チャット機能を搭載したグループウェア8選 - 機能・料金比較
目次を閉じる
- グループウェアとは
- グループウェアにおけるチャット機能とは
- ビジネスチャットとの違い
- 社内SNSとの違い
- グループウェアの主な機能一覧とできること
- 連絡を取るための機能
- 情報を蓄積したり共有したりする機能
- 仕組み化するための機能
- セキュリティ要件
- チャット機能のあるグループウェアを選ぶ際のポイント
- グループウェアに必要な要件を洗い出す
- コストの計算と見積もりをする
- 現場にとっての使いやすさを考える
- チャットの通知機能と設定の柔軟性を確認する
- チャットの検索機能と過去ログの閲覧性を比較する
- チャットボットやスタンプといった追加機能の充実度をチェックする
- 外部ツールとの連携機能を確認する
- チャット機能のあるグループウェアの機能・料金比較表
- チャット機能のあるグループウェア8選
- Google Workspace
- Garoon
- Lark(ラーク)
- J-MOTTOグループウェア
- Confluence
- NI Collabo 360
- Microsoft 365 (旧称 Office 365)
- GroupSession
- グループウェアに搭載されるチャット機能の詳細
- 複数人間でのメッセージ送付
- 1対1でのメッセージ送付(DM)
- メンションおよび通知
- 豊富な絵文字・スタンプ
- ファイルの共有と編集
- ビデオ通話・音声通話
- タスクの作成と管理
- チャットボットとの連携
- チャット機能のあるグループウェアを利用するメリット
- ニュアンスを伝えやすい仕組みになっている
- メッセージのやり取りを追いやすい
- ツールの一本化によるコスト削減につながる
- リアルタイムでの交流が可能
- テレワークやリモートワークをサポートできる
- 情報の一元管理による業務効率化
- 社内コミュニケーションの活性化
- グループウェアのチャット機能を使うデメリット
- 情報漏えいや不正アクセスのリスクがある
- 重要なメッセージが埋もれる可能性もある
- コミュニケーションの誤解を招く可能性がある
- 業務とプライベートの境界線が曖昧になる恐れ
- 導入や運用にコストがかかる
- グループウェアのチャット機能を最大限活用するポイント
- チャットの使い方のガイドラインを作成する
- 緊急時における連絡方法の取り決めをする
- チャットと他の連絡手段の使い分けを明確にする
- 積極的にコミュニケーションを取る
- 導入目的を明確にし全従業員へ浸透させる
- チャット機能を活用した社内コミュニケーションの例
- プロジェクト管理におけるチャットの活用法
- 部署間連携におけるチャットの活用法
- 情報共有におけるチャットの活用法
- チャット機能搭載のグループウェアを導入すべき企業の例
- リモートワークを推進している企業
- プロジェクトベースで仕事を進める企業
- 別部署とのやり取りが多い企業
- 社外との連携を頻繁に行う企業
- 従業員のエンゲージメントを高めたい企業
- チャット機能が搭載されたグループウェアを導入しよう
- BOXILとは
グループウェアとは
グループウェアとは、企業や組織内でのコミュニケーションや情報共有、業務の効率化を目的としたソフトウェアです。
一般的にグループウェアには、電子メール、スケジュール管理、ファイル共有、掲示板、ワークフロー、プロジェクト管理などの豊富な機能が含まれています。
近年では、チャット機能を搭載したグループウェアが増えており、リアルタイムでのコミュニケーションを促進することで、業務のスピードアップと円滑化を図れるのが特徴です。
グループウェアにおけるチャット機能とは
グループウェアにおけるチャット機能は、社内でのリアルタイムなコミュニケーションを可能にする機能です。1対1でのプライベートなやり取りから、グループでのディスカッションまで、さまざまな形式でのコミュニケーションが行えます。
チャット上でファイルを共有したり、ビデオ通話を行ったりも可能で、円滑な交流を促進します。また、チャットの内容を検索・参照できるため、情報の蓄積と共有にも役立つのも特徴です。
ビジネスチャットとの違い
ビジネスチャットとグループウェアのチャット機能は、どちらも企業内のコミュニケーションを目的としていますが、いくつかの違いがあります。
ビジネスチャットはチャット機能に特化したツールで、機能はシンプルで導入もしやすい傾向にあります。一方、グループウェアのチャット機能は、他の機能と連携して使用できるため、情報の一元管理が可能です。
たとえば、グループウェアにおけるチャット機能は、スケジュール管理やタスク管理、ファイル共有などとシームレスな連携が可能です。
社内SNSとの違い
社内SNSとグループウェアのチャット機能は、社内コミュニケーションを活性化するといった点で似ていますが、目的と機能に違いがあります。
社内SNSは、従業員間のつながりを強化し、情報交換の促進を主な目的としています。一方、グループウェアのチャット機能は、業務に直結したコミュニケーションを重視しており、タスクの割り当てやファイル共有、ビデオ会議などの機能を備えているのが特徴です。
また、社内SNSはカジュアルなコミュニケーションに適しているのに対し、グループウェアのチャット機能はよりフォーマルな場面で使われることが多いです。
グループウェアの主な機能一覧とできること
グループウェアには、社内の連絡や情報共有、業務の効率化を目的としたさまざまな機能が搭載されています。まずは、グループウェアの主な機能を4つのカテゴリーに分けて紹介します。
連絡を取るための機能
グループウェアには、1対1のチャットやグループチャット、ファイル共有、音声・ビデオ通話といった、社内でのコミュニケーションを円滑にするための機能が豊富に用意されており、場所や時間に捉われない柔軟なコミュニケーションが実現可能です。
機能 | 概要 | できることの例 |
---|---|---|
1対1のチャット | 2人だけの会話 | プライベートな会話、機密情報の共有 |
グループチャット | 複数人での会話 | プロジェクトごとの情報共有、部署間の連携 |
ファイル共有 | ファイルの送受信 | 資料の共有、データの受け渡し |
既読・未読表示 | メッセージの確認状況 | 連絡事項の確実な伝達、レスポンスの管理 |
音声通話 | 音声でのリアルタイムな会話 | 手軽な打ち合わせ、緊急時の連絡 |
ビデオ通話 | 映像付きでのリアルタイムな会話 | 対面に近いコミュニケーション、遠隔地とのミーティング |
情報を蓄積したり共有したりする機能
グループウェアは、情報の蓄積と共有に優れた機能を備えています。ファイル共有機能を使って資料を一元管理したり、掲示板やWikiで社内のナレッジを蓄積・共有したりできます。また、タスク管理やスケジュール管理の機能を活用することで、業務の進捗状況や予定の共有も容易です。
機能 | 概要 | できることの例 |
---|---|---|
ファイル共有 | ファイルの保存・共有 | 資料の一元管理、バージョン管理 |
掲示板 | 情報共有や意見交換 | 社内案内、ディスカッション、アイデア出し |
Wiki | 社内情報やノウハウの共有 | ナレッジの蓄積、業務マニュアルの作成 |
タスク管理 | ToDoリストやスケジュール管理 | タスクの割り当て、進捗管理、締め切り設定 |
スケジュール管理 | 予定の共有 | 会議室予約、イベントの共有、スケジュール調整 |
仕組み化するための機能
グループウェアには、業務の仕組み化を支援する機能も用意されています。たとえばワークフロー機能を使えば、稟議の申請と承認をスムーズに行えます。プロジェクト管理機能では、効率的なタスクの割り当てや進捗管理が可能です。
機能 | 概要 | できることの例 |
---|---|---|
ワークフロー | 稟議の申請と承認。ないし業務手順の自動化 | 決裁プロセスの効率化、承認状況の可視化 |
プロジェクト管理 | プロジェクトの進捗管理 | タスクの割り当て、スケジュール管理、リソース管理 |
アンケート機能 | アンケートの作成・実施 | 社内調査、顧客満足度調査、フィードバックの収集 |
データ分析 | データの分析・可視化 | 業務データの集計、レポート作成、KPI管理 |
外部連携 | 他システムとの連携 | データの自動連携、外部サービスとの統合 |
セキュリティ要件
グループウェアには、機密情報を扱うために十分なセキュリティ対策が求められます。パスワードポリシーの設定やアクセス制御、データの暗号化など、さまざまなセキュリティ機能を活用することで、情報漏えいのリスクを最小限に抑えられます。
機能 | 概要 | できることの例 |
---|---|---|
パスワードポリシー | パスワードの強度設定 | 強固なパスワードの義務化、定期的な変更の促進 |
アクセス制御 | 利用権限の設定 | 機密情報へのアクセス制限、職務に応じた権限付与 |
データ暗号化 | データの保護 | 通信内容の秘匿化、保存データの暗号化 |
ログ管理 | 操作履歴の記録 | 不正アクセスの監視、操作ミスの特定 |
バックアップ | データの復元 | システム障害時のデータ復旧、誤削除の防止 |
チャット機能のあるグループウェアを選ぶ際のポイント
チャット機能のあるグループウェアを選ぶ際は、ニーズにあったサービスを選ぶことが重要です。次に、チャット機能付きグループウェアを選ぶ際のポイントを詳しく解説します。
必要な要件の洗い出しやコストの計算、使いやすさの確認など、各ポイントを踏まえて慎重に選定しましょう。
グループウェアに必要な要件を洗い出す
チャット機能付きグループウェアを選ぶ前に、必要な要件を洗い出しましょう。業務内容や社内体制、ITリテラシーなどを考慮し、必要な機能やセキュリティ要件を明確にします。
チャット機能については、1対1のチャットやグループチャット、ファイル共有、ビデオ通話などの機能が必要かを検討しましょう。
また、チャット以外にも、タスク管理やスケジュール管理、ワークフローなどの機能が必要な場合は、それらが満たされたグループウェアを選ぶ必要があります。
コストの計算と見積もりをする
チャット機能のついたグループウェアを選ぶ際には、費用の計算が欠かせません。グループウェアは従業員1人あたりで料金の発生するサービスが多く、1人あたりいくらまでならコストをかけられるかを計算すると良いでしょう。
最安プランであれば1人あたり300円〜1,000円程度ですが、オプションにて勤怠管理や経費精算の機能を付けたい場合、セキュリティをより強化したい場合などには費用がさらにかかります。詳しくは下記の記事でも解説しているので、参考にしてください。
現場にとっての使いやすさを考える
チャット機能付きのグループウェアを選ぶ際には、使いやすさも重要なポイントです。直感的に操作できること、どこに何があるのか画面を見てすぐにわかることを確認しましょう。
またグループウェアは外出先で使うことも多いため、スマートフォンやタブレットで利用できることも重要です。iPhoneとAndroidの両方に対応しているか、モバイルアプリはあるかを確認しましょう。
チャットの通知機能と設定の柔軟性を確認する
チャット機能を有効に活用するには、適切な通知設定が欠かせません。重要なメッセージを見逃さないよう、デスクトップ通知やプッシュ通知、メール通知など、さまざまな通知方法に対応しているかを確認しましょう。
また、通知の頻度や時間帯を柔軟に設定できるかどうかも重要です。自分にあった通知設定ができるグループウェアを選ぶことで、チャットをストレスなく使いこなせます。
チャットの検索機能と過去ログの閲覧性を比較する
チャットでのやり取りは、重要な情報のやり取りになることも少なくありません。必要な情報を速やかに見つけられるよう、チャットの検索機能や過去ログの閲覧性は重要なポイントです。
キーワードやユーザー名、日付などの条件で検索できるか、過去ログがどれだけさかのぼって閲覧できるかを比較し、情報の管理がしやすいグループウェアを選びましょう。
チャットボットやスタンプといった追加機能の充実度をチェックする
チャット機能の利便性を高めるには、チャットボットやスタンプなどの機能が充実していることも大切なポイントです。チャットボットを活用することで、FAQ対応や簡単なタスクの自動化が可能になります。
また、スタンプや絵文字を使ってコミュニケーションを円滑にできるかどうかも、グループウェア選びの際にチェックするのがおすすめです。
外部ツールとの連携機能を確認する
チャット機能と外部ツールを連携できれば、業務の効率化がさらに進みます。
たとえば、プロジェクト管理ツールやカレンダーアプリ、クラウドストレージサービスなどと連携できると、チャット上でさまざまな情報を集約でき、スムーズなコミュニケーションが可能です。
上記で紹介したチャット機能以外にも、グループウェアを選ぶ際のポイントは多岐にわたります。気になる方は、次の記事も確認してみましょう。
チャット機能のあるグループウェアの機能・料金比較表
【特典比較表つき】『グループウェアの資料9選』 はこちら⇒無料ダウンロード
一覧で料金・機能を比較したい方にはBOXILが作成した比較表がおすすめです。各社サービスを一覧で比較したい方は、下のリンクよりダウンロードしてください。
【特典比較表つき】『グループウェアの資料9選』 はこちら⇒無料ダウンロード
※ダウンロード可能な資料数は、BOXILでの掲載状況によって増減する場合があります。
チャット機能のあるグループウェア8選
Google Workspace - 株式会社サテライトオフィス
- 業務に必要なすべてのGoogle系生産性向上アプリを一元管理
- 場所やデバイスを問わない運用が可能
- 天下のGoogleサービスなので多言語展開も豊富
Google Workspaceは、Google スプレッドシートやGmailといったグーグルのサービスを利用できるグループウェアです。グーグルのグループウェア内でのサービス連携はもちろん、他社サービスとの連携に強いのが特徴です。
チャット機能は「Google Chat」から利用できます。Gmailとのシームレスな連携により、やりとりがスムーズになります。チャットからビデオ会議を直接始めたり、プラグインでチャット機能を拡張したりも可能です。
- 数万人規模の組織にも対応
- ITが苦手でも直感的に使える操作画面
- API連携でニーズにあわせたカスタマイズが可能
Garoonはサイボウズが提供する大企業向けのグループウェアです。同社のkintoneを使えば、ノーコードアプリ開発も可能で、独自の業務アプリを簡単に作成できます。
チャット機能としては、個人や特定メンバー間でのみやりとりをする「メッセージ」や、チームの連絡やタスク管理に適切な「スペース」を利用できます。チャットとToDo管理が一体化しているため、やり取りを一元管理したい企業におすすめです。
Lark(ラーク) - Lark Japan株式会社
- チャットを起点にすべてのツールが統一化
- 経営に必要なすべてのデータをリアルタイムで見える化
- ユーザー数50人までなら無料で提供
Larkはチャットを中心に多くの機能と連携しているグループウェアです。カレンダーやドキュメント、ワークフロー、Web会議、Wikiなどと連携します。
チャットにはリアルタイム翻訳機能が搭載され、異なる言語を話すメンバー間でもスムーズなコミュニケーションが可能。高度な検索機能が使えるのも特徴でキーワード、ファイル、メンバーなど広範囲の要素を検索し、必要な情報をすばやく見つけられます。
J-MOTTOグループウェア - リスモン・ビジネス・ポータル株式会社
- 通話料無料の電話・メール・チャット・無料セミナーで専門スタッフが徹底サポート
- スマートフォンやタブレットからも利用可能
- 給与明細や勤怠、オンラインストレージなど業務に役立つクラウドサービスにも拡張できる
J-MOTTOグループウェアは、同社のグループウェア「desknet's NEO」をもとに、月額165円(税込)まで価格を抑えた低コストのグループウェアです。約4,000社※の導入実績があります。
チャットにおいては、絵文字やつぶやきなどソーシャル要素の強い機能が多くSNS感覚で使えます。業務に役立つ情報を投稿したり、コミュニケーションの場として活用したり多目的に使える機能です。
※出典:リスモン・ビジネス・ポータル「クラウド型グループウェアならJ-MOTTO」(2024年5月4日閲覧)
Confluence - アトラシアン株式会社
- ブログで社内コミュニケーションを管理
- ホワイトボード、データベース、ビデオなど、さまざまな種類のコンテンツが含まれた動的ページを作成可能
- AIによって繰り返しタスクを自動化
Confluenceは、ナレッジマネジメントを主軸にコラボレーションを活性化するグループウェアです。Wikiやボードでの同時編集により、単なるチャット以上のコミュニケーションを実現します。
投稿されたチャットが関連するページに反映されるため、ページの更新状況を簡単に把握できます。他にもチャットを検索したり履歴をさかのぼったりできるため、目的のチャットを簡単に見つけられるのも便利です。
NI Collabo 360 - 株式会社NIコンサルティング
- テレワーク支援機能を標準実装
- 社内ソーシャルと顧客管理が連携された新しい顧客情報共有を提供
- 無料の専用スマートフォンアプリを多数用意
NI Collabo 360は、月額360円(税込)の高いコストパフォーマンスながら、グループ会社での導入も可能なグループウェアです。30以上※の機能をひとつにまとめているため、いくつもサービスを導入せずに済みます。
「InstaMTG」なら時間制限付きでチャットを利用できます。「常にメッセージを気にしてしまう」デメリットの回避につながるため、会議をきっちり終わらせるのに便利です。もちろん、通常のチャットとして使える「UP!」もあるため、うまく使い分けましょう。
※出典:NIコンサルティング「豊富な機能を標準搭載!| グループウェア「NI Collabo 360」」(2024年5月4日閲覧)
Microsoft 365 (旧称 Office 365) - 日本マイクロソフト株式会社
- 同一ファイルを複数人で同時編集できる
- ストレージ活用でファイルアップロードやダウンロードの工数がかからない
- カレンダー、Web会議など多くのコミュニケーションツールと組み合わせて利用可能
Microsoft 365はWordやExcelで有名なマイクロソフトの提供するグループウェアです。SaaSとしての運用に対応しているため、Excelをはじめとした同時編集はもちろん、後述のTeamsをより快適に利用できます。
チャット機能はTeamsとして提供しており、Teamsではチャットから直接音声通話を始めたり、録画を確認したりできます。WordやExcelは投稿したまま直接編集できるのをはじめ、Microsoft 365内で完結できるのが特徴です。
GroupSession - 日本トータルシステム株式会社
- 日本企業の文化にあわせた細かな設定が可能
- デスクトップに常駐してプッシュ通知できる「CrossRide」を提供
- 豊富な有償オプションと徹底したサポート体制
GroupSessionは、無料で利用できるグループウェアです。大企業はもちろん、教育機関や自治体などの公共機関を含む豊富な導入実績があります。
チャット機能はSlackをはじめとするビジネスチャットに近く、最初にやり取りするテーマを決め、ユーザーを指定してチャットルームに招待できます。また、プッシュ通知ではメッセージの見逃し予防も可能です。
グループウェアに搭載されるチャット機能の詳細
多くのチャット機能付きグループウェアでは次のような機能を搭載しています。ただし、グループウェアによっても仕様はさまざまなので、各機能の詳細については導入予定のサービスをトライアルやデモで運用してみて試してみましょう。
複数人間でのメッセージ送付
グループウェアには、複数人で一つのチャットルームに参加して会話できる機能があります。プロジェクトチームや部署など、特定のグループ内での情報共有やコミュニケーションに適しています。
なかにはトピックやテーマごとにチャットルームを分けたり、スレッドを立てたりできるシステムがあるのも特徴です。異なるトピックに関する会話はスレッドや別チャットとして切り出すことで、後から情報を見つけやすくなるのがメリットです。
1対1でのメッセージ送付(DM)
グループウェアのチャット機能は、個人間でのダイレクトメッセージ(DM)も可能なシステムが多くを占めています。1対1でのメッセージ送付機能は、個人情報を含む話やプライベートの話など、公開したくない情報をやり取りするのに適しています。
DMは、電子メールと比べてよりカジュアルなコミュニケーションが可能であり、気軽に質問や相談を行える点が特徴です。また、チャット機能の一部であるため、ファイル共有や検索機能など、グループウェアの他の機能と連携して使用できます。
メンションおよび通知
グループチャットでは、特定のメンバーに直接メッセージを送る「メンション」が可能です。メンションは、主に「@」や「To」などの記号や文字列を使って表現されます。たとえば、「@山田さん」や「To:山田さん」のように記述することで、宛先となったメンバーにのみ通知が届きます。
通知設定は、ユーザーごとにカスタマイズできるのが一般的です。通知を受け取るデバイスの選択や、通知の頻度、通知を受け取る時間帯などを細かく設定できるグループウェアが多いです。これにより、ユーザーは自分にあった通知設定を行い、チャットを効率的に活用できます。
豊富な絵文字・スタンプ
グループウェアに搭載される豊富な絵文字・スタンプ機能は、コミュニケーションを楽しくわかりやすくする機能です。文字だけでは伝えにくい感情やニュアンスを表現したり、メッセージを視覚的にわかりやすくしたりできます。
送られてきたメッセージに対し、絵文字のスタンプを付けてリアクションが取れるシステムも多いです。親指を立てる絵文字や「承知しました」「確認中」などのスタンプを付けることで返信する手間を省けます。
なかには、チャット内で使える絵文字やスタンプを画像のアップロードによって登録できるシステムもあり、社内文化や用途にあわせて使い分けができます。
ファイルの共有と編集
グループウェアのチャット機能では、ファイルを直接共有し、チャット上で閲覧や編集が可能です。これにより、メッセージのやり取りとファイルの共有を同じ場所で行え、作業効率が向上します。
また、ファイルのバージョン管理機能を備えているグループウェアもあり、編集履歴の確認や元のバージョンへの復元が可能です。
ビデオ通話・音声通話
チャット機能に加えて、ビデオ通話や音声通話機能を搭載しているグループウェアもあります。テキストベースのコミュニケーションでは伝えにくい内容も、面と向かって話し合えます。
また、ビデオ通話をしながら画面共有ができるチャット機能も多く普及しており、Web会議やオンラインミーティングを開催する際に便利な機能です。
タスクの作成と管理
チャット上でタスクの作成と管理ができる機能を備えたグループウェアもあります。会話の中で出てきた作業やタスクをリアルタイムで登録し、担当者を割り当てられます。
タスクの進捗状況もチャット上で確認でき、シームレスなコミュニケーションとタスク管理が可能です。
チャットボットとの連携
なかにはチャットボットと連携できるグループウェアも存在します。チャットボットを活用することで、よくある質問への自動応答や、簡単な作業の自動化などを行えます。
たとえば、チャットボットに話しかけることで、会議室の予約や出張の申請などが可能です。これにより、業務効率の向上と従業員の負担軽減が大きく期待できます。
チャット機能のあるグループウェアを利用するメリット
チャット機能のあるグループウェアを導入することで、社内コミュニケーションの活性化や業務効率の向上が期待できます。チャット機能付きグループウェアを利用するメリットとして考えられるのは、主に次のとおりです。
ニュアンスを伝えやすい仕組みになっている
チャット機能付きグループウェアは、コミュニケーションの活性化に大きく貢献します。メールでは伝わりにくい感情やニュアンスも、チャット機能であれば絵文字とスタンプを使って表現できます。
音声通話やビデオ通話ができるシステムも多く、これらを活用することで、より円滑なコミュニケーションが可能です。
メッセージのやり取りを追いやすい
チャットでは特定のタイミングで共有したり、過去のやり取りを検索したりすることで情報を探す手間が減ります。チーム内の議論や意思決定の過程が記録されるため、新規メンバーが過去の議論を把握するのにも役立ちます。
ツールの一本化によるコスト削減につながる
チャット機能を備えたグループウェアでは、電話やメール、ビデオ会議などをグループウェア内で完結可能です。これによって複数のツールが不要になり、コスト削減に役立ちます。また、やり取りの場所が点在しないため、連絡にかかるコスト削減もできます。
リアルタイムでの交流が可能
チャット機能を使えば、リアルタイムで情報共有やディスカッションが可能です。メンバー同士がすぐにアイデアを出し合ったり、問題解決に向けて協力したりできるため、業務の効率化とスピードアップが期待できます。
また、ファイル共有機能を活用すれば、チャット上でドキュメントの同時編集やレビューも可能です。
テレワークやリモートワークをサポートできる
チャット機能は、テレワークやリモートワークを支える重要なツールでもあります。オフィス外でもチャットを通じてメンバーとつながれるため、場所に捉われないコミュニケーションが可能です。
とくにビデオ通話機能を使えば、対面に近いコミュニケーションも実現でき、リモートワーク下でのチームワークの維持に役立ちます。
情報の一元管理による業務効率化
チャット機能付きグループウェアでは、メッセージのやり取りだけでなく、タスク管理やスケジュール管理、ファイル共有などの機能も利用可能です。これにより、業務に関する情報を一箇所に集約でき、情報の整理や共有がスムーズになります。
結果としてチャット上で関連する情報にすぐにアクセスできるため、業務の効率化が図れます。
また、近年では生成AIを用いたbotが導入されているチャットも存在し、よりスムーズに情報へのアクセスがしやすくなっているのも特徴です。
社内コミュニケーションの活性化
チャット機能を利用することで、部署を超えたコミュニケーションが活発になります。大抵の場合はグループウェアに全従業員が登録されているため、普段はあまり関わりのない他部署のメンバーとも、チャットを通じて気軽に情報交換が可能です。
これにより、アイデアの横展開や協力体制の構築が容易になり、組織全体のコミュニケーション活性化につながります。
グループウェアのチャット機能を使うデメリット
チャット機能付きグループウェアには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。グループウェアのチャット機能の使うデメリットとして考えられるのは、主に次のとおりです。
情報漏えいや不正アクセスのリスクがある
グループウェアやチャット機能は、情報漏えいをはじめとするセキュリティリスクを抱えています。たとえば、アカウントの乗っ取りやなりすまし、誤送信、情報漏えいなど、さまざまなリスクがあります。
これらのリスクを軽減するために、パスワード管理の徹底やアクセス権限の設定、ログの監査などが必要です。実際に導入する際は、十分なセキュリティ対策のあるグループウェアを選定しましょう。
重要なメッセージが埋もれる可能性もある
気軽にメッセージを送れるがゆえに、情報過多となる恐れもあります。必要のない情報や関係のない情報が頻繁に送信されると、重要な情報を見失ったり理解に時間がかかったりするかもしれません。
情報過多となるのを防ぐには、チャットグループの整理や送信内容の明確化、通知設定の調整などを適切に実施しましょう。
コミュニケーションの誤解を招く可能性がある
チャットは気軽にやり取りができる一方で、誤解やコミュニケーション不足を生む恐れがあります。絵文字やスタンプでニュアンスを伝えやすくなっているとはいえ、たとえば絵文字やスタンプを好まない、あるいは苦手な方がいるかもしれません。
実際に、ミレニアル世代とZ世代では同じ文章表現でも受け取り方が異なり、思わぬトラブルを生んでしまうことがあるのも事実です。
また、チャットばかりに頼ると対面でのコミュニケーションが減少し、エンゲージメントが低下する可能性もあります。
予防策としては絵文字やスタンプの使用、音声通話とビデオ通話の活用、対面でのコミュニケーションを適切なバランスで実施することが挙げられます。
業務とプライベートの境界線が曖昧になる恐れ
チャット機能を使うと、業務時間外でも気軽にメッセージのやり取りが可能です。これにより、かえって業務とプライベートの境界線が曖昧になり、ワークライフバランスが崩れる可能性もあります。
また、チャットでのやり取りが増えると、長時間労働につながるかもしれません。
これらの問題を防ぐには、業務時間外のチャット利用に関するルールを設けたり、メッセージの送信時間を制限したりするなどの対策が必要です。
導入や運用にコストがかかる
グループウェアの導入には、初期費用や運用費用がかかります。とくに、チャット機能の利用人数が多くなるほど、費用負担も大きくなる傾向にあります。
また、従業員へのトレーニングや運用ルールの整備など、導入後の運用コストが発生することも忘れてはいけません。
コスト面でのデメリットを最小限に抑えるには、導入規模や予算にあったグループウェアを選ぶことが重要です。また、導入後は利用状況を定期的にモニタリングし、無駄なコストがかかっていないかも確認しましょう。
グループウェアのチャット機能を最大限活用するポイント
グループウェアのチャット機能を効果的に活用するには、次に紹介するポイントを押さえておきましょう。
チャットの使い方のガイドラインを作成する
チャット機能を効果的に活用するには、社内でチャットの使い方に関するガイドラインを作成することが重要です。
ガイドラインには、チャットの目的や利用シーン、メッセージの書き方、ファイル共有の方法などを明記しましょう。また、チャットを使ううえでの注意点や禁止事項についても触れることで、トラブルを未然に防げます。
ガイドラインを社内で共有し、従業員全員が同じルールの下でチャットを活用できるようにしましょう。
緊急時における連絡方法の取り決めをする
チャットは即時性が高いコミュニケーションツールである一方、常に全員がオンラインであるとは限りません。緊急時や重要な連絡事項がある場合に備えて、チャット以外の連絡方法についても取り決めておく必要があります。
たとえば、もしものときに備えて電話やSMSが使える連絡体制を整えたり、緊急度に応じた連絡手段のルールを決めたりすることで、迅速かつ確実な情報共有が可能になります。
チャットと他の連絡手段の使い分けを明確にする
チャットは手軽にコミュニケーションできる一方で、すべての場面に適しているわけではありません。重要な意思決定や複雑な議論が必要な場合は、対面でのミーティングやオンライン会議を活用するなど、状況に応じて適切な連絡手段を選ぶことが大切です。
また、チャットでの議論の内容を後から確認できるよう、重要な決定事項については議事録を残すことも忘れずにしましょう。
チャットと他の連絡手段の使い分けを明確にすることで、効率的なコミュニケーションが実現できます。
積極的にコミュニケーションを取る
チャット機能を有効に活用するには、メンバー全員が積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。疑問や意見があれば躊躇せずに発言し、他のメンバーの投稿にもリアクションを示すようにしましょう。
活発なコミュニケーションが行われることで、情報共有や問題解決がスムーズに進みます。また、チャットを通じて互いの考えを理解し合うことで、チームの一体感も高まります。
導入目的を明確にし全従業員へ浸透させる
グループウェアのチャット機能を導入する際は、導入目的を明確にし、全従業員に浸透させることも重要です。チャット機能をどのような場面で活用するのか、どのような効果を期待するのかを明らかにし、社内で共有しましょう。
目的を理解することで、従業員はチャット機能を有効に活用するための意識をもちやすくなります。また、定期的に利用状況を確認し、必要に応じてガイドラインの見直しや再教育を行うことも大切です。
チャット機能を活用した社内コミュニケーションの例
グループウェアのチャット機能は、さまざまな場面で社内コミュニケーションを円滑にするために活用できます。次に例として、プロジェクト管理、部署間連携、情報共有における具体的なチャットの活用方法を紹介します。
これらの例を参考に、自社にあった活用方法を見つけましょう。
プロジェクト管理におけるチャットの活用法
プロジェクト管理では、チャット機能を活用することで、メンバー間のコミュニケーションを円滑に行えます。プロジェクト専用のチャンネルを作成し、タスクの割り当てやスケジュール調整、進捗報告などをチャット上で行います。
これにより、メールでのやり取りが減り、情報が一元化されるため、効率的なプロジェクト運営が可能です。また、ファイル共有機能を使って資料のレビューや編集を行ったり、ビデオ通話機能を使ってオンラインミーティングを開催したりもできます。
部署間連携におけるチャットの活用法
部署間の連携においても、チャット機能は大きな役割を果たします。複数の部署にまたがるプロジェクトでは、各部署の担当者が一つのチャンネルに集まることで、スムーズな情報共有と意思疎通が可能です。
たとえば、営業部門と開発部門が協力して新製品を開発する際、チャットを通じて顧客ニーズや技術的な課題を共有し、解決策を話し合えます。
また、部署間の情報共有チャンネルを設けることで、各部署の取り組みや課題を相互に理解し、協力体制を構築することにもつながります。
情報共有におけるチャットの活用法
社内の情報共有においても、チャット機能は効果的なツールです。全社的な連絡事項や重要なお知らせは、全従業員が参加する全体チャンネルで発信することで、確実に情報を伝達可能です。
また、部署ごとの連絡事項は、部署専用のチャンネルで共有することで、関係者だけが必要な情報を得られるようになります。社内イベントや研修の案内、新しい制度の説明など、さまざまな情報をチャットで発信することで、従業員は情報収集の手間を減らせます。
さらに、チャットに掲載された情報は検索可能なため、過去の連絡事項を調べたい場合にも簡単に参照可能です。
ほかにも、情報共有を兼ねてチャット自体をオンラインの擬似的なファイルストレージとして使う選択肢もあります。
チャット機能搭載のグループウェアを導入すべき企業の例
チャット機能を搭載したグループウェアは、さまざまな企業で活用できますが、とくに次のような特徴をもつ企業では、チャット機能による恩恵が大きいです。
最後に、チャット機能による効果が期待できる企業の例を紹介します。自社の状況に当てはまる点があれば、チャット機能付きグループウェアの導入を検討してみましょう。
リモートワークを推進している企業
リモートワークを推進している企業では、チャット機能付きグループウェアが大きな力を発揮します。
オフィスに集まることなく、チャットを通じてリアルタイムにコミュニケーションを取れるため、場所に捉われない柔軟な働き方が可能になります。
また、ビデオ通話機能を使えば、対面に近いコミュニケーションも実現可能です。チャット機能は、リモートワークにおける情報共有やチームワークの維持に欠かせないツールといえます。
プロジェクトベースで仕事を進める企業
プロジェクトベースで仕事を進める企業も、チャット機能の恩恵を大きく受けられます。
プロジェクトや案件ごとにチャンネルを作成し、メンバーが情報を共有しながら作業を進められるため、効率的なプロジェクト管理が可能です。タスクの割り当てやファイル共有、進捗報告などをチャット上で行うことで、メールでのやり取りが減り、情報が一元化されます。
また、メンバーの担当部署が異なる場合でも、チャットを通じてスムーズにコミュニケーションが取れるようになるのもメリットです。
別部署とのやり取りが多い企業
部署同士のやり取りが多い企業にとっても、チャット機能付きグループウェアは大きなメリットをもたらします。
たとえば、営業部、開発部、マーケティング部、広報部のように、それぞれが密接に関係しあう部署の場合、チャットを活用することで部署間のコミュニケーションが円滑になります。
各部署の担当者あるいはメンバーが一つのチャンネルに集まり、情報を共有しながら連携を取れるため、業務の効率化と質の向上が可能です。
社外との連携を頻繁に行う企業
社外との連携を頻繁に行う企業では、チャット機能付きグループウェアを導入することで、外部とのコミュニケーションを円滑に進められます。
たとえば、取引先や協力会社、業務委託メンバーとチャンネルを共有し、リアルタイムに情報交換やファイル共有を行うことで、スムーズな連携が可能です。
また、チャットログを活用することで、外部とのやり取りを記録に残せるため、トラブル防止や業務の可視化にも役立ちます。
従業員のエンゲージメントを高めたい企業
従業員のエンゲージメントを高めたい企業にとっても、チャット機能は効果的です。
チャットを通じて従業員同士が気軽にコミュニケーションを取ることで、職場の一体感が高まり、協力体制が構築されます。
また、経営陣と従業員のコミュニケーションにチャットを活用することで、双方向のコミュニケーションが促進され、従業員の意見や提案が反映されやすくなります。
チャット機能が搭載されたグループウェアを導入しよう
チャット機能が搭載されたグループウェアを選ぶ際には、チャットルームやスレッドを細かく分けられるか、検索をしやすいかなどに注目しましょう。
チャット機能を搭載しているグループウェア自体は多いため、使い勝手を見比べたり他機能の有無で比較したりするのがおすすめです。
グループウェアは無料プランや無料トライアルを提供している場合も多いため、導入前に試験運用しましょう。
チャット機能を搭載したグループウェアのうち最適なサービスを選ぶには、要件や予算にあわせて複数のシステムを比較検討することが大切です。
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
BOXIL会員(無料)になると次の特典が受け取れます。
- BOXIL Magazineの会員限定記事が読み放題!
- 「SaaS業界レポート」や「選び方ガイド」がダウンロードできる!
- 約800種類のビジネステンプレートが自由に使える!
BOXIL SaaSでは、SaaSやクラウドサービスの口コミを募集しています。あなたの体験が、サービス品質向上や、これから導入検討する企業の参考情報として役立ちます。
BOXIL SaaSへ掲載しませんか?
- リード獲得に強い法人向けSaaS比較・検索サイトNo.1※
- リードの従量課金で、安定的に新規顧客との接点を提供
- 累計1,200社以上の掲載実績があり、初めての比較サイト掲載でも安心
※ 日本マーケティングリサーチ機構調べ、調査概要:2021年5月期 ブランドのWEB比較印象調査