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事業計画書の無料テンプレート | 相手に伝わり、納得させる書き方・重要な12項目

最終更新日:(記事の情報は現在から420日前のものです)
Excelで作成できる事業計画書のテンプレートを紹介します。あわせて記載時の注意点やポイントを中心に解説します。紹介するテンプレートは無料でダウンロード可能です。

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事業計画書は出資や創業資金の融資など、資金調達を受ける際に必要です。しかし事業計画書の役割はそれだけではありません。今後どのように事業を進めていくのか、事業プランをあらゆる観点から考察し立案する設計図こそが「事業計画書」なのです。

書式やフォーマットが指定されているわけではなく、社内外に向けて具体的な行動を示すものであれば自由に記載できます。

この記事で紹介する事業計画書のテンプレートにある項目の中で記載に悩むところがあれば、経営者として深く考える必要のある部分なのかもしれません。

事業計画書が具体的かつ客観的であれば、その事業の成功の可能性が高まり、銀行などからの融資を受けやすくなります。

事業計画書を書く必要がある方のために、Excelで簡単に使える事業計画書の無料テンプレートを用意しました。あわせて事業計画書のメリットや書き方、ポイントについても解説します。

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事業計画書のテンプレート(ひな形)を紹介します。Excelで簡単に使えるさまざまなデザインの全色キャプチャフォーマットが無料でダウンロードできるので、ぜひご活用ください。

また、初めての方でも安心して事業計画書を発行できるように、事業計画書に必要な記入項目や、一般的によく記載される記入項目も紹介します。

事業計画書作成時に使える「商品別強み・弱み分析表」「組織図」「売上計画書」などのテンプレートも多数用意しています。ご覧になりたい方はこちらをご覧ください。

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事業計画書作成のメリット

次に事業計画書作成のメリットについて説明します。

事業内容を整理し、行動を明確化する

事業計画を考える際、創業者や経営者の頭の中にさまざまなアイデアが浮かんでいると思います。そのアイデアを書面に書くことで、自分の思考を可視化します。

可視化することで事業を客観的に見ることができ、不足している部分の発見や、具体的な行動の優先順位の明確化もできるようになります。さらに新しいアイデアにつなげることができます。

他者に事業計画を理解してもらい、サポートを得る

事業計画の実現は、自分や会社だけではできません。資金調達を得ることはもちろんですが、資金繰り以外にも人脈や他者からの協力も必要です。多くのサポートを得ることで、一人で運営するよりも早く実現でき、より大きな成功につながりやすくなります。

事業開始後に方向性を確認する

資金を無事調達し、事業を開始した後も事業計画書は大切です。たとえば事業開始後に売上や収益性に課題があったり、返済プランが滞りかねない事態が発生することもあるかもしれません。その際に問題を客観的に分析し、行動や計画を見直す時の1つの指針として事業計画書が役立ちます。

事業開始後は忙しくなり、日々行うべき行動や利益に目がいきがちです。定期的に理念や目的に立ち戻り、事業計画を見直すことが、早期の問題解決につながります。

事業計画書で重要な12項目の書き方

事業計画書の書き方は「起業にあたっての資金調達」「事業拡大にあたっての融資」など、事業のステータスや状況、目的に応じて変わります。いずれの場合も出資先を納得させる一貫性や力強さと信頼感が必要です。具体的に次の項目を押さえるとよいでしょう。

  1. 理念・目的(開業動機・目的)
  2. 創業者プロフィール(職歴・事業実績)
  3. 会社概要(取扱商品・サービス)
  4. 事業概要(取扱商品・サービス)
  5. 競合優位性(セールスポイント)
  6. 営業戦略・ビジネスモデル(具体的な営業戦略)
  7. 社会的背景
  8. 市場調査
  9. マーケティング戦略
  10. 生産体制・販売体制
  11. 開業資金
  12. 財務計画

理念・目的(開業動機・目的)

事業を運営していくにあたり融資先や顧客から協力してもらうために、経営理念や目的を記載しましょう。事業計画とは「あなたがビジネスで実現したいことを明確にするための事業の計画」です。この後に記載する「取扱商品・サービス、営業戦略、社会的背景」などは、この理念・目的との一貫性がなければなりません。

また、なぜ起業しようと思ったのか、どういう事業を行いたいのかを書くことで感情的にも訴えることができます。

創業者プロフィール(職歴・事業実績)

創業者プロフィールでは、創業者自身の実績やスキル・ノウハウを書きます。事業に協力してもらうためには、創業者や経営者自身をアピールすることは欠かせません。出資者は「理念・目的」で本気度を測り、「職歴・事業実績」で実現する実力を持っているかを測るといえます。必要であれば創業メンバーの職歴・事業実績も書きましょう。

会社概要(取扱商品・サービス)

会社概要には商号や所在地、メールアドレス、ホームページのURL、役員、主力製品・サービスを記載します。事業創業・拡大のコンセプトを明確にしておきます。創業前でまだ未確定の要素があれば、予定と記載しておけば問題ありません。

事業概要(取扱商品・サービス)

事業概要では主力の製品・サービスを記載します。より詳細に伝えるためには写真やイラストを用いるとわかりやすく訴求できます。市場規模や背景が合理的でも、製品やサービスに魅力がなければ、出資側は二の足を踏んでしまいます。自社の強みを前面に打ち出し、ユーザーテストの結果も準備するとなお良いでしょう。

競合優位性(セールスポイント)

競合優位性の項目は、製品・サービスの強みを伝えるのにうってつけです。競合他社がひしめき合う事業に参入した場合、事業の成長見込みや社会的な必要性が少ないとマイナス評価を受けかねません。自社にしかない強みを伝えましょう。また、その事業における自社製品・サービスのポジショニングを明確にすると他社製品との差別化につながります。

営業戦略・ビジネスモデル(具体的な営業戦略)

顧客の想定や営業戦略、ビジネスモデルについて具体的に記載します。ターゲットや商圏も含め、事業を展開する領域を明らかにしましょう。成功を収められる市場規模があるのか、社会的背景があるのかを明記するのが望ましいです。事業が継続的に利益を上げられる仕組みも説明すると良いでしょう。

社会的背景

新規に始めようとしている事業がなぜ世の中に求められているのか、社会的背景を絡めて説明しましょう。
社会的背景と先に記載した「理念・目的」に一貫性があることで、さらに共感を得られやすくなります。その際にはPEST分析を用いると効果的です。PEST分析の項目は次のとおりです。

  • Political(政治面)
  • Economical(経済面)
  • Social(社会面)
  • Technological(技術面)

事業が受け入れられるそれぞれの背景を整理して分析してみてください。

市場調査

ターゲットとなる顧客層へのヒアリングやアンケート結果など、あらかじめ市場調査を実施することで、サービスの独自性や新規性を見いだせます。調査結果を踏まえてターゲット層を絞ることで、事業内容を鮮明化できるでしょう。

マーケティング戦略

自社製品・サービスを販売するには、適切なマーケティング戦略が必要です。どれだけよい製品・サービスであったとしても、顧客に必要とされていなければ売れません。マーケティング戦略の項目では、商品やサービスをどういったアプローチで顧客に届けるかを記載します。なかでも4Pはマーケティング戦略においてよく使用される枠組みです。

  • Product(商品・サービス)
  • Price(価格)
  • Promotion(広告・宣伝)
  • Place(流通チャネル)

事業の製品やサービスそのものだけでなく、価格やプロモーション方法、流通チャネルは事前にしっかりと想定しておきましょう。

生産体制・販売体制

商品について生産場所はどこか、どのような手段で輸送し、どこで販売するのか、安定的な供給が可能か、販売に必要な人員体制、などについて記載します。特に事業が拡大したときの生産増加や人員の追加についても想定しておくと、それに伴う追加資金も明確になります。これらを事業開始前に整えることで融資先や顧客に対して事業に対する本気度を示せます。

開業資金

事業に必要な資金について、詳細を記載します。初期費用がいくらかかるのか、開業後半年でいくら必要か、自己資金がどのくらいあるのか、いくら融資してもらうのか、などかかる費用のすべてです。資金面の裏付けがないとファイナンスを信用してもらえません。現実に即した数字を記載しましょう。

財務計画

事業計画書の作成と同時に財務計画書も作成しておきましょう。財務計画書は綿密なリサーチと市場調査により、売上の根拠となるデータを収集し売上計画と予測を立てます。

財務計画書は事業計画書とともに起業時に必要な書類で、金融機関や公庫で融資をしてもらう際に信頼性を高める役割をもちます。商品個別での売り上げや年齢層、地域別、月間別、年間、平均値など、財務計画書を見ただけで知りたい情報のわかる計画書にしましょう。


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財務計画書を書くポイント

書き方ポイント1. 売上予測公式は日本政策金融公庫で

売上予測は日本政策金融公庫が紹介している売上予測の計算公式を使うと、簡単に計算できます。

たとえば、店舗を構える販売業の場合の計算公式は「1㎡(または1坪)あたりの売上×売り場面積」が公式です。1㎡あたりの売上高は、小企業経営指標にある業界平均金額14万円を当てはめて計算します。

サービス業は「客単価×席数×回転数」となり、自動車販売業といった労働集約的な業種の場合は「1従業員の売上高×従業員数」となります。

出典元:創業計画Q&A|日本政策金融公庫(2022年1月19日閲覧)

書き方ポイント2. 売上予測は顧客層や商圏で異なる

売上予測は年代や商圏によって異なります。顧客が企業なのか消費者なのかで売上の計算も変わるので、それぞれのアプローチへ最適化させましょう。売上高をはじめとした数値は、ケースバイケースであることを頭に入れて計算します。

書き方ポイント3. 稼働率は限界あり

商圏が狭かったり店舗の設備を利用したりする場合は稼働率に限界が生じます。たとえば飲食店は座席数以上に顧客を増やせず、小売業やサービス業は商圏の人口 × 入店割合が1日の限界稼働率です。ただし稼働率は営業を始めないと予測しづらいので、リサーチ会社に依頼するのが確実でしょう。

業種別事業計画書記入のポイント

ここまでは一般的な事業計画書の書き方について説明しました。次は業種別の事業計画書の記入のポイントについて説明します。

飲食店(サービス業)

経営者自身が過去に飲食店勤務の経験があれば、創業者プロフィール欄に具体的に書きましょう。正社員として飲食店勤務の経験がある必要はありません。たとえば、会社員として飲食店とは関係のない仕事をしていたとしても、学生時代に飲食店でのアルバイト経験があれば、その経歴を記載してもかまいません。その経歴と動機が結びつくとさらに説得力が増します。

また、「取扱商品・サービス」には、提供する予定の料理、飲み物について書きます。その時写真があると、よりイメージがしやすくなるはずです。最近は味だけでなく、「ソーシャルメディアで話題になるか」「SNS映えするか」という点も人気店になるポイントの1つになります。

ホテル

ホテルや旅館の事業計画の場合、ホテル旅館の運営経験があるかどうかは大きなポイントになります。もし運営経験がないのであれば、それを補う体制づくりについて記載する必要があります。たとえば、経験豊富な支配人を雇う、他のホテル旅館経営者の運営サポートをうけるなどです。

また、ホテル周辺のマーケット分析も重要です。ホテルの想定顧客と立地が合っているかどうか、近隣宿泊施設の客室稼働率はどうか、客単価が適切かどうか、なども客観的数値で示します。日本旅館協会、観光庁、自治体、日本政府観光局、週刊ホテルレストラン、日本生産性本部などのホームページや公開資料などを参考にしましょう。

クリニック

クリニックの事業計画書では、創業者プロフィール欄に院長となる人の学歴、職歴、学位、専門医資格、所属学会を記載しましょう。院長の強みと想定の患者が一致しているかどうかも重要です。

「取扱商品・サービス」に相当する診療内容のうち、保険診療、自由診療のどちらが多いのか、また自由診療の単価により収入が大きく変わります。患者1人当たりの収入は新規患者の多い開業当初は単価が高くなります。開業後3~5年後の収入を想定して、財務計画をたてましょう。

事業計画書で自社分析も可能

事業計画書の作成は、自社の「理念」「製品・サービス」「ビジネス領域」「自社の強み」「戦略」などを、市場内の競合との関係性を含めて明らかにすることであり、出資先である相手に簡潔に力強く納得させるためものです。

これは自社をあらためて分析し直すことと同義であり、結果的によりよい事業計画を策定していくのにも役立ちます。一から作成するのは容易ではないため、テンプレートを活用するのが望ましいでしょう。

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