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コンピテンシー評価とは?評価項目や基準・メリット・人事評価への活用法

最終更新日時:
記事の情報は2022-04-26時点のものです。
コンピテンシー評価とは、各企業の考える「仕事ができる人物像」を元に具体的な行動特性を抽出し、従業員一人ひとりの行動を評価を決定する人事評価制度です。ボクシルでは、評価シートの項目や基準の作り方やメリット・デメリットについて解説します。

コンピテンシー評価とは

コンピテンシー評価とは、高いレベルで仕事ができる人の行動特性(コンピテンシー)を分析し、それを基準に社員一人ひとりの行動を分析・評価する人事評価手法のことを指します。

その一方で、コンピテンシーを定義するのに手間がかかってしまうのが、大きなデメリット。また社会の変化によって「仕事ができる」の定義も変化するので、運用する際は注意が必要です。

>>人事評価制度とは | 目的や評価手法、策定手順 - 注意すべきポイント

コンピテンシー評価と職能資格制度の違い

コンピテンシー評価とよく比較される評価制度に、職能資格制度があります。

職能資格制度は、能力・スキル・知識などを比較するもので、ゼネラリストの育成や長期間での人材育成に適しているといわれています。ただしその一方で評価項目にあいまいな項目が多いこともあり、評価者の主観に左右しやすいデメリットも指摘されています。

その点コンピテンシー評価は、具体的な行動傾向を基準としているため、効率的な人材育成に向いていると考えられています。

コンピテンシー評価のモデル

コンピテンシー評価のモデル設計の手法は大きく分けて次の3種類です。

  • 理想形モデル
  • 実在型モデル
  • ハイブリッド型モデル

どの手法も一長一短あり、状況によってモデル設計の手法を変えなければなりません。

理想形モデル

理想の人物像をベースにコンピテンシー評価のモデルを設計する手法です。

理想が高すぎれば達成不可能な目標となり、理想を低く持ちすぎれば簡単に達成できてしまうバランスが難しいモデルです。どの位置に理想を置くかによって人事評価での活用性は大きく異なります。

実在型モデル

仕事ができる人を事例にモデル設計するパターンです。

実在する人をベースにしているので、どのような行動が求められているかイメージするのは容易です。ただし、まだ社内に存在しないハイパフォーマーの育成はできません。

ハイブリッド型モデル

理想型と実在型を混合する設計方法です。実在型モデルで一度コンピテンシーモデルを設計し、理想型モデルを追加することによって、理想型、実在型のメリットを合わせます。

ただし、理想型と実在型の行動特性が矛盾しないように行動特性の深堀を行うべきです。

コンピテンシー評価のメリット

コンピテンシー評価の主要なメリットは次の3つです。

  • 効率的な人材育成・能力開発ができる
  • 成果や業績の向上につながりやすい
  • 納得感のある人事評価を行える

それぞれについて詳しく説明します。

効率的な人材育成・能力開発ができる

実際に仕事で成果を出している人材の行動を評価基準に設定しているので、目標設定が明確かつ具体的になり、社員の行動指針になります。そのため社員は行動方針を決めやすく、モチベーションの向上につながることも期待できます。

また、目標が明確かつリアルな設定になることで、能力開発の指針も明確になり、会社に必要なスキルや知識を効率的に身に着けられます。

マネージャー側も部下を指導する際に、教育指針として活用できるので効率的な人材育成が可能です。採用面接の際も、質問を考える指針になります。

成果や業績の向上につながりやすい

高い業績や成果を出す人材を目標に設定するため、各自の生産性向上、最終的には組織全体の生産性向上が期待できます。

生産性の高い組織を作るためには、コンピテンシーを分析し、業界や職種の変化があれば素早く基準を更新したほうが良いでしょう。また、なぜそのような行動特性を目指すべきなのか、従業員に丁寧に情報共有することも求められます。

納得感のある人事評価を行える

コンピテンシー評価では、どのような行動が評価されるのかを具体的に確認できます。よって評価内容への理解と納得感が高まるので評価に対する待遇や給与面での不満や離職を防止できます。

もちろん、コンピテンシー評価が理由で必ずしも納得できるというわけではなく、行動基準と各従業員の行動に対する個別の評価については、人事評価システムや点数に基づく評価シートを用いて丁寧にフィードバックする必要があります。さらに本人コメントやコミュニケーションを踏まえて、相互的な評価システムが構築できれば望ましいといえるでしょう。

また、納得感のある人事評価が行えることは、人材育成のPDCAにおいても良い影響があります。

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コンピテンシー評価のデメリット

一方でコンピテンシー評価にはデメリットもあります。代表的な問題点は次の2つです。

  • 項目やモデル設定に時間がかかる
  • 環境変化の対応に弱い

それぞれについて詳しく説明します。

項目やモデル設定に時間がかかる

コンピテンシー評価では、行動特性を具体的にしなければなりません。そのため実在モデルを分析して、行動特性の項目を作成するためには多くの手順が必要となり、具体的な評価基準を設定するには時間がかかります。

また、運用する際は少なくとも1年は評価基準を固定する必要があるため、コンピテンシー評価の導入から円滑に運用するまでには長期的な視点が必要です。

環境変化の対応に弱い

少なくとも1年は評価基準を固定しなければならないため、アップデートやメンテナンスにも一定の期間が必要になります。

そのため、コンピテンシー評価は環境変化の激しい業界や職種では変化に基準が追い付かないので人事評価としての運用が困難です。古い状態のコンピテンシーで評価を実施しても、実態に合わず適切な評価が行われず失敗に終わってしまう可能性があります。

業界動向が安定していて、評価の基準がさほど変化のない業界の方がコンピテンシー評価に向いているでしょう。

コンピテンシー評価方法とやり方

コンピテンシー評価では仕事のできる人材の行動特性をベースに評価基準を設定します。そのため、どのような項目を評価の対象にするのか、基準はどのように設定するのかは重要なポイントです。

また、理想型、実在型、混合型のどのモデルをベースに行動特性を決定するのかによっても設定方法は異なります。

コンピテンシー評価を実施する際は具体的にどのように項目を設定すれば良いのか、評価基準はどのように設定すれば良いのかについて紹介します。

コンピテンシー・ディクショナリーを用意する

ゼロから評価項目や基準を創出するのは困難のため、実務上は既存のコンピテーション・ディクショナリーを改造して独自の評価基準を作成するといいでしょう。

代表的な基準は「コンピテンス」の概念を提唱したハーバード大学マクレランド教授の弟子である、スペンサーのコンピテンシー経営の原典「コンピテンシー・マネジメントの展開」にある次のような基準です。

領域 項目
達成・行動 達成志向、秩序・品質、正確性への関心、イニシアチブ、情報収集
援助・対人支援 対人理解、顧客支援志向
インパクト・対人影響力 インパクト、影響力、組織間隔、関係構築
管理領域 他者育成、指導、チームワークと協力、チームリーダーシップ
知的領域 分析的思考、概念的思考、技術的・専門職的・管理的専門性
個人の効果性 自己管理、自信、柔軟性、組織コミットメント

上記の基準だけでは抽象的過ぎるので、実際には各企業のビジネスモデルや経営理念、コンピテンシーを抽出するモデルなどに合わせて具体的な評価シートを作成します。

インタビューや観察から特性を調査する

好業績を上げるハイパフォーマーにインタビューを行い、特性を調査します。この際、コンピテンシー・ディクショナリーを参考にするとよいでしょう。インタビューだけでなく、観察や同僚からの意見を参考にするのもよい方法です。

経営方針と合致したコンピテンシーを作成する

インタビューや観察から得たコンピテンシーから、経営方針にあわないものをリストから除外。より精度の高いコンピテンシーにし、明文化します。

フィードバックを行う

コンピテンシー評価の基準モデルができたら、ハイパフォーマーの特性と照らし合わせ、調整します。複数人のハイパフォーマーを対象とすると、より精度の高いコンピテンシーになります。

コンピテンシー評価の注意点

基準モデルを意識しすぎない

基準モデルはあくまでモデルであり、そのとおりの人間は存在しません。基準モデルを押し付けてしまうと、社員のモチベーション低下につながる可能性さえあります。基準モデルはひとつの目安・基準にすぎないと覚えておきましょう。

成果向上も評価する

コンピテンシー評価は、行動特性から評価基準を設ける方法ですが、成果についても評価するように心がけましょう。そもそもコンピテンシー評価を導入する目的は売上や成果を上げることです。

コンピテンシー評価で人材育成を

コンピテンシー評価を導入することによって、納得感のある評価と効率的な人材育成が可能となります。成果主義とは別の評価基準になることも、大きなメリットといえます。ただし、コンピテンシー評価の設計と運用には時間がかかるので、どちらかといえば成熟した業界に適用すべきであり、成功モデルや業界のトレンドが頻繁に変化する業界では適用が難しいでしょう。

実務上はコンピテンシーモデルをゼロから生み出すのは困難なので、コンピテンシー・ディクショナリーをベースに自社の基準にカスタマイズすることによってオリジナルの評価基準を生み出します。

また、人事評価システムや評価シートを活用することで、より効果的にコンピテンシー評価を運用できます。

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