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残業時間の定義 | 上限・労働基準法・36協定での上限規制・計算方法

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大企業での過労死問題がニュースで取り上げられ、長時間労働の是正に注目が集まっています。今回残業の考え方や、残業時間の上限、36協定(サブロク協定)、みなし残業手当、残業代の計算方法についてを紹介します。

2017年6月に日本経済新聞社が実施した「就活学生100人アンケート」によると、60%以上の学生が月の残業時間として40時間以上は望ましくないと考えているようです。

また最近では、電通での過労死問題から、長時間労働に注目が集まり、自社の残業の考え方や、残業手当、残業代の計算方法について興味を持っている方も多いかと思います。

そこで、残業についての法規制や残業代の計算方法について説明します。

1. 残業時間の上限

(1)残業の定義

長時間労働が蔓延していたため労働基準法で労働者が不当に長時間労働を強要されないために、労働基準法では、1日8時間かつ1週間40時間を上限に法定労働時間を定めています。(労働基準法32条)

とはいえ、業務の繁忙や緊急対応などの必要性から、労働基準法36条で労使協定の締結と労働局への届出を行うことで、法定労働時間を超える残業を認めています。

ここから、法定労働時間を超える残業については、36条で定めた残業であるので、法定時間外労働と呼びます。

反対に、たとえば会社で定めた1日の労働時間が7時間である会社で、法定労働時間1日8時間を超えない残業のことを法内残業と呼びます。

(2) サブロク協定(36協定)での上限時間

業務の繁忙や緊急対応などの必要性から、労働基準法36条で労使協定の締結と労働局への届出を行うことで、法定労働時間を超える残業を認めています。

よくサブロク協定(36協定)という言葉を聞くと思いますが、このサブロク協定とは労働基準法36条で定められた協定を略したものです。サブロク協定では延長上限を1か月45時間、1年360時間と定めています。

さらに、どうしてもクリスマスシーズンは忙しくなってしまうというような繁忙の特別事情によって、特別条項をサブロク協定で追加することで、年6回を限度として、月45時間の上限を上回り、協定で設定した時間数まで残業時間を延長可能となります。

この特別条項の残業時間を超えて残業をさせることは違法とされるので、注意が必要です。

残業時間などが管理できる勤怠管理システムをお探しの方は、こちらの記事もぜひご覧ください。

2. 残業代の計算方法

(1)一般的な残業代の計算

残業代は2割5分増と聞いたことがあるかも知れません。しかしながら正確には、1日8時間ないし週40時間を越える時間外労働(法定時間外労働)が割増賃金の対象となります。

ですので、1日の労働時間が7時間などの会社では残業代の計算が異なります。
1日8時間となるまでの1時間分については割増賃金の対象とはならず、時間単価を計算し、その時間単価での支給となります。

会社によっては、計算上の便宜から1日8時間の労働時間でない場合にも、残業代の計算ではすべて割増賃金にするという会社もまれにあるので注意が必要です。

具体的な計算方法としては、「基本給+役付手当」(労働に対しての対価である給与を基礎とする)を基礎に、時間単価を計算します。その時間単価に、法定時間外労働については2割5分増したものが時間外手当となります。

(2)特殊な残業の場合

法定休日での残業では割増率が3割5分増しとなり、深夜残業では割増率が2割5分増しとなります。
法定休日とは労働基準法35条で定められている週に1度の休日のことを言います。週休2日制の企業では、特別に定めていない限り、日曜日が法定休日に該当します。

深夜残業とは、午後10時から翌5時までの深夜労働の時間帯に残業をさせることを言います。

休日出勤して、1日8時間を超える労働、または、1週間に40時間を超える労働となった場合には、普通残業の2割5分増しに加えて、法定休日出勤の3割5分増しとなり、合計6割増しの残業代が発生します。

深夜残業の場合にも、1日8時間を超える労働で深夜残業となった場合には、普通残業の2割5分増しに加えて、深夜残業の2割5分増しとなり、合計5割増しの残業代が発生します。

(3)サービス残業

ブラック企業ではこの時間外手当がそもそもなかったり、あったとしても低く抑えられたりしていることがあります。サービス残業という言葉を聞いたりするかもしれませんが、法的には労働時間への対価として支払われるべきものなのです。

仕事に対して厳しい上司からは「仕事が遅いから残業になるんだから、残業申請はするな」ということを言われるかもしれませんが、会社としては仮に業務能力がなく仕事が遅いために残業になったとしても、時間外手当は支給しなければならないものなのです。

3. みなし残業代の場合

(1)みなし残業代の場合の計算

みなし残業代を支給している会社や、別の手当ての名目でそこに残業代が含まれているとしている会社もあるかも知れません。

そのような場合には、そのみなし残業代が時間外の何時間分に相当するのかを把握することも重要です。

たとえば、10時間分の残業に相当するみなし残業代であれば、10時間を越えた残業については別途時間外手当を支給することが企業には求められているからです。

みなし残業代を支給している会社では、月に○万円のみなし残業手当を一律に支給しているケースが多いですが、残業代の計算と同様に「基本給+役付手当」(労働に対しての対価である給与を基礎とする)を基礎に割増したものが残業になるので、それぞれの「基本給+役付手当」によってみなし残業手当が、時間外の何時間分に相当するのかが異なります。

(2)よくあるトラブル

  1. 「みなし残業手当をつけているのであり、たとえ残業を全くしなくとも、みなし残業手当をもらえるのであるから、みなし残業手当の残業時間相当分を超えた場合にも、追加で残業代を出さなくともよいだろう」と判断するのは間違えです。

    みなし残業手当をつけている場合に、みなし残業手当の残業時間相当分を超えた場合にはみなし残業手当で不足した残業代分を追加で支払う必要があります。

  2. 「みなし残業手当ということがわかる名称になっていない、または、みなし残業手当であることを示す表現が就業規則などにされていない」という場合には、注意が必要です。

この場合には、みなし残業手当と評価されずに、残業代の基礎となる「基本給+役付手当」(労働に対しての対価である給与)に含まれてしまい、実質はみなし残業手当をも含む給与で残業代を計算して、支払う義務が生じる可能性が出てくるからです。

4. 残業代の請求の制限

残業代の計算を見てきて、「あれ、10年以上前から残業代全額はもらってなかったよ!」という方がいるかもしれません。この場合、社員の方からは全額会社に請求が可能です。

ただし、労働基準法115条によって、未払い残業代請求権を含む賃金請求権は、2年間の消滅時効にかかるので、会社がこの消滅時効を援用することで、直近2年分の未払い残業代のみの支払いになるという可能性がありますので、注意が必要です。

5. 残業への理解を深め会社も社員も納得できる関係を

残業については会社(経営者)も社員もそれほどしっかりと理解できていないことが多いです。

それによって、残業代の未払いやサービス残業、長時間労働による心身の不調などにつながることがあります。

会社全体も社員一人ひとりもしっかりと残業についての理解を深め、お互いに納得できる良好な関係を築い
ていくことが重要でしょう。

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