新規開拓営業を成功させるコツ | フォロー漏れをなくすターゲットリスト活用ノウハウ
受注率UPの最短ルート!営業戦略・プロセス完全ガイド
こんな課題はありませんでしょうか。
・効果的なマーケティングができていない
・訪問件数は多いが契約が思ったほど増えてない
・受注率が上がらず、営業改善が必要だが打開策が見えてない
下記の資料では営業効率UPのための、プロセス改善や手法・ポイントについて解説しています。
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新規開拓営業とは?
新規開拓営業とは、新たな顧客を見つけ(=新規開拓)、ビジネス機会の創出に向けた営業活動を指します。これは既存の顧客関係に依存せず、新しい市場や顧客層にアプローチすることを目的とした営業活動です。
新規開拓は企業が成長するための戦略であり、長期的なビジネスの安定と拡大に不可欠な役割を果たしています。
既存営業(ルート営業)との違い
新規開拓営業に対する営業方法として、既存営業(ルート営業)があります。既存営業は、すでに確立された顧客関係を維持し、深化させる営業活動です。長期的な顧客関係を基盤とし、信頼を築きながらリピート購入や追加の売上を生み出すことが主な目的です。
既存営業は安定した収益源を提供し、顧客満足度の向上、製品やサービスのフィードバック収集、顧客のニーズなどを通じて顧客との関係を強化します。一方で、新規開拓営業はよりダイナミックなアプローチが求められ、市場の新たな可能性を探るために積極的なリサーチとアプローチが不可欠です。
簡単に言えば、既存営業は「深耕」、新規開拓営業は「拡大」に重点を置いています。「深耕営業」といった言葉もあるように、既存営業では確立された関係を活用し、継続的なビジネスを生み出します。一方、新規開拓営業では、新しい市場にアプローチし、新しい顧客基盤の構築を目指しているのです。
新規開拓営業が必要な理由
新規開拓営業は、市場の変化に柔軟に対応し、事業の持続可能性を高めるために必要とされています。既存顧客への依存度を減らすことで、市場の変動や競争激化に強いビジネスモデルが構築できるでしょう。
また、新規顧客を開拓することで、今までの営業手法では考えつかなかった新たなニーズの発見や製品・サービス改善の機会が生まれ、企業の革新を促進するといったメリットもあります。
新規開拓営業をするメリット
新規開拓営業は、企業が成長し、市場での地位を固めるために必要とされています。新規開拓営業をする主なメリットは、次のとおりです。
市場の多様化とリスクの分散ができる
新規開拓営業により、異なる市場セグメントや業界にアプローチすることで、ビジネスのリスクを分散できます。既存市場の変動や不況の影響を受けにくくなり、経済的な安定性が向上するでしょう。たとえば、一つの業界に依存するのではなく、複数の業界にサービスを提供することで、市場の変動に強いビジネスモデルを構築可能です。
新しい収益源の確保になる
新規開拓営業を通じて新しい顧客を獲得することは、新たな収益源を確保することに直結します。とくに新しい市場や未開拓の顧客層にアクセスすることで、ビジネスの拡大と収益の増加が実現するでしょう。
新しい市場での成功は、総収益に大きな影響を与える可能性があります。
ビジネスモデルの革新と成長
新規顧客との関係構築を通じて、新たなニーズや市場のトレンドを発見し、ビジネスモデルの革新につなげられるでしょう。
新たなニーズやトレンドを発見できると、製品やサービスの改善、新サービスの開発が促進され、企業の継続的な成長にもつながります。
競争優位性の強化
新規開拓営業によって、競合他社に対する優位性を確立し、市場での地位を強化できます。
未開拓市場での先行者利益や、独自のサービス・製品を通じて差別化を図ることで、競争上の優位を確保します。これにより、ブランド認知度の向上や市場での影響力が増加するでしょう。
顧客との新しい関係構築
新規開拓営業を通じて、新しい顧客との関係を構築し、長期的なビジネスパートナーシップを築けます。新しい顧客との関係構築は将来的なビジネス機会の基盤となり、企業が成長するうえで欠かせないものとなるのです。
新規開拓営業の種類
新規開拓営業には、主にふたつのアプローチがあります。それぞれのアプローチは、市場に対する戦略や資源にもとづいて選択するのが一般的です。
次に、それぞれのアプローチについて説明します。
プッシュ型の営業
プッシュ型営業は、積極的な販売戦略を採用し、製品やサービスを直接顧客に提案する方法です。アウトバウンド営業(アウトバウンドセールス)と呼ばれることもあります。
このアプローチは、展示会への参加、営業担当者による直接訪問、電話営業などを通じて行われます。プッシュ型営業は、とくに新製品の導入期や認知度の低い市場で効果的です。
プル型の営業
プル型営業は、顧客が製品やサービスに自然と引き寄せられるような戦略を採用する方法です。インバウンド営業(インバウンドセールス)と呼ばれることもあります。
このアプローチでは、ブランディングやマーケティング活動、コンテンツマーケティング、SEO(検索エンジン最適化)を活用して、顧客の関心を喚起し、自発的な購入意欲を促します。プル型営業はブランドの認知度を高めるのに有効で、持続的な顧客関係の構築につながるのが特徴です。
新規開拓営業の手法一覧
新規開拓営業には多様な手法があり、ビジネスの性質やターゲット市場に合わせて選択されます。次に、プッシュ型営業、プル型営業、そして間接的な営業手法の各カテゴリに分けて、具体的な方法を紹介します。
プッシュ型営業での手法
プッシュ型の営業には次の手法があります。
飛び込み営業(訪問営業)
飛び込み営業(訪問営業)は、直接潜在顧客のもとへ訪問し、ビジネスの機会を探るアプローチです。この手法を使うと、顧客との直接的なコミュニケーションが発生するため強い信頼関係を築けるでしょう。
しかし、信頼関係を築くまでのハードルは非常に高く、訪問先の選定やタイミングが重要です。不適切なアプローチは顧客に不快感を与える可能性があり、門前払いされてしまうことも少なくありません。事前にターゲットとなるエリアや業界をリサーチし、適切なタイミングで訪問計画を立てることが成功の鍵です。
テレアポ(電話営業)
テレアポ(テレフォンアポイントメント/電話営業)は、電話を利用して潜在顧客にアプローチする手法です。時間と場所を選ばず、広範囲の顧客にリーチできる利点があります。
しかし、不適切な時間帯のアプローチや無関係な話題で顧客の興味を引けない場合、拒絶されるリスクも高くなってしまいます。
効果的なテレアポのためには、事前にリードとなる顧客リストの準備やスクリプトの策定が重要です。また、会話のなかで顧客のニーズを的確に捉え、関心を引く内容の提供が求められるでしょう。
メール(DM)・手紙
メール(Direct Mail / DM / ダイレクトメール)や手紙は、個別の顧客に直接情報を送る手法で、ターゲットを絞ったマーケティングに適しています。
低コストで大量の潜在顧客にアプローチ可能な一方で、開封率や反応率は低いことがデメリットです。メールの内容は、受取人の関心を引くために説得力のあるメッセージとなるよう工夫することが重要です。また、スパムと見なされないよう、適切なタイミングと頻度で送信する必要があります。
ポスティング
ポスティングは、チラシやパンフレットを特定の地域やターゲットに直接配布する手法です。地域密着したターゲット層へリーチするのには有効ですが、配布する地域の法規制や規則を事前に確認する必要があります。
また、配布する素材は目を引くデザインと、明確なメッセージをもつことが重要です。反応率を高めるためには、ターゲットの興味を引くように刺激的な内容を考える必要があります。
フォーム営業
フォーム営業とは、企業がホームページやオウンドメディアなどに用意しているお問い合わせフォームに対して、定型文や標準化された提案書、見積もりなどを使用して直接売り込む手法です。
短時間で多くの企業にアプローチができるうえ、お問い合わせ扱いになるため開封率が高い反面、返信率は低く、逆に悪い印象を与えてしまう可能性もあります。
また、送信内容があまりにも一般的であると、顧客の個別のニーズに対応できないことがあります。したがって、フォームの内容はターゲット顧客の業界や特性に合わせて調整することが重要です。送信先の企業にとっても、テンプレ化したメッセージよりは、カスタマイズされた内容のほうが読んでみようと思う気持ちが湧くでしょう。
ソーシャルセリング
ソーシャルセリングは、FacebookやX(旧Twitter)、LinkedInなどのSNSを活用して営業活動を行う方法です。ターゲット企業に在職中の人をSNSで見つけ、接点をもち、訪問アポを獲得することが目的です。通常は接触が難しい相手でも、SNS経由ではアプローチの可能性が上がります。
しかし、効果的なソーシャルセリングには、SNS上で有益な情報を継続的に発信し、適切なネットワークを構築する努力が必要です。また、不適切な発信はブロックされるリスクがあり、情報のチェックが不可欠でしょう。
イベントへの参加
イベントや展示会へ一個人として参加することで、直接的な人脈づくりをする手法です。現地で知り合った人々と名刺交換や交流を深めることで、のちの顧客となる可能性が広がるでしょう。
一度でも面識があれば営業をかけるタイミングも生まれやすいですが、大規模なイベントでは相手の記憶に残りにくいのも確かです。交流時に印象に残るような努力をしたり、記憶に新しいうちにアポの機会を設定したりするのが効果的です。
ビジネスマッチングサービス
ビジネスマッチングサービスの利用は、新規開拓営業において、さまざまな業界のプロフェッショナルとのつながりを築くための効率的な方法です。これらのサービスは、名刺交換後の情報をデジタル化し、プロフィールを自動生成する機能が備わっているものや、AIを活用してユーザーに最適なビジネスパートナーを推薦するものなど、多様な機能を提供しています。
ビジネスマッチングサービスの利用は、新たな人脈を開拓し、多様なビジネスチャンスを探求するうえで大きなメリットをもたらすでしょう。ただし、オンライン上でのやり取りに依存するため、相手の情報の信憑性を確認し、慎重に関係を築くことが重要です。
プル型営業での手法
プル型の営業には次の手法があります。
オウンドメディアやブログの活用
オウンドメディアやブログは、自社のコントロール下で情報を発信し、顧客を引き付ける手法です。業界のトレンドや有益な情報を提供することで、読者の関心を引き、ブランドへの信頼と興味を高めます。
しかし、一貫性があり高品質なコンテンツの定期更新が必要で、読者の関心を維持するための戦略的なコンテンツマーケティングが求められます。
SNSアカウントの運用
SNSアカウントの運用は、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)などのプラットフォームを通じて、情報発信や顧客と直接コミュニケーションをとる手法です。ブランドの人間性を表現し、顧客との関係を強化できます。
ただし、適切なターゲットに合わせたコンテンツの作成と、定期的な更新が必要です。また、ネガティブなコメントやクレームへの迅速で適切な対応も求められます。さらに、SNSは常に炎上のリスクを抱えているため、投稿内容の精査も重要になるでしょう。
SNSアカウントの運用にはある程度の知見とノウハウが必要なため、社内にリソースがない場合はSNS運用代行サービスを活用するのも一つの手です。
Web広告への出稿
Web広告の出稿は、Google Adsやソーシャルメディア広告を通じて、広範囲のターゲットにリーチする手法です。精密なターゲティングにより、関心の高い顧客に直接的なアピールが可能です。
ただし、広告キャンペーンの設計と管理には専門知識が必要で、費用対効果を最大化するためには継続的な最適化が求められます。
オフライン広告への出稿
オフライン広告への出稿は、新聞、雑誌、屋外広告などを通じて、ブランドや製品の認知度を高める手法です。
広範囲のオーディエンスにリーチできる一方で、ターゲットの精密な設定は難しいことがデメリットです。また、広告の効果測定がWeb広告に比べて困難だったり、規模によっては出稿費用もかなりの高額になったりしてしまいます。
展示会やフォーラムへの出展
展示会やフォーラムへの出展は、製品やサービスを直接プレゼンテーションし、興味をもつ潜在顧客と交流する機会を提供する手法です。
リアルタイムでのフィードバックや直接的な商談の機会を得られますが、出展には費用と万全の準備が必要です。また、展示会後のフォローアップも重要なポイントになるでしょう。
セミナーや勉強会の主催・共催
セミナーや勉強会を主催または共催することで、業界の専門知識を共有し、ブランドの認知度と信頼を高める手法です。
参加者との直接的な交流により、深い関係を築けるでしょう。ただし、ブランドの認知度や信頼を高めるためには、自社ならではの魅力的なコンテンツを提供する必要があり、定期的なイベント管理も重要です。
企業広報活動やプロモーション
企業広報活動やプロモーションは、メディアリリースやイベント、キャンペーンを通じて、製品やサービスの認知度を高める手法です。
広報活動により、企業のポジティブなイメージを構築し、顧客との関係を深められるでしょう。ただし、適切なメディア戦略と記憶に残る効果的なメッセージングが必要です。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、有益な情報やエンターテイメントを提供することで、顧客の関心を引き付ける手法です。
ホワイトペーパーやインフォグラフィック、動画などの多様なコンテンツを活用し、ブランドの価値と専門性を示します。ターゲットオーディエンスのニーズや関心、そして現在のトレンドに合わせたコンテンツの作成が重要です。
第三者を介する間接的な営業での手法
第三者を介する間接的な営業には次の手法があります。
既存顧客やパートナー企業からの紹介
既存顧客やパートナー企業からの紹介は、信頼性の高い新規顧客を獲得する方法です。紹介によって得られるリードは、信頼の基盤がすでに築かれているため、営業プロセスがスムーズに進むことが多いでしょう。
このアプローチを成功させるためには、既存顧客やパートナーとの良好な関係を維持し、彼らが自社のサービスを他者に推薦したくなるような価値を提供することが重要です。
ただし、過度の期待や圧力をかけることは逆効果になる可能性があるため、慎重に取り組む必要があります。
営業代行サービス・代理店の利用
営業代行サービスや代理店を利用することも、新規開拓営業における手法の一つです。特定の市場やセグメントに特化した専門知識やリソースを活用できるため、新しい顧客層へのリーチや地域的な拡大にとくに有効です。
ただし、代理店や営業代行サービス業者の選定には慎重さが必要で、ビジョンや価値観と合致する信頼できるパートナーを選ぶことが重要でしょう。また、定期的なコミュニケーションとパフォーマンスのモニタリングが必要になります。
パートナーシップや共同プロモーション
パートナーシップや共同プロモーションは、他の企業や組織と連携し、共通のターゲット市場にアプローチする手法です。この方法では、互いの強みを活かし、より広範囲の顧客層にリーチできます。共同プロモーションは、新しい顧客層への露出を増やし、両社に利益をもたらすでしょう。
しかし、パートナー選びには慎重さが求められ、共同の目標や期待について明確な合意が必要です。成功するためには、双方の利益がバランス良く配分されるような取り組みを求められます。
新規開拓営業を行う前に知っておきたいこと
新規開拓営業を実施する前に、次の内容を覚えておきましょう。
幅広いアプローチが求められる
新規開拓営業では、さまざまな業界や顧客層にアクセスするため、幅広いアプローチが必要です。異なるニーズや背景をもつ顧客に対応するためには、柔軟性と創造性が求められます。
一つの戦略がすべての顧客に適用できるわけではないため、ターゲットに応じてカスタマイズされたプレゼンテーションや提案が必要になります。
顧客は商品やサービスの知識をもっていない
新規開拓営業のターゲットは、しばしば自社の商品やサービスについて未知の状態であることが多いです。このため、製品の特長や利点を明確に説明する必要があります。
初対面の場合が多い
もちろん事前に名刺交換や情報交換などを済ませている場合もありますが、新規開拓営業では多くの場合が顧客と初めての接触となります。
これは、信頼を築くための大きな機会でもありますが、同時に初対面の印象が非常に重要です。適切な第一印象を与えることが、関係構築の成功に大きく影響するでしょう。
新規開拓営業の流れ
新規開拓営業を行う流れは、市場調査やターゲットリストの作成から始まり、実行、フォローアップに至るまで、いくつかの重要なステップに分けられます。次に、各ステップについて解説します。
1. 市場調査
新規開拓営業の第一歩は、市場調査を通じてターゲットとなるペルソナを明確にすることです。競合分析、業界のトレンド、顧客の痛点やニーズを理解し、どのような顧客が自社の製品やサービスに最も関心をもちそうかを特定します。
2. ターゲットリストの作成
市場調査の結果をもとに、潜在的な顧客企業や個人の連絡先、業界情報、会社の規模などが含まれた具体的なターゲットリストを作成します。ターゲットリストの作成は、このあと紹介するステップにおける営業活動の効率性と有効性を高めるために重要です。
また、ターゲットリストを作成するにあたり、事前に顧客情報を集めておく必要があります。ターゲットリストを作成するための集客方法で、一般的なものは次のとおりです。
- 展示会
- イベント
- セミナーやコミュニティなどでの名刺交換
- Webサイトからの問い合わせ
- ホワイトペーパーや資料などのダウンロードで取得した顧客情報
もちろん、マスメディアを活用したプロモーションが行われることもあり、無料トライアルが活用される場合もあります。近年では独立したマーケティング部が集客を担当するといった、分業の流れが加速しているといえます。
営業部が集客も兼ねる場合は、四季報やWebから企業情報を集める、業者から企業データベースを入手するなどでターゲットリストを作成する方法もあるでしょう。
3. 作成したターゲットリストの分析
ターゲットリストが完成したら、それぞれの潜在顧客のニーズや興味を分析し、営業のアプローチ方法を考えます。この段階で、顧客ごとのニーズや関心にもとづいた仮説を立て、個別にカスタマイズされたアプローチ戦略を策定しましょう。
4. 営業戦略の策定
ターゲット分析をもとに、具体的な営業戦略を策定します。これには、プッシュ型かプル型かといったアプローチの種類、使用するツールやメディア、メッセージの作成などが含まれています。目標設定もこの段階で行い、どのようにして目標を達成するかの計画を立てましょう。
5. アプローチ計画の立案
具体的な営業戦略が決まったら、実際のアプローチ計画を立案します。これには、アプローチの手段(電話、メール、訪問など)やタイミング、初回接触における会話のフレームワーク、プレゼンテーションの準備などが含まれています。
計画は優先すべき顧客層を中心に
ターゲットリストのなかでも優先してアプローチすべきなのは、成約見込みの高い顧客層です。
場合によって最優先すべきアプローチ先は変わります。たとえば、セミナーや勉強会、イベントなどで名刺交換した参加者をターゲットとする場合、記憶が薄れないうちにできる限り素早いアプローチを行うのが鉄則です。
6. 実際の顧客アプローチ
アプローチ計画にもとづき、実際に潜在顧客に接触します。この段階では、顧客の関心を引き、関係を構築するために、説得力のあるプレゼンテーションと効果的なコミュニケーションが必要です。反応に応じて、戦略を微調整することも重要です。
7. 顧客情報の更新
顧客からのフィードバックや反応をもとに、ターゲットリストの情報を更新します。顧客とのやりとりを通じて得られた新しい情報を反映させることで、今後のアプローチをより効果的にしましょう。
8. フォローアップと信頼関係の構築
初回の接触後、継続的なフォローアップを行い、信頼関係を構築します。営業活動を経たうえで顧客のニーズにマッチした追加情報を提供したり、質問への真摯な回答をしたり、次の商談をセッティングしたりと、ターゲットが心地よく話を聞いてくれるような環境整備が重要です。
長期的な関係を築くことで、将来的なビジネスの機会が増える可能性もあるでしょう。
新規開拓営業を成功させる11のコツ
新規開拓営業の成功は、戦略的なアプローチと効率的なプロセス管理によって大きく左右されます。次に、成功につながる重要なコツを9つに分けて解説します。
ターゲットリストを活用した優先順位付け
ターゲットリストを作成しても、活用されなければただの名簿になってしまいます。だからといって手当たり次第に営業をかけても、効率的に成約に持ち込めるとはいえないでしょう。
そこで、リストに掲載されている顧客がどのような属性をもつのか分析を行い、成約見込みの度合いに応じて優先順位を付け分類するのが効果的です。
たとえば、セミナー参加者やホワイトペーパーをダウンロードした顧客は自社製品・サービスへの関心が高いと判断でき、無料トライアル中であればさらに成約への確度が高いといえます。
一方、Webのような広範囲にわたる媒体から収集した顧客へのアプローチは、ターゲットに合致するのかを慎重に見極め、優先順位を決定するのが重要です。
継続したフォローアップをする
商談を経て成約に至るまで、アプローチをかけている企業は見込み顧客としてリストに残ります。
適切なタイミングでフォローアップを続ければ、成約率の上昇にもつながります。もちろん、テレアポや商談のたびに見込み度合いを判断し、進捗をアップデートしてリストに反映させ、常に最新の状態を保つ必要があるでしょう。
顧客情報の管理を怠らない
新規開拓営業では、顧客情報の正確な管理が極めて重要です。せっかくターゲットリスト活用による分析を行ったり、フォローアップを行ったりしても、顧客情報がうまくまとまっていなければ水の泡です。
顧客情報の詳細やアプローチ履歴、対話の内容、顧客の反応などを丁寧に記録し、これを営業活動の改善や戦略の策定に活用しましょう。CRMシステムのようなツールを利用して情報を整理し、チーム全体で共有すれば、一貫したアプローチも実現できます。
市場調査やリサーチを徹底的に実施する
市場調査とリサーチは、ターゲット顧客のニーズや関心を理解し、効果的な営業戦略を策定する基盤となります。競合の動向、市場のトレンド、顧客の痛点や期待を深く理解することで、より的確なアプローチが可能になるでしょう。
相手の目線に立って考える
顧客の視点に立ち、彼らのニーズや悩みを理解することが重要です。自社の製品やサービスが顧客の問題をどのように解決できるかを明確に伝えることで、信頼関係の構築につながるでしょう。
自社ならではの強みを提供する
自社の製品やサービスの独自の強みや利点を強調し、他社との差別化を図ります。自社の強みを顧客に理解してもらうことで、競合に対する優位性をアピールできるでしょう。
ただし、アピールする際は、強みが顧客にとって必要な内容でなければいけません。たとえばシンプルで使いやすい機能があるシステムを求めている顧客に対し、多機能さをアピールした場合では、たとえ競合と比べて一番の強みであっても、顧客の心には刺さらないでしょう。
数字で具体的な差別化や訴求を行う
新規開拓営業において、数字を用いて具体的な差別化や訴求を行うことは非常に効果的です。たとえば、自社製品が競合製品よりも20%長持ちする、または同業他社と比較して顧客満足度が30%高いといったデータを提示することで、顧客に対して明確かつ説得力のあるメッセージを伝えられるでしょう。
具体例として、エネルギー効率が高い製品を販売している場合、製品がどの程度のエネルギーコスト削減に貢献するかを数値で示します。また、サービス業であれば、サービスの利用による顧客の作業時間削減率や業務効率化の具体的な数字を提供すると良いでしょう。
このように数字を用いて差別化や訴求を行うことで、顧客に自社製品やサービスの明確な価値を理解してもらい、競合他社との比較で優位性を証明できます。ただし、提供するデータは正確で信頼性のあるものである必要があり、誇張や不正確な情報は避けるべきです。
営業先に良い印象を残せるようにする
初対面での印象は、新規開拓営業が成功するかどうかを左右すると言っても過言ではありません。専門的な知識、誠実な態度、そして状況に応じた適切な服装は、信頼関係構築の土台となります。さらに、営業先の企業文化や商談相手の性格、年齢、性別などを理解し、それに応じたアプローチを行うことが重要です。
たとえば、堅実で伝統的な企業に対しては、フォーマルな服装と保守的なアプローチが適切かもしれません。一方、スタートアップやクリエイティブな業界の企業に対しては、よりカジュアルでオープンなコミュニケーションスタイルが好まれる場合もあります。また、相手の性格や嗜好に応じて話題を選び、興味や関心を共有することで、より親近感をもってもらえるでしょう。
顧客の話を注意深く聞き、ニーズや懸念に対して適切に対応することも、良い印象を与えるためには不可欠です。このような柔軟な対応と個別化されたアプローチをすれば、各営業先の特性に合わせた関係がされ、信頼を深めることにつながるでしょう。
KPI設定と継続的なPDCAサイクル
週ごとの新規顧客アプローチ数、商談数、成約率などをKPIとして設定し、目標に向けた具体的な進捗を測定することは、透明性を高めるために不可欠です。これらの数値をもとにPDCAサイクルを回すことで、計画の有効性を評価し、必要に応じて戦略を修正しましょう。
具体例として、成約率が目標を下回った場合、商談の質やアプローチ方法を見直す必要があるかもしれません。定期的にデータを分析し、チームでのディスカッションを通じて、営業プロセスの改善点を特定しましょう。
アポ取りや商談はスピード感をもって進める
新規開拓営業では、迅速な対応が顧客の関心を維持し、競合に差をつけるために重要です。たとえば、顧客からの問い合わせには24時間以内に返信する、初回のアポイントメントは問い合わせから一週間以内に設定するなど、スピード感重視な基準を設けるのが効果的でしょう。
また、商談の際には、事前準備と効率的なプレゼンテーションで、顧客の貴重な時間を最大限に活用するのも大切です。提案の内容を簡潔にし、顧客の疑問や懸念に迅速に対応することで、商談の進行をスムーズにし、意思決定を促せるでしょう。
担当者だけでなく組織的に取り組む
新規開拓営業の成功は、営業担当者個人の努力だけでなく、組織全体の協力によってもたらされます。たとえば、営業チームが顧客情報を共有し、マーケティング部門が市場調査やリードジェネレーションを支援し、製品開発部門が顧客のフィードバックを製品改善に反映させるのような、部門間の連携を強化することが重要です。
全社的なコミュニケーションを促進し、各部門が協力して一貫したメッセージを発信しましょう。また、営業活動の成功事例や学びを組織内で共有し、全社員が営業の成果に貢献できる文化を育成することも、大切な要因の一つです。
新規開拓営業でやりがちなミスや注意点
新規開拓営業は多くの挑戦を伴いますが、特定のミスを避けることで効果を高められるでしょう。次に、新規開拓営業でよくあるミスと回避策について説明します。
アプローチをする前から諦めてしまっている
新規開拓営業では、否定的な思考が結果に影響することがあります。どんなに難しい見込み客でも、積極的な姿勢と適切なアプローチ次第では成功の可能性があります。事前のリサーチと準備を行い、自信をもってアプローチすることが大切です。
また、市場分析やターゲットの分析を進めるうえで、思わぬ親和性を発見することもあります。もし関係のない業界や相手であっても最初からアプローチをしないと決め込まず、まずはターゲットの一つとして課題やニーズを考えてみると良いでしょう。
ヒアリング力が足りず顧客の課題を引き出せていない
営業時のヒアリングは、顧客の真のニーズや課題を理解するために不可欠です。しかし、多くの営業担当者は十分なヒアリングを行わずに提案に移ってしまいがちです。
顧客の話をじっくり聞き、適切な質問をすることで、顧客のニーズを深く理解し、効果的な提案が可能になります。
反応が悪いとすぐに見込みなしの判断を下してしまう
初回の反応が芳しくない場合でも、見込み客をすぐに諦めるのは早計です。市場環境や顧客の状況によっては、時間を置いて再度アプローチすることが有効な場合もあります。持続的なフォローアップを通じて関係を構築することが重要です。
相手を不快にさせてしまっていることに気付いていない
ときには、過度なプッシュや不適切な言動が顧客を不快にさせていることがあります。常に相手の反応を観察し、柔軟に対応することが大切です。適切なコミュニケーションスキルと相手への敬意をもって接することで、このようなミスは避けられるでしょう。
自社の強みに対する理解や競合分析が足りていない
自社の製品やサービスの強みを正確に理解し、競合との違いを明確にすることが重要です。市場分析と競合調査を徹底的に行い、自社のユニークな価値提案を明確にすることで、顧客に対して説得力のある営業が可能になります。
スケジュールが確保できずタイミングを逃してしまう
現在営業とは別に、マーケティング部門が集客を担うのが一般的になりつつあります。しかし、リスト作成以降も営業が担う場合、テレアポといった新規開拓フォローは営業のスケジュールが優先されがちです。
つまり、既存顧客の対応を含めた自身の案件多忙を理由に、アポイントのタイミングを逃してしまい、結果的にフォロー漏れが起こってしまうのです。
無計画にテレアポを行っている
上記のようなケースでは、仮にテレアポを行う場合でも営業のスケジュールが優先されてしまいます。つまり、相手先の都合を考えずに無計画なテレアポを行い、不在の時間ばかりに電話してしまうようなことになりがちです。
これではターゲットリストが有効活用されているとはいえず、休眠顧客ばかりのリストになってしまいます。
フォローアップの体制が取れていない
初回接触後のフォローアップは、顧客との関係を築き上げ、長期的なビジネス機会を創出するために重要です。しかし、多くの営業担当者は時間やリソースの制約により、効果的なフォローアップを行えていないのが現実です。
営業チームが顧客に対して十分なサポートを提供するためには、社内のコミュニケーションを強化し、必要なリソースが確保されているかを定期的に評価する必要があるでしょう。CRMシステムのようなツールを活用して顧客情報を効率的に管理するだけでも、営業担当者のリソースが確保されやすくなり、フォローアップ体制は大幅に強化されます。
フォロー漏れをなくす方法とは
数ある新規開拓営業でやりがちなミスのなかでも、とくにフォロー漏れは営業活動にすらつながっていないことも多いため、すぐに解決すべき課題です。
それでは、フォロー漏れといった課題をなくし、ターゲットリストを有効活用して効率的なアポイント獲得を実現するにはどうすべきでしょうか。押さえておくべき3つの方法を解説します。
テレアポの時間を確保する
ターゲットリストのフォローを営業が担う場合、空いている時間を使うのではなくテレアポ用の時間を確保すべきです。
個々の裁量に任せるのではなく、部署として時間を確保してしまうのもいいでしょう。もちろん、実行したテレアポの履歴は必ず残してリストを最新の状態に保つ必要があり、電話のつながった時間を傾向として分析するといった作業も求められます。
システムでフォローを管理
ターゲットリストの作成と管理をExcelで行っている企業も多いでしょう。しかし、複数人数での同時更新ができず、進捗がリアルタイムに把握できないExcelは、上述のような部署として時間を確保するテレアポには向かないといえます。
これらを解決するため、顧客管理システム(CRM)や、営業支援システム(SFA)を導入し、フォローを管理する方法が考えられるでしょう。システムならば、マネージャーが管理・アドバイスを行いやすいだけでなく、システムが予定の遅延やフォロー漏れをアラートで知らせてくれます。
営業とテレアポを分業する
もうひとつ、リスト作成以降のテレアポを分離してインサイドセールスチームに任せ、営業は訪問とフォローアップに専念するといった方法もあります。時間を区切らずにテレアポに集中できるチームがあれば、高い確立でのアポイント獲得が期待できます。
結果的にマーケティング、インサイドセールス、営業がそれぞれコア業務に専念することで、ターゲットリストを有効活用した成約につなげられるでしょう。
インサイドセールスを代行するサービス
営業のプロセスを分業する方法は有効ですが、すぐに体制を整えて軌道に乗せるのはそう簡単にいかないでしょう。そうした場合に活用したいのが、インサイドセールスを代行するサービスです。
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新規開拓営業成功のコツはリストの有効活用
なかなかアポイントが取れない場合、アプローチ先が少ないことを理由にされがちです。しかし、本当にそうでしょうか?本文でも解説したように、たいていのケースで正しくターゲットの分析ができていなかったり、フォロー漏れが起こっていたりと、結果的にターゲットリストが有効活用されていないのです。
リストの内容を精査し、的確なフォローを継続することで、新規アプローチ先はきっと見つかります。新規開拓営業に課題を感じている場合は、今一度、自社内のワークフローを見直してみてみましょう。
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