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MBO(目標管理制度)とは|人事評価制度導入の目的やメリット、課題

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目標管理制度(MBO)は、ピータードラッカーによって提唱された制度です。個々人ごとに目標を設定し、その目標への到達度合いによって評価が決まります。運用するメリットやデメリット、課題についても具体的に解説します。

MBO(目標管理制度)とは?

MBO(Management by Objectives and Self control)とは「目標管理制度」のことです。簡単にいえば、個人または組織で目標を設定し、達成度にしたがって評価を決める手法をいいます。

MBO(目標管理制度)は、マネジメントの父ともいわれる、経営学者「ピーター・F・ドラッカー」の提唱した考え方で、各従業員の目標を組織の目標とリンクさせて、生産性向上、業績アップを目指します。

MBOの目的

MBOの主な目的は、(1)自力で目標達成するための指標を設定することと、(2)個人の目標を組織の目標と関連づけることの2つです。

目標達成で注意したい点は、数値を達成するだけではあまり意味がないということです。具体的には次のことが重要です。

  • 組織全体の目標と個人の目標を関連づける
  • 自主的に目標管理するよう催促する
  • 上司は、部下の目標適性を確認する

単なる数値の管理ではなく、上司と部下が目標の管理という意識をもって、個人と組織、双方の目標を管理するのがポイントです。

MBOを導入する2つのメリット

MBOを適切に導入すると、2つのメリットを得られます。

MBO - メリット

能力開発・向上

自ら目標を立て管理することで、自己統制力の上昇、創意工夫による生産性の向上を図れます。人に頼らず、スキルアップできるので、成長スピードも加速します。

適切な目標を設定すれば、試行錯誤しながら目標達成する習慣も生まれます。これにより、セルフマネジメント能力が高まります。

モチベーションの向上

自主的な目標設定と創意工夫の余地は、従業員のモチベーションアップにつながり、自主性を高めます。

自分で目標を設定することで、強制的に与えられた仕事をこなすのではなく、自らの裁量で組織に貢献するという意識が芽生え、自主性やモチベーションにつながるのです。

MBOを導入する2つのデメリット

一方、MBOにはデメリットがあるともいわれています。

公平な評価が困難

MBOでは、目標は人それぞれ違うため、評価を平等にくだすのが難しいです。部門によっては明確な目標設定は困難なケースもあります。また、評価には管理者の能力が必要で、その点も問題を深刻化する原因になります。

評価者を増やして、なるべく多角的な評価を行う工夫が必要です。主観による偏りを防ぎましょう。

ノルマ管理ツール化の恐れ

冒頭でも述べたように、MBOは成果主義を実践する尺度として、取り入れられてきた側面があります。そのため、ノルマ達成を管理するツールとして位置づけられがちです。つまり、人事考課のためだけに利用されるツールになる可能性があります。

これらのデメリットは、MBOという制度が問題ではなく、間違った運用によって引き起こされることが問題です。組織全体で、MBOの仕組みやメリット・デメリットを理解し、正しく運用できるように制度を見直しましょう。

MBOの導入手順・運用の流れ

これまでの説明を踏まえて、MBOの導入手順と運用の流れについて解説します。基本的に、目標達成までのプロセスは、「PDCAサイクル」で管理します。

設定した目標(Plan)を実行(Do)して、定期的にその達成度合いを確認(Check)します。当初の目標が実行できていたか、成果に結びついたのかを検証し、評価しましょう。そのうえで、明らかになった課題や問題点の改善策を検討、改善(Action)するで、次の目標につなげます。

目標設定

まずはMBOに必要な「目標」の設定から始めます。経営戦略をもとにした組織目標と、それに整合する個人目標を明らかにします。

公正な評価のためには、各々の目標を正しく設定しなければなりません。目標が簡単すぎないか、難しすぎないかのチェックは重要です。

組織全体の目標を共有することで、社員を一体化するという狙いもあります。

計画・実行

設定した目標に向けて行動します。計画どおりに行動できないことも多いので、目標とのズレを認識したら、適宜行動を修正しましょう。

進捗確認

定期的に進捗状況を確認します。管理者は、部下に定期的な面談で直接報告してもらったり、日報を確認したりすることで、設定された目標と現状に大きなズレがないかチェックしましょう。行動の振り返りを促すことも重要です。

評価・評価後のフォロー

毎期ごとに目標の達成について自己評価させ、その後、事前に決めてあった評価基準によって上司が評定します。あくまでも「目標達成度」という客観的な評価が必要で、事前にどういう基準で評価されるのかを明確にしておきましょう。

MBOの課題

MBOを設定することにより、個人にも会社にもメリットがあり、なおかつ働く人が尊重されるように思えます。

しかし、ここまで前述してきたのはあくまで理想の形。実際はさまざまな課題が出てくるケースも多いです。

その課題の一つとして、目標を設定することが、人事評価の一環として強制的にやらされているような感覚を覚えてしまう点です。

従業員一人ひとりと、その上司の話し合いによって設定された目標。この目標への達成度合いを数字で示し人事評価するとなると、達成できたかどうかの話し合いが必然的に生まれてきます。

設定した目標が自分の内から湧き出たものであれば、達成できなくて悔しい思いをし、次こそは頑張ろうと本気で思えるはず。しかし制度だからと、なかば半強制的に設定した目標では、たいていの社員は窮屈感ややらされ感を感じてしまいます。

設定した目標を達成できる一部の優秀な人は、達成できたことに関して喜びを得られるでしょう。

しかし達成できる人もいれば、達成できない人もいるのが事実。最悪の場合、達成できないことによって自信をなくし、制度が導入される以前よりも、仕事に身が入らなくなる可能性があります。これでは、制度を導入した意味がありません。

個人での目標設定は、その会社で何を成し遂げたいかというものがすでに明確な方にとっては問題になることはあまりないでしょう。

しかし、働く動機が明確でない人にとって、目標設定はどこかノルマじみていて、仕事するうえでの心的ストレスになる可能性もあるわけです。

これはおそらく、ドラッカーも望んでいないこと。ではドラッカーが提唱した、本当の意味のMBOとは一体何なのでしょうか?

ドラッカーが説くMBOの本当の意味

内発的動機づけと外発的動機づけという言葉を知っていますか?内発的動機づけとは、自分の内から湧き出る動機づけです。

つまり、損得なしに純粋に何かをしたい、この目標を達成したといった動機づけですね。

一方、外発的動機づけとは、別の何かのために行う動機づけです。お金のために働くのもそうですし、上司がいうからやるというのもそうですね。

MBOにおける目標設定で、ドラッカーが言いたかったことはまさに内発的動機づけです。つまり自分の内側から出てきた目標を設定することで、個人の生産性が向上し、それに伴って会社の生産性も向上することです。

内発的動機づけに強制感はありません。

それは、自分の内から湧き出た目標だからです。仮に達成できなかったとしても、自分の内から出た目標への情熱は簡単に途絶えません。達成できないことによる「悔しい」といった健全な気持ちも自然と湧いてくるでしょう。

ただ、皆が皆内発的動機づけに気がつけるわけではありません。そこで、周りのサポートが必要になってくるわけです。

周りとは人事評価する人や上司、また場合によっては経営者のことです。会社の利益を優先させるがゆえに、MBOによるなかば強制的な目標設定をさせても、社員は違和感を覚えてしまいます。

そこでクローズドではなく、相手が自問しいろいろな答え方ができるように、オープンクエスチョンをして内発的動機づけに気づかせてあげる必要があります。

自分の考えを自由に話せる質問をされると、自然と自分の内面に目が向くようになります。無意識にさまざまな方向にアンテナがはられ、自分では思ってもみないような答え導かれるかもしれません。そこから、内発的動機づけは生まれてきます。

MBOに代わる人事評価手法「OKR」

最後に、MBOとともに欧米を中心に注目されている「OKR」について解説します。

OKRとは

OKRとは「Objective and Key Result」の略であり、全従業員に、重要な組織目標を共有し、その目標達成に向けて集中してもらう手法です。従業員一人ひとりの目標をたどっていくと、最終的には組織全体の目標となるよう目標を設計します。

企業全体の目標と個人の目標をリンクさせる点ではMBOと同じです。しかし、MBOが定性的な評価も加味するのに対し、OKRは定量的な評価を重視しています。

これは、OKRが組織全体で定量目標を共有する性質や、個人能力の伸びに注目しているためです。目標の達成率も、MBOが100%を目指すのに対し、OKRでは60~70%の達成を目指すように設計されることが多いです。

OKRについては、次の記事でも詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。

MBO活用で従業員の能力を引き出す

日本では、経済状況の変動や企業の人事評価ポリシー変更に伴って、導入されるようになった背景があり、成果主義に関すると思われがちです。しかし、MBOは個人のモチベーションや能力向上に重きを置いていることを忘れてはいけません。

たんに数値目標を達成させる制度ではなく、目標設定には、自主性の尊重と、適切なサポートが欠かせません。こうした、従業員の能力を最大限に引き出す評価制度が、厳しい環境にある日本企業にとって重要ではないでしょうか。

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