CRMとカスタマーサクセスの違いとは?取り入れるべき理由やメリットを紹介
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CRMとカスタマーサクセス(CS)の違いとは?
CRMとカスタマーサクセス(CS)は、マーケティングの手法と顧客を成功させるための取り組みという点で違います。
CRMとは「Customer Relationship Management」の頭文字を取った略語で、日本語では顧客関係管理と訳されることが多いです。CRMマーケティングは一度顧客となった相手に対して良好な関係を構築し、構築した関係性から継続して利益をあげられるようにします。
一方で、CSとは「Customer Success」の頭文字を取った略語で、日本語ではそのままカスタマーサクセスと呼ばれることが多いです。カスタマーサクセスとは、サービスを利用した顧客が目的を達成し成功することをサポートする業務やその業務を行う人を指します。
CRMやカスタマーサクセスが注目される理由
CRMやカスタマーサクセスなど、顧客との関係性の中で企業活動を行うことに近年注目が集まっている理由は次のとおりです。
- 顧客満足度や継続率向上
- LTV向上
- 業務効率化
- 新規売上拡大
- 新規市場開拓
それぞれの理由について、詳しく説明します。
顧客満足度や継続率向上
顧客満足度や継続率などの指標をより高い状態で維持することが重要だという認識が多くの企業に広がったために、顧客との関わりの中で行われるCRMやカスタマーサクセスなどの企業活動も重要視されるようになっています。
昨今のビジネスではサブスクリプションモデル(継続利用型)でサービスを提供する企業が増えています。このようなサブスクサービスで重要とされる指標は顧客満足度や継続率です。
顧客満足度や継続率が向上すればLTVが向上するため、事業収益を大きく向上させられるでしょう。よって、獲得した顧客の商品やサービスへの満足度を高め、サービスを長期間利用してもらうための手法としてCRMやカスタマーサクセスが注目されています。
LTV向上
顧客満足度や継続率が向上すればLTVが向上します。LTVはサブスクサービスにおいて非常に重要な収益の指標であるため、このLTVを向上させるためにカスタマーサクセスやCRMは重要とされています。
そもそもLTVとは「Life Time Value」の頭文字を取ったもので、日本語では顧客生涯価値と訳されるものです。ある顧客がサービス開始から契約終了までどれほどの利益をもたらしたかを計算するための指標です。
このLTVを高水準で維持できればサブスクサービスによる収益構造は安定するため、LTVの向上を狙えるCRMやカスタマーサクセスは今や多くの企業が力を入れる施策となっています。
業務効率化
CRMやカスタマーサクセスは業務効率化にも役立ちます。たとえば、新規顧客を獲得する労力と既存顧客を維持する労力を表す言葉として「1:5の法則」といわれるものがあります。1:5の法則とは「新規顧客獲得には既存顧客の維持と比べると5倍の労力がかかる」とされる法則です。
新規顧客の獲得にはこれほどの労力がかかるため、多くの企業で既存顧客との関係の見直しが行われ、その中でCRMやカスタマーサクセスの施策が多く取り入れられています。
新規売上拡大
CRMやカスタマーサクセスに成功すると既存顧客に新規サービスの導入をしてもらうクロスセルや、より高単価のプランに入ってもらうアップセルで新しく売上を創出できます。
完全に新規の顧客を見つけて新しい契約をしてもらうよりも、相手の状況がわかっている既存顧客に対して抱えている課題を解決できるサービスを提供することで、新規売上も立ちやすいでしょう。
新規市場開拓
新規市場を開拓する際にも、CRMやカスタマーサクセスで獲得した情報は役に立ちます。
新規市場を開拓するサービス開発を行う場合、やみくもに新しいサービスを立ち上げるのではなく既存顧客のデータをもとにサービス開発ができます。どのような企業がどのようなサービス導入を検討しているか、業種業態や事業規模によってどのようなニーズがあるかを分析してからサービス開発をすることで、新規事業の成功率を飛躍的に高められるでしょう。
CRMやカスタマーサクセスの施策の中で収集された生のマーケティングデータは非常に有益な情報です。その情報を活用して事業が成功する確率を少しでも高めてからサービス開発ができることは、CRMやカスタマーサクセス活動を行った企業ならではの優位性になります。
カスタマーサクセスの中でCRMシステムを使うメリット
カスタマーサクセスに力を入れる企業がCRMシステムを使うメリットは次のとおりです。
- 顧客管理が容易になる
- 顧客のニーズを汲み取りやすい
- タイミングを逃さずに顧客アプローチができる
- 数値による分析ができる
顧客管理が容易になる
CRMシステムを利用すると顧客管理が容易になります。顧客が少ないうちは手作業や表計算ソフトによる管理でも問題なく顧客管理ができるでしょう。しかし、顧客数が増えてくると手作業や表計算ソフトによる管理には限界があります。
そこで、CRMシステムを導入すれば顧客ごとの情報をシステムで一元管理でき、システムにアクセスできる状況なら顧客情報を任意のタイミングで確認可能です。顧客が多くなっても問題なく情報を一元管理できるため、情報の取りこぼしがなくCRMやカスタマーサクセスにおおいに役立つでしょう。
顧客のニーズを汲み取りやすい
CRMシステムにまとめられた情報を参照すれば、顧客のニーズを汲み取りやすいこともメリットです。CS部門が顧客のサポート対応で顧客からヒアリングした内容をCRMシステムに統合しておけば、営業は適切なタイミングで顧客ニーズに合わせた提案が可能です。
顧客ニーズがあるところにニーズを満たせるサービスを提案できる点、CS部門から営業担当に情報が引き継がれていることで顧客の満足度が向上する点などで、CRMシステムは価値を発揮しています。
数値による分析ができる
CSもCRMも顧客満足度が評価基準であるため、数値による判断が難しい施策です。しかし、CRMシステムを導入すれば、アップセル・クロスセルからの利益・継続率・LTV・解約率などをすべて数値で把握できます。数値で状況を把握できれば悪化しているポイントを見つけやすく、対策も打ちやすいためカスタマーサクセスやCRMの施策を改善しやすいでしょう。
CRMシステムからわかる数値にKPIを設定しておけば、設定したKPIを下回る顧客に重点的なサポートができます。また、解約されてしまった顧客の共通条件をあらかじめ分析して、条件に近い顧客のカバーをすることで解約を防止できる可能性も高められるでしょう。
このようにCRMシステムの分析機能を使えばLTV向上や解約率の低減も目指せます。
CRMをカスタマーサクセスへ活用しビジネスを成功させよう
顧客とのつながりの中で行うマーケティング手法であるCRMを活用すれば、顧客のビジネスやサービス利用目的を達成するためのカスタマーサクセス業務も成功させやすいでしょう。
CRMやカスタマーサクセスが成功すればビジネスに重要な指標であるLTVや顧客満足度、解約率などの改善を目指せます。これらの数値を分析したいときにはCRMシステムを活用することも有効な手段です。
CRMとカスタマーサクセスを上手に組み合わせてビジネスを成功に導きましょう。