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出金伝票とは?ひな形付きで書き方を解説

最終更新日:(記事の情報は現在から68日前のものです)
出金伝票とは、企業から現金が出ていく取引の内容(取引先、取引商品やサービス、金額など)を記録するための書類です。出金伝票の役割は、取引による企業内の現金の増減などの記録や、決算書類作成の効率化および税務申告の補助書類になるなど、利用価値も利用頻度も高い書類です。 出金伝票の概要や類似書類との相違点を紹介し、出金伝票の記載内容や作成時の注意点などを解説します。また、すぐに使える出金伝票のひな形がダウンロード可能です。

出金伝票とは

出金伝票とは、現金取引や費用の現金支出を管理するために、支払先や用途および金額などをその取引の都度記録する伝票です。

また、支払先のやむを得ない事情によって領収書を発行してもらえなかった場合に、相手方が現金の受領を証明する領収書の代わりに、こちら側で現金支出を証明する書類としても出金伝票を使います。

金銭の入出金に関わる伝票で出金伝票と混同しやすいものとして「出金伝票」「領収書」「入金伝票」「振替伝票」がありますが、これらの違いは下表のとおりです。

出金伝票 領収書 入金伝票 振替伝票
発行元 支払側 受領側 受領側 支払側・受領側
取引内容 現金 ・現金
・クレジット(印紙不要)
・現金 ・口座引落
・クレジット
・手形小切手
利用状況 少額の現金購入などの出金 サービス業や小売業 少額の現金売上などの入金 ・現金以外の取引
・売掛や買掛の取引

出金伝票の書き方

出金伝票は、日常的な経理作業や確定申告書および決算書の作成時に「いつ・誰と・どのような内容で・いくらの出金で」取引があったのか、明確にわからなければ意味がありません。そのため、下記のような出金伝票の主な記載内容を明記して、取引内容や勘定科目および仕訳の判断ができるようにしましょう。

また、高額の支払いをした際の出金伝票起票時には、後日の総勘定元帳への転記や税務調査などを想定して、必ず起票の根拠(日付や支払先および金額など)となる資料もあわせて保管しておきましょう。

  • 日付
  • 支払先
  • 勘定科目
  • 摘要
  • 金額
  • 起票者

それぞれの項目について解説します。

日付

日付は、現金を支払った日を記入します。出金伝票を作成した日付ではありません。

支払先

支払先は、現金を支払った先の個人名もしくはお店や企業名を記入します。

勘定科目

勘定科目とは、取引の内容をわかりやすく分類するための会計処理の定型項目で、資産・負債・純資産・収益・費用の5つのグループの下にさらに細かく定められています。たとえば、「売上」「消耗品費」「事務用品費」「旅費交通費」「接待交際費」など数多くあります。

この科目の割り当てや仕訳は起票者のイメージで適当に記載するのではなく、少なくとも社内の統一ルールにしたがって行わなければなりません。

摘要欄

摘要欄は、取引の内容を記載します。あとからでも取引内容がわかりやすいように、たとえば事務用品費なら「ボールペン20本補充」、旅費交通費なら「〇〇駅から△△株式会社へのタクシー代」など、簡潔かつ内容がわかる表現で記載します。あとで仕訳帳から総勘定元帳へ転記する際に、勘定科目の正誤チェックができる程度の詳細さを基準にしましょう。

金額

金額は自分が支払った金額を記入します。つまり、割り勘など一部負担の場合は、総額でなく自分が実際に支払った金額のみを記載します。

起票者

起票者は、出金伝票を起票した方が誰なのか判別できるように、名前の記入もしくは押印をします。起票者だけでなく上席や経理部門長などの押印が必要な場合は、帳票の関係者全員が押印するのが一般的です。

出金伝票に関する注意点

むやみに多用しない

出金伝票は領収書の代わりになる書類ですが、領収書の入手を怠って出金伝票ばかりを多用するのは会計業務の性質上望ましくありません。しかも、領収書が揃っているだけで経理担当者と取引担当者の間の懐疑的なやり取りがなくなります。したがって、経費の申請では領収書が必要だという前提は厳守しつつ、慶弔費や自動販売機での購入などやむを得ない場合に限り出金伝票を認めるという社内の統一ルールが必要になるでしょう。

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法に基づいてしっかり保管しておく

取引に基づく伝票や帳簿は、一定の保存期間が法律によって定められています。たとえば、法人税法上の出金伝票の保管期間は領収書やレシートと同様の7年間であり、青色申告書を提出した事業年度で、欠損金額(青色繰越欠損金)が生じた事業年度については10年間の保管義務があります。

一方で、出金伝票の会社法上の保管期間は10年間です。したがって、決算が終わったからといって帳票類を処分してしまわないようにご注意ください。

なお、ハードディスクや各種メディアおよびクラウドストレージなどへの電磁的記録も保管期間は紙の帳票と同じ期間です。ただし、電子帳簿等保存法により、2024年1月1日から電子取引データの保存が義務化されたため、電子データの取り扱いにはさらなる注意が必要になります。

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消費税区分に従う

出金伝票を使用するときは、軽減税率への対応のためにも消費税法に基づいた区分を行うべきです。具体的には、飲食業で店内飲食とテイクアウトを区別する場合や、小売業で税率が異なる商品ごとに区別する場合などが該当します。

このように、8%と10%の税率を使い分けなければならない業種なら、軽減税率と標準税率の区別が付くように出金伝票への摘要の記入などで誤った形状にならない工夫が大切です。

改ざん防止

出金伝票は、出金側が単独で作成する帳票であるため、客観的な信憑性に欠けます。そのため、税務調査が入った際に出金伝票の客観的証拠になる補足資料が乏しいと判断された場合には、いっそう詳しく調査されるでしょう。

そのため、次の点に注意して誤解を生まないように気を付けなければなりません。

  • 出金伝票の取引内容を裏付ける資料(婚礼の祝儀なら招待状)を保管する
  • 金額その他の改ざんを防ぐため、金額は「¥1,000-」などのマークを記入する
  • 訂正は修正液や修正テープではなく、2重の抹消線と訂正印で適切に修正する
  • 書き損じの出金伝票は捨てずに、通し番号の欠番による不正の疑いをなくす

出金伝票が必要になる場面

出金伝票は、領収書が発行できるのに失念したもしくは受け取った領収書を紛失した場合、または下記のような領収書が出ない取引をした場合に、経費精算の領収書に代えるために発行します。

  • 交通系のICカード決済で運賃を支払った場合
  • 路線バスの切符購入時に領収書が出ない場合
  • 自動販売機で飲み物やその他を購入した場合
  • 取引先や関係者へ慶弔費を渡した場合
  • 全体会計によって自己の出費の領収書がない場合

出金伝票のひな形(テンプレート)

BOXILでは、出金伝票のテンプレートを用意しています。出金伝票を作成する際にはぜひご利用ください。

出金伝票のひな形(テンプレート) 出金伝票のひな形(テンプレート)

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