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小口現金とは - 仕訳や勘定科目 | 廃止する方法

記事の情報は2021-10-27時点のものです。
小口現金とは、企業が店舗や部門ごとでスピーディーに少額決済ができるように手元に保有している現金のことを指します。ただし、小口現金の管理には手間がかかり、盗難・紛失のリスクもあるので長期的には小口現金制度は廃止すべきです。そのためには経費精算システムの導入が推奨されます。

小口現金とは

小口現金とは、企業が現金決済のために手元や金庫に保有している現金を指します。たとえば、文房具や切手の購入などの小さな出費のために用意しているお金が該当します。

小口現金は少額を素早く決済できる反面、現金を取り扱うため相応の手間がかかります。近年では立替払いやクレジットカード決済といった代替手段によって小口現金を採用する企業は減少しています。

小口現金出納帳とは

小口現金出納帳とは、小口現金の入出金を記録する帳簿のことを指します。同じように現金の支出を記録する帳簿でも現金出納帳とは異なり、小口現金の支出のみを記録するのが小口現金出納帳です。大抵は「受入金額」「日付」「適用」「支払金額」「支払内訳」の5要素が記載します。

なお出納「帳」とはいうものの紙の帳簿は必要ありません。Excelや会計ソフトで小口現金を管理している企業も数多く存在します。

小口現金の管理ルール

小口現金の具体的な管理ルールは企業によって異なります。ただし、現金を管理するため取り扱いの規定は慎重に決定しなければなりません。最低限のルールとして、1日の終わりに残高を照合すること、管理する金額は必要以上に多くしないことの2つは満たすべきです。

1日の終わりに残高と照合

小口現金出納帳の残高と実際の小口現金の残高が一致しているかを毎日照合します。また、企業によっては間違いを防ぐために複数人でチェックします。残高が不足したり一定回数やりとりしたりした場合は、担当部門に提出し現金の補充や帳簿の確認を受けます。

上限金額は企業による

小口現金の上限金額は「いくらまで」と一概に法律で決まっているわけではなく、企業ごとの実情やルールに応じて設定されます。しかし、あまりに少額では補充の頻度が高くなり、反対に高額すぎると紛失や盗難のリスクが高まるため注意が必要です。

小口現金の仕訳

小口現金の制度では、一般的に定額資金前渡制度が採用されます。定額資金前渡制度では、経理担当者が小口現金を前渡しする際、補充する際、小口現金を精算した際のタイミングで記帳が求められます。なお、補充と精算を同時に行う場合は省略が可能です。

小口現金を前渡しした仕訳・補充した仕訳

借方 貸方
勘定科目 小口現金 現金預金(当座預金)

借方には小口現金、貸方には当座預金や現金預金など小口現金の支出元の勘定科目を記載します。基本的に小口現金は補充するだけですが、万が一多くなった小口現金を元の口座に戻す場合は、借方と貸方を反対にして仕訳を行います。

小口現金を精算した仕訳

借方 貸方
勘定科目 ●●費 小口現金

小口現金を精算する場合は、小口現金出納帳の項目を勘定科目ごとに集計して借方に各種費用名と金額、貸方に勘定科目の小口現金および費用の合計金額を記載します。複数の部署で小口現金を利用している場合は、費用と勘定科目について一定のルールを設定しておきましょう。

【省略した形式】補充と精算をまとめて仕訳

借方 貸方
勘定科目 ●●費 現金預金

小口現金を補充するのと、担当者から報告を受けて各経費を精算するのを同時に行う場合は、借方に各種勘定科目と金額、貸方には小口現金を支出した元の項目名と合計金額を記載します。ただし、この仕訳は補充した小口現金と支払った経費が等しいという前提になっているので、支払った経費分の小口現金をすべて補填していないケースでは活用できない点には注意が必要です。

小口現金の勘定科目

小口現金の代表的な勘定項目は次の5つです。

勘定科目 内容
交通費 従業員が買い出しに行ったり営業に行ったりした際の交通費
消耗品費 文房具をはじめとした消耗品の購入費用
通信費 切手やはがき代のように通信にかかる費用
新聞図書費 新聞や書籍を購入した際の費用
雑費 どの勘定科目にも該当しない費用

小口現金のデメリット

小口現金制度は、従業員が素早く少額の現金決済ができるという反面、次のようなデメリットも多い制度です。

  • 「現金出納帳との残高照合が面倒」
  • 「現金出納帳への記入が大変」
  • 「紛失や盗難にリスク」

それぞれのデメリットについて説明します。

現金出納帳との残高照合が面倒

現金出納帳と小口現金の残高は毎日照合するため、担当者の負担となりやすいです。照合は原則退勤前に実施するため、数字が合わなければ残業してまで調査する必要にかられます。スピーディーな決済のはずが残業を増やしかねない点において一長一短の制度といえます。

現金出納帳への記入が大変

経理担当者は支出の内容をすべて調べて、小口現金出納帳および現金出納帳に転記します。2種類の帳簿に記載する工数、支払い内容を調べて仕訳する工数などが発生するといった点がデメリットです。

紛失や盗難にリスク

現金で管理しているため紛失や盗難のリスクは避けられません。小口現金を管理する担当者は容易に横領できるほか、一人で小口現金を管理している場合はチェックが甘くなり紛失するリスクも高まります。また、悪意がなくても、渡す金額を間違えたり小銭を落としたりする危険があります。

小口現金を廃止する方法

小口現金は、管理に手間がかかるため廃止している企業も数多く存在します。小口現金を使わずとも少額を決済する方法はいくつか存在するので、企業の形態を見ながら徐々に適切な運用方法を模索しましょう。

給料支払い時に精算

従来どおり経費を立て替えてもらうものの、精算を給与支払い時にまとめて実行する方法です。給与と同時に振り込むので手数料は発生しませんし、都度精算しないで済む点もメリットといえます。ただし、従業員がこまめに経費精算してくれないと、経理業務に支障をきたすのでルールの整備は必要です。

クレジットカードで購入

決済担当者に法人用のクレジットカードを持たせて決済する方法です。クレジットカードは記録が残るので証憑を紛失するリスクが小さく、キャッシュレス化されるので盗難や紛失の危険性もありません。しかし、クレジットカードに対応していない店舗では購入はできない点がデメリットです。

経費精算システムの導入

経費精算システムを導入し給料支払いやクレジットカードで精算する方法です。従業員からの申請をシステムによって代替させながら、直接は金銭をやり取りしないように運用できます。給料での支払いやクレジットカードでの購入と組み合わせて、小口現金の廃止を進めましょう。

小口現金から解放されよう

小口現金制度は少額の決済用現金をすぐに用意できる点では便利ですが、お金の管理や記帳に手間がかかるほか紛失や盗難リスクもあるので、基本的には廃止する方向で考えたい制度です。

代替の手段としては法人クレジットカードや給料支払い時の精算などが考えられますが、いずれにしてもこまめに従業員から経理部門への経費精算の申告が必要となります。経費精算システムをはじめとしたツールによって効率化していきましょう。

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