WordPressをCRM化できるプラグイン3選!選び方も解説

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WordPressで顧客管理はできる?
顧客管理には一般的にCRMと呼ばれるシステムを導入しますが、エクセルやスプレッドシートを活用してCRMの代わりにしている企業も多いでしょう。エクセルは大人数で情報を共有することに不向きですし、スプレッドシートはCRMのために開発されたツールではないので顧客管理に充分な機能は備えていません。
こういった際に活用できるのがWordPressです。WordPressはWebサイトのコンテンツを管理するためのコンテンツマネジメントシステム(CMS)の一種ですが、WordPressで作成したWebサイトを非公開にして、顧客管理用にカスタマイズすれば疑似的なCRMとしても活用できます。
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WordPressで顧客管理をするメリット
WordPressで顧客管理をするメリットは、スプレッドシート以上に高機能かつ大人数で情報を共有できて、HTMLやWordPressの知識さえあれば疑似的なCRMを構築しやすい点にあります。
WordPressをベースにCRMを構築すれば、複数の人間が同時にログイン、更新できますしスプレッドシートでは管理できない複雑な顧客管理も可能となります。
それでいてWordPress自体は無料、インストールするサーバーさえ用意すれば良いので安価なコストでの導入が可能です。
顧客管理で必要になる「プラグイン」とは?
WordPressをCRM化するのをゼロから自身で行うには手間がかかりますし、一定の技術力がなければ不可能です。そのため、プラグインを活用してWordPressをカスタマイズするのがおすすめです。
プラグインとはアプリケーションの機能を拡張するソフトウェアのことを指し、WordPressについてはサイトマップ作成、SEO対策、問い合わせフォーム作成などさまざまなプラグインが公開されています。その中にはWordPressをCRM化するためのプラグインも存在して、これらを使用することによってWordPressのカスタマイズに関する知識がないユーザーでも簡単にCRM化できます。
WordPessのCRM化プラグインの選び方
WordPessのCRM化プラグインはいくつか存在しており、間違ったプラグインを選択すると顧客管理に支障をきたす恐れがあります。「定期的に更新されているプラグインを選ぶ」「情報収集できる有名なプラグインを使う」の2点に注意してプラグインを選択してください。
定期的に更新されているプラグインを選ぶ
WordPressは定期的にバージョンアップされますし、それに合わせてプラグインもバージョンアップされます。プラグインがWordPressに合わせてバージョンアップされない場合は一部の機能が制限される可能性があるだけではなく、一定のセキュリティリスクが発生することも考えられます。
顧客情報のようなセンシティブなデータを扱う以上セキュリティリスクは最小限に軽減するべきなので、定期的に更新されているプラグインを選択したうえで、ユーザー側としてもこまめにアップデートするべきです。
情報収集できる有名なプラグインを使う
WordPressのプラグインは無数に存在しますが、日本語対応していたり、使い方がわかりやすく解説されていたりするプラグインは限られています。また、有名なプラグインの方がアップデート頻度も高い傾向にあるので、定期的に更新されているプラグインを使用する観点からも有名なプラグインを使用するにこしたことはありません。
WordPressのプラグインの使用は基本的に自己責任です。トラブルが発生しても自身で解決しなければならないので、すぐに情報を調べられる有名なプラグインを使用すると良いでしょう。
WordPressをCRM化するおすすめプラグイン5選
WordPressをCRM化する際におすすめのプラグインとして次の5種類を紹介します。
- FLAMINGO
- Jetpack CRM
- HubSpotプラグイン
- WordPress to SugarCRM Lead
- UpiCRM
FLAMINGO
WordPressでWebサイトを制作、問い合わせフォームを作る際のプラグインとしては「Contact Form 7」が人気ですが、Contact Form 7自体には顧客からの問い合わせ履歴をデータベース化する機能はありません。
顧客からの問い合わせ履歴をデータベース化するために、Contact Form 7と併用されることが多いのがFLAMINGOというプラグインです。FLAMINGOは日本語に対応したプラグインで、Contact Form 7から送信された情報を管理できる簡易的なCRMとしての役割を果たします。
Jetpack CRM
Jetpack CRMはもともと存在していたZero BS CRMというプラグインをJetpackが買収、リブランディングしたCRMプラグインです。無料で利用できるフリープラン、月額11ドルのフリーランスプラン、17ドルのアントレプレナープランの3種類があり、有料プランの方がCRMとしての機能は豊富です。
HubSpotプラグイン
HubSpotプラグインは、人気CRMシステムHubSpotのWordPressプラグインです。導入することによりHubSpotとWordPressを接続して顧客管理、メールマーケティング、広告管理、ビルトイン分析などが可能になります。
HubSpot自体は基本的に無料で使用できますし、WebサイトとCRMの連携が円滑になる効果が期待できるので、お金を掛けず顧客管理を実施するのには良い組み合わせです。
WordPress to SugarCRM Lead
WordPressを活用したWebサイトで獲得したリードをSugarCRMに連携させるためのプラグインです。
SugarCRMはCRMシステムの中でもオープンソースCRMの特徴を持っているので自社でCRMを開発して、WordPressで作成したWebサイトと連携させてリード管理がしたいといった要望にも応えられます。
UpiCRM
Contact Form7と連携してWordPress上で簡単に顧客管理をするためのプラグインで、顧客情報を検索しやすい、WordPressの管理画面上でデータ修正できる、CSVでのインポート・エクスポートができるといった便利な特徴を備えています。
WordPressベースCRMの限界
WordPressをベースにしたCRMはエクセルやスプレッドシートよりも機能が豊富で安価に運用できるため、スモールビジネスにとっては良い手法かもしれませんが、セキュリティや機能性など、5つの限界が存在します。それぞれの限界について詳しく説明します。
セキュリティのリスク
WordPressをインストールしているサーバーやセキュリティの管理は基本的に運営会社側の責任となります。そのため利用者がWordPressやPHPのアップデートを怠ったり、セキュリティに不注意があったりすると、情報流出が懸念されます。
顧客情報は事業活動の核となる重要情報であるだけではなく、個人情報として厳格な保護が求められる情報なので、一度流出すれば企業の信用棄損も含めて大きな損害になってしまうでしょう。
Webサイトのスピード
同じサーバーに入っているWebサイトの表示スピードに影響が出るかもしれませんし、WordPressはCRM用のシステムではないので操作性は純粋なCRMの方が快適なケースが多いと考えられます。
WebサイトのスピードCRM専用に安価なレンタルサーバーを契約するのであれば安価なCRMと同じくらいのコストが予想されますし、無理をしてWordPressを疑似CRMにするメリットも大きくはありません。
特にSEO対策を気にしている、通販などユーザビリティを少しでも高めるためにしのぎを削っている業界・業種ではWebサイトの表示スピード低下が大きな悪影響になりかねません。
プラグインの相性
WordPressはもともとCRMとして設計されたシステムではなく、プラグインは別のユーザーや企業がWordPressの開発元とは別に独自に作っているシステムです。そのためプラグインとWordPress、あるいはプラグイン同士の相性問題があります。
プラグインの更新が行われないとWordPressのバージョンアップにより突然しようできなくなるリスクがありますし、プラグイン同士の相性が悪くて不具合を起こす可能性も考慮しなければなりません。
機能性
エクセルやスプレッドシートよりも高機能とはいえ、通常のCRMシステムの方がWordPressをプラグイン化した疑似CRMよりも高性能で動作が安定しています。
そのため顧客情報のパラメーターを少し複雑に、ダッシュボード、分析・レポーティングといった機能が必要な場合は一般的なCRMを使った方が良いケースもあります。
機能性の高いCRMを活用することにより、業務効率向上、売上アップ効果が期待できるのでコストに勝るメリットがあるケースも多いと考えられます。
サポート
WordPressやプラグインの使用は基本的に自己責任なのはもちろん、トラブルが発生したときに相談できるサポート窓口も存在しません。一方で、WordPressの疑似CRMにはセキュリティ不具合による情報流出、プラグインが更新されていないことなどによって、発生する動作の不具合などさまざまなリスクがあります。
これらのリスクに対処して、自社のみで安定的にCRMを稼働させるためには一定の専門知識が必要になります。これに関して社内リソースを割くのであればサポートが充実している他のCRMシステムを活用する方が良いかもしれません。
比較的安価なCRMシステム3選
WordPressをCRM化したシステムで顧客管理を行うのは、セキュリティのリスク、Webサイトのスピード、プラグインの相性、機能性、サポートの観点から限界があるので、必要に応じて有料のCRMの導入も検討しなければなりません。
一般的にCRMは高価なシステムだと言われていますが、中には安価に導入できるシステムも存在して、少しコストを掛けてでもこのようなシステムを使った方がコストパフォーマンスは高いケースも多いと考えられます。
安価に使用できる代表的なCRMシステムとして「formrun」「Zoho CRM」「Hubspot」の3種類を紹介します。
- 安価に導入できるCRMシステム
- SFA、MA、BIなどの機能も搭載
- AIが営業活動を支援
Zoho CRMは一番安いプランで月額1,680円から一番高いプランでも1ユーザー月額6,240円とCRMの中でも低価格なシステムです。ZohoシリーズにはCRM以外にもSFA、MA、BIなどさまざまなシステムが揃っており、各企業のニーズに合わせて適宜システムを組み合わせて業務の効率化を図れます。AIが営業活動をアシストするZiaという機能があり、商談化予測、ワークフローの異常検知、連絡をするのに最適な時間帯の提示などが可能です。
※税抜価格
- CRM自体は無料
- 連携してセールス、マーケティングなどに活用できるシステムも
- WordPressと連携して顧客情報の収集が可能
HubSpot CRMは無料で活用できるCRMシステムです。無料といってもコンタクト管理、レポート機能、チケット機能、Eメール追跡・通知などさまざまな機能が搭載されており十分に活用できるシステムです。有料にはなりますが、HubSpotシリーズにはSFAやMAも存在するので、これらのツールを活用すればフロントオフィス業務の効率化が可能です。また、WordPressと連携するプラグインが存在するので、Webサイトから発生したリードを効率的に管理できます。
- 40種類のテンプレートから問い合わせフォームが選べる
- 各種システムと連携して問い合わせデータを管理できる
- カンバン方式のUIで問い合わせ対応を可視化
formrunは簡単に問い合わせフォームを作成、チームで顧客管理を実施するためのシステムです。40種類のテンプレートを組み合わせて簡単に問い合わせフォームが作成できますし、わかりやすいカンバン方式の問い合わせリストで簡単に案件の進捗をチームで共有できます。SlackやChatworkと連携して瞬時に問い合わせを共有でき、スプレッドシートやSalesforce Sales Cloudと連携しての顧客管理、メールマーケティングも可能です。
無料で使えるCRMについてはこちらの記事で紹介しています。

WordPressをCRM化して効率的な顧客管理を実現しよう
WordPressにプラグインを追加してCRM化させることにより、エクセルやスプレッドシートよりも高機能な顧客管理が安価で可能になります。ただし、WordPressをCRMとして使うことは自己責任などでサポートを受けられませんし、トラブルは自身で解決する必要があります。
より確実な方法で顧客情報を管理したい場合は、安価なシステムもあるのでCRMシステムの導入を検討しましょう。
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