CCCMとは?BtoC向けマーケティングオートメーションの特徴 | 必要性・事例

日ごろから企業の製品プロモーションに従事している人でなければ、CCCMという言葉はなじみがないかもしれません。たとえマーケティングを仕事にしていても、MAとの違いについてはきちんと説明できないという方もいるでしょう。
そこで、CCCMについての基本的な説明から、特に混同されやすいMAとの違いについて説明します。特に両者の違いについてよくわからないという人は、ぜひお読みください。
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1. CCCMとは
CCCMとは?
まず、CCCMについて簡単に説明します。CCCMとは「クロスチャネル・キャンペーン・マネジメント」の略語であり、複数のマーケティングチャネルを相互に活用して、それぞれの顧客に対して最適なアプローチを実現する手法のことです。
現在では、こうした手法を自社で運用するためのソフトウェアを指す方が一般的になっています。
クロスチャネルとは「複数の経路」のことなので、自社の見込み顧客に対してさまざまな媒体を通じてキャンペーンを仕掛けることによって、こちらの商品・サービスを継続的にアピールできます。
CCCMとMAの違い
CCCMとMAの違いを理解するために、まずは両者が現在どういう定義で使われているかを確認しておく必要があります。
MAとは、企業が継続的に行っているマーケティングに関する諸々の活動を、より効率的かつ高いレベルにすることを目的としたソフトウェア全般をいいます。これも元々はそういった手法のことを指す場合が主だったのですが、MAを効率的に運用するためのソフトウェアが多数登場するにつれて、徐々にソフトウェア自体をMAと呼ぶのが主流になっています。
一方、CCCMは複数のチャネルを相互活用して顧客と一対一のコミュニケーションを図るためのソフトウェアです。CCCMは広義ではMAの範疇であり、特にBtoCビジネスにおけるMAに分類されることがケースが増えています。
つまり、顧客が企業や事業主なのか、あるいは個人なのかによって、MAと呼ぶのかCCCMと呼ぶのかを決めているわけです。
ただし、両者の目的やそれぞれ重視されている機能群に沿って考えてみると、その違いが浮き彫りになってきます。単純に「BtoC」か「BtoB」かによる使い分けではなく、用語が生み出された背景や目的によって両者を区別することもできます。
MAについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

MAとCCCMの目的の違い
MAの目的とは、端的に言えばリード(見込み顧客)を適切に管理して優良顧客へと育てることです。いわゆるリードナーチャリングと呼ばれる手法であり、自社のリードとなり得るターゲットを抽出し、メールマガジンやブログ、WEBコンテンツなどの提供などを通じて自社の商品・サービスへの購買意欲を高めることを目指しています。
MAによって顧客の行動を分析してアクションを起こさせ、その反応によってさらに次の行動へと促すという一連のアプローチを、さまざまな分析ツールや機能をもって自動化していくわけです。MAとはいわば、リードの顧客転換率を高めるためのサポートツールとしての意味合いが強いといえます。
一方、CCCMは自社のもつさまざまなマーケティングチャネルを使って顧客とコミュニケーションを図ることを目的としています。顧客に自社をアピールするために複数のチャネルでキャンペーンを打ち、こちらの商品やサービスの特徴や利点を知ってもらう狙いがあります。
近年はインターネット環境が私たちの生活に定着しており、ネット上のさまざまな媒体も小資本で利用可能です。そのため企業のマーケティングチャネルも多様化し、多岐にわたるチャネルを使ってキャンペーンを打てるようになりました。
それに伴って複数チャネルでのキャンペーンを統合的に管理する必要性が高まり、企業のそういったニーズに答える形でCCCMと呼ばれる手法や、それを実現するさまざまなソフトウェアが登場してきたわけです。CCCMは利用可能なあらゆるチャネルを利用して、顧客に統一したメッセージを送るためのソフトウェアといえるでしょう。
BtoCかBtoBかによって両者を使い分けることもできますが、その背景にはこういった目的の違いがあるのです。
2. CCCMの必要性
CCCMの概要を説明したところで、なぜ近年話題となっているのか?という背景についても知っておきましょう。
ワン・トゥ・ワンが主流に
昨今は、それぞれのリードがもつニーズや過去の購買行動に合わせて、個別にマーケティングを展開していくやり方が主流になっています。いわゆる「One to One(ワン・トゥ・ワン)マーケティング」と呼ばれる手法です。
特にIT技術の発達によって、消費者に対して無差別に広告を展開するようなマスマーケティングから、それぞれの消費者個人に合わせて最適なコンテンツを提供するマーケティングが注目されるようになりました。
時代はすでにワン・トゥ・ワンマーケティングに移行する時期を過ぎ、いかに顧客一人ひとりを意識したアプローチを効率的に行うのかという段階に入っています。
そして前項で述べたように、クロスチャネルで顧客とコミュニケーションをとることのできる媒体が低予算でも利用可能になるにつれ、多くの企業がCCCMによってリードの獲得を目指すようになったのです。
ワン・トゥ・ワンマーケティングについてもっと知りたい方は、こちらをご覧ください。

DMPの充実によるCCCMの精度の向上
また、企業のマーケティング活動を促進するデータベースである「DMP(Data Management Platform)」の充実も、CCCMが注目される背景としてあります。
DMPとは、企業のマーケティング活動のために最適化されたデータベースであり、自社が保有する顧客データに加えて、WEBサイトの訪問回数などのCookie(クッキー)から導き出された各種オーディエンスデータの統合データベースシステムをいいます。
つまり、リードや既存客のサイト閲覧履歴や実際の購入履歴など、自社が独自に取得することの可能なデータに加えて、他のWEB媒体での消費者の行動履歴などを融合したものです。これを利用することで、それぞれの顧客のニーズに応じたマーケティングが可能になり、CCCMを展開するうえで非常に強力な後押しとなっています。
主として広告のために利用されるケースの多いDMPですが、今後さらにシステム面が強化されるにつれて、多くの企業がCCCMのために活用することになるでしょう。
3. CCCMの事例
それでは、具体的にCCCMがどのように利用されているのかを紹介します。
CCCMの活用事例
CCCMとして、これまで店舗を訪れたことのある既存客の住所や購入履歴のデータを使ってキャンペーンの告知をするなどの事例はたくさんあります。近年は主に顧客の所持しているスマートフォンを利用するケースが多いようです。
たとえばチラシやDMの中にQRコードを入れておき、そこから個人情報を登録してくれた顧客には特別の割引をする趣旨の告知をします。すでにメールアドレスなどの情報を登録済みの顧客には、同じようなキャンペーンを号外メールとして配信し、来店時に特別な待遇をすることを約束するケースもあります。
あるいは、住所や属性から日ごろの行動パターンがある程度予測できる顧客に対しては、通勤時や帰宅時など店舗の傍を通る可能性の高い時間帯に、顧客のスマートフォンにタイムセールなどのプッシュ通知を届けるといった手法も考えられます。
店舗によっては顧客の買い物中にそういった通知を出して、アップセルにつなげるというやり方を採用しているところもあります。
このように、CCCMは企業にとって自由度が高く、工夫次第でさまざまな手法が考えられるのです。業種や業態、顧客の性質によって媒体を使い分けられるところもCCCMが注目されている理由でしょう。
4. CCCMの主な機能
CCCMの代表的な機能を大まかに分類すると、以下3つのプロセスになります。
(1)顧客データの分析およびターゲット属性の設定
顧客の住所や年齢、性別、あるいは職業など、基本となる属性データの分析や、これまでの購入履歴や訪問履歴の多いコンテンツの分析を行います。それによって主にターゲットとしてキャンペーンを打っていく顧客層を明らかにします。
(2)セグメントごとの基本シナリオの設計
ターゲットとなる顧客セグメントを明らかにしたら、当該顧客層が興味を示すようなキャンペーンシナリオを設計します。どの媒体でどういったキャンペーンを実行してくのか、全体的な設計図を描くわけです。
(3)クロスチャネルでのシナリオの実行
複数のマーケティングチャネルを利用して認知度を高めていくのがCCCMの中心です。実際に全体図に従ってクロスチャネルでシナリオを実行していきます。さらに、そこからフィードバックを得てシナリオを洗練させていきます。
5. おすすめのツール紹介
最後におすすめのCCCMツールを紹介します。
b→dash - 株式会社データX
- 一元管理されたデータにいつでもアクセス
- b→dashひとつであらゆる機能を
- 直感的な操作でだれでも使える
企業のマーケティングに必要となる顧客情報を含む各種データの取得や統合、そして実務での利用をAll in oneで実現してくれるマーケティングプラットフォームです。データも機能も一箇所にまとめられているので、b→dashでやりたいことが完結できます。
直感的な操作と専任担当のサポート体制のおかげで、だれでも簡単に操作できるようになっています。
MOTENASU - 株式会社FID
- 既存の基幹システムと簡単に連携
- One to Oneマーケティングを自動化
- 特許取得の配布物発注システム
MOTENASUは、顧客への「おもてなし」を取り入れた次世代型MAツールです。メール、LINE@など顧客一人ひとりにあわせたチャネルをシナリオに組み込め、顧客の属性に合わせた施策を自動で実行できます。また「配布物発注システム」により、オフラインでOne to Oneマーケティングを実施。同一内容のDMを一斉送付するのではなく、個々人にあわせた内容のDMを1枚から発送でき、きめ細やかな顧客対応を実現します。
aimstar - スプリームシステム株式会社
- 豊富な分析テンプレート
- 連携機能により導入コストを削減
- シナリオベースの自動化も
企業のキャンペーン管理に特化したツールです。顧客情報を分析し、適切なキャンペーンを実践していくために必要となる機能が豊富に搭載されているのが特徴です。これによって企業のプロモーションを効率化し、費用対効果の高いマーケティング活動を実現します。
カスタマーリングス - 株式会社プラスアルファ・コンサルティング
- マーケティング効果を高める機能をワンストップで提供
- 400社以上の導入実績
- 顧客セグメントごとに詳細なシナリオを構築
各種マーケティングデータの統合から分析、CCCM用のシナリオの構築まで幅広く対応できるツールです。直感的な操作が可能なUIですから、システムに詳しくない人でもすぐに使いこなせるようになります。
運用サポートが充実しているため、使用上わからないことがあっても、すぐに解決できるところも強みです。
CCCMを実践しよう!
CCCMの基本的な説明からMAとの厳密な違い、そして具体的な事例についても簡単に説明してきました。
CCCMとMAは大枠では同じものです。しかし厳密にはその目的は違っており、ソフトウェアとしてみた場合も得意とする機能が変わってきます。ですから、実際に導入する際は目的に沿ったツールを選定する必要があるでしょう。
企業によってどういうキャンペーンをどの媒体で行うかは非常に重要なマーケティング戦術となりますから、ツールの選定も慎重に行う必要があります。
下記ボタンからは、BtoC向けMAツールのサービス資料をまとめてダウンロードしていただけます。
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