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OJTとは | Off-JTとの違い - 社内研修で重要な2つの意味とメリットデメリットを解説

最終更新日:(記事の情報は現在から1557日前のものです)
「OJT」と「Off-JT」とは日本国内のみならず海外企業の社内研修においても重要視されている「OJT」と「Off-JT」という言葉、人事に関わりのない方の中には「知らない」という方も入ると思います。社内研修の場でよく使われている「OJT」と

「OJT」とは

OJTとは、"On the Job Training"の頭文字を取ったものであり、日本語にすると「職場内研修」という意味があります。

OJTは日常業務を通じて職場の上司や先輩に指示や指導を受け、日々の業務の中で知識や技術などのビジネスに必要な知識や実践的スキルを、継続的・意識的・計画的に指導・教育・サポートすることによって身に付けていくための能力開発です。

OJTとOff-JTの研修を行って、ビジネスに必要な知識やスキルを総合的に教育・習得させられます。

Off-JTとは

Off-JTとはその逆で「Off the Job Training」、「職場外研修」という意味です。職場を離れ、ビジネスに必要な知識やスキルを座学などを通じて身に付けていくための能力開発です。

OJTとOff-JTの違い

OJTとOff-JTの違いをわかりやすく表で解説します。

OJT OFF-JT
・実務を通じて研修
・実務で知識やノウハウを学ぶ
・フィードバックしながら教育可能
・座学研修や集合研修
・研修の時間を設けて知識やノウハウを学ぶ
・多人数を対象に教育可能

OJTとOff-JTの一番の違いは、現場で研修をするかしないかです。OJTは実際に業務を通じながら研修を行いますが、OFF-JTは研修のために時間を設け、実務の場を離れて人材育成を行います。

どちらの制度にもメリット、デメリットがあるので、効率的かつ効果的に社員研修を行うには両者を併用し、状況に合わせて使い分けるといいでしょう。

OJTのメリット

OJTのメリットは次のとおりです。

  • 個人に合わせて効果的に育成
  • 教える側の成長につながる
  • 効率的に即戦力人材を育成
  • コミュニケーションの活性化
  • コストを抑えられる

企業目線で見るとOJTは実施費用がかからないというメリットがあるため、社内研修をOJT中心に行う企業が多いようです。

他には気軽に実践できることや、その場でのフィードバックで実務の内容をいち早く覚えるため、より早く戦力となる人材を育てることができます。

さらに新入社員や中途入社の社員などを指導することで、既存の社員にとっても成長や自己啓発の機会となります。

OJTのデメリット

OJTにはメリットだけでなく、注意しなくてはならない課題もあります。

  • ビジネススキルを体系的に学びづらい
  • コーチングする側のスキルでばらつきがでる
  • 実務が滞る場合がある

デメリットとしては日々状況が変動する中での研修であるため、ビジネスにおいての知識やスキルを体系的・論理的に指導することが難しい部分があります。

そのためビジネスでの常識などを教え込むことには不向きです。

さらにコーチングする社員によりスキルにバラツキが出るので、新入社員の中で差が生まれやすく後々のモチベーション管理が難しくなります。

>>人材育成の手法や課題 | 研修を計画する7ステップ

Off-JTのメリット・デメリット

OJTと比較してOff-JTのメリット・デメリットを解説します。

メリット

OJTとは相対して体系的・論理的に研修を行うことが出来るので、ビジネスの常識や企業特有の手法などを指導することに向いています。

さらにOff-JTでは職場を離れて研修に励むことで、職場にいるときとは異なった思考で物事を捉えることができ新たな気づきを得る可能性も生まれます。

研修生同士のコミュニケーションも広がるので団結力を生み出すのもOff-JTのメリットの一つです。

デメリット

体系的・論理的に行う研修内容はすぐに実践出来るものではないことが多々あります。

例えば名刺交換の作法なんかは名刺もまだなく取引先と関わることのない新入社員にとっては、実践するのはまだまだ先となります。(企業により異なる場合もあり)

さらにOff-JTでの研修には実施にあたり時間や費用がかかるため、費用対効果が得づらいというデメリットもあります。

OJT教育を成功させる7つのポイント

OJTを効果的にするための手順やポイントを説明します。

新人は右も左も分からないことを理解する

OJT教育において気を付けるべきポイントは、「すべてにおいて新人である」ことを理解してあげるのが大切です。教える側がそのことを踏まえた上でOJT教育を進めていくことが重要になってきます。

また、新人は「わからない」ことが分からないため、つい「分かる?」と聞かれたら「はい」と答えてしまうことがあるでしょう。そういう場合は、新人が自信なさげに振る舞っていないかを気をつけて教える側が観察してあげましょう。内容をゆっくり咀嚼するように教えるとより効果的です。

皆で協力して働いていることを自覚させる

OJT教育において気をつけることの2つ目は、会社は「皆で働いている」ことを自覚させるように教える側が誘導していくことが大切です。新人は、仕事はお金を稼ぐために1人で働くものだと勘違いしがちです。

仕事を完遂する上で1人で完結することは、不可能であることを新人自ら気づかせるように仕掛けることが大切です。また、会社が一つの「チーム」として協力してやっと利益が生まれることも伝えていくことが重要です。

OJT教育のマニュアルや評価シートを作成する

OJT教育において気をつけることの3つ目は、OJT教育におけるマニュアルを予め準備しておくことです。

新人の社員にとって、マニュアルがあるかないかで不安の大きさは大分違ってきます。教えてもらった後にマニュアルがあれば内容を復習することもできます。

また教える側もマニュアルがあれば、それに沿ったOJT教育を行えば良いので精神的負担が軽くなります。会社の方針を踏まえたマニュアルを作成することで、教わる側も教える側も精神的に安心できます。

コーチングする側は、学んだ内容や効果を把握するために人事評価システムや評価シートを運用するといいでしょう。

>>新人教育マニュアルとは | 育成内容・作成のポイント

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「褒める」と「叱る」を使い分ける

OJT教育において気をつけることの4つ目は、「褒める」と「叱る」を使い分けることで、新人社員との信頼関係を築くことです。

日本人は他人の短所は見つけやすいにも関わらず、長所を見つけることが非常に苦手です。新人社員は精神的に余裕がないので、上司から褒められることで自分が必要とされていると考え、今まで以上に真摯に仕事に取り組むようになるでしょう。

また、時には「叱る」ことも大切です。自分の不満をぶつけて「怒る」のではなく、部下にこうなってほしいという願いを持った上で意見するようにしましょう。

新人が困った時に質問しやすい環境を作る

OJT教育において気をつけることの5つ目は、新人の社員が困った時に、担当の上司に質問できるような環境づくりに努めることです。

いくら優しく接しているからといって、新人社員にとって担当の上司は脅威です。ピリピリした雰囲気が漂っていると、つい質問することを躊躇ってしまうこともあるでしょう。

困っていることをひた隠しにしてしまうことで、教える側は新人社員が何も質問してこないため、理解しているのだと勘違いしてしまう悪循環にもつながってしまいます。いくら忙しくしていても時間を作るようにしましょう。

指導・教育係のフォロー体制をつくる

OJT教育において気をつけること6つ目は、指導係のフォロー体制を構築することです。OJT教育において、大変なのは新人社員だけではありません。むしろ、指導係の先輩社員のほうが求められるスキルが高いため、精神的負担が大きいと考えられます。

いくら仕事を知っているからといって、他人に教えることは非常に労力が掛かるということを理解して、週に一度指導係ばかりを集めたミーティングを行うなどして意見を共有していくことをおすすめします。

指導係を選ぶ際には考慮する

OJT教育において気をつけること7つ目は、指導係を選ぶ際にも注意を払うようにしましょう。他人に教えるということには向き不向きがあることを踏まえて、指導係を選ぶようにしてください。普段からまとめ役を担っている方が適任です。

また、男女でペアを組むのは新人社員が相談しづらかったり、プライドが傷ついたりする可能性もあるので、なるべく同性でペアを組むようにしましょう。

Off-JTの重要性が高まりつつある

社内研修の現場で重要な「OJT」と「Off-JT」、皆さんの企業ではどちらが重要視されていますか?

高度経済成長期の日本では「仕事は盗むもの」という言葉があったようにOJTにより研修を行う企業がほとんどでした。

実務に必要な知識もスキルも、ビジネスの常識も全て現場で学べというスタイルです。現代でもこのようなスタイルで研修を行う企業は多いですね。

しかし2008年のリーマンショック以降、「人材」という言葉を「人財」と表現するようになったことから企業の社員に対する目線が変わってきていることがわかります。

より専門的な教育や各研修生に適して教育を行いそれぞれの才能を開花させ有能な人材を育てることで、間接的な企業業績UPを狙っているのです。

だからこそ多様な研修方法が取れるOff-JTの重要性が徐々に高まっています。

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