CRMを活用したメールマーケティングとは?導入ポイントや効果

目次を開く
CRMを活用したメールマーケティングとは?
メールマーケティングは時代とともに進化しています。特に近年IT技術の進歩によってメールマーケティングでも個別性の高い顧客フォローが可能となりました。
たとえば、メルマガを活用して顧客をフォローする場合、全員に同じ文面を一斉に送信します。しかし、本質的には送信すべきメールは顧客一人ひとりによって異なるはずです。誕生日であれば、お祝いメールを送ったり、顧客の興味・関心が美容であれば新しい美容グッズを入荷した際にメールを送信したりと個別的な対応を実施した方が顧客満足度は高く、より多くの案件を創出できるはずです。
CRMを導入することにより、細かな顧客情報をデータベースに蓄積して会社として管理できるようになります。顧客情報をメール配信システムに反映させることにより、個別性の高いメールフォローが可能です。
▼関連記事
CRMとは?
メールマーケティングとは?
CRMを活用したメールマーケティングの効果
CRMを活用したメールマーケティングを行うと次のような5つの効果が期待できます。それぞれについて詳しく説明します。
- 顧客満足度の向上
- メールの開封率アップ
- 離脱者の抑制
- リピート率のアップ
- 確実にメールを到達させる
顧客満足度の向上
そもそも営業主体の企業の場合、営業が充分なフォローができず接触頻度が低下して顧客満足度が低いケースが考えられます。
そういったケースでは、メールマーケティングのような比較的手間のかからない接触手法で、単純に接触回数を増やすだけでも顧客満足度は向上するでしょう。
メールの開封率アップ
メールマーケティングの成否に大きな影響を与えるのがメール開封率ですが、そもそもメルマガの大半は開封されないと言われています。これはユーザーがメルマガを送られ慣れてしまい、自身にとって必要な情報だと認識できないからだと考えられています。
ユーザーの興味・関心を惹き、開封率を高めるためには、「まさに知りたかった情報だ」と思うような顧客のニーズに基づいたメルマガを送信しなければなりませんが、そのためにはやはりCRMが重要です。
離脱者の抑制
低い顧客満足度の結果としてユーザーの離脱が存在しており、特にユーザーと継続的に取引して収益を発生させるビジネスモデルでは、この離脱者をどのように抑制するのかが重要な問題となります。
離脱の原因は、接触頻度が少ないことや、新商品・キャンペーンの情報がユーザーに到達せずにいつの間にか忘れてしまわれることなので、メールマーケティングで定期的に接触することによって離脱の抑制、それに伴う収益改善が狙えます。
リピート率のアップ
メールマーケティングを実施することにより、リピート率アップ、それに伴う収益アップ効果が期待できます。一度接点を持った顧客からリピートが発生しない大きな原因は、店舗が新商品やキャンペーンの情報を伝えられず、ユーザーがリピートすべき理由を見いだせないことにあります。
確実にメールを到達させる
そもそも意識的メールマーケティングを実施しないと、迷惑メールに入っていてユーザーに気づかれない、すでに使われていないメールアドレスにメールを配信し続けてしまっているケースもあります。
メール配信システムを活用して、効果検証しながらメールマーケティングを実施することにより、このようなミスは削減できて効果が検証できる販促が可能となります。

CRMでのメールマーケティングフロー
CRMとメール配信システム(MAツール含む)を組み合わせてメールマーケティングする場合は大まかに次の5つのステップを踏まなければなりません。それぞれのステップについて説明します。
- データを登録・更新する
- データを分析する
- フォローメールをシステム化
- ステップメールをシステム化
- 再度効果を検証して施策を練り直す
データを登録・更新する
メールマーケティングを効率的に実施するためには前提となる顧客データをCRMに入力しなければなりません。また、顧客情報は日々変化するので、その変化に合わせてデータを更新するのも重要です。
他のシステムと連携することにより、一部のデータは自動的にCRMに入力されることもありますが、リアルでの営業や接客の成果といったものは担当者が逐一入力しないとCRMには反映されません。CRMの情報更新のルールも定めて、ルールどおりきちんと実行されているかモニタリングしてください。
データを分析する
CRMのデータをもとにどのような販促を行うのかを決定します。一斉送信で送るメルマガ以外にも、購入した後のアップセル・クロスセルを狙うために送るステップメール、MA機能を使ってユーザーの状況やアクションをもとに応じて自動配信するシナリオメールなどメールマーケティングにはさまざまな型があります。
このメールを設定する前提には、どのような顧客にどのようなメールを送るべきかを判断するためのデータ分析が必要です。
ステップメールをシステム化
ステップメールとは、1日後、3日後、7日後といったように特定のユーザーに対して決められたタイミングで自動的にメールを送信する手法のことを指します。
たとえば、通販でユーザーが商品を購入してくれた後のフォローのためや、サブスクリプション型のサービスを契約したユーザーが定着するように、操作方法やお得な情報を小出しで伝えるために使用されます。
有料のメール配信システムであれば、大抵の場合ステップメール機能が搭載されているので顧客フォローのために設定してください。

シナリオメールをシステム化
シナリオメールとはユーザーの定量・定性的な情報や資料請求、Webサイト閲覧などの一定のアクションをシステムが感知し、あらかじめ決められたシナリオどおりにメールを送信する手法のことを指します。
メール配信システムだけでは実現できないことが多く、MAツールを活用して実施できるマーケティング手法です。高いパフォーマンスが期待できるので設定できるのであればしておきましょう。
再度効果を検証して施策を練り直す
CRM、メール配信システムは一度設定すればそれで終了ではありません。むしろ一度設定してからどのように改善して、精度を高めていくかが重要な課題です。
CRMに蓄積されたデータやメールマーケティングの成果が定期的に分析して、ステップメール・シナリオメールを調整した方が良いですし、メール配信のツールによってはA/Bテスト機能が搭載されているものもあります。また、蓄積されたデータはメールマーケティングだけに関わらず、営業、商品開発、広報などさまざまな場面での施策立案に活用できる可能性があります。
おすすめのCRMシステム5選
CRMはメール配信だけではなくその後の営業にも影響を与えるので、さまざまなサービスと連携できる、会社ごとの顧客管理手法に柔軟に対応できるシステムを採用するべきです。代表的なCRMシステムを5種類紹介します。
こちらのサービスも含め、各社CRMの特徴をさらに詳しく知りたい方はこちらから資料をダウンロードして確認してみてください。
Salesforce Sales Cloud - 株式会社セールスフォース・ジャパン
- 世界中で高いシェアを誇るシステム
- カスタマイズの自由度が高い
- 顧客管理、案件管理、売上予測、レポートなど機能が充実
Salesforce Sales Cloudは世界中でトップクラスのシェアを誇るCRMです。SalesforceシリーズにはAccount Engagement(旧 Pardot)、Marketing CloudといったMAツールが存在しており、これらを活用して本格的なメールマーケティングが実現できます。カスタマイズの自由度が高く、さまざまな外部システムと連携できるので社内で使っているシステムに合わせて柔軟な導入が可能です。顧客管理、案件管理、売上予測、レポートなどCRMとして必要な機能は一通り揃っています。
- 多機能なCRMでメールマーケティング用ソフトもあり
- 低価格で活用できるCRM
- あらゆるチャネルで顧客にリーチ
Zoho CRMはSFA、MAなどさまざまな関連シリーズも存在する多機能なCRMシステムです。メールマーケティングソフトウェアのZoho Campaignsと連携して簡単にメールマーケティングができます。一番安価なプランで1ユーザーあたり1,680円(税抜)とリーズナブルな価格設定ながら、見込み顧客を効率的に管理できる機能が標準搭載されています。
eセールスマネージャーRemix Cloud - ソフトブレーン株式会社
- 適切な状況分析で案件獲得率アップ
- リアルタイムな情報共有が可能
- 5,500社※を超える導入実績
ソフトブレーンが提供する国産ベンダーNo.1の営業支援システム(CRM/SFA)「eセールスマネージャーRemix Cloud」は、集客から案件・顧客管理、アフターフォロー、分析まで情報を一元化する戦略的営業支援システムです。業種、業界や規模を問わず、それぞれの企業にあった業務プロセスを設計し、計測、改善を繰り返しながらマネジメントを行う「プロセスマネジメント」で利益につながる仕組みを作ります。絶えず変化するマーケットや組織の状況に合わせて柔軟に設定変更でき、常に最適な業務プロセスを設計可能です。
導入前後のコンサルティングサービスも充実しており、5,500社※を超える導入実績に基づくノウハウの提供や教育、定着率95%※の専門チームによる支援などお客さまのニーズにあったサービスを提供します。
※出典:ソフトブレーン「eセールスマネージャーRemix Cloud」(2022年5月30日閲覧)
カスタマーリングス - 株式会社プラスアルファ・コンサルティング
- 施策活用を前提とした顧客情報の管理をサポート
- 分散する顧客情報を統合し、深掘りした分析データをもとに施策を自動化
- メールやLINEなどの配信チャネル、アンケート、Web接客などを一元管理
カスタマーリングスは、データ連携から加工までプログラミング知識不要で実行できるEC、BtoC向けマーケティングプラットフォームです。顧客の属性データやECデータ、コールログなど分散しているデータの連携、統合、加工が可能です。
統合データをもとにした顧客ごとの深掘り分析から、分析データをもとにしたセグメント配信、施策効果の検証まで一元管理できます。専任担当によるサポートや、相談内容ごとにアサインする専門コンサルタント、勉強会など運用定着支援が充実しています。
WEBCAS CRM
- メール配信、会員登録、アンケートなど豊富な機能
- 7,000社以上※が導入しているシステム
- 充実のセキュリティ
WEBCAS CRMはCRMをベースにメール配信、LINE配信、SMS配信、会員登録、アンケートなどメールマーケティング機能のための機能を持ったシステムです。サービスをリリースしてからの約20年で7,000社以上がWEBCASシリーズを導入※した実績もあります。第三者機関によるぜい弱性診断を定期的に実施、24時間稼働の自家発電装置、冗長化UPS、24時間365日の有人監視の高度なセキュリティのデータセンターでの情報管理など、徹底したセキュリティ対策も充実しています。
※出典:WEBCASWEBCASとは2022年1月時点
おすすめメール配信システム4選
メールマーケティングを実施するためにはさまざまな機能が実装されたメール配信システムを使用するのが効果的です。また、大抵のメール配信システムには顧客情報を整理する簡易的なCRM機能も含まれています。おすすめのメール配信システムのなかから4種類を紹介します。
こちらの4サービスも含め、各社メール配信サービスの特徴をさらに詳しく知りたい方はこちらから資料をダウンロードして確認してみてください。
- 直感的に手軽に操作できるメール配信システム
- A/Bテスト、Google Analytics連携などかゆい所に手が届く機能も豊富
- 迷惑メールに間違われないための取り組みを実施
配配メールはラクスが開発・提供しているメール配信システムです。メール配信・効果測定・改善をワンストップでできる充実の機能ながら直感的に操作できる手軽な操作性となっています。また、セグメント配信、ステップメール、マルチパート配信などに対応しているはもちろんA/Bテスト、Google Analytics連携といったメールマーケティングを実施するうえでかゆい所に手が届く機能も搭載されています。複数IPからの分散配信、エラーアドレスの徹底管理、悪徳業者の排除など迷惑メールに間違われないための取り組みも実施しています。
SPIRAL® - 株式会社パイプドビッツ
- 一括配信からOne to Oneまで必要な機能を網羅
- テキスト・HTMLメールどちらでも簡単に作成可能
- 成果につながる高い到達率と配信速度
SPIRAL®は一括配信からOne to One、ステップメールなどさまざまなメールマーケティング手法に対応した、100以上の機能を持つメール配信システムです。直感的にテキスト・HTMLメールの両方を作成できるフォームなのでノンエンジニアでもHTMLメールが送信できます。専用配信エンジンで毎時260万通の高速配信※が可能で高い到達率も実現しているシステムです。
※SPIRAL®公式サイトより 2022年1月時点
- 月間1,000億通以上※を配信するクラウド型メール配信システム
- 確実なメール配信を支える充実のシステム
- 月間12,000通までなら無料
SendGridはアメリカのセンドグリッド社が開発しているクラウド型メール配信システムでメール送信月間1,000億通以上、世界8万アカウント以上※の導入実績を誇る人気のシステムです。APIやダッシュボードの使い勝手や機能が洗練されているだけでなく、到達率を向上させるためにSPF/DKIM、バウンスの自動処理、ISPモニタリングなどさまざまな機能を標準搭載しています。
※出典:SendGrid公式サイトより 2022年1月時点
WEBCAS e-mail - 株式会社WOW WORLD
- クラウド型・オンプレミス型どちらも導入可能
- LINE、SMSと連携したクロスチャネルメッセージ配信も可能
- 権限管理設定、承認フロー、SSL通信などセキュリティも充実
WEBCAS e-mailはWEBCASシリーズのメールシステムです。メールだけではなくLINE、SMSも連携したメッセージ配信もできます。また、権限管理設定、承認フロー、SSL通信、第三者機関によるぜい弱性診断とペネトレーションテスト、IPアドレスによるログインの制限などセキュリティ対策機能も充実しています。クラウド型だけではなくオンプレミス型としても導入可能でニーズに合わせて柔軟に運用できます。
CRM・メール配信ツール選定のポイント
CRM・メール配信ツールについてはさまざまなサービスがリリースされています。よって数あるサービスの中から自社にあったサービスを選択しなければならないのですが、選定時の代表的なポイントは次の5つです。それぞれについて詳しく説明します。
- クラウド型かオンプレミス型か
- メール到達率
- 他のシステムとの連携
- セキュリティ対策
- MAツールの導入も検討する
クラウド型かオンプレミス型か
システムには自社でサーバーを用意してインストールして使用するオンプレミス型とサービス提供会社がサーバーまで用意してそのサーバー上で動くクラウド型の2種類があります。
メンテナンスやセキュリティに関する手間を考慮するとクラウド型システムの方が便利なので、CRM、メール配信システムの両方ともクラウド型のシステムを採用していることが多いです。ただし、どちらかを自社のオリジナルシステムやサーバーで稼働したいといった場合はオンプレミス型のシステムの導入も検討してください。
メール到達率
メール到達率のメール配信システムを選ぶうえで重要な要素です。メルマガなどの一部は迷惑メール扱いされたり、サーバーによって拒否されたりするケースがあり、送信したすべてのメールが届くとは限りません。
よって、メール配信システムを選ぶ際は到達率アップ対策にどのような施策を行っているのか、実際の到達率はどうなのかなどの点も考慮したうえで採用するシステムを選択するべきです。
他のシステムとの連携
特にCRMは顧客データというさまざまな業務に関わる情報を管理するシステムなので、メール配信システムの他にもさまざまなシステムと連携する可能性があります。
そのためCRMを選択する際は、メール配信システムと連携しているシステムを選択するのはもちろん、SFAや経理システムなどの連携させる可能性があるサービスとの連携方法について考えてください。
他のシステムと連携させず単独で使用する場合は、メール配信システムとそのシステムに搭載されている簡易CRM機能で充分なこともあります。
セキュリティ対策
顧客データは流出すると企業の信用を毀損しかねず、業種によっては監督官庁からの指導や民事・刑事的な責任を問われる可能性があります。
そのため、特にCRMについてはセキュリティ対策が十分に施されたツールを選択すべきです。二段階認証やIPアドレス制限、監査ログ機能など求めるセキュリティレベルに応じて必要な機能が搭載されているかを確認してください。
MAツールの導入も検討する
メール配信システムの中にも簡易的なMA機能を持ったツールはありますが、MAを活用した本格的なマーケティングオートメーションに取り組みたいのであればMAツールの導入も検討すべきです。
MAツールを活用すれば、メールに限らずSNSやWebサイトといったチャネルでのコミュニケーションも管理できますし、よりCRMにもコミュニケーション履歴を充実させ、精度の高いマーケティングが実現できます。

CRMを活用したメールマーケティングで効率的に案件創出を
CRMを活用したメールマーケティングを実施することにより、従来のメールマーケティングでは実施できなかった効率的、個別性の高い顧客フォローが可能になるでしょう。
さらにMAツールを活用すればメールに限らずさまざまな顧客接点でのコミュニケーションを可視化、効率的な案件創出が可能となります。見込み案件を営業が創出しようとするとコストパフォーマンスが悪い、フォローしきれないことが多いのでCRMを軸とした顧客フォローについて検討してください。
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」、Q&Aサイト「BOXIL SaaS質問箱」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
BOXIL会員(無料)になると次の特典が受け取れます。
- BOXIL Magazineの会員限定記事が読み放題!
- 「SaaS業界レポート」や「選び方ガイド」がダウンロードできる!
- 約800種類のビジネステンプレートが自由に使える!
BOXIL SaaSでは、SaaSやクラウドサービスの口コミを募集しています。あなたの体験が、サービス品質向上や、これから導入検討する企業の参考情報として役立ちます。
BOXIL SaaS質問箱は、SaaS選定や業務課題に関する質問に、SaaSベンダーやITコンサルタントなどの専門家が回答するQ&Aサイトです。質問はすべて匿名、完全無料で利用いただけます。
BOXIL SaaSへ掲載しませんか?
- リード獲得に強い法人向けSaaS比較・検索サイトNo.1※
- リードの従量課金で、安定的に新規顧客との接点を提供
- 累計800社以上の掲載実績があり、初めての比較サイト掲載でも安心
※ 日本マーケティングリサーチ機構調べ、調査概要:2021年5月期 ブランドのWEB比較印象調査
