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「とりあえず印刷」がNGに? 1月の電帳法改正に戸惑いの声、国税庁が新見解示す

記事の情報は2021-11-30時点のものです。
2022年1月に施行される、改正・電子帳簿保存法。要件緩和で対応しやくすなる一方で、全事業主を対象とする“電子保存義務化”ととれる内容が含まれており、戸惑いの声があがっていました。

波紋を呼んだ「電子保存義務化」

2022年1月から施行される、改正・電子帳簿保存法(電帳法)。国税関係書類の電子化に関する要件を定めた法律で、改正により要件緩和が進む一方、“電子保存義務化”とも呼ぶべき項目が含まれ波紋を呼んでいます。

問題の改正内容は、これまで認められていた電子取引における記録の印刷保存を廃止するもの。例えば、ECサイトで購入した備品の領収書や、メールで送付された請求書などをプリントアウトした書面の保存が認められなくなります。「とりあえず印刷しておけばOK」だったものがNGになり、電磁的記録(データ)のまま保存することが求められるのです。

申告所得税及び法人税における電子取引の取引情報に係る電磁的記録について、その電磁的記録の出力書面等の保存をもってその電磁的記録の保存に代えることができる措置は、廃止されました。

出典)国税庁「電子帳簿保存法が改正されました(令和3年5月)

もともと電子帳簿保存法は、紙のかわりにデータでの保存を希望する企業に対して許可を出すものなので、対象はごく一部の企業に限られていました。ところが今回の改正は全ての事業者が対象となります。中でも“電子保存義務化”に対しては、電子帳簿保存法対応が難しい企業や個人事業主から戸惑う声が多くあがっていました。

これに対し国税庁は「お問い合わせの多いご質問(令和3年11月)」として、改正・電子帳簿保存法への質問に対する追加回答を公開。電子データ保存に不備があっても、ただちに罰則が科されるわけではないとの見解を示しました。

認知度の低さも課題

今回の電子帳簿保存法改正は、認知度の低さも課題とされています。Sansanが2021年8月に発表した調査(※)によると、請求書関連業務に携わる人のうち、「改正内容まで理解している」と回答したのはわずか8.8%でした。

22年1月の電子帳簿保存法改正、認知に課題 - 電子保存の義務化も
2022年1月に「改正・電子帳簿保存法」が施行されます。これにより、税務処理に関わる帳簿などの書類を電子データ化し...
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ペーパーレス化が進んだとはいえ、多くの企業は、電子データと紙が混在した状態で管理しています。電子帳簿保存法が求める要件はいくつもあり、すぐに対応できない企業もあります。データ管理の整備が進んでいない中で早急な対応を強いられる改正内容を疑問視する声が、現場からあがっていたのです。

※Sansan「Sansan、『電子帳簿保存法に関する意識調査』を実施」2021/8/31

国税庁の見解

国税庁は11月、こうした問い合わせに対する応答として、追加見解を公開しました。その中で“電子保存義務化”の内容に触れています。7月に公開したQ&Aからの流れをまとめました。

問42 電子取引の取引情報に係る電磁的記録について保存要件を満たして保存できないため、全て書面等に出力して保存していますが、これでは保存義務を果たしていることにはならないため青色申告の承認が取り消されてしまうのでしょうか。また、その電磁的記録や書面等は税務調査においてどのように取り扱われるのでしょうか。

この問いに対する初期回答は下記のとおりでした。罰則があり得るとしている点に注目してください。

 令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、その電磁的記録を出力した書面等による保存をもって、当該電磁的記録の保存に代えることはできません。
 したがって、災害等による事情がなく、その電磁的記録が保存要件に従って保存されていない場合は、青色申告の承認の取消対象となり得ます。
(中略)
 また、その電磁的記録を要件に従って保存していない場合やその電磁的記録を出力した書面等を保存している場合については、その電磁的記録や書面等は、国税関係書類以外の書類とみなされません。
 ただし、その申告内容の適正性については、税務調査において、納税者からの追加的な説明や資料提出、取引先の情報等を総合勘案して確認することとなります。

出典)国税庁「電子帳簿保存法Q&A(一問一答)~令和4年1月1日以後に保存等を開始する方~

これに11月、補足説明として追加されたのが下記です。もし元の電子データを正しく保存できていなかったとしても、すぐに青色申告承認取り消しなどの措置は取られないと説明されています。

 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務に関する今般の改正を契機として、電子データの一部を保存せずに書面を保存していた場合には、その事実をもって青色申告の承認が取り消され、税務調査においても経費として認められないことになるのではないかとの問合せがあります。
 これらの取扱いについては、従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにも関わらず、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません。

出典)国税庁「お問い合わせの多いご質問(令和3年11月)

電子化対応にはSaaS活用を

取引の電子化が進む中、デジタル化対応を求められる機会は増えると考えられます。いずれ対応すべき時がくるであろうことに変わりありません。

電子帳簿保存法対応にはメリットも多く、文書の印刷や郵送、保管にかかるコストの削減や、電子データの適切な処理による業務効率化の恩恵が受けられます。さらに2023年10月にはいわゆる「インボイス制度」が始まり、請求書受授や会計処理で求められる対応が変わります。

法改正を見据え、SaaS型の会計システム経費精算システム請求書発行/請求書受領システムを提供するベンダーらも続々と対応内容を公表しています。SaaSでは、パッケージソフトのようにアップデートの都度買い直す必要がなく、自動で最新システムを利用できるメリットがあります。

法改正が活発な領域だからこそ、SaaSを活用した業務の見直しが有効だと言えます。

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