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インボイス制度対応の会計ソフトとは?すべきことやシステムの選び方を解説

最終更新日:(記事の情報は現在から245日前のものです)
インボイス制度の導入に伴い、新しいルールに対応した会計ソフトへの切り替えを進める企業も多いでしょう。インボイス対応のシステムを利用することで、業務効率化やミス防止に期待できます。制度の概要や必要な手続き、会計ソフトの特徴を解説します。

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インボイス制度とは

インボイス制度とは、2023年10月に開始された「適格請求書等保存方式」を意味します。インボイス制度により、登録を受けた事業者が発行する適格請求書でのみ、消費税に対する仕入税額控除を受けられるようになりました。

2019年に品目ごとに税率の異なる複数税率が導入されたことや、課税・免税事業者が混在している状況を踏まえて、事業者が支払うべき税率と税額の把握をする目的で、インボイス制度が施行されました。

インボイス制度開始による請求書の変更点

インボイス制度によって、事業者が発行する適格請求書に記載すべき項目が定められました。具体的には次の項目が必要です。

【従来に引き続き記載が必要な項目】

  • 事業者の氏名または名称
  • 取引年月日
  • 取引内容
  • 取引ごとに区分した対価の額(税抜または税込)
  • 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

【新たに記載が求められるようになった項目】

  • 適格請求書発行事業者の登録番号
  • 税率ごとに区分した対価の額(税抜または税込)
  • 税率ごとに区分した消費税額等

仕入税額控除の適用を受けるためには、正しい様式の書類が必要です。適格請求書の発行には、従来の内容にいくつかの新規項目が追加されている点に注意しましょう。

インボイス制度の経過措置期間は6年間

インボイス制度によって、買い手側と売り手側のどちらもフローの見直しを迫られます。なかには制度の施行までに準備を完了できなかった企業もあるでしょう。

そのようなケースの移行措置として、インボイス制度には6年間の経過措置期間が設けられています。ただし経過措置期間であっても一定割合の控除は受けられなくなっているため、できるだけ早めに対応を進めましょう。

期間 控除割合
2023年10月1日~2026年9月30日 仕入税額相当額の80%
2026年10月1日~2029年9月30日 仕入税額相当額の50%

※参考:国税庁「適格請求書保存方式(インボイス制度)の手引き 2022」43ページ

インボイス制度で必要になる対応

インボイス制度の施行によって、請求書の様式が変わるだけではなく、多くの面で業務に影響が出ます。一般的に、買い手と売り手それぞれに求められる対応は次のとおりです。

買い手(インボイスを受け取る側)の対応

買い手側に求められる主な対応は、次のとおりです。

  • 取引先がインボイス制度に対応しているかの確認
  • 適格請求書にヌケモレがないかの確認
  • インボイス制度に対応していない業者に対する運用の見直し

既存の取引先が登録を受けた事業者か否かによって、買い手側の対応が異なるため事前の確認が求められます。

登録を受けた事業者に対しては、受領した適格請求書に誤りがないかチェックが必要です。登録を受けていない事業者に対して、場合によっては契約終了の判断をすべきかもしれません。

売り手(インボイスを発行する側)の対応

売り手側に求められる対応は、主に次の2つです。

  • 適格請求書発行事業者の登録
  • 請求書の様式整理

適格請求書を発行するには、事前登録が必要です。税務署で手続きをするか、e-Taxにて申請をしましょう。登録を受けた後は、請求書テンプレートに登録番号や税率区分などの項目を追加します。

買い手と売り手に共通した対応

  • 請求書の保存
  • 適格請求書の発行または受領における手順の確認

買い手と売り手どちらの立場であっても、請求書の保存義務が課されます。特に買い手は受領した請求書を整理したり長期間保存したりする作業が発生するため、あらかじめ運用を整えておくのがおすすめです。

インボイス制度への対応が必要なシステム

インボイス制度によって設計や運用に変更のあるサービスがいくつか存在します。それらがどのように変更が必要か解説します。

会計ソフト

会計ソフトでは、仕入税額控除を適用できる事業者とそうでない事業者を区別して扱う必要があります。また、消費税率に応じて控除額を計算できる機能は必須です。可能なら、消費税額に対して割り戻し計算と積み上げ計算のどちらも使えると選択の余地ができて便利です。

請求書発行システム

請求書発行システムは、適格請求書に求められる項目を網羅しているか確認しましょう。インボイス制度とは別文脈になりますが、電子帳簿保存法へ対応していると電子保存に適応しやすいのでおすすめです。

請求書受領システム

請求書受領システムには、受け取った請求書をデータ化し保存できる機能があると便利です。適格請求書には7年間の保存義務があり、スムーズにデータ化ができれば情報管理や会計業務の効率化につながります。

販売管理システム

販売管理システムには、取引先が課税事業者か免税事業者を判別する機能が欠かせません。両者の判別は、その後の仕入税額控除の書類分類に必要となります。請求書発行機能が搭載されている場合は、適格請求書に対応可能かも忘れずに確認しましょう。

POSシステム

POSシステムには、レシートや領収書を適格簡易請求書へ対応させる機能が必要です。特に飲食物を販売する小売店では軽減税率に該当する品目もあることから、インボイス制度に適応したPOSシステムを導入すれば大きな工数削減を見込めます。

EDIシステム

取引情報をEDIシステムにてやりとりしている場合、適格請求書もデータ保存できるよう調整が必要です。まだ導入していない場合には、これを機に電子帳簿保存法にも対応したソフトを検討するとよいでしょう。

インボイス制度への対応にはシステム導入がおすすめ

インボイス制度により請求書の記載項目が増え、免税事業者と課税事業者を仕分ける必要が出るなど、業務は煩雑化しました。手作業でこれらへ対応するには、あまりに数が膨大なうえヒューマンエラーを引き起こしかねません。

インボイス制度へスムーズに対応するには、必要な機能を備えたシステム導入がおすすめです。特に会計は仕訳の数も種類も多く負担増加が見込まれます。担当者の負担軽減のためにも、インボイス制度に対応したシステム導入を検討しましょう。

インボイス制度対応システムの確認ポイント

インボイス制度対応の会計ソフト導入を検討する際は、次の4つのポイントを確認しましょう。

OCRをはじめとした仕訳の支援

会計ソフトにおいては仕訳をシステム側で支援する機能があると、工数削減につながります。たとえば画像から文字を読み取るOCR機能が該当します。請求書をスキャンして読み取れれば、目視に比べて効率的なだけでなくミスも減るでしょう。

国税庁のWeb-APIへの連携可否

国税庁の適格請求書発行事業者公表システムWeb-API機能と連携すれば、適格請求書発行事業者かを簡単にチェックできます。適格請求書発行事業者の公表サイトで逐一番号を入力して確認する手間がなくなるため、仕訳の件数が多いのであれば連携可能か事前に調べておきましょう。

改正電子帳簿保存法への対応

導入予定のシステムが改正電子帳簿保存法に対応しているかを確認しましょう。改正した電子帳簿保存法によって、電子データでやりとりした請求書はデータ保存が義務づけられています。そのため電子データのまま保存できるシステムを選ぶのがポイントです。

セキュリティ対策

インボイス制度に対応したシステムを利用する場合は、セキュリティにも気を配りましょう。取引にまつわる重要なデータを扱うからこそ、安心して利用できるシステムを選ぶ必要があります。具体的にはデータが暗号化されているか、自動でバックアップされるか、アクセス権を柔軟に変更できるかなどを確認しましょう。

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※出典:マネーフォワード「マネーフォワード クラウド会計 - 無料で試せる経理・会計ソフト」(2024年3月22日閲覧)

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インボイス対応の会計ソフトで業務効率を上げよう

インボイス制度によって、売り手と買い手の双方で業務が増えている今日。制度を正しく理解したうえで最適なフローへと整える必要があります。インボイス制度には経過措置期間を設けられているものの、早く対応するに越したことはありません。

特に会計業務はインボイス制度によって煩雑化しやすい領域です。インボイス制度に対応した会計ソフトを導入することで、業務効率化やミス回避に期待できるでしょう。

インボイス制度に対応した会計ソフトは多く登場しているため、特徴を比較してシステムを選ぶことが重要です。BOXILを活用すれば、簡単に差別化ポイントを比べられるため、会計ソフトを選びやすくなります。ぜひBOXILの比較サービスを利用して、ぴったりの会計ソフトを見つけてみてください。

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