医療業界向け人事評価システムおすすめ比較8選 解決できる課題

人事評価システムには多くの種類があり「どれを選べばいいか」迷いますよね。後から知ったサービスの方が適していることもよくあります。導入の失敗を避けるためにも、まずは各サービスの資料をBOXILでまとめて用意しましょう。
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医療業界で導入が進む人事評価システムとは

人事評価システムとは、従業員一人ひとりの評価に関わる業務をデジタル化し、作業のばらつきや負担を減らせるシステムのことです。紙やExcelでは管理が難しい評価項目や履歴も整理しやすくなり、現場にかかる時間と手間を大きく抑えられます。

医療業界で使われるシステムには、医療機関向けに設計された特化型と、幅広い業界で利用されている汎用型の2種類があります。

タイプ	特徴	向いている法人
医療業界特化型	・医療業界での利用を前提に作られたシステム ・処遇改善加算・ラダー制度など医療業界特有の制度にも対応	・小〜中規模病院、クリニック ・評価制度が未整備の法人
医療業界でも活用できる汎用型	・大手ベンダーによって提供され、サポート体制が安定 ・勤怠や人事労務システムなどとの連携性が高い	・大規模病院、医療法人グループ ・勤怠・給与・人事労務クラウドを導入済みの法人

導入のスピードを重視するなら特化型が向いています。一方で、長期的な拡張性や安定した運用を求める場合は、汎用型の方が適しているでしょう。

医療業界に特化した人事評価システム

医療業界に特化した人事評価システムは、医師や看護師、コメディカルといった職種ごとの評価基準をあらかじめ備えており、夜勤や交代勤務など医療特有の勤務形態にも対応しています。評価表の作成や基準設定にかかる時間を抑えられる点が特徴です。

一方で、他システムとの連携やカスタマイズの柔軟性が限定的なケースもあります。組織の拡大や評価制度の見直しが発生した際は、追加調整が必要になる場合もあるでしょう。代表的なシステムとしてはHRMedicalやDoctorHRがあります。

▼医療業界に特化した人事評価システムおすすめ比較4選

医療業界でも活用できる汎用的な人事評価システム

汎用的な人事評価システムは、制度設計の自由度や拡張性の高さが大きな特徴です。医療業界向けに特化しているわけではありませんが、職種別の評価基準や目標管理の仕組みを柔軟に設定でき、医療機関の実情に合わせた運用がしやすい点が強みといえます。

大手ベンダーが提供しているケースが多く、問い合わせ対応の手厚さや法改正への迅速なアップデートが期待できます。システムを長期的に安定して活用したい医療機関にとって安心感のある選択肢といえるでしょう。代表的なシステムにはカオナビやHRBrainがあります。

▼医療業界でも活用可能な人事評価システムおすすめ比較4選

医療業界に人事評価システムを導入する際の選定ポイント

医療業界に人事評価システムを導入する際の選び方を紹介します。

経験・スキル・資格を一元管理できるか

医師や看護師、技師など多職種が働く医療現場では、それぞれのスキルや資格、経験年数を正確に把握することが重要です。

人事評価システムを選ぶ際は、職種ごとに情報を分類して一元管理できるかどうか確認しましょう。スキルマップの作成や研修履歴の記録などと連動できると、評価だけでなく人材育成にも役立ちます。

医療業界での導入実績が豊富か

人事評価の仕組みは業界によって異なるため、医療業界に特化した実績があるかどうかは大きな判断基準になります。

すでに病院やクリニックで導入されている実績が豊富なシステムであれば、医療現場ならではの課題に対応できるノウハウも期待できるでしょう。

評価制度の構築や導入時のサポート体制なども、事前にチェックしておくと安心です。

業務の負担を軽減できる操作性があるか

人事評価の業務は、医療機関の管理職や人事担当者にとって大きな負担になる場合があります。

システムの導入によって、業務がかえって煩雑化しては本末転倒です。

入力のしやすさや操作画面のわかりやすさ、職員への説明のしやすさなども含めて、業務効率を下げない設計かどうか確認しましょう。

医療業界に特化した人事評価システムおすすめ比較4選

医療機関での利用を前提に設計された人事評価システムを紹介します。これらのシステムは、特に小規模病院やクリニックにおすすめです。

HRMedicalは、医療・介護業界特化型の人事評価システムです。国家資格である「一級キャリアコンサルティング技能士」が開発した、心理学に基づき主体性を引き出す仕組みが搭載されている点が特徴です。

能力開発や組織の活性化を公正・公平に評価できます。

医療・介護分野への導入実績が豊富であり、離職率の低下や評価の納得度向上を目指す医療機関に適したサービスです。

メディカルグローアップは、病院全体で統一した基準での評価を実現する人事評価システムです。

行動計画や研修参加記録なども残せるため、一人ひとりの行動や取り組みを評価しやすくなります。ウエイト設定機能を組み合わせることで、より適切な評価を行える点も特徴です。

医療・介護分野への導入実績が多くあり、組織力強化や、病院の求める人物像に見合った評価の実施に活用したい医療機関に適したサービスです。

DoctorHR

DoctorHRは、医療機関に特化した人事評価制度・教育管理クラウドです。初めて評価制度を整える医院でも、目標設定から評価シート運用まで一つのツールで行えます。

特徴は、医療現場に詳しいコンサルタントが伴走しながら制度設計を支援してくれる点です。
個人目標やスキル、ポイント制度などを組み合わせ、自院オリジナルの評価制度をクラウド上で構築できます。紙やExcelでの運用に比べて評価作業の手間を大きく減らせるでしょう。

スタッフごとのスキルや役割を見える化し、公平な評価と育成に役立てられます。小規模クリニックでも、360度評価や教育カリキュラム管理を通じて、定着しやすい評価運用を実現できるサービスです。

CLINICO（クリニコ）

CLINICO（クリニコ）は、クリニックや中小規模の医療機関向けに設計された人事評価・人材マネジメントシステムです。スタッフ情報や評価履歴をクラウドで一元管理し、評価シートの作成から面談用資料の出力までオンラインで完結できます。

医療機関向けの評価項目テンプレートが用意されており、ゼロから項目を考えなくても自院に合わせた評価シートをすぐ整えられます。評価結果は一覧で可視化でき、スタッフとの振り返り面談にも活用しやすい設計です。

院長や事務長の頭の中にある評価基準をシステム上に落とし込むことで、属人的だった評価を標準化しやすくなります。スタッフの成長を見える化し、離職防止やモチベーション向上を図りたいクリニックに向いているサービスです。

医療業界でも活用可能な人事評価システムおすすめ比較4選

医療機関に特化してはいないものの、医療機関でも活用できる機能が備わった人事評価システムを紹介します。

HRBrainは、目標管理制度や360度評価などを柔軟に設定できる人事評価システムです。

MBOやOKR、360度評価の機能が搭載されています。個人やチームの目標達成度を可視化し、フィードバックやコーチングを促進できます。

医療業界だけではなく、介護・福祉業界や教育業界でも広く導入されており、評価制度の運用を柔軟にしたい医療機関に適したサービスです。

医療業界の口コミ

医療業界での導入事例

HRBrainは、紙ベース管理による評価の不透明さや人材データの分散、医療職のプロセス評価が難しいといった課題の解消に活用されています。

人事評価や目標管理、社員名簿といった機能で職員情報を一元管理し、評価コメントや1on1の内容をクラウド上に記録できます。
評価データの集計・分析も自動化されるため、適切な人員配置や等級管理、資格取得状況の把握など、人事情報を横断的に確認できる仕組みです。

導入後は「どのような根拠で評価されたか」を職員が理解しやすくなり、フィードバック文化の醸成や評価への納得度向上につながっています。 紙の履歴書やExcelファイルを確認する作業も減り、人事部門や管理職の工数削減とともに、医療職のモチベーション向上や離職防止にも寄与しています。

※出典:HRBrain「HRBrainの活用で薬剤師のモチベーションをUP！地域密着型の調剤薬局の挑戦とは」「紙運用からの脱却で、フィードバックする文化を醸成。改革を進める病院の取り組みとは」（2025年12月1日閲覧）

カオナビは、人材情報と人事評価を一元管理できるクラウド型のタレントマネジメントシステムです。顔写真や経歴、スキル、評価シートをクラウド上で管理し、評価シートの作成から配布、回収までオンラインで完結できます。

現在使っている評価シートをドラッグ＆ドロップでそのまま再現できる柔軟性と、ワークフローで進捗や入力漏れを管理できる仕組みがある点が大きな特徴です。評価結果を一覧で可視化し、評価のばらつき（甘辛）を確認しながら評価調整を行えるため、勘や記憶に頼らない公平な評価を実現できます。

医療機関では、職種や等級ごとの評価シートを共通フォーマットで運用しつつ、スタッフの顔ぶれやスキル、資格情報を見ながら配置や育成を検討する基盤として活用できます。
多職種・多拠点の組織でも評価業務を効率化し、評価の納得度向上や人材マネジメントの質の底上げに役立つでしょう。

医療業界の口コミ

医療業界での導入事例

カオナビは、人材情報の分散や評価制度の不透明さといった課題の解決に活用されています。各法人や事業所ごとに紙や別システムで管理しており、職員情報や評価履歴を確認するだけでも人事部への問い合わせが必要といった状況の改善に貢献しています。

人材データベースと評価ワークフローを組み合わせ、人材情報や人事考課結果をクラウド上で一元管理できる機能が活躍。職種や役職ごとに細分化した評価シートでMBOやスキル評価を行い、結果を配置シミュレーションや昇格検討にも活用できます。

導入後は、人事評価やマスタ登録にかかる作業工数が約4割削減され、現場からも「評価業務が楽になった」といった声が寄せられています。

※出典:カオナビ「「介護は高スキルな仕事」。「カオナビ」によるMBO運用とスキル管理で離職率低下を目指す」「約3,600名の人材データを一元化！業務効率化で作業工数を4割近く削減」（2025年12月1日閲覧）

ジンジャー人事評価は、評価シートや評価フロー、権限設定などを運用に合わせてカスタマイズできる人事評価システムです。関数を利用した計算式機能を備え、入力値をもとに最終評価などの数値を自動集計できます。

各ステップ、入力者に応じた権限を設定すれば、項目の見え方をカスタマイズできます。ひとつのシートで処理を完結できる点もメリットです。

担当者ごとにシートを分ける手間を省け、オンラインで評価シートの作成から回収、最終評価まで完結できるツールです。

COMPANY 人事管理システムは、グループ全体の人事評価を一元化し、全プロセスを可視化できる評価システムです。目標管理や業績評価、能力評価、多面評価など、幅広い評価制度をサポートし、各グループ法人の再編成や法改正にも追加費用なしで対応可能です。

系列病院やクリニック間での人事業務を統一し、多様な職種に対応する評価基準を柔軟に設定できます。

医療業界における人事評価の課題

医療業界では、一般的な医療業務に加えて人事評価（査定・考課）を行う必要があり、評価に関するさまざまな課題が生じることがあります。普段の業務の中で解決すべき課題はどれか、確認してみましょう。

医師の人事評価制度が未整備である

医師は仕事の専門性が高く、病院の中心的役割を担う職種です。しかし、診療技術や治療成績などが客観的に評価しにくい特徴があります。

多くの病院では医師に対する人事評価制度が導入されておらず、年功序列で評価や給与を決めている場合も少なくありません。

これでは、チーム医療の推進や医師間の公平感が損なわれる恐れがあるでしょう。

考課基準や評価方法が明確でない

医療機関では、評価者の経験や価値観に影響されやすく、同じ職種でも評価結果に差が出ることがあります。基準が不明確なままだと、努力がどう評価されたのかが見えにくくなります。

何を重視して判断しているのかが伝わらなければ、職員が評価に納得しづらく、モチベーションの低下につながる点も課題です。

管理職や評価者の育成が十分でない

病院では、医療者として優秀な人材が昇進して管理職になるケースが多くあります。しかし、組織運営や人材育成などに必要な能力を持っているとは限りません。
そのため、管理職としての役割を果たせず、部下や後輩からの信頼や尊敬を得られないこともあります。

管理職としての能力や経験がないため、人事評価制度の考案や運用が進まない原因にもなり得ます。

人事評価制度と賃金制度の連動性が低い

人事評価制度と賃金制度を連動させることで、職員のモチベーションや成果を高められます。しかし、実際には連動させていない病院や、連動させても効果が出ていない病院も少なくありません。

原因としては、次のような点が挙げられます。

• 賃金体系の見直しや改革が難しい
• 人事評価制度の信頼性や公平性が低い
• 賃金以外のインセンティブやキャリアパスが不足している

医療現場への人事評価システム導入で得られる効果

医療業界では、評価制度が導入されていない・導入されたばかりであることも珍しくありません。このことが原因で「適切に評価できていない」「人事評価制度と賃金制度の連動性が低い」課題があります。

これらを解決できる理由について、人事評価システムの機能や特長とともに説明します。

評価業務の効率化と工数削減

人事評価システムを導入すると、紙やExcelでの管理から離れられ、評価シートの配布や回収、集計までを自動で進められます。作業の手戻りが減るため、担当者の残業時間も大幅に削減されます。

入力制限や自動計算により、集計漏れや転記ミスといったトラブルの解消も可能です。評価の進捗を可視化できるため、未提出者をすぐに把握でき、催促や確認にかかる手間も抑えられる点がメリットです。

評価の公平性と透明性の改善

医療現場では、医師や看護師、技師などさまざまな職種が協力して業務を遂行します。人事評価システムを導入することで、職種や役職に関わらず、成果や行動の客観的な指標に基づく評価が可能です。

これにより評価の主観性や人間関係の影響が減り、公平性と透明性が向上する点もメリットです。医療従事者は、自身の貢献が正しく評価される安心感を持てます。

コミュニケーションとマネジメントの改善

人事評価システムを活用すれば、定量データと定性コメントの両面からチームを評価でき、マネジメントが勘や経験に依存しにくくなります。評価の根拠が共有されることで、指導の質も安定します。

また、評価サイクルに面談記録を組み込むことで、上司と部下が話す機会が自然と増えます。
日ごろの振り返りが習慣化され、「良い点」や「改善点」を具体的に言葉にする文化が育つため、職場のコミュニケーションが円滑になりやすい点も大きなメリットです。

離職率低下と定着の強化

人事評価システムを導入すると、定期フィードバックやアンケート機能で不満や悩みを早期に把握でき、離職の兆しにも迅速に気づけます。問題が深刻化する前に対応できる点は大きな強みです。

さらに、評価結果を昇給や昇格、研修計画に反映しやすくなり、処遇改善にもつながります。成果や日々の努力が見える化されることで、モチベーションが高まり、組織への帰属意識も育ちやすくなります。

医療業界向け人事評価システムで評価を適切に実施しよう

人事評価システムは、社員のパフォーマンスや能力を定量的に評価し、フィードバックできます。医療業界で人材不足や離職率の高さに悩んでいる場合は、人材の確保や定着に役立つためおすすめです。

医療業界向け人事評価システムを導入する際には、医療従事者の資格や経歴を管理しやすいか、評価基準が実情に即しているかを確認することがポイントです。医療業界で導入実績の多いサービスを選びましょう。

また、医療業界では人事評価システムに関連して、次のようなサービスも導入されています。あわせて検討してみてください。

• 勤怠管理システム
• 給与計算システム
• タレントマネジメントシステム
• 360度評価システム