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立替経費とは | 精算や仕訳の方法、電子帳簿保存法への対応を解説

最終更新日:(記事の情報は現在から267日前のものです)
立替経費とは、会社が負担すべき経費を社員が一時的に立て替えた費用のことです。立替経費は未払金の発生や従業員の負担となるため、経費精算システムを導入して合理化するのがおすすめです。立替経費と立替金や仮払金との違い、仕訳方法や勘定科目、電子帳簿保存法への対応を解説します。

立替経費とは

立替経費とは、会社の負担する経費を社員が一時的に立て替えた費用のことです。

立替経費が利用される理由は、社員が支払う費用を都度企業が精算していては経営のスピードが損なわれるためです。ただし、過度に立て替えると社員の負担となるほか、経理の処理が複雑になるため一定の規則を設ける場合が多くあります。

立替経費の具体例

立替経費の代表的な例は次のとおりです。

  • 営業社員がクライアントに訪問する際の交通費
  • 事務用品として文房具を購入した代金
  • 取引先にお歳暮を贈る際の費用
  • 取引先を接待するための接待交際費

経費の数だけ立替の可能性は存在するため、上記のほかにもさまざまな経費があります。

立替経費と立替金との違い

立替金とは、会社内外に関わらず、従業員や取引先などが負担すべき費用を会社が一時的に立て替えた際に処理する勘定科目です。

立替経費は、社員が一時的に立て替えた経費、立替金は、会社が一時的に立て替えた経費にならない資産の勘定科目となります。

立替経費と仮払金との違い

仮払金とは、経費として使用される費用を、事前に概算で社員に支払う際に使用する勘定科目です。

仮払いは、出張旅費のような高額となる経費を事前に支払うことで、社員の立替経費の負担を減らすために行われます。

仮払金は、社員に概算費用を渡す際に仕訳を行い、立替経費の場合は精算の際に仕訳を行います。

立替経費精算書のテンプレート

社員が経費を立て替えした際に、利用されるのが立替経費精算書です。

立替経費精算書には、何の費用を立て替えたのか、いつ精算するのかなどを記録として残す必要があります。ただし、毎回同様の内容を書類として作成するのは面倒です。

そのため、テンプレートを自作したり、Webサイトに掲載されているものをダウンロードしたりするのをおすすめします。BOXILでは、経費精算書のExcelテンプレートを記入ポイントとともに無料で24種類公開しているので、各社の事情に合わせてこちらのテンプレートを活用するとよいでしょう。

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立替経費の仕訳

立替経費の仕訳は、社員が立て替え支払いした際ではなく、経理担当者が経費を精算する際に行います。仕訳を誤ると財務状態を見誤るほか、税制上の問題が発生するため慎重に進めましょう。

社員の立て替え

社員が経費を立て替えたタイミングでは、仕訳は不要です。後に経費精算する際にどのような勘定科目で処理するのかがわかるように、領収書をとっておいてもらう点にだけ気をつけましょう。

立替経費の精算

借方 貸方
勘定科目 ●●費(例:交通費、新聞図書費、接待交通費、消耗品費など) 未払金

経理担当者が、社員から精算書や領収証を受け取って精算をする際には、借方に費用が該当する勘定科目を、貸方には未払金を計上します。この時点では、会計上では社員にまだ立て替えをしていません。

●●費の部分には、交通費・新聞図書費・接待交通費・消耗品費など、社員が立て替えた経費に合わせた記述をします。

立替経費の支払い

借方 貸方
勘定科目 未払金 現金預金

経理担当者が立替経費を支払う際は、借方に未払金、貸方に現金預金として仕訳します。立替金を現金預金以外で支給するのであれば、支給する資産が貸方となりますが、今回の説明では便宜上、現金預金とします。

なお、社員が持ってきた領収証に対してすぐに現金にて経費精算する場合は、「精算」と「支払」を同時に行うため、未払金を用いて仕訳する必要はありません。

借方 貸方
勘定科目 ●●費 現金

表のように仕訳すれば十分です。

立替経費を精算する際の手順

立替経費が社内で発生した際に行う、経費精算作業の手順は次のとおりです。

1.経費の発生
2.経費精算の申請書を作成・提出する
3.管理者が承認をする
4.経理が内容について確認し経理処理を行う
5.精算金額を支払う

1.経費の発生

消耗品の購入や営業先への移動・出張に伴う交通費や旅費、交際費などの経費を従業員が支払います。このとき、経費を立て替えた証拠として、会社宛の領収書もしくはレシートを受け取ります。

領収書をもらう場合には、後で会社から経費精算してもらうために、会社名を宛名として記載されたものが必要です。宛名がない領収書や個人名が宛名として記載された領収書では処理してもらえない可能性があるため、会社名で記入した領収書を発行してもらうようにしましょう。

なお、領収書が発行されない場合や領収書を紛失した場合でも、指定のフォーマットに記入して提出することで領収書なしでも精算可能な場合があります。

2.経費精算の申請書を作成・提出する

経費を支払った従業員は、経費精算の申請書を作成し、支払いの証明となる領収書やレシートとあわせて管理者に提出し精算します。

経費精算書には、会社によって異なりますが、支払日や用途・金額・支払い先・申請日などを記入します。会社側であらかじめ作成したフォーマットがあり、それを用いて申請を行うのが一般的です。記入漏れやミスがあると差し戻しの原因となるため、フォーマットに沿って正確に記入しましょう。

3.管理者が承認をする

申請者が作成した経費精算書は、経理担当者に申請書を提出する前に、内容に問題がないかどうか管理者が確認するといった手順を踏むのが一般的です。

そのため、申請者は領収書やレシートとあわせて、まず管理者(直属の上司)に申請書を提出し、承認をもらいます。

申請書が提出されたら、承認者は金額や用途などが適切かどうか、不備がないかなどを確認します。内容に問題がなければ、承認印を押して経理へ提出しますが、もし内容に不備があれば、申請者に差し戻しが必要です。

4.経理が内容について確認し経理処理を行う

申請書が管理者に承認されたら、経理担当者に経費精算書を提出し、経理処理が行われます。

経理担当者は、管理者の承認を経て提出された経費精算書の内容を確認し、問題がなければ経理処理を行います。ただし、事前に管理者のチェックがきちんと行われておらず、申請書の内容に漏れがあったり、添付書類に不備があったりする場合もあるでしょう。もし不備や抜け漏れがあった場合には、申請者に内容確認を行うか差し戻しをして修正依頼が必要です。

経費精算の会計処理を行う際は、借方に「消耗品費・旅費・交通費・接待交際費・事務用品費」などの勘定科目、貸方には「立替金」もしくは「未払金」といった勘定科目を使用して行います。このように処理を行うことで、経理上でも立替経費が認識されるようになります。

5.精算金額を支払う

経理での経費精算が承認されたら、振込や現金で支払いをします。

支払いの方法やタイミングは会社により異なりますが、給与の支給日に給与とあわせて振込で精算金を支払うケースが多いです。

精算額のみを新たに振込で支払うと振込手数料が発生してしまいます。しかし、給与と一緒に銀行振込を行えば、新たに手数料が発生することはありません。

支払いを行うと、支払い時に発生した会計上の「立替金(もしくは未払い金)」は消滅するため、経理では経費精算を完了するための経理処理が必要です。借方に「立替金(もしくは未払い金)」、貸方に「預金(現金)」といった経理処理もあわせて行いましょう。

立替経費の未払いには対応が必要

立替経費を運用する際に注意すべきポイントは、未払いの対策です。社員がなかなか領収証や経費精算書を持ってこなければ、決算時に営業利益を正しく計算できない事態が考えられます。

立替金の支払いを会社は基本的に拒めないので、社員が立替経費を素早く申請するような仕組みづくりが必要です。

法律上の立替経費の精算期限

社員が立て替えた経費は法律上、会社に対する債権として扱われます。よって立替経費が債権として有効であるうちは企業側として立替費用の精算を拒否できません。

(債権等の消滅時効)
第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

民法によると債権の消滅時効は、権利を行使できると知ったときから5年以内、もしくは権利行使をできるときから10年と設定されています。立替経費の精算の場合は、第一項の5年間が時効消滅の期間と考えられ、従業員の経費精算を受ける権利は5年間有効となります。

参考:民法 | e-Gov法令検索

立替経費の精算は年度内に

税法上の経費精算の時効は、原則として年度内と定められています。民法上の権利は保証されていても、決算年度内に精算しなければ決算書の修正および再提出が発生するため、経費精算が難しくなります。

そのため、立替経費の精算は、年度内の完了が必要です。

経費精算規定を就業規則に明記する

経費精算規定を就業規則に明記すれば、年度内といわずとも月末までに経費精算を締め切る運用は可能です。就業規則にて、毎月末までには経費を精算しなければならないと規定すれば、支払期日を過ぎた立替経費の精算について始末書といった罰則を設けられます。

ただし、就業規則に経費精算規定を明記しても最終的には法律が優先されるので、支払い訴訟に発展すれば、必ずしも就業規則の経費精算ルールが認められるわけではない点には注意しましょう。また、就業規則に明記するだけではなく、経理担当者が経費精算の締め切りについて周知する取り組みが必要です。

経費精算の規定について詳しく知りたい方は、ぜひ次の記事も参考にしてください。

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立替経費の注意点

立替経費の精算を行う際には、次の点に注意が必要です。

立替経費は所得税の対象外

立替経費は、立て替えている費用を社員に返還しているだけなので所得には該当せず、所得税の対象にもなりません。

立替経費を給与と一緒に支払う企業もありますが、立替経費は給与とは別の扱いです。よって、立替経費を給料に上乗せして支払う場合でも、立替経費から源泉徴収したり、社会保険料を差し引いたりする必要はありません。

立替経費が高額の場合は仮払いを

社員から「立替経費が高額で苦しい」との声が聞かれるのであれば、企業は何かしらの対策を取るのが好ましいです。経費を立て替えさせるのは違法でないものの、あまりに高い金額を立て替えてもらう場合には従業員の満足度を下げる要因になり、離職のリスクが高まります。

そのため可能な範囲で、立替経費の仕組みを最適化するとよいでしょう。代表的な方法としては、社員にコーポレートカードを持たせる、仮払い制度を整えるなどが挙げられます。

経費精算を電子帳簿保存法に対応するには

電子帳簿保存法は、所得税法・法人税法にもとづく国税関係帳簿の保存方法のデジタル化を認める法律です。2022年1月の改正では、税務署への事前承認が必要でなくなり、企業がより対応しやすくなりました。スキャナ保存の要件も緩和され、改正法に準拠していれば、紙の領収書の原本保存が不要となります。

経費精算を電子帳簿保存法に対応させるには、保存されているデータが、改ざんされていない原本性を証明する必要があります。これを可能にするのがデジタルで作成された電子帳簿と、スキャナ保存書類に付与されるタイムスタンプです。

経費精算を電子帳簿保存法の要件に対応させるためには、電子帳簿保存法に準拠したクラウドシステムを使用する必要があります。具体的には、JIIMA認証の電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証を取得した、クラウド会計ソフトや経費精算システムを選ぶようにしましょう。

参考:国税庁 JIIMA認証情報リスト

立替経費を経費精算システムで合理化

立替経費は効率的な業務遂行に必要な制度ですが、一方で決算報告に悪影響を及ぼす可能性もあります。そこで、仮払い制度やコーポレートカードといった方法で対応しておくとよいでしょう。

また、経費精算システムの導入も立替経費の運用を見直すのには効果的です。具体的なシステムについては次の記事で紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。

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