従業員満足度を改善する7つの取り組み│満足度向上事例も紹介
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従業員満足度とは?
従業員満足度とは、従業員の会社に対する満足度や、組織に対する居心地の良さを指す指標のことです。英語で「Employee Satisfaction」と表記することから、頭文字を取って従業員の満足度調査のことをES調査といいます。
従業員満足度は、企業理念への共感や職場環境、人事評価、業務に対する適正度合、働き方、給与、福利厚生などから測定されます。従業員の満足度が高い場合、従業員のモチベーションが高く、業務に前向きに取り組む傾向があります。
従業員満足度を向上させることで人材が定着しやすいほか、生産性や提供するサービスの質の向上につながりやすくなります。
従業員満足度が低いと何が起きる?
従業員満足度が低い場合、次に挙げることが起きやすくなるため注意が必要です。
- 生産性が低下する
- 離職が増加する
- 顧客満足度低下につながる
生産性が低下する
従業員満足度が低いと、生産性が低下する傾向があります。満足度の低い従業員はモチベーションが低いため、新しいアイデアや解決策を生み出す意欲が減ってしまいます。
仕事への注意力も散漫になりやすいため、ミスや不注意が増えるほか、体調不良や精神的ストレスにより、欠勤しやすくなる恐れもあります。
同僚との協力関係が希薄になるため、チームワークも悪くなるでしょう。
離職が増加する
離職の増加を引き起こす点も、従業員満足度が低い場合の懸念事項です。従業員満足度の低さはモチベーションの低下を招き、人間関係や労働条件に対する不満が蓄積します。
たとえば、「モチベーションに関係するスキルアップや昇進の機会が限られていると感じる」「上司や同僚からの適切な評価がされていない」といった不満がきっかけとなり、転職を検討することも少なくありません。
顧客満足度低下につながる
従業員満足度の低下は、顧客満足度の低下を引き起こすことがあります。従業員満足度が低い従業員は、顧客対応に消極的になり、サービスの質が低下するほか、モチベーションの欠如によって、顧客ニーズへの対応力が弱まります。
従業員の不満が蓄積することでポジティブな企業文化が失われれば、顧客体験に悪影響を及ぼします。これにより、企業の評判や業績に悪影響を与える恐れもあるでしょう。
従業員満足度を改善するための7つの取り組み
従業員満足度を改善するための主な取り組みは、次のとおりです。
- 労働時間や残業時間を減らす
- 多様な働き方に対応する
- 人事異動の仕組みを柔軟にする
- 報酬体系や評価制度を明瞭にする
- 福利厚生を充実させる
- 日々の貢献を可視化し、賞賛する
- 職場のコミュニケーションを促進する
労働時間や残業時間を減らす
長時間労働は従業員の満足度を著しく低下させる要因となります。労働時間や残業時間を減らすことで、従業員のワークライフバランスが改善され、従業員満足度向上につながるでしょう。
具体的には、次のような対策が考えられます。
- 会議のスリム化
- 業務のアウトソーシング
- ITツールの導入
- 業務プロセスの見直し
不要な会議の削減と、必要な会議の時間短縮による会議のスリム化によって、業務を効率化できます。また、定型業務や簡易業務を外部に委託することで、従業員の負担を低減します。
さらに、ITツールの導入や業務プロセスの見直しも有効です。たとえば、コミュニケーションツールを導入すれば、情報共有の効率化や意思決定のスピードアップが図れます。
このような取り組みによって、従業員の労働時間の適切な管理と残業時間の削減が可能になり、従業員満足度の向上と生産性の向上を同時に実現できます。
従業員の労働時間を管理する際には、勤怠管理システムがおすすめです。
多様な働き方に対応する
従業員の多様なニーズに応える働き方を提供することで、従業員満足度の改善が期待できます。テレワークやフレックスタイム制、時短勤務制度など、さまざまな働き方の選択肢を用意することで、従業員はライフスタイルに合わせた働き方の選択が可能です。
テレワークを導入すれば、通勤時間の削減や勤務場所の自由度を確保できます。これにより、従業員の通勤にまつわる負担を減らし、業務に集中できる可能性があります。
フレックスタイム制や時短勤務制度を整備すれば、育児や介護などの事情を抱える従業員も働き続けやすくなります。ほかにも、副業・兼業の許可やジョブシェアリングの導入によって、従業員の多様なキャリア志向への対応も可能です。
人事異動の仕組みを柔軟にする
人事異動の仕組みを柔軟にする点も、従業員満足度の向上に効果的です。
従業員のキャリア開発や適性に合った配置を実現するために、社内公募制度を導入すれば、従業員の希望や適性を考慮した人事異動が可能になります。社内公募制度とは、空きポジションを社内で公開し、希望する従業員が応募できるようにする制度です。
他にも、社内インターンシップや短期異動制度を導入することで、従業員が新しい部署や職種を体験する機会の提供が可能です。従業員は自身の適性や興味を探れます。
こうした従業員の希望を汲んだキャリア開発は、従業員のモチベーション向上やスキルアップにつながり、従業員満足度の改善にも寄与します。
報酬体系や評価制度を明瞭にする
従業員の満足度を高めるためには、報酬体系や評価制度を明瞭にすることが大切です。従業員が自身の評価や報酬について理解し、納得感を得ることで、満足度の向上につながります。
まず、評価基準を明確化し、従業員に周知することが大切です。具体的な評価項目や評価方法を示すことで、従業員は目標や改善点を明確に把握できます。
また、定期的な面談を通じて、上司と部下が評価結果について話し合う機会を設けることで、従業員は課題や評価ポイント、今後の目標を理解しやすくなるでしょう。
報酬体系については、基本給や賞与、各種手当の算定方法を明確にして、従業員にわかりやすく説明することが重要です。成果主義や能力主義など、どのような考え方に基づいて報酬が決定されるのかを提示することで、従業員の理解と納得を得やすくなります。
福利厚生を充実させる
従業員満足度を向上させるための重要な取り組みの1つが、福利厚生の整備です。
さまざまな福利厚生を提供することで、従業員は仕事と生活の両面でサポートを受けられていると感じ、満足度や帰属意識が高まります。
福利厚生を充実させるには、従来の制度に加えて、福利厚生代行サービスを導入するのが有効です。たとえば、代行サービスのカフェテリアプランを導入し、従業員が自身のニーズに合わせてポイントを使用できるようにすることで、個々の従業員の幅広いニーズに対応できます。
また、健康増進プログラムやメンタルヘルスケア、育児・介護支援など、従業員の生活全般をサポートする制度の導入も大切です。従業員の生活の質の向上や、長期的な健康維持、仕事と家庭の両立にも貢献します。
さらに、自己啓発支援や資格取得支援など、従業員の成長をサポートする制度を採用すれば、従業員のスキルアップやキャリア形成を促進し、個人の成長と会社の発展を同時に実現できます。
日々の貢献を可視化し、賞賛する
従業員満足度の向上のために、従業員の日々の努力や貢献を可視化したり、適切に評価・賞賛したりすることが大切です。
従業員が自身の仕事の価値を認識したり、組織から評価されていると感じたりすることで、職場に対する居心地がよくなり、満足度向上につながります。
具体例としては、ピアボーナス®サンクスカードのような形で、従業員同士が互いの貢献を称賛し合える仕組みを作るのがおすすめです。
※「ピアボーナス®」はUnipos株式会社の商標です。商標権者から使用許諾を得ています。
また、表彰制度を設けるのも有効です。月間MVPや四半期ごとの成果発表会など、従業員の努力を公に認める機会があれば、個人の達成感に加えて、組織全体の士気も向上します。
さらに、上司や経営陣からのフィードバックも有効な手段です。個々の従業員の貢献を具体的に伝えたり、今後の期待を示したりすることで、従業員は自身の価値を実感し、高いパフォーマンスのための意欲が生まれやすくなります。
職場のコミュニケーションを促進する
職場のコミュニケーションを活性化させることも、従業員満足度を向上させるポイントです。良好なコミュニケーションは、チームワークの強化や情報共有の円滑化、相互理解の促進などにつながり、従業員の満足度と生産性の向上に寄与します。
具体的には、社内SNSや社内報を導入する方法がおすすめです。部署や階層を超えた自由なコミュニケーションが可能になり、情報の共有や意見交換が活発になります。
また、定期的なチームビルディング活動やオフサイトミーティングの実施も効果的です。仕事以外の場面での交流によって従業員間の信頼関係が深まり、日常のコミュニケーションもスムーズになる可能性があります。
さらに、オープンスペースの設置やフリーアドレス制の導入などの環境整備によって、偶発的な対話や部署を超えた交流が生まれやすくなるでしょう。
従業員満足度を向上させた企業事例
従業員満足度を向上させた企業事例を紹介します。
サイボウズ株式会社
サイボウズ株式会社は、チームの生産性とメンバーの幸福のバランスを重視しており、さまざまな働き方を支援する制度を設けています。
たとえば、個人の希望に応じた勤務時間や場所の調整が可能な働き方マッチング制度や、一時的な働き方の変更を認めるウルトラワーク制度、在宅勤務環境整備のための補助金が支給されるリモートワーク環境手当制度が設けられます。また、原則として複業が可能です。
休暇制度も充実しており、年5日は自由に休暇が取得できるプロアクティブ休暇、家族の看護や介護のためのケア休暇、子供の小学校入学までの育児休暇の取得が可能。さらに、緊急時の子連れ出勤を許可する子連れ出勤制度があります。
他にも、キャリア支援として大人の体験入部やMyキャリ制度を導入。従業員の成長とキャリア開発を促進しているほか、従業員持株会やチームビルディング支援制度など、従業員の資産形成やチームワーク向上にも注力しています。
これらの制度によって、サイボウズは従業員の自立と選択を尊重しており、多様性を重視した職場環境の実現を目指しています。
※出典:サイボウズ「社内制度」(2024年7月26日閲覧)
株式会社メルカリ
メルカリは、従業員のパフォーマンスとバリューの最大化のために、独自の福利厚生制度とコミュニケーションサポート制度を整備しているのが特徴です。
年次有給休暇以外にSick Leave、リラックス休暇など、さまざまな休暇制度を設けているほか、定期健康診断、インフルエンザ予防接種の費用補助、保健師による健康相談、社外カウンセリングといった健康面でのサポートを提供しています。
また、復職一時金、結婚・出産祝い金、妊活・卵子凍結費用の補助など、従業員のライフイベントのサポートや、認可外保育園の保育料補助、病児保育の保育料補助、0歳児保育の保育料補助といった育児サポートも充実させています。
さらに、社内部活動やチームビルディングの費用補助によるコミュニケーションサポートや、関東ITソフトウェア健康保険組合への加入によって、さまざまな特典を提供しています。
これらの制度を通じて、メルカリは従業員が安心して働ける環境を整え、個人と組織の成長を促進しています。
※出典:メルカリ「Benefits & Communication Support」(2024年7月26日閲覧)
株式会社コバヤシ
株式会社コバヤシは、従業員エンゲージメント向上を目的にサンクスカードツール「GRATICA」を導入し、カイゼン提案制度と連携して、従業員の改善意識向上と企業理念の実践の促進に成功しています。
GRATICAのサンクスカード機能により、部署や役職を超えた感謝の気持ちの共有が可能になり、従業員同士のコミュニケーションが活性化。感謝の言葉を伝え合う文化が醸成され、従業員の自発的な行動が増加するなど、従業員の行動変容が見られました。
加えて、経営層からのメッセージ発信により、組織の一体感が強化され、経営層と従業員の距離感が縮まったとのことです。
GRATICAの導入後、従業員満足度調査のスコアは向上して離職率が低下したほか、データを人事評価に活用したことで、評価の公平性と透明性も高まったそうです。
※出典:OKWAVE「従業員満足度は右肩上がり、一人月平均20枚のカードを送り合う風土が醸成できた3つの理由」(2024年7月26日閲覧)
従業員満足度の改善を図る際のポイント
従業員満足度の改善を図りたい場合は、次に挙げるポイントを押さえましょう。
- 従業員への周知を徹底する
- 現在の満足度を可視化し、取り組みの効果を測定する
それぞれ詳しく解説します。
従業員への周知を徹底する
従業員満足度の改善を図る際は、取り組みの内容や目的を従業員に周知することが大切です。周知の徹底によって、従業員の理解と協力を得られて施策の成功率が高まります。
社内メールや掲示板、社内SNSなどを使用して情報を発信するほか、説明会やワークショップを開催して、施策を説明したり、従業員の疑問や懸念に答えたりすることで、取り組みへの理解を深められます。
また、管理職向けの説明会を実施して、各部署での周知を徹底してもらうことで、組織全体に情報が行き渡るでしょう。
現在の満足度を可視化し、取り組みの効果を測定する
従業員満足度の改善を効果的に進めるためには、現在の満足度を正確に把握し、取り組みの効果を継続的に測定することが重要です。これにより、施策の有効性を評価したり、必要に応じて施策を改善できたりします。
定期的に従業員満足度調査を実施し、職場環境、仕事内容、キャリア開発、報酬などの側面から満足度を測定します。調査結果は、部署別・年齢層別・勤続年数別などさまざまな属性で分析し、グラフや図表を用いて可視化すれば、組織全体の傾向や特定のグループの課題を明確に把握できます。
定量的な指標だけでなく、定性的な情報も重要です。自由記述欄や従業員インタビューを通じて、数字では表れない従業員の本音を収集しましょう。
また、離職率や生産性などの客観的な指標もあわせて分析することで、満足度の変化が組織にどのような影響を与えているかを総合的に評価できます。
従業員満足度の現状を可視化して、改善施策の効果を正確に測定することで、より効果的な満足度向上の施策を継続的に実施できるでしょう。
従業員満足度の改善に効果的な測定サービス3選
HRBrain 組織診断サーベイ - 株式会社HRBrain
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リアルワンの従業員満足度調査 - リアルワン株式会社
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従業員満足度の改善で組織や企業の課題を解決しよう
従業員満足度が低下すれば、生産性の低下や離職率の増加につながる恐れがあります。そのため、労働時間や労働時間の削減、多様な働き方への対応など、従業員満足度を向上させる施策が重要です。
また、従業員満足度を向上させる取り組みを行う際は、従業員への周知を徹底し、取り組みの効果を測定するようにしましょう。そのためには、従業員満足度調査ツールの導入がおすすめです。
従業員満足度調査ツールは次の記事で詳しく紹介しています。
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