCRMには情報セキュリティのISOを取得したり、プライバシーマークを取得していたりと厳格なセキュリティ管理がされていることがほとんどです。
また、顧客データを扱う性質上、これらのセキュリティ機能も搭載しているサービスがあります。
- ログイン時の二段階認証
- 情報へのアクセス権限の設定
- データの暗号化
- ログ監査により、どの情報に誰がアクセスしたか管理者が調べられる機能
情報管理について業界ルールや社内ガイドラインが存在する場合は、その基準に適合したCRMなのかを確認してください。
有料で機能もしっかりしているおすすめCRMはこちらの記事で紹介しています。

導入の必要性が高まるCRM
CRM導入コストが安価であること、既存顧客の情報を活かしたセールス・マーケティングの必要性が増していることもあり、CRMを導入する企業が増えています。
単純な顧客管理であればエクセル・スプレッドシートでも対応可能ですが、大量のデータを取り扱いたい、厳格なセキュリティ基準が存在する、他システムとの連携したい、本格的な顧客情報の管理・活用が必要といった場合はCRMの導入も検討してください。

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