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小口現金とは?仕訳と勘定科目、出納帳、管理方法

最終更新日:(記事の情報は現在から91日前のものです)
小口現金とは、企業が手軽に決済ができるように店舗や部門ごとに保有している少額の現金のことです。小口現金の仕訳と勘定科目、出納帳や管理方法をわかりやすく解説します。小口現金のリスクや業務負担といったデメリットを考え、経費精算システムや会計ソフトの導入を検討しましょう。

小口現金とは

小口現金とは、企業が現金決済のために手元や金庫に保有している少額の現金のことです。

大金を手元に置いておくのはさまざまなリスクを伴います。そのため、文房具や切手の購入などの費用を各部署にあらかじめ渡しておくのが小口現金です。なお、仕訳の勘定科目では「小口現金」となり、貸借対照表では「資産」に該当します。

小口現金は少額を素早く決済できる反面、現金を取り扱うためにかかる手間が課題です。近年では立替払いや法人クレジットカードの導入といった代替手段によって、小口現金を廃止する企業が増加しています。

小口現金と仮払金の違い

小口現金は上記で説明したとおり、各部署に置かれたまとまった額のお金です。交通費・消耗品費・雑費などに用いられます。その一方で仮払金は従業員に前もって支払われる大まかなお金のことを指します。長期出張のような大きく経費を使用するケースで多い対応です。

小口現金出納帳とは

小口現金は一般的に、「小口現金出納帳」という出納帳(すいとうちょう)を使って受入金額・日付・摘要・支払金額・支払内訳・残高を記録します。ただこれだけでは帳簿としては不十分なため、決められた期間ごとに経理に報告する必要があります。

小口現金出納帳は、出納「帳」とはいうものの紙の帳簿は必要ありません。Excelや会計ソフトで小口現金を管理している企業も数多く存在します。スタッフが少ない、さほど小口現金の出し入れが多くなければ、紙やExcelでも問題ないでしょう。

小口現金出納帳に記載する内容
受入金額/日付/摘要/支払金額/支払内訳/残高

小口現金出納帳と現金出納帳の違い

小口現金出納帳と現金出納帳の違いは次とおりです。

小口現金出納帳 現金出納帳
記入する内容 日常的な雑費の支払い 企業による支払い
記入する部署 部署ごと 経理部のみ
記入するタイミング 収支のたび 小口現金の集計後

小口現金出納帳は、複数の部署で小口現金がある場合に作成し、会計担当や経理担当が小口現金を一括管理する場合は、現金出納帳だけを使用することもあります。

小口現金出納帳は、一定期間ごとに各部署から経理部へ提出。小口現金と現金は、貸借対照表では金額が合算され、流動資産の部の「現金及び預金等」という科目で仕訳されます。

小口現金出納帳と現金出納帳は、補助簿のため作成義務はありません。ただし現金出納帳は、企業が現金の台帳の残高と実際の残高が一致しているかを確認するための重要な帳簿です。また、個人事業主の場合は、確定申告の際に現金出納帳が必要となります。

現金出納帳に記載する内容
繰越金額/日付/勘定科目/摘要/収入金額/支払金額/差引残高

定額資金前渡制度とは

定額資金前渡制度(インプレストシステム)」とは、小口現金を運用している企業で一般的に採用されている制度です。会計担当者が、一定期間ごとに必要な金額の小口現金を補給します。

一方、必要に応じて随時小口現金を補給する「随時補給制度」を採用している企業もあります。

小口現金の注意点

小口現金の具体的な管理ルールは企業によって異なります。ただし、現金を取り扱う規定のため、管理ルールは慎重に決定しなければなりません。

最低限のルールとして、「1日の終わりに残高を照合すること」「管理する金額は必要以上に多くしないこと」の2つは満たすべきです。小口現金の取り扱いを開始する前に、取扱要領を定めておくとよいでしょう。

1日の終わりに残高と照合

小口現金の管理担当は、小口現金出納帳の残高と、実際の小口現金の残高が一致しているかを毎日照合します。また、企業によっては間違いを防ぐために、複数人でチェックする場合も。

残高が不足したり一定回数の支払いを行ったりした際に、小口現金出納帳を会計部門や経理部に提出し、小口現金の補給や帳簿の確認を受けます。

上限金額は企業による

小口現金の上限金額は「いくらまで」と一概に法律で決まっているわけではなく、企業ごとの実情やルールに応じて設定されます。

しかし、あまりに少額では補充の頻度が高くなり、反対に高額すぎると紛失や盗難のリスクが高まるためバランスが必要です。

小口現金の仕訳

小口現金の定額資金前渡制度では、経理担当者が小口現金を前渡しする際、補給する際、小口現金を精算した際のタイミングで仕訳が求められます。なお、補給と精算を同時に行う場合は省略が可能です。

小口現金を前渡しした仕訳・補給した仕訳

借方 貸方
勘定科目 小口現金 現金預金(当座預金)

借方には小口現金、貸方には当座預金や現金預金など小口現金の支出元の勘定科目を記載します。基本的に小口現金は補給するだけですが、もしも多くなった小口現金を元の口座に戻す場合は、借方と貸方を反対にして仕訳を行います。

小口現金を精算した仕訳

借方 貸方
勘定科目 ●●費 小口現金

小口現金を精算する場合は、小口現金出納帳の項目を勘定科目ごとに集計して借方に各種費用名と金額、貸方に勘定科目の小口現金および費用の合計金額を記載します。複数の部署で小口現金を利用している場合は、費用と勘定科目について一定のルールを設定しておきましょう。

【省略した形式】補充と精算をまとめて仕訳

借方 貸方
勘定科目 ●●費 現金預金

小口現金を補給するのと、担当者から報告を受けて各経費を精算するのを同時に行う場合は、借方に各種勘定科目と金額、貸方には小口現金を支出した元の項目名と合計金額を記載します。

ただし、この仕訳は補給した小口現金と支払った経費が等しい前提なので、支払った経費分の小口現金をすべて補給していないケースでは活用できない点には注意が必要です。

小口現金の勘定科目

小口現金の代表的な勘定項目は次の5つです。

勘定科目 内容
交通費 従業員が買い出しに行ったり営業に行ったりした際の交通費
消耗品費 文房具をはじめとした消耗品の購入費用
通信費 切手やはがき代のように通信にかかる費用
新聞図書費 新聞や書籍を購入した際の費用
雑費 お茶代をはじめどの勘定科目にも該当しない費用

小口現金のデメリット

小口現金は、従業員が素早く少額の現金決済ができる反面、次のようなデメリットも多い制度です。

  • 小口現金出納帳との残高照合が面倒
  • 現金出納帳への転記の手間
  • 現金の紛失や盗難のリスク

それぞれのデメリットについて説明します。

小口現金出納帳との残高照合の手間

現金出納帳と小口現金の残高は毎日照合するため、担当者の負担となりやすいです。照合は原則退勤前に実施するため、数字が合わなければ残業してまで調査する必要にかられます。

スピーディーな決済のはずが残業を増やしかねない点において一長一短の制度といえます。

現金出納帳への転記の手間

経理担当者は、小口現金出納帳の内容をすべて調べて、現金出納帳に転記します。小口現金では、従業員が合計2種類の帳簿に記載する工数、支払い内容を調べて仕訳する工数がデメリットです。

現金の紛失や盗難のリスク

小口現金は、現金を人の手で管理しているため、紛失や盗難のリスクは避けられません。小口現金を管理する担当者は容易に横領できるほか、一人で小口現金を管理している場合はチェックが甘くなり、紛失するリスクも高まります。

また、悪意がなくても、渡す金額を間違えたり小銭を落としたりする危険もあります。

小口現金をなくすための方法

小口現金は、仕分けや支払いでなにかと問題がおきやすく、廃止している企業も数多く存在します。小口現金を使わずとも少額を決済する方法はいくつか存在するので、企業の形態を見ながら徐々に適切な運用方法を模索しましょう。

立替経費での精算

従業員に立て替えてもらった立替経費を、給与支払い時にまとめて精算する方法です。立替経費は、給与と同時に振り込むので手数料が発生せず、都度精算しないで済む点もメリットといえます。ただし、従業員がこまめに経費精算してくれないと経理業務に支障をきたすため、経費精算ルールの整備は必要です。

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法人クレジットカードの利用

従業員に法人用のクレジットカードを持たせて支払ってもらう方法です。クレジットカードは記録が残るので証憑を紛失するリスクがなく、キャッシュレス化されるので現金の盗難や紛失の危険性もありません。しかし、クレジットカードに対応していない店舗では購入できない点がデメリットです。

経費精算システムや会計ソフトの導入

経費精算システムや会計ソフトを導入し、立替経費や法人クレジットカードをシステムで精算する方法です。従業員からの経費申請をシステムによって自動化し、キャッシュレス運用できます。法人クレジットカードでの決済と組み合わせて、小口現金の廃止を進めましょう。

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小口現金をなくして経費精算を合理化しよう

小口現金は、少額の決済用の現金をすぐに利用できる点では便利です。ただし、現金の管理や出納帳の記帳に手間がかかるほか、紛失や盗難リスクもあるので、基本的には廃止する方向で考えたい制度です。

代替の手段としては法人クレジットカードや給料支払い時の精算などが考えられますが、従業員から経理部門への迅速な経費精算の申告が必要となります。経費精算システムや会計ソフトをはじめとしたクラウドツールによって効率化していきましょう。

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